会計の基礎知識

総勘定元帳をエクセルで作成するには?記帳方法や残高の計算方法も解説

最終更新日:2023/04/06

総勘定元帳をエクセルで作成する方法とは?

総勘定元帳とは、勘定科目ごとに取引内容を記載する帳簿のことです。仕訳帳と同じく、決算書を作成する際に欠かせない主要簿のひとつです。

総勘定元帳を管理するにあたっては、会計システムなどを導入している企業が少なくありませんが、事業規模が比較的小さく、実際の取引があまり多くない場合はエクセルを活用して簡易的な総勘定元帳を作成することもできます。

本記事では、エクセルを使って総勘定元帳を作成する方法やポイントについて解説します。

目次

総勘定元帳とは

総勘定元帳とは、会社で行われたすべての取引やお金の流れを記録する帳簿のことです。

総勘定元帳では、取引の動きを勘定科目ごとに整理します。総勘定元帳を見れば、特定の勘定科目の残高や増減の内訳が一目でわかります。

ただし、総勘定元帳だけでは取引の全容を把握しづらいため、補完的な情報として仕訳帳と照らし合わせる必要があります。総勘定元帳は仕訳帳とともに、税法上7年間の保存が義務づけられています。

また、原則として税務調査の際には、総勘定元帳を提出しなければなりません。日頃から帳簿内容を正確に記載し、管理するように注意しましょう。

総勘定元帳についてより詳しく知りたい方は、別記事「総勘定元帳とは?書き方や保存期間、基礎知識を解説」をあわせてご覧ください。

総勘定元帳をエクセルで作成するメリット

経理の知識が十分にある人であれば、エクセルで総勘定元帳を作成することは決して難しくないため、手間なく簡単に管理できる点でメリットは大きいといえるでしょう。

総勘定元帳をエクセルで作成するデメリット

一方で、経理上の処理に不慣れな場合は、アナログ管理のため転記ミスや漏れなどの人為的なミスが発生しやすい点がデメリットです。年に数回発生する同じ取引にもかかわらず、日付ごとに勘定科目が統一されていないといった初歩的なミスも起こりがちです。

総勘定元帳や仕訳帳は7年間の保存義務がある重要な書類です。経理経験が少なく処理に自信のない人や、可能な限り時間をかけたくない人は、自分1人で管理しようとせずに税理士へ相談することも検討しましょう。

自分で作成したい人は、インターネット環境があればどこでも使い始められる「クラウド型会計ソフト」の利用をおすすめします。無料でお試しができるソフトも多いので、まずは自分にとって使いやすいかどうか確かめてみてはいかがでしょうか。

本記事の最後に、クラウド型会計ソフト「freee会計」を利用した場合のメリットや使い方について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

総勘定元帳のひな型をエクセルで作成する方法

まずはエクセルで総勘定元帳のひな型を作成しましょう。総勘定元帳には、次の6つの項目を記帳する必要があります。

項目項目の内容
①日付取引が行われた日付を記帳する欄
②摘要相手側の勘定科目を記帳する欄
相手の勘定科目が複数ある場合は「諸口」と記帳
③仕丁転記する情報が書かれている仕訳帳のページ数を記帳する欄
④借方・貸方仕訳帳の借方・貸方欄に従って、金額を記帳する欄
⑤借・貸借方金額の方が大きければ「借」、借方金額の方が大きければ「貸」と記帳する欄
⑥残高総勘定元帳の形式の形式には、以下の2種類
・残高式の場合:日付、摘要、仕丁、借方金額、貸方金額、残高を記入
・標準式の場合:日付、借方科目、仕丁、借方金額を借方と貸方に分けて記入

総勘定元帳を作成するには、エクセル表の左から①→⑥の順に記入します。記入が終わったら「罫線」をクリックして、格子状に線を引いてください。


借方が左、貸方は右

これで基本のひな型が出来上がりました。

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総勘定元帳に記帳する方法

総勘定元帳のひな型が出来上がったら、具体的な情報を記帳します。内容はすべて仕訳帳から正確に転記します。

ここでは、現金勘定の帳簿を残高式で記帳していきます。ちなみに「資産」である現金勘定の場合、借方がプラス、貸方がマイナスを意味します。


帳簿は借方がプラス、貸方がマイナス

仕訳帳の内容を総勘定元帳に記帳することで、この時点の現金勘定における残高内容が一目でわかるようになります。上記図解の場合、10月5日は「仕入」を行ったので、残高が一時的に500,000円下がっています。

エクセルの数式を使って残高を計算する方法

取引残高の増減を手作業で行うのは非常に煩雑なので、数式を使って簡単に計算する方法を紹介します。

10月1日の残高が1,000,000円であるとします。10月2日の残高を計算するには、2日目の残高の欄に「1日の残高 + 2日の借方 - 2日の貸方(=G3+D4-E4)」の式を入れる必要があります。


Excelで数式を使って計算する

10月3日以降の残高も同様に自動で計算できるようにするには、まずは「ctrl」キーを押したまま「D」キーを押して数式をコピーしましょう。しかし、この段階では計算していない残高の欄にも数字が勝手に入ってしまっています。

そこで「2日目の借方(D4)と貸方(E4)の数字が0であった場合は空白を表示するが、そうでない場合には残高の計算結果を表示する」ように設定しなければなりません。

先ほどの数式を「=IF(AND(D4=0,E4=0),"",G3+D4-E4)」と書き換えることで、未記入のセルには数字が反映されないようにできます。

Excelの数式を書き換える

その後、同様に他の残高のセルをドラッグしながら「ctrl」キーを押したまま「D」のキーを押して数式をコピーしてください。

10月2日に借入金として300,000円と記帳すると、10月2日の残高が1,300,000円となり、それ以降の残高の欄には空白が表示されます。これで正しく計算が行われるようになりました。

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まとめ

総勘定元帳は、エクセルで簡単に作成できるため、すぐに勘定科目の残高や内訳を確認できます。

総勘定元帳は、決算書作成に欠かせない重要な帳簿です。作成・記帳ルールをしっかりと理解し、ミスのない帳簿作成を心がけましょう。

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他のソフトではあらかじめ勘定科目を知らないと入力しにくいですが、freee会計では勘定科目がわからない場合も、よくある取引例がついた候補一覧から選択できるようになっています。

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よくある質問

総勘定元帳とは?

総勘定元帳とは、勘定科目ごとに取引内容を記載する帳簿のことで、これにより特定の勘定科目の残高や増減の内訳が一目でわかりるようになります。

総勘定元帳は仕訳帳とともに、税法上7年間の保存が義務づけられており、税務調査の際にも原則提出が必要です。

詳しくはこちらでご確認ください。

総勘定元帳をエクセルで作成するメリット・デメリットは?

経理の知識が豊富な人であれば、手間なく簡単に管理できる点でメリットです。

一方で、不慣れな場合は、転記ミスや漏れなどの人為的なミスが発生しやすい点がデメリットと言えます。

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