会計の基礎知識

決算書作成時のポイント

経理や会計の担当部署に配属となった方にとって、避けて通ることのできない決算業務。

しかし、企業の業績を管理するためにはこの決算業務がとても重要なのです。言葉は知っているけれど一体何をすればいいのかわからないという方のために、決算書作成の流れやポイントについておさらいします。

決算の概要

決算とは、その会社が一年を通して活動してきた成果を発表する機会のようなもの。

どんな人でも学生時代、学期末や年度末にそれまでの頑張り具合を評価するための通知表というものを担任の先生から受け取っていたはずです。その仕組みに置き換えると、決算は「先生の評価」、決算書は「通知表」という位置づけになります。

決算書は、会社の株主となっている人たちに向けて、この一年間でこのような成果を上げることができましたと報告する資料ともなるのです。

決算を行ううえで必要となる作業

決算を行うためには、日々の伝票入力や仕訳入力の積み重ねが重要なポイントとなります。

会社ごとに設けられている決算月には、これらの伝票や仕訳入力の情報をもとに必要な資料を作成。作成した必要書類をもとに法人税の申告をして、納税を行います。決算時に作成した書類の中には、決算が終了したあと10年間保存が義務づけられているものもあります。

そのため、申告を行う前には作成した書類のコピーを取っておくのも大切な決算作業のひとつと言えるのです。
参考:帳簿書類等の保存期間及び保存方法|国税庁

会社によって異なる決算期

お店やデパートなどで、一年に一回見かける「決算セール」という言葉。しかし全企業がすべて同じ月に決算セールを行っているわけではなく、お店や企業によって決算セールがはじまる時期というのはまちまちです。

決算を行う月のことを「決算月」とよぶのですが、この時期は会社ごとに決められています。会計期間とよばれる会社の一年間は、その会社によってはじまりと終わりの日にちが違うもの。決算は一年の締めくくりに行われるため、会社によって差が生まれるのです。

しかしながら、日本の企業でもっとも多いのは3月決算の企業となっています。
税法が改正される際、新しい税法の適用となるのが4月1日からのケースが多いため、年度の途中で経理処理を行わなくて済むようにこの会計期間で設定している企業が多いのです。

決算書作成時に必要な書類は?

一年の締めくくりとして行われる決算では、日々つけてきた帳簿のデータをもとにさまざまな書類を作成しなければいけません。

決算時に作成する書類の総称として、「決算書」という言葉があります。決算時に作成が義務づけられている書類が全部そろったら、「決算報告書」というような表紙をつけ、ひとまとめにして提出しましょう。

以下に記載してあるものが、決算書作成時に必要となる書類の一覧です。

書類 説明
総勘定元帳 会社で行われたすべての取引、さらには経理処理についてまでが科目ごとに細かく書かれている元帳となります。取引科目がすべて記載されているので、会社を設立して間もない企業でも、かなりのページ数に及ぶ元帳です。
「主要簿」とよばれるこの総勘定元帳は、どんな会社でも作成が義務づけられており、国税庁からの税務調査時にも、かならず確認される元帳です。7年間の保管義務がある帳簿となっています。
領収書綴り 日々取引を行ううえで、経費として支出したものに対しての領収書をまとめたものです。日付の順番通りにとじていきます。
あとで領収書を確認したいときや、税務調査時にも役立つ資料です。総勘定元帳と同じく、企業には領収書綴りの作成と7年間の保管が義務づけられています。
決算報告書 「貸借対照表(BS)」・「損益計算書(PL)」・「キャッシュフロー計算書(CF)」・「株主資本等変動計算書(SS)」などがひとまとめになったものです。これらの財務諸表とよばれる書類は、法人税の申告にも必要となります。企業が銀行から融資を受ける際にも、提示を求められる書類です。
勘定科目明細書 科目明細書ともよばれるこの書類には、取引の際に主となる勘定科目に関しての収支詳細が記されています。勘定科目の動きをこと細かに記載するものなので、日ごろからの帳簿管理が重要となる書類です。日々きちんと帳簿つけを行っていなければ、決算時にこの書類を作るため膨大な時間を費やさなければいけないような事態におちいってしまいます。
法人税申告書 財務諸表をまとめた決算報告書・別表1からスタートとなる税務計算書類・収支の詳細が記載された勘定科目明細書をひとつにまとめたものです。各書類の枚数が多いため、少なくても20ページ以上の厚さとなります。法人税申告書については、国税庁のホームページ上でもダウンロードが可能です。
参考:[手続名]法人税及び地方法人税の申告(法人税申告書別表等)|国税庁
消費税申告書 消費税と地方消費税を申告するときに、必要となる書類です。新規で設立した法人の場合は、資本金が1,000万円未満か、1,000万円以上かによって納税開始の時期が変動します。
申告書に記載する納税額の計算方法はとてもシンプルですが、細かい確認ポイントがあるのでそれらの見落としがないか注意が必要です。計算の内訳を記載した付表とよばれる書類を、添付して提出しなければいけません。
法人事業概況説明書 事業概況書ともよばれるこの書類は、企業の事業内容や取引の状況、従業員数や経理状況など記載します。所定の書式が用意されているので、決められたものに必要な情報を記入して提出しなければいけません。申告書とセットにして、税務署へ提出する義務があります。
税務代理権限証書 申告書を提出する際や、問い合わせ対応、税務調査が入ったときの立ち合いなどに、税理士の代行を依頼する場合はこの書類が必要になります。決算書に必要な書類となりますが、この書類は税理士にしか作成することのできない書類です。
参考:[手続名]税務代理の権限の明示|国税庁
地方税申告書 法人事業税と法人住民税を申告するための書類です。営業所や店舗など、複数の地域で事業を営んでいる場合は、分割して申告しなければいけません。この書類は、各都道府県への提出となります。

決算書の作成手順

一例として、決算書作成におさえておきたいスケジュールとタスクを表にしました。作業にかかる日数を確認しながら、準備を進めることが重要です。

時期 大項目 小項目 見込み
時間
4月 記帳 ・通帳のコピーを取る
・データ入力の際に必要となる情報を収集
・領収書・請求書の整理し、領収書綴り作成
1か月
5月上旬 決算整理事項の確認 ・決算整理仕訳の作成
・整理した仕訳を会計ソフトへ入力
・入力したデータをもとに残高試算表作成
・総勘定元帳の作成
10日
5月中旬 決算書の作成 ・損益計算書と貸借対照表の作成
・個別注記表の作成
・勘定科目内訳書の作成
10日
5月下旬 申告書の作成 ・法人税申告書作成
・地方税(事業税・都道府県税・市町村民税)申告書作成
10日
5月末 申告書の作成・税金納付 ・法人税と消費税を税務署に申告
・地方税(事業税・都道府県民税)を都道府県税事務所へ申告
・市町村民税を各市町村へ申告
・金融機関にて納付
10日
5月末~ 書類保存 ・決算書・申告書を決算報告書としてまとめて保管
・保管義務のある書類を、定められた期間保存
1日

終わりに

決算時には、さまざまな書類がまとめられた決算書が必要となります。
日々きちんと経理作業を行うことが、スムーズに決算作業を進めるポイントです。漏れのないよう、経理業務を行っていきましょう。

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