会計の基礎知識

決算書の作り方を解説!作成手順や必要書類とは?

決算書の作り方を解説!作成手順や必要書類とは?

決算書とは、会社の経営状態や財務状況を表す書類のことで、正式には「財務諸表」と呼ばれます。

決算書の作成自体は専門知識をもった税理士に依頼するケースが一般的ですが、作成の流れを理解しておくと、やり取りがスムーズになります。もちろん事業が小規模のため、自分で決算を行いたいという場合にも役立ちます。

本記事では、決算書の作り方について手順や作成時に必要な書類について詳しく解説します。

目次

決算書とは

決算書とは、事業年度ごとの会社の利益と損失、現在の経営状態がわかる書類のことです。「決算書」は決算時に提出する複数の書類の総称であり、正式には「財務諸表」と呼ばれます。

簡単にいうと、決算書は会社の株主をはじめとする利害関係者に向けて、1年間の会社経営の成果を報告するための資料です。また、企業が税金を支払うための確定申告においても役立ちます。

決算書は、企業の事業年度末(決算期)に作成しなければなりません。決算期の時期は企業によって異なりますが、日本の企業では3月末とするケースが多くを占めています。

決算書について詳しく知りたい方は、別記事「決算書とは?財務三表の読み解き方や作成の流れを詳しく解説」をあわせてご確認ください。

法人決算の準備はfreee会計におまかせ

freee会計で日々の記帳を行うと、決算書を簡単に作成できます。
帳簿の作成も、自動入力や自動仕訳で入力の手間を抑えられます!

初心者の方でも安心して進められるので、ぜひお試しください。

決算書を作成するために必要な書類

決算書を作るにあたっては、数字の根拠となる帳簿や書類を揃えることから始めます。具体的には次のような帳簿・書類が必要です。

総勘定元帳

総勘定元帳とは、経理処理を含むすべての取引が科目ごとに細かく記載されている元帳のことです。これらの情報をもとに、決算書を作成します。

【関連記事】
総勘定元帳とは?書き方や保存期間、基礎知識を解説

勘定科目内訳明細書

勘定科目内訳明細書は、取引において主となる勘定科目に関して、詳しい収支を記載した書類です。これらの情報をもとに、決算書を作成します。

提出された勘定科目内訳明細書は税務署が調査し、法人税申告書が企業の実態を反映しているか確認されます。

【関連記事】
勘定科目内訳明細書を作成する際の注意

賃金台帳

賃金台帳は、社員に支払った給与、控除した社会保険料・源泉所得税などを記載した書類です。決算書に記載されている情報と一致しているかを確認するために使われます。

【関連記事】
賃金台帳とは?給与明細との違いや作成方法についてわかりやすく解説

領収書綴り

領収書綴りとは、日々の取引を行ううえで経費として支出したものの領収書を日付順にまとめたものです。領収書を確認したいときに役立つほか、税務調査でも経費の証拠書類として保管が必要です。

前期の決算書

設立2年目以降の企業であれば、売上や利益、損失などを比較するために前期の決算書も必要です。前期から引き継がなければならない資産や負債、減価償却などを確認するためにも使われます。

法人決算の準備はfreee会計におまかせ

freee会計で日々の記帳を行うと、決算書を簡単に作成できます。
帳簿の作成も、自動入力や自動仕訳で入力の手間を抑えられます!

初心者の方でも安心して進められるので、ぜひお試しください。

決算書の作成手順

3月決算の場合、決算書を作成するには次の流れとスケジュールで進めます。それぞれのタスクについては、各項目で説明します。

時期大項目小項目見込み時間
4月記帳
  • 通帳のコピーを取る
  • データ入力の際に必要となる情報を収集
  • 領収書・請求書の整理し、領収書綴り作成
1ヶ月
5月上旬決算整理事項の確認
  • 決算整理仕訳の作成
  • 整理した仕訳を会計ソフトへ入力
  • 入力したデータをもとに残高試算表作成
  • 総勘定元帳の作成
10日
5月中旬決算書の作成
  • 損益計算書と貸借対照表の作成
  • 個別注記表の作成
  • 勘定科目内訳書の作成
10日
5月下旬申告書の作成
  • 法人税申告書作成
  • 地方税(事業税・都道府県税・市町村民税)申告書作成
10日
5月末申告書の作成
税金納付
  • 法人税と消費税を税務署に申告
  • 地方税(事業税・都道府県民税)を都道府県税事務所へ申告
  • 市町村民税を各市町村へ申告
  • 金融機関にて納付
10日
5月末~書類保存
  • 決算書・申告書を決算報告書としてまとめて保管
  • 保管義務のある書類を、定められた期間保存
1日

(1)一事業年度の記帳を完了する(4月)

まずは決算書のもとになる帳簿への記帳を完了する必要があります。通帳のコピーや領収書・請求書を整理し、一事業年度の取引がわかる資料を用意します。

すべて記帳ができたら、実際の残高と突き合わせて抜け漏れがないかをチェックしましょう。

(2)決算整理事項を確認する(5月上旬)

主な決算整理事項は次のとおりです。

主な決算整理事項

  • 事業年度をまたぐ取引は今期分と来期分に仕訳
  • 在庫の点検で棚卸資産の残高を確認
  • 固定資産の減価償却

上記事項の確認が完了したら、記帳内容の修正や追加を行い、実際の残高と一致するかを最終チェックします。これをもって、決算残高は確定です。

(3)総勘定元帳と試算表を作成する(5月上旬)

仕訳した各勘定項目を総勘定元帳に転記し、それをもとに試算表を作成します。試算表を作成することで、記帳の整合性を確認できます。

借方と貸方の合計が一致しない場合は、記帳や仕訳に漏れやミスが起こっている可能性が高いため、改めて内容を見直しましょう。

【関連記事】
総勘定元帳とは?メリットや書き方などについてわかりやすく解説
試算表とは?種類や作成方法をわかりやすく解説

(4)決算書を作成する(5月中旬)

損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)、キャッシュ・フロー計算書(CF)、個別注記表、勘定科目内訳書などの決算書を作成します。

決算書の作成は膨大な情報を扱う必要があり、また専門知識が不可欠であるため、税理士に委託するケースが一般的です。

決算時に作成すべき書類について、より詳しく知りたい方は、別記事「決算申告に必要な提出書類とは?抜け漏れなく決算を行うポイントを解説」をあわせてお読みください。

法人決算の準備はfreee会計におまかせ

freee会計で日々の記帳を行うと、決算書を簡単に作成できます。
帳簿の作成も、自動入力や自動仕訳で入力の手間を抑えられます!

初心者の方でも安心して進められるので、ぜひお試しください。

(5)申告書を作成し、税金を納付する(5月下旬~5月末)

決算書を作成したら、確定した税金を税務署などに申告します。企業が支払う税金は法人税や消費税、地方税(事業税・都道府県民税)、市町村民税などです。税務申告についても、税理士に委託するケースが一般的です。

税務申告に必要な書類は以下のとおりです。

法人税申告書

法人税を申告するための書類です。財務諸表をまとめた決算報告書や税務計算書類、勘定科目明細書をひとつにまとめて提出します。


出典:国税庁「[手続名]法人税及び地方法人税の申告(法人税申告書別表等)」

消費税申告書

消費税と地方消費税を申告するための書類です。新規設立した法人の場合は、資本金が1,000万円未満であれば、1期目の消費税が免除されます。

また、2期目以降は、資本金1,000万円未満の条件であり、かつ、以下のいずれかの条件を満たした場合のみ消費税が免除されます。

  • 特定期間(*)の課税対象売上高が1,000万円以下
  • 特定期間の給与等支払額の合計額が1,000万円以下
  • 設立1期目が7ヶ月以下

(*)特定期間とは、税法上の用語で「前事業年度の上半期」のことを指します。

出典:国税庁「No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき」

法人事業概況説明書

企業の事業内容や取引の状況、従業員数などを報告するための書類です。所定の書式に沿って記入し、申告書とあわせて税務署へ提出します。

税務代理権限証書

申告書の提出や問い合わせ対応、税務調査の立ち合いなどを税理士が代行する場合に必要な書類です。この書類の作成は税理士が行います。


出典:国税庁「[手続名]税務代理の権限の明示」

地方税申告書

法人事業税と法人住民税を申告するための書類です。複数の地域に店舗や事業所がある場合は、分割して各都道府県へ申告しなければいけません。

(6)書類を保存する(5月末~)

貸借対照表や損益計算書などの決算書、総勘定元帳などは、原則として、税法上では7年間、会社法上では10年間の保管義務があると定められています。

また、税務申告書についても税法上は7年間の保管が必要です。書類ごとの保管年数を確認し、しかるべき対応を行いましょう。


出典:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」

まとめ

決算書を正確に作成するためには、日々の経理業務を抜け漏れなく行うことが大切です。会計ソフトなどのツールを活用して人為的なミスをなくし、効率的に業務を進めていきましょう。

法人決算の準備はfreee会計におまかせ

freee会計で日々の記帳を行うと、決算書を簡単に作成できます。
帳簿の作成も、自動入力や自動仕訳で入力の手間を抑えられます!

初心者の方でも安心して進められるので、ぜひお試しください。

決算書作成をラクに行いたい方はfreee会計がおすすめ!

STEP1:「決算」メニューから「決算書の作成」を選択

freee会計の決算メニュー

STEP2:出力設定をおこない、「この年度の決算書を作成」を選択

決算書の出力設定を変更し、会社に合わせたフォーマットに調整します。

表紙、貸借対照表、損益計算書、販売費および一般管理費明細書、株主資本変動計算書、個別注記表などそれぞれの出力形式を選択できます。


freee会計の決算出力設定画面

STEP3:決算書類が完成!

「この年度の決算書を作成」ボタンを押すと、貸借対照表や損益計算書がPDF出力されます。

freee会計の貸借対照表出力イメージ

freee会計の損益計算書出力イメージ

銀行やクレジットカードの明細を自動取得し勘定科目を推測するので、確認作業を行えば簡単に会計帳簿が作成できます。使えば使うほど推測の精度が上がり、経理の時間を短縮できます。

まずは、決算書作成までに必要な経理業務をfreee会計で試してみましょう。

初めて経理を行う方でも、忙しくて手間をかけたくないという方でもホーム画面上から「freee使い方サポート(無料)」をご利用いただけるのでご安心ください。

日々の経理をラクにしつつ、ややこしい決算も効率的におこないたい方は、freee会計を活用しましょう。

今すぐfreee会計を使ってみたい方は、freee会計アカウントの新規作成(無料)ページからお試しください。

よくある質問

決算書とは?

決算書とは、会社の経営状態や財務状況を表す書類のことです。「決算書」は決算時に提出する複数の書類の総称であり、正式には「財務諸表」と呼ばれます。

決算書は会社の株主などの利害関係者に向けて一年間の会社経営の成果を報告するための資料となり、企業の事業年度末(決算期)に作成しなければなりません。

詳しくはこちらでご確認ください。

決算書の作成手順・スケジュールは?

3月決算の場合、4月から領収書・請求書の整理、データ入力などを行い、5月中旬には決算書の作成に移りたいところです。

また、5月末までには各種税金に関する申告と金融機関への納付を終わらせます。その後は、保管義務のある書類を定められた期間保存しておきます。

詳しくはこちらでご確認ください。

freee会計で経理業務をかんたんに!

freee会計なら会計帳簿の作成はもちろん、初めてでも簡単に決算書や申告書も作成が可能です。

通帳と同期すれば転記作業もなく、入力ミスを大幅に削減できます。経理業務の効率化に、ぜひ一度お試しください。