会計の基礎知識

決算申告の準備に必要な作業と流れまとめ

日本の法人は、事業規模に関わらず1年に1度「決算書」と税務申告書を作成し、管轄の税務署などに提出しなければなりません。

慣れないうちは面倒に思いがちな「決算の申告」は、なぜ毎年必要なのでしょうか。
このページでは、法人決算の申告が必要になる理由や、申告の準備の流れなどについてご紹介します。

決算申告はなぜ必要?

まず決算とは、会社の1年分の経営成績をまとめることです。
具体的には、毎日コツコツと記録した取引の記録をもとに、会社の1年分の損失や利益を総括した「決算書」を作成することを指します。

決算書の重要性

決算書を作らなければならない主な理由は、「会社の経営成績をいつでも提示できるようにするため」です。

決算書とは、会社の1年分の経営成績や財務状況が一目でわかる「通信簿」のようなもので、裏を返せば、決算書を作らない企業は「財政状態を把握していないずさんな会社」というイメージを持たれやすくなります。

さらに、自社の財政状態をほかの企業や金融機関に示すこともできないため、最悪「御社とは取引できない」「融資はむずかしい」と判断されてしまうことも......。
会社を経営するにあたって、これは大きな損失です。

きちんと納税するために

決算書がなければ、会社が国や地方自治体に納めるべき税(消費税や法人税など)の算出もできなくなります。

申告期日(原則として、会社が定めた決算日の翌日から2カ月以内)を過ぎても管轄の税務署等に決算書を出さなかった場合は「無申告」となり、以下の処罰を受ける可能性があります。

青色申告の取り消し
青色申告が取り消しになってしまうと、税額控除などの特例の適用が受けられなくなったり、 赤字の繰り越しができなくなったりします。 青色申告の承認が取り消されるのは、「2年連続で期日までに申告書を出さなかった時」です。

罰則
申告や納税を怠ったとして、無申告加算税などの罰則が課せられる可能性があります。

申告漏れのためにリスクを負うことのないよう、くれぐれも注意しましょう。

決算申告時に想定される準備期間と作業リスト

決算の準備には、多大な手間と時間がかかります。

また、直前にとりあえず決算をするだけでは、「事業計画を達成できそうにない」とわかった場合への対応も困難です。

少なくとも決算日の2~3カ月前には、およその着地見込み(黒字になるのか、損失はどれくらいになるのかなど、決算のおおまかな予測のこと)をたて、事業計画が達成できるように対策を行うとよいでしょう。

なお、決算申告の準備は、年度を通してこまめに行うことが理想です。日々の取引をつど記帳するのはもちろんのこと、取引の証明となる領収書や請求書の保管も重要となります。 できれば月次決算を設けて、定期的に経営成績をチェックしておくと安心です。

決算日を迎えたら

決算日を迎えたら、会社の資産と負債の状況をきちんと把握するため、以下のような作業を行います。

試算表を作る
合計残高試算表を作成します。試算表を作ることにより、決算にあたって必要になる仕訳データや総勘定元帳の誤りを洗い出すことができる点がメリットです。

棚卸し
自社にある在庫(棚卸資産)の数量を確認し、金額を計算します。

棚卸資産にあたるのは、そのまま販売できる「商品」「製品」や、加工前の「原材料」、これから業務で使用する予定の「貯蔵品」、作りかけの製品「仕掛品」などです。

現金残高や預金残高の照合
会社の現金残高や預金残高が帳簿と一致しているかどうかを確認します。

現金の場合は現金出納帳(会社の現金の出入を記録する帳簿)と実際の現金残高を、預金の場合は金融機関で発行できる「残高証明書」と帳簿を照らしあわせてチェックします。

税務調査が入った際に特に注目されるポイントなので、数値に差異がないかしっかり確認しましょう。
そのほか、決算整理や精算表の作成などを行い、決算に必要なデータをまとめていきます。

決算申告に必要な書類と申告先

決算に必要なデータをそろえたら、申告書と申告に必要な書類をまとめて所轄の税務署や地方自治体に提出し、法人税や消費税などの納税を行います。

法人決算の際に提出を求められる主な書類は、以下のとおりです。

決算報告書
貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表などからなる報告書です。会社の経営成績や財務状態がわかるようになっています。

勘定科目内訳書
各勘定科目の内訳(相手先や内容別)をわかるようにした書類です。

事業概況説明書
会社の業務内容や従業員数、支店数、売上高などをまとめた書類です。
事業内容の変更などがあった場合は、変更点について特に詳しく記載するようにしましょう。

各種確定申告書
法人税、消費税、法人事業税、法人住民税などの税額計算を行うための書類です。

確定申告書の申告先は?

決算の申告先は、納める税ごとに異なります。

たとえば法人税や消費税の納税を行う場合は税務署。 法人事業税や法人住民税を納める場合は、各都道府県の税事務所や各市区町村役場などが申告先です。

最後に

以上、法人決算の申告が必要になる理由や、申告の準備の流れなどについてご紹介しました。

どうしても申告方法がわからない場合は、税理士事務所に相談する方法もおすすめです。早めの準備を心がけてみてください。

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