会計の基礎知識

売上原価とは?計算方法や仕訳について

売上原価とは?計算方法や仕訳について

売上原価は損益計算書の費用の部に計上される項目のひとつです。目にしたことがある方も多いでしょう。しかし、言葉の意味や計算方法きちんと説明できる、という人は意外と少ないのではないでしょうか。

この記事では売上原価の意味や計算方法、決算整理仕訳などをわかりやすく解説していきます。

目次

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売上原価とは

売上原価とは、売れた商品の仕入れや製造にかかった費用のことで、「商品が売れた」際に計上する原価のことを意味します。

注意すべきポイントは「売れた商品」に限った原価であり、「売れ残った商品」の原価は売上原価に含まないということ。

売上原価は、主に粗利(売上総利益)を算出するために用いられ、損益計算書のいちばん上に表記されます。

粗利(売上総利益)= 売上 ー 売上原価

粗利(売上総利益)とは、売上から売上原価を引いた数値のことを指します。
売上に占める売上原価率の割合が小さいほど、粗利率(売上利益率)は低くなり、儲かりやすいビジネスと言えるでしょう。

ただし粗利率(売上利益率)は業種によって大きく異なり、たとえば仕入れを行う卸売業や小売業は売上に占める売上原価率の割合が大きくなるため、比較的粗利率(売上利益率)が低い傾向にあります。

売上原価を構成する費用の内訳

では、具体的に売上原価はどんな費用から構成されるものでしょうか。該当する費用の範囲は業種によって変わります。この記事では、例として小売業に関する内訳費用を確認していきます。

小売業の場合

仕入れにかかった費用が売上原価に該当します。

これは「売れた商品」の仕入れにかかった費用はもちろん、実は「売れなかった商品分」に関しても計上を要する費用があります。
売れなかった分に関して、売上原価に計上するものは大きく2つ。棚卸しを実施して判明した在庫のロス分の原価と、売れ残り商品の評価損です。

在庫のロス分の原価とは
棚卸しの実施によって判明した在庫のロス分とは、たとえば、在庫管理表で100あるはずの商品が、実地棚卸しを行った時に98しかなかったケース。この在庫の差異がロスを意味します。ロスの要因は複数ありますが、商品管理や在庫管理が行き届いていないといった事態が想定されるでしょう。

売れ残り商品の評価損とは
売れ残り商品の評価損とは、在庫評価において、「低価法」を採用した場合に出てくるものです。

在庫の金額を計算する方法は、原価法と低価法という2つの考え方に大別されます。原価法は、在庫の取得原価をもとに計算する方法、低価法は原価法による評価額と期末時価のいずれか低いほうの価額を用いて計算する方法です。

評価額と期末時価が異なる場合とは、期末時点において商品に損傷や変色などが発生してしまうといった物理的原因による価値の減少や、新しいモデルの販売などによる経済的原因による価値の減少があります。

そのため低価法を採用し、評価額に差異があった場合には、売れ残り商品に対して評価額が下がった分の費用が発生することになります。

売上原価の計算方法は

売上原価の計算方法は以下のとおりです。

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高
わかりやすく解説するために、前述した小売業をもとに具体例を見ていきましょう。

例題:
仮に、設立1年目に1,000円の商品Aを10個仕入れたとします。1年目に販売した商品Aは仕入れたうちの4個でした。実地棚卸しを行った結果、期末在庫は6個ありました。

【設立1年目】
商品Aを仕入れ
商品A価格:1000円
仕入れ個数:10個

販売個数:4個
期末在庫:6個

2年目には追加で2,000円の商品Bを3個仕入れました。2年目に販売した商品は1年目に仕入れた商品A5個と2年目に仕入れた商品B1個でした。実地棚卸しを行なった結果、期末在庫は1,000円で仕入れた商品Aが1個、2,000円で仕入れた商品Bが2個ありました。

【2年目】
商品Bを追加で仕入れ
商品B価格:2000円
仕入れ個数:3個

販売個数:商品Aが5個
    :商品Bが1個
期末在庫:商品Aが1個
    :商品Bが2個

この時、設立1年目と2年目の売上原価はそれぞれどうなるでしょうか。在庫の評価には原価法を採用するとします。

設立1年目は非常に簡単で、式に当てはめてみると下記になります。

4,000 (売上原価) = 0 (期首商品棚卸高) + 1,000 × 10 (当期商品仕入高) - 1,000 × 6 (期末商品棚卸高)

あるいは売れた商品の原価だけ計算すれば良いので下記でも算出できます。

4,000 (売上原価) = 1,000 × 4

設立2年目の場合、式に当てはめると下記になります。

7,000 (売上原価) = 1,000 × 6 (期首商品棚卸高) + 2,000 × 3 (当期商品仕入高) - (1,000 × 1 + 2,000 × 2) (期末商品棚卸高)

仕入れ金額全体から売れ残り分を差し引くことで、間接的に2年目に販売された金額を求めるイメージです。式にしてみると売れた数と仕入れ額から算出する方が簡単に見えますが、在庫数の実態から反映して計算できるため、一般的にはこちらの方法が用いられています。

売上原価の決算整理仕訳とは

売上原価に関わる具体的な仕訳処理はどのように行うのでしょうか。
これには、仕入れや販売を行なった期中と、決算の時には期末商品棚卸高を仕入という「費用」から繰越商品という「資産」に振り返る作業があります。

このような決算のために行う仕訳のことを「決算整理仕訳」と呼びます。また、売上原価の仕訳以外にも現金に不足がなかったか、銀行の残高証明書と預金勘定の残高が一致しているかどうかをチェックする作業なども決算整理仕訳の作業に含まれます。

売上原価の計算方法を説明する際に用いた例題をもとに、仕訳の方法も見てみましょう。

設立1年目の期中の仕入れ、販売時の仕訳と決算整理仕訳を行います。
1,000円の商品Aを現金で10個仕入れ、販売した商品Aは仕入れたうちの4個でした。販売は1個あたり1,500円で代金は現金で受け取りました。実地棚卸しを行った結果、期末在庫は6個ありました。この時の仕訳は下記になります。

【設立1年目】
商品A仕入れ価格:1,000円
商品A仕入れ個数:10個
決済手段:現金

商品A販売価格:1,500円
販売個数:4個
決済手段:現金

期末在庫:6個


仕入れ:1,000円の商品Aを現金で10個仕入れました。
借方 金額 貸方 金額
仕入れ 10,000 現金 10,000

販売:販売した商品Aは仕入れたうちの4個でした。販売は1個あたり1,500円で代金は現金で受け取りました。
借方 金額 貸方 金額
現金 6,000 売上 6,000

決算整理:実地棚卸しを行った結果、期末在庫は6個ありました。
借方 金額 貸方 金額
仕入れ 6,000 繰越商品 6,000

それでは設立2年目の場合はどうなるでしょうか。

2年目は、追加で2,000円の商品Bを現金で3個仕入れました。2年目に販売した商品は1年目に仕入れた商品A5個(1個あたり1,500円で販売)と2年目に仕入れた商品B1個(1個あたり3,000円で販売)でした。いずれも代金は現金で受け取りました。

実地棚卸しを行なった結果、期末在庫は1,000円で仕入れた商品Aが1個、2,000円で仕入れた商品Bが2個ありました。

【設立2年目】
商品B仕入れ価格:2000円
商品B仕入れ個数:3個
決済手段:現金

商品A販売価格:1,500円
商品B販売価格:3,000円
販売個数:商品Aが5個
    :商品Bが1個

期末在庫:商品Aが1個
    :商品Bが2個


仕入れ:2,000円の商品Bを現金で3個仕入れました。
借方 金額 貸方 金額
仕入れ 6,000 現金 6,000

販売:1年目に仕入れた商品A5個(1個あたり1,500円で販売)と2年目に仕入れた商品B1個(1個あたり3,000円で販売)でした。いずれも代金は現金で受け取りました。
借方 金額 貸方 金額
現金 10,500 売上 10,500

決算整理:実地棚卸しを行なった結果、期末在庫は1,000円で仕入れた商品Aが1個、2,000円で仕入れた商品Bが2個ありました。期首商品棚卸高は6,000円、期末商品棚卸高は5,000円になりました。
借方 金額 貸方 金額
仕入れ 6,000 繰越商品 6,000
繰越商品 5,000 仕入れ 5,000

前期の在庫で残った分、期首商品棚卸高を仕入れに逆仕訳を行い、当期の在庫で残った分を新しく繰越商品に振替を行います。

まとめ

日々の帳簿付けを行なっていれば、売上原価の計算や仕訳作業自体は難しくないでしょう。しかしながら、日々の業務に追われ、どうしても経理は後回しになってしまい、なかなかリアルタイムでの帳簿付けができていない、という方も多いのではないでしょうか。

決算期に慌てて帳簿付けを行うことで、難しいわけではない会計処理にさえも転記ミスや計算ミスといったヒューマンエラーが発生しがちになります。日々の会計処理を効率的にできるよう、銀行口座や売上データを連動できる、クラウド会計ソフトの導入をご検討されることをおすすめします。

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