会計の基礎知識

売上総利益とは?売上高との違い、計算方法、改善のポイントについて解説

最終更新日:2023/06/28

監修 税理士法人虎ノ門共同会計事務所

売上総利益とは?売上高との違い、計算方法、改善のポイントについて解説

売上総利益とは粗利益ともいわれ、売上高から売上原価を差し引いた金額のことです。売上総利益は商品やサービスの付加価値を表すものとして見ることができ、企業の経営状況を示す重要な指標のひとつでもあります。

本記事では、売上総利益と売上高やその他利益との違いから、売上総利益の計算方法や改善ポイントまで解説します。

目次

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売上総利益とは

売上総利益とは粗利益ともいわれ、売上から売上原価(仕入れや製造にかかった費用)を引いた金額を指します。

会計においては、売上総利益以外にも「利益」がつく用語がいくつか存在します。売上高を起点に、売上総利益とその他の利益との関係性を図式化すると以下のとおりです。


売上総利益とその他の利益との関係

ここでは、売上高とその他の利益との関係について詳しく説明します。

売上高との違い

売上高は、サービスや商品を販売することで得た対価の総額をいいます。

売上高は事業の利益を表す際の起点であり、一般的に売上高が高くなるほど事業規模が大きくなり、利益も伸びていきます。そのため企業はできる限り売上高を上げるために営業活動を行い、さまざまな経営施策を講じるのです。

その他の利益との関係

売上総利益以外の「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」との関係は以下のとおりです。

営業利益

営業利益は、企業が本業によって得た利益を示します。計算式で表すと、以下のとおりです。

営業利益の計算式

営業利益=売上総利益(粗利)-販売費及び一般管理費

「販売費及び一般管理費」は、広告費宣伝費や販促費などの販売までにかかる販売費と、人件費や家賃などの販売に直接関連しない一般管理費を指します。

これらの販売費と一般管理費を、売上総利益から差し引いた業績が営業利益です。営業利益は役員や従業員の賞与を算出する際に、重要な指標となることがあります。

経常利益

経常利益は、企業が本業で得た利益に本業以外から得た収益(営業外収益)を加え、その費用(営業外費用)を差し引いたものです。計算式で表すと、以下のとおりです。

経常利益の計算式

経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用

営業外収益としては家賃収入や利息など、営業外費用としては借入金の支払利息などが例として挙げられます。経常利益を見れば、企業が通常の経営活動でどの程度儲けているかがわかります。

税引前当期純利益

税引前当期純利益は、経常利益に臨時で発生した収益と損失を加味したものです。計算式で表すと、以下のとおりです。

税引前当期純利益の計算式

税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失

特別利益としては固定資産の売却益など、特別損失としては災害時などの一時的な損失などがそれぞれ該当します。税引前当期利益を見れば、税金以外の費用すべてを除いた、企業の利益がわかります。

当期純利益

当期純利益は、税引前当期純利益から各種税金を差し引き、会計上の調整額を加味したものです。計算式で表すと、以下のとおりです。

当期純利益の計算式

当期純利益=税引前当期純利益 - (法人税+住民税+事業税) ± 法人税等調整額

当期純利益は企業の最終利益がわかりますが、プラスであっても必ずしも本業が好調だとは判断できない場合があります。固定資産の売却などによる特別利益が含まれている場合には注意が必要です。

なお、法人税等調整額とは、企業の「会計上の利益」と「法人税の課税所得」との間に生じた差額を調整する勘定科目です。

当期純利益の算出には、法人税等調整額を加算もしくは減算する必要があるため、上記のような計算式になります。

売上総利益の計算方法

売上総利益を計算式で表すと、以下のとおりです。

売上高総利益率の計算式

売上総利益=売上高-売上原価

前述のとおり、売上原価とは商品の製造や仕入れなどにかかったコストのことです。たとえば売上原価3,000円の商品を5,000円で100個販売した場合、売上総利益はこのような計算式で算出します。

売上総利益の計算例

売上総利益200,000円 = 売上高500,000円 − 売上原価300,000円

製造業の場合、一般的に材料費が売上原価の多くを占めることが多く、また商品製造に関わる従業員の人件費も売上原価に計上されるため、売上原価が増加する傾向にあります。

一方で、サービス業の場合は有形の商品を提供するわけではないため材料費などはかからず、売上原価が抑えられます。

このように売上原価は業種ごとに大きく異なり、売上総利益に影響があることから、業種ごとの読み方が重要です。

売上総利益の読み方と考え方

売上高に対する売上総利益の割合によって、どれくらい利益を創出できているかが確認できます。その割合のことを、売上総利益率(粗利益率)といいます。

売上総利益率(粗利益率)を計算式で表すと、以下のとおりです。

売上総利益率の計算式

売上総利益率 = 売上総利益 ÷ 売上高

売上総利益率が高いほど、コストを抑えながら商品やサービスの付加価値を高められていると判断できます。

業種によって売上高総利益率の平均値は異なるため、自社が該当する業種の平均値と比較すれば、自社の商品やサービスが同業の競合他社よりも成功しているかどうか、競争性が高いかどうかを判断できる指標になります。

主な業種の売上高総利益率の平均は、以下のとおりです。

業種売上高総利益率
建設業23.5%
製造業21.1%
情報通信業46.8%
運輸業、郵便業24.7%
卸売業16.1%
小売業30.4%
不動産業、物品賃貸業44.0%
学術研究、専門・技術サービス業60.2%
宿泊業、飲食サービス業62.7%
生活関連サービス業、娯楽業40.2%
サービス業(他に分類されないもの)42.8%

※小数点第2位を四捨五入しています

出典:中小企業実態基本調査「令和3年確報(令和2年度決算実績)」

自社の売上総利益率が平均よりも著しく低い場合は、販売価格が低いか、余計な原価が生じている可能性があるため、見直しを図る必要があるでしょう。

売上総利益を改善するためのポイント

売上総利益が低く改善が必要な場合は、売上高を上げる、もしくは売上原価を下げるためのアプローチが求められます。具体的な方法について、重要なポイントを解説します。

売上高を上げるには

売上高を上げるための具体的な施策としては、「認知度の向上」「新規顧客の獲得」「リピーターの増加」などがあります。

顧客一人あたりの売上高を上げるため、付加価値を上げることや、商品あたりの単価を上げることも考えられます。

このような取り組みの推進によって、顧客数の増加や商品の売上増大が実現できれば、売上総利益の改善へとつながります。

売上原価を下げるには

一方、売上原価を下げるための具体的な施策としては、「原材料価格の見直し」「仕入れ先の再検討」「業務におけるコスト削減」「外注費の見直し」「人件費の削減」などが考えられます。

自社の売上原価において占める割合が大きいコストに着目し、無駄の削減やより最適な選択肢の検討は有効です。

人件費の削減については、単に人を減らすだけではなく、システムの導入や業務自動化の推進によって、長期的に効率や生産性の向上を図ることもできます。

まとめ

売上総利益を正しく把握することで、企業がどれだけ利益を創出しているかがわかり、商品やサービスの付加価値を把握できます。

売上総利益は売上原価による影響が大きく反映されることから、業種によって適切な比率は異なります。自社の業種における平均的な比率や商品やサービスの特性を考慮したうえで、売上総利益を改善していくことが重要です。

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よくある質問

売上高と売上総利益の違いは?

売上高は、サービスや商品を販売することで得た対価の総額です。売上高から売上原価を差し引いた金額を、売上総利益といいます。

詳しくは「売上高との違い」をご覧ください。

売上総利益の計算方法は?

売上総利益を計算式で表すと、以下のとおりです。

売上総利益=売上高-売上原価

詳しくは「売上総利益の計算方法」で解説しています。

監修 税理士法人虎ノ門共同会計事務所

税理士法人虎ノ門共同会計事務所は、税務・会計のエキスパート集団によるきめ細かい、多岐にわたるサービスを提供し、クライアントの発展をトータルに支援いたします。税理士・公認会計士を中心に、弁護士、弁理士、司法書士などの専門家との業務提携により、ワンストップサービスの提供を行う会計事務所です。

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