会計の基礎知識

財務会計の利害調整機能とは

財務会計の利害調節機能

 財務会計は、企業の会計期間における営業活動の結果を企業外部の利害関係者に対して公表するものです。これは「情報提供機能」と呼ばれています。同時に財務会計には、「利害調整機能」という機能があります。
この記事では、利害調整機能について詳しく解説していきます。

目次

freee会計で日々の経理業務をかんたん・ラクに

freee会計では決算書や帳簿作成はもちろん、日々の入出金管理から経営状況の把握まで効率的に行うことができます。

*1 シミラーウェブ、ローカルフォリオ(2019年10月)
*2 2021年12月末時点の有料課金ユーザー数(個人事業主を含む)

財務会計の機能

 財務会計には前述の情報提供機能と、利害調整機能の2つがあります。
情報提供機能は、これからその企業へ投資するかを検討している投資家にとっては、財政状態を知って安全な投資先かどうかを判断するために必要です。すでに出資している株主にとっては、自分の出資金がどのように運用されどのような結果を出しているのかを知る上で必要な情報です。
利害調整機能については、次の項目から説明します。

利害調整機能の役割

 利害調整機能の役割は、企業に関わる利害関係者への利益の分配方法を決定し、利害の対立が起こった際にはその利害の調整を行う機能です。
企業の利益は従業員の給与として分配されるだけでなく、外部の利害関係者にも配当や税金という形で分配されます。
その際、ある利害関係者にはメリットがあっても他方にはデメリットとなるなど、利害関係者の間で利害の対立が生じる場合があります。この場合に、両者が納得できるような仕方で利益を分配するよう調整する役割が利害調整機能となります。

利害調整機能に関わる団体

 企業の利害関係者とは、企業に出資している株主・企業に資金の貸し付けを行っている債権者・税金を徴収する立場にある国や税務局などが該当します。
次の項目からは、利害関係者同士の間、および企業と利害関係者の間の関係性を紹介します。

株主と経営者

 企業と利害関係者の対立において、株主と経営者の間での対立が占める割合は高く、利害調整機能は多くの場合この関係を調整するものとなります。
株式会社は「所有と経営の分離」を前提として存在しており、株主と経営者は資金の委託者と受託者の関係にあります。
株主は、自己の所有する資金の管理と運用を委託する者(委託者)であり、経営者は、資金の管理・運用の権限委譲を受けて、株主の利益のために行動する受託者となるのです。

 経営者は受託者として、株主から委託された資金を誠実に管理し運用し保全しなければなりません。さらに出資を受けている以上、株主に最大限の利益を還元できるよう真摯な努力をして経営活動を行う責任を負っています。この責任は、「受託責任」と呼ばれます。
 しかし、経営者がいつの場合もこの受託責任を誠実に履行するとは限りません。経営者が資金を個人的な目的のために利用し、株主の利益よりも自分の利益を優先させる可能性もあるのです。
 財務会計はこの点で、経営者が受託責任を正当に果たしているかどうかを明らかにするために必要なものとなっています。経営者にとっては自分の経営の正当性を表明することができ、株主にとっては自分の出資金が正しい仕方で運用されていることを知ることができます。
株主としては、利益が多く計上されればされるほど受け取る配当金額も高くなるので、利益が多く計上されることを期待します。

株主と債権者

 対立は、株主と債権者の間にも起こり得ます。債権者とは、企業に対して融資を行う金融機関や社債購入者を指します。
前述のように株主は企業の所有者として経営参加権を有しており、企業の利益が多く計上されればされるほど多くの配当金を受け取ることができるだけでなく、株価上昇という恩恵も受けています。しかも、経営に対する責任の範囲は自分が出資した金額内で収まるという「間接有限責任」です。

 一方で、債権者は経営に参加する権利はありません。しかも企業が倒産すれば貸付金が回収不能になる可能性もあります。
株主は高い配当を歓迎しますが、債権者の立場としては企業の財産を多大な配当によって流出させることを望みません。貸付金の回収が困難になることのないよう、利益をできるだけ社内に留めて自己資本を多く有しておく、という慎重な財務管理を求めています。

 このような両者の利害関係を調整するために、財務諸表を用いて算出する「分配可能額」という規定が設けられています。この分配可能額が定められていることにより、株主には法定の配当を支払い、債権者には法定通りの割合で純資産を保全していることを表明できます。
財務会計は、この分配可能額が正しく算定されているかどうかを債権者が確認するための役割も果たしています。

企業と国

 税務局などの国の機関も、企業が税務において協力したり各種税金を支払うこととなる利害関係者のひとつと言えます。
企業の利益が大きいほど徴収できる税額は増え、国や企業が所在する地域社会も潤います。
 企業としては、財務諸表によって経営実績や資産の状態を明確に示し、正当な税額を定めるよう要請することができます。
企業と国が対立することは少ないですが、企業が不正あるいはずさんな会計を行う場合には、国として企業に何らかの処分を下す可能性があります。
基本的には、正確な会計を行い正直に納税している場合、企業と国が対立することは少ないと言えます。

まとめ

 企業を取り巻く利害関係者にはそれぞれの立場や言い分があり、企業が獲得した利益の分配を巡る対立は避けられません。
財務会計の利害調整機能は、これらの利害関係者すべてが納得できるよう公平な利益の分配を行う役割を担っているのです。

経理を自動化し、日々の業務をもっとラクにする方法

経理業務には日々の入出金管理だけでなく、請求書や領収書の作成から保存まで多岐にわたります。

シェアNo.1のクラウド会計ソフト(*1)「freee会計」では、面倒な仕訳や入力作業を自動化、必要書類も簡単に作成でき、経理業務にかかる時間を半分以下(*2)に削減できます。
※1.シミラーウェブ、ローカルフォリオ(2019年10月)
※2.自社調べ。回答数1097法人。業務時間が1/2以上削減された法人数


また、関連書類はクラウド内で保存が可能です。管理にかかるコストも削減でき、書類の破損や紛失の心配もありません。

数あるソフトの中でも、freee会計を導入するメリットをご紹介します。

freee会計

明細の自動取り込みで日々の帳簿作成が簡単・ラクに!

銀行口座やクレジットカードを同期することにより、利用明細を自動的に取り込むことができます。取り込んだ明細から勘定科目の登録はもちろん、売掛金や買掛金の消し込み、資金の移動などの記帳も可能です。

明細を手入力ではなく自動的に取り込むため、入力の手間や漏れなく正確な帳簿を作成できます。

freee会計

経営層にもわかりやすいレポートを自動作成!

会社を経営するうえで重要なのはお金の流れです。freee会計では、お金の流れをリアルタイムで把握できるレポートを自動で作成できます。

たとえば「資金繰りレポート」を作成すると、今後のお金の出入りを踏まえた上で現金の残高推移を確認することができます。現金の動きを把握することで、資金ショートの防止につながります。


freee会計で出力したレポートのイメージ

決算関連の書類作成にも対応!

freee会計では、中小企業の決算関連書類を自動的に作成できます。

<freee会計で出力可能な書類の一例>

  • 貸借対照表・損益計算書
  • 仕訳帳・総勘定元帳
  • 現金出納帳 など
PDFやCSVファイルに出力することも可能なため、士業の方への共有や社内での資料作成にも活用できます。

ほかにもfreee会計には、効率的な経理を実現するための機能が豊富に備わっています。

<freee会計の機能例>
  • 見積書/請求書/納品書の発行
  • 入金確認や消込、帳簿への反映
  • 支払管理や振込ファイルの自動作成
  • 証憑管理(電子帳簿保存対応)etc...
freee会計は、30日間の無料お試し期間を設けています。無料お試し期間でもサポート機能の利用も可能なので、気になる方はまず無料でお試しされることをおすすめします。

今すぐfreee会計を使ってみたい方は、freee会計アカウントの新規作成(無料)ページからお試しください。

freee会計で経理業務をかんたんに!

freee会計なら会計帳簿の作成はもちろん、初めてでも簡単に決算書や申告書も作成が可能です。

通帳と同期すれば転記作業もなく、入力ミスを大幅に削減できます。経理業務の効率化に、ぜひ一度お試しください。