会計の基礎知識

帳簿作成を行う前に!おさえておきたい帳簿の基礎知識

会社の経営において欠かせないのが帳簿の作成です。

帳簿の役目は、日々の取引を把握し、会社の経営状態を見えるようにすることにあります。ここでは、経理・会計担当者がおさえておくべき帳簿の基礎を解説します。
帳簿をつけることによるメリットや帳簿の種類、帳簿の保存期間なども知っておきましょう。

法人の帳簿の定義と、帳簿をつけるメリット

帳簿は日々のすべての取引を正確に記録するもので、年度末に作成する会社の決算書の基礎となるものです。会計帳簿の作成は会社法で定められており、事業上の取引だけでなく資産の変化などについてもすべて記載しなければなりません。

帳簿をつけるメリットは、日々における会社のお金の動きがわかり、会社の経営状態を把握できること。会社の経営では複雑なお金の動きも出てきますが、帳簿を作成することにより、それらをすべて把握することができます。

たとえば、取引先の金融機関などに経営状態を説明する必要が生じたときや、会社経営に必要な判断に迫られたときなどにも、会計帳簿があることで、経営状態がわかり説明や判断に困ることがありません。毎年必要な決算書も、会計帳簿をつけているからこそ作成できます。

また、月ごとの売上の推移の確認や、前年度の同じ時期との経営状況の比較なども容易になります。たとえば、どのような商品がよく売れているのか売上や利益を把握でき、それにより営業利益率や売上高経常利益率などがわかり、経営に反映することができるのです。

帳簿をつけることで、資金繰りの状態もわかります。

手元資金がどれくらいあるのかなど、会社経営において財政状態を把握することはとても大切です。帳簿があれば、四半期ごとの売上を把握したり新しい事業を始める際の判断の根拠になったりするだけでなく、決算書だけではわからない財政上の問題点なども正確に把握することができます。

帳簿は大きく分けて「主要簿」と「補助簿」の2種類

帳簿には主要簿と補助簿の2種類があります。

主要簿とは

主要簿は会社の取引全体を記録して決算書などを作成するための帳簿で、複式簿記では必ず作成しなければなりません。

主要簿には日記帳と仕訳帳、総勘定元帳の3つの帳簿があります。
このうち、日記帳は必須ではありません。仕訳帳とは、日付順にすべての取引を記録する帳簿のことで、総勘定元帳は勘定科目ごとに仕訳帳の内容を転記した帳簿です。

名前 説明
日記帳 日付順に日々の取引内容を記録する帳簿です。
仕訳帳 日々の仕訳を日付順に記録し、借方・貸方に分けて金額を記入する複式の帳簿です。
総勘定元帳 仕訳帳の内容を、「売上」や「仕入」など勘定科目ごとに記入する帳簿です。必要な内容を見返し、取引を把握するのに便利です。

補助簿とは

補助簿には、現金出納帳や仕入帳、売上帳などさまざまな種類があります。決算書などの作成には主要簿があれば十分ですが、補助簿があることで取引内容がすぐにわかるようになります。

たとえば、得意先別の売上高などを知りたければ、補助簿として得意先元帳があれば、いちいち総勘定元帳から該当する取引を探し出す手間が省けるのです。

主な補助簿には次のようなものがありますが、会社の業務内容や業種によって必要な補助簿は異なります。

名前 説明
現金出納帳 日々の現金取引の収支を記入するもの
預金出納帳 預金口座の収支を記入するもの。銀行・口座別にまとめる
支払手形記入帳 支払手形1枚ごとに、金額や支払期日、受取人などを詳細に記入するもの
受取手形記入帳 受取手形1枚ごとに、金額や支払期日、受取人などを詳細に記入するもの
商品有高帳 受け入れと払い出し、残高を商品別に記入するもの
仕入先元帳 仕入高や掛買金残高などを仕入先別に記入するもの
得意先元帳 売上高や売掛金残高を得意先別に記入するもの
仕入帳 日々の仕入高などを詳細に記入するもの
売上帳 日々の売上高などを詳細に記入するもの
経費帳 必要経費を記入するもの
固定資産台帳 減価償却資産や繰延資産などについてまとめたもの

帳簿作成時の注意点と保存期間

帳簿を作成する際は、記載漏れや仕訳間違いがないように注意して記載しなければなりません。年度によって項目などが変わらないように作成方法も統一します。

帳簿書類の保存期間は、その事業年度の確定申告書提出期限の翌日から7年間と決められています。電子取引の際のデータも同様ですが、記録を紙に印刷した場合はその用紙を保存しておけばかまいません。

保存する帳簿は、総勘定元帳や仕訳帳、現金出納帳、売上帳、仕入帳などがあります。帳簿とともに、取引等に関する書類も保存しなければなりません。書類には、棚卸表、貸借対照表、損益計算書、契約書や領収書、注文書などが含まれます。

なお、平成20年4月1日以降に取引が終了したもので、欠損金の生じた年度の事業取引については、帳簿の保存期間が9年間になりました。平成28年度税制改革によって、平成30年4月1日以後に開始する欠損金が出る年度の帳簿や書類は、保存期間がさらに延長され10年間になります。
参考:No.5930 帳簿書類等の保存期間及び保存方法|タックスアンサー|国税庁

帳簿や書類の保存方法の原則は、紙によるものです。例外として、初めからパソコンなどで帳簿や書類を作成している場合などで一定の要件を満たしていれば、サーバやCDなどの電子データでの保存でもかまいません。

この場合は、あらかじめ所轄税務署長に申請書を提出して承認を受けておく必要があります。申請書の提出期限は、承認を受けようとする帳簿の備付け開始日の3カ月前までです。

まとめ

帳簿の作成は、やり方を覚えれば難しいことではありませんが、記載漏れや記載間違いなどには細心の注意が必要です。
保存すべき書類などもきちんと管理し、正しく作成できるようにしておきましょう。

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