会計の基礎知識

収支決算書(収支決算報告書)とは?よく使われる事例や書き方をわかりやすく解説

収支決算書・収支決算報告書とは?よく使われる事例をわかりやすく解説

収支決算書(収支決算報告書)とは、企業などの組織における一定期間の収支をまとめた会計書類であり、年度末に作成されます。企業だけでなく、地域の自治会などの小さい組織(団体)でも、定期的に収支決算書の作成が行われています。

本記事では、収支内訳書を作成する目的や記載項目について詳しく解説します。

企業や法人の決算について知りたい方は、以下の記事をあわせてご確認ください。

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目次

収支決算書とは

収支決算書とは、一定期間(多くの場合、4月から翌年3月までの1年間)の収支をまとめた書類の通称です。具体的には、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」などの3点以上の書類のことを指します。

ここでは、収支決算書を作成する目的と、収支決算書と決算報告書の違いについて解説します。

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キャッシュ・フロー計算書とは

収支決算書を作成する目的

収支決算書を作成する目的は、経営実績や財務状況などの会社のキャッシュフローを明らかにすることです。

赤字が続いていると、融資を行ってくれる金融機関が見つかりにくくなったり、取引先への支払いができなくなったりするため、資金繰りが滞ってしまいます。

会社のお金の流れを正しく理解するために、収支決算書を作成するようにしましょう。

収支決算書と決算報告書の違い

収支決算書に似ている書類として、「決算報告書」があります。2つの書類の違いは、以下のとおりです。

 収支決算書決算報告書
作成目的社内など限られた関係者へ収支を報告するため社内や外部の関係者へ経営状況を報告するため
作成義務の有無なしあり
記載範囲特定の活動での現金の流れ・貸借対照表
・損益計算書
・キャッシュフロー計算書など

収支決算書には作成義務がありません。一方、決算報告書は会社法や法人税法、金融商品取引法などによって、作成が義務付けられています。

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収支決算書が使われる機会

収支決算書は企業に限らず、お金の出入りがあれば町内会などの自治会でも作成されます。

ここでは、一般的に用いられることの多い2種類の収支決算書について、それぞれ解説します。

町内会などの自治会の例

町内会などの自治会では、会計・経理担当者が年度末に決算書を作成し、回覧板などで会員の方が確認できるようにしているのが一般的です。


町内会などの自治会における収支決算書

収支決算書を見れば、「この1年間で会費がどのように使われたのか」「お金の入出金は適正なのか、」「年間を通して赤字か黒字か」などがわかります。

地域によっては、夏祭りなど季節の行事に使った予算も決算書に記載し、回覧板や広報誌に掲載しているところもあるようです。

町内会などの自治会程度の規模では、収支や予算で使用する項目を記録した非常にシンプルな書類のことを「収支決算書」と呼ぶことが多くなっています。

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企業の例

企業が作成する収支決算書は、税金の計算・次年度の事業目標や戦略方針の決定・株主への配当金の計算などを行うための重要な書類です。「決算書」「財務諸表」「計算書類」などとも呼ばれます。

上場企業などでは、年間決算の他にも、1年を4つの四半期に分けて3ヶ月に1回決算を行う「四半期決算」が行われる場合があります。

これまで、四半期決算がある場合は、決算ごとに収支決算書(四半期決算書)を作成し国へ提出する必要がありました。しかし2023年3月現在、四半期決算書の提出義務は廃止される見通しとなっています。

決算書は次のような書類から構成されるケースが一般的です。会社規模が大きくなればなるほど、必要な書類も増えていきます。

企業の決算書類を構成する書類の例

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • キャッシュ・フロー計算書
    ・・営業活動によるキャッシュ・フロー
    ・・投資活動によるキャッシュ・フロー
    ・・財務活動によるキャッシュ・フロー
  • 株主資本等変動計算書

決算書は、会社の経営状況を客観的に判断する材料となるため、銀行などの金融機関から融資を受ける際に提出を求められることが多くあります。

取引先がその企業に商品やサービスを提供する際に、売上金を回収できるかどうかを確認するためにも、決算書は重要な資料になります。

また、投資家が株を購入する前に投資判断をするための指標としても重要です。

収支決算書の記載項目

収支決算書には特に書式はありませんが、お金の流れを理解するという目的を果たすために、記載しておきたい項目を紹介します。項目としては、大きく以下のとおりです。

収支決算書の記載項目

  • 収入の部
  • 支出の部
  • 差引残高

それぞれの項目について、詳しく説明します。

収入の部

収入の部では、主に以下の項目について細かく記載します。

  • 収入の項目ごとの金額
  • 収入の総額

収入の項目ごとの金額は、「予算額」と「決算額」を分けて記載し、「差引増減額」についても記載するとより詳細な情報となります。

支出の部

支出の部では、主に以下の項目について細かく記載します。

  • 支出の項目ごとの金額
  • 支出の総額

支出の項目ごとの金額も収入の部と同様に、「予算額」と「決算額」を分けて記載し、「差引増減額」についても記載しておくとよいでしょう。

差引残高

「収入の総額」から「支出の総額」を差し引いた差引残高についても記載します。差引残高を記載することで、実際に残っているお金と差引残高が一致するかどうかを確認しやすくなります。

上記の項目を記載した収支決算書のイメージは、次章で紹介します。

収支決算書の具体例

上記で解説した「町内会などの自治会」と「懇談会」のケースを例に、収支決算書の具体例をみていきましょう。

町内会などの自治会の収支決算書の例

上述したように、収入の部と支出の部に分けてそれぞれ詳細の項目を記載します。そして最後に、収入総額から支出総額を差し引いた差引残高を出します。

収入の部
項目予算額決算額差引増減額概要
会費200,000円250,000円-50,000円
前年度繰越金100,000円100,000円0円
雑収入50,000円80,000円-30,000円
合計350,000円430,000円-80,000円

支出の部
項目予算額決算額差引増減額概要
消耗品50,000円30,000円20,000円領収書添付
交通費50,000円60,000円-10,000円領収書添付
通信費50,000円30,000円0円
合計130,000円120,000円10,000円

差引残高
(収入総額)430,000(円) -(支出総額)120,000(円) =(差引残高)310,000(円)

懇親会などの収支決算書の例

懇親会などを運営する場合、会員から年会費を徴収するケースが一般的です。

その会費がどのように使われたのか、現在の残高はいくらなのかなどについて、収支決算書で明確にしましょう。使途不明金などが出ないように細かいところまで明記して、経費の未計上を防ぎます。

例として、以下のように明記することができます。

収入金額
前年度繰り越し30,000円
会費 80名分240,000円
収入合計270,000円

支出金額備考
〇月〇日懇親会 飲食費160,000円参加人数
〇月〇日懇親会 会場代45,000円
重複支払者 返金分3,000円
支出合計208,000円
差引残高62,000円

懇親会などの場合、任意の加入で会費をまかなうケースも多いでしょう。つまり、収支決算書の内容に疑問をもっている人が退会してしまうと、結果的に運営資金が減ってしまうことになります。

会員に不信感を抱かせる内容にならないよう、十分に注意をしましょう。

まとめ

収支決算書は、企業・組織の実情を客観的に明らかにし、健全な運営をしていることを第三者に示すための重要な書類です。

また、社内においてもお金の流れを明確にさせるために必要な書類となります。項目の抜け漏れがないように、しっかり確認しながら作成するようにしましょう。

企業の決算書の重要性についてさらに詳しく知りたい方は「決算書は誰にとって必要か?ステークホルダーについて解説」をご覧ください。

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収支決算書とは?

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収支決算書を作成する目的は?

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