どんな会社でも年初や月初に経営目標をたて、それに向かって営業活動をしているはずです。予実管理を活用すれば、経営目標に向かって進んでいるのかどうかを確認することができます。
ここでは、予実管理のやり方について詳しく解説します。
目次
予実管理とは
予実管理とは、企業の予算と実績を管理することで予算実績管理ともいいます。一般的な営業は売上や仕入など数値目標を予算として計画していきます。この目標である予算通りに実績が推移しているかどうか、確認して管理することが予実管理です。
予実管理では経営目標などで設定した予算に対して実績がどの程度クリアできているのかわかります。経営目標に対してどの程度進んでいるのか、またどの程度足りていないのか達成度合いを確認することができ、足りない箇所を補強していくことができます。
また、予算と実績があまりに乖離しているようだと、そもそもの予算が誤っている可能性があります。目標は高いほどいいともいわれますが、実現不可能な目標は予算としてふさわしくありません。過去の実績を考慮して、頑張れば実現可能な予算をたてていくようにしましょう。
予実管理を行う手段
予実管理を始めると、予算と実績が明確にわかるようになります。
ただ、予算と実績を確認するだけで終わっては何も意味がありません。予算に対して実績が足りないことがほとんどとなるはずです。予算に対し実績が足りなかったので来月は頑張ろう、これだけでは全く意味がないものとなります。
予算に対して何が足りなかったのか、どうすれば予算達成できるのか、予算が現実的なものであったかチェックをして、生かしていかなければなりません。予実管理を生かして行っていくための手段は、まず時間差がないようにすることです。予算と実績の管理として対比や分析をするために時間をかけていては意味がありません。2ヶ月以上前の予算と実績を見ても今月に生かすことはできません。
最低でも毎月、余裕があれば毎週、日販が多いのであれば毎日の予算と実績の管理をしていきます。
予算と実績の乖離があれば、そこ詳細を確認していきます。何が原因なのか数値としての問題点はすぐにわかるはずです。ただし根本的な問題点はすぐにわからないことがほとんどです。
予実管理は根本的な問題を簡単に解決できるものではありませんが、数値の表面的な問題はすぐに洗いだすことはできます。まずは表面的な問題点を深く追求し、根本的な問題点を探っていくことです。
予実管理の手順
予実管理をするにあたり何から決めていくべきなのか、それは営業利益です。
過去の実績をもとにしながら数値目標を決めていくことになりますが、利益を求めていくのが企業です。売上がどんなにあっても経費が多ければ利益はほとんど出ない、場合によっては赤字となってしまいます。逆に売上が少なくても、それ以上に経費がほとんどかからないのであれば黒字となります。
また、借入が多く営業外収支で赤字となっている場合には経常利益で予実管理をしていくこともいいでしょう。まずは企業として利益をいくら出していきたいのかの利益目標をあげます。利益目標は経営者が決めることになりますが、具体的に決まっていない場合には直近の利益実績を参考にします。
ただし、予算を作成している段階では利益確定はしていないため、予想利益から予算をたてることになります。経理は利益目標となる予算を算出するための資料を作る必要がありますが、難しいものでは時間がかかってしまいます。
まずは月次試算表から損益を確認していくことで、実績としていくらの利益または損失が出ているかわかります。
ここから、売上予算、固定費予算、変動費予算を出していくことになります。過去の実績をもとにしていることもあり、現実的な数値となります。現実的な予算であれば達成することもあれば、達成しないこともあります。ここで予実管理をして、達成した部門また未達成だった部門をしっかり見極めて、改善していきます。
経理担当が予実管理をうまく行うためにできること
予実管理はだれがするのか、個人レベルでできるのが一番ですがなかなかそうはいきません。予実管理は予算と実績の数値を出すことが基本となるため、経理ですることが多いようです。経理では売上などの収入、販管費やその他の費用の支出など記録しているため予実管理をするには適役でしょう。
ただし、経理担当は数字を数字として予実管理表に入力するだけとなります。予算に対して実績の数字の入力で終わってしまうため、売上が悪かった、また仕入が多すぎて過剰在庫を抱えてしまった、など体感できません。
予実管理を生かしていくために、経理に売上などの数字を毎日送ることで、日々の実績が入ります。そのデータをもとに営業部門などでは分析して改善していくことになします。
まとめ
予実管理は、予算を絶対に達成していくためのものではありません。
予算に対しての実績がどの程度だったか、確認をして改善していくためのものです。予算が達成できないのは営業努力が足りないからだ、というのは昔の話です。確かに従業員のやる気がなければ売上はどんどん落ちてしまいます。ただ、それも含めて企業の経営者がかじ取りをしていくために予実管理を有効に活用していく必要があります。
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