会計の基礎知識

買掛金とは?買掛金の基礎知識と仕訳方法・売掛金・未払金との違い

公開日:2019/12/06

買掛金とは?買掛金の基礎知識と仕訳方法・売掛金・未払金との違い

事業を継続していく過程において、原材料や商品を仕入れる機会は多くあるものです。その際に発生するのが買掛金であり、ビジネスが拡大するほど買掛金の金額も増えていきます。売上の回収サイクルが長く、支払いのサイクルが短ければ資金繰りが悪化してしまう可能性もあるので注意が必要です。

安定的な経営を行うためにも、買掛金に関する基礎知識や仕訳方法などを理解しておきましょう。売掛金や未払金との違いも踏まえたうえで、詳しく解説していきます。

目次

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買掛金とは?

買掛金とは、原材料や商品を仕入れた際の掛け取引で使用する勘定科目で、あとから代金を支払わなければならない債務を指します。

多くの原材料や商品を仕入れるときに、その都度精算をしていては自社と取引先の双方で事務負担が増加してしまいます。そのため、掛け取引を利用することによって月末締め・翌月末払いといった形でまとめることで、簡単に取引と経理処理を行うことができます。

買掛金と売掛金の違い

買掛金と売掛金は、掛け取引を行ったときに発生する勘定科目という点では同じです。しかし、定義はそれぞれ異なります。

原材料や商品を仕入れて代金を後から支払うものが買掛金であり、商品を販売した後にあとから代金を受取るものが売掛金です。A社がB社に対して商品を掛け取引で納品した場合、A社には将来代金を受け取ることができる権利(債権)として売掛金が発生し、B社には将来支払うべき義務(債務)として買掛金が発生します。

買掛金は負債となる仕入に紐づき、売掛金は資産で売上に紐づきます。これらは裏表の関係にある点を押さえておきましょう。

【関連記事】売掛金とは? 売掛金の基礎知識と仕訳方法、買掛金・未収金との違い

買掛金と未払金、未払費用の違い

買掛金とよく似た言葉として未払金という勘定科目がありますが、両者には明確な違いがあります。損益計算書の勘定科目が売上原価の場合は買掛金、損益計算書の項目で役務提供が完了しているものが未払金です。

【関連記事】売上原価とは?計算方法や仕訳について

未払金は固定資産(土地建物・機械設備・車両など)・有価証券・外注費・消耗品などの対価としての債務を表します。給与・家賃・利息・保険料などにかかる債務は未払費用となります。

また未払金は、役務提供を受けたもののうち、債務の金額が決まっているもの(継続するものを含む)を指します。一方で、継続して役務提供を受けているもののうち、まだ債務が確定していない部分は未払費用となります。

未払金は支払いが確定しても、後日精算されるまでの期間は貸借対照表の負債として計上されます。支払期日が1年以内のものは未払金として計上し、1年を超えるものは長期未払金として処理を行います。仕訳を行うときには、買掛金と区別して未払金の処理を行う必要があるので注意しておきましょう。

買掛金の仕訳方法

買掛金は事業活動において、日常的に使用する勘定科目であるため、しっかりと使いこなせるようにしておくことが大切です。仕訳を行う際に意識しておくべきポイントについて解説します。

勘定科目・貸方・借方

買掛金は仕入れを行った時点では代金を支払うわけではないため、貸借対照表においては負債として処理します。たとえば、1,000円の商品を仕入れて代金を掛けとする場合には、以下のような仕訳になります。

《仕入時》
借方 金額 貸方 金額
仕入高 1,000円 買掛金 1,000円

買掛金という負債が発生したので貸方に記載し、仕入高は費用に区分されるため借方に記載します。

そして後日、買掛金を現金で支払ったときには、以下のような仕訳になります。


《現金で支払いを行ったとき》
借方 金額 貸方 金額
買掛金 1,000円 現金 1,000円

仕入れの際に発生した負債がなくなるため、借方に買掛金と記載します。そして、現金を支払うことによって資産が減少するため貸方に現金と記載します。

消費税の仕訳

消費税の経理処理については、「税込経理方式」と「税抜経理方式」の2種類があります。税込経理は、消費税額を仕入高に含めて処理する方法です。

その一方で、税抜経理では消費税額を仕入高に含めず、区別して処理する方法となります。たとえば、1,000円の商品を仕入れたときに消費税が100円発生したとすると、それぞれ以下のような仕訳を行います。

《税込み経理方式》
借方 金額 貸方 金額
仕入高 1,100円 買掛金 1,100円

《税抜き経理方式》
借方 金額 貸方 金額
仕入高 1,100円 買掛金 1,100円
仮払消費税等 100円

免税事業者の場合は税込経理方式で処理を行い、課税事業者の場合は2つの方式のどちらを選択しても問題ありません。会計ソフトを使って仕訳作業を行うときには、きちんと設定を行って業務に取り組むことが大切です。

もっと知りたい買掛金の基礎知識

買掛金の管理は資金繰りにも影響を与えるものであるため、どのようなポイントを意識してチェックすべきなのかを押さえておく必要があります。買掛金元帳や回転期間・回転率、時効の有無などについて詳しく見ていきましょう。

買掛金元帳とは?

買掛金元帳は、取引先ごとの買掛金を管理するための補助簿であり、仕入先元帳と呼ばれることもあります。総勘定元帳を見れば買掛金の増減自体は分かりますが、どの取引先に対して、どれくらいの買掛金が残っているかが分かりません。

そのため、買掛金元帳を作成することによって取引先ごとの状況を把握するとともに、買掛金の支払い漏れを防ぐことができます。支払い漏れが生じた場合、取引先との信頼関係にも影響を与えてしまうので、日頃からこまめにチェックしておくことが大切です。

事業の拡大に伴って取引先が増加するほど、買掛金の管理は重要になってきます。会計ソフトを利用すれば、仕入れに関する情報を入力するだけで、買掛金元帳に自動で転記されるため便利です。

回転期間と回転率

買掛金における回転期間は、買掛(仕入)債務回転期間と呼ばれ、仕入れを行ってから実際に支払いを行うまでにどれくらいの期間を必要とするのかを示す指標です。事業の安定性を見るためのものであり、次のような計算式で算出します。

買掛債務÷仕入高(売上原価)×365=買掛債務回転期間 (日)
買掛債務÷仕入高(売上原価)×12=買掛債務回転期間(月)

買掛金の回転期間が短いほど、支払いが滞りなく行われていることを示しており、対外的な信用度を表す指標となるのです。そして、買掛金の回転率は買掛(仕入)回転率のことであり、計算式は以下の通りとなります。

仕入高(売上原価) ÷ 買掛(仕入)債務=買掛債務回転率

買掛債務回転率が低ければ、仕入れを行ってから支払うまでの期間が長いと判断されるため、資金繰りに余裕があると見られるのが一般的です。逆に、買掛債務回転率が高ければ、仕入先から早期に支払いを求められていると判断されるため、資金繰りに問題があると見なされる場合もあります。

ただ、回転期間や回転率は過去の実績と照らし合わせて判断する必要があるので、これらの数字を単体だけ見て判断するのは良くありません。売上や資金繰りを示す指標と見比べて、経営の健全性を捉えていくことが大切です。

買掛金に時効はある?

自社における買掛金は、取引先にとっては売掛金ということになります。民法の規定によって売掛金には時効が適用されるため、売掛金の存在がなくなった時点で債務者の買掛金も支払い義務が消滅します。

2020年4月から施行される改正民法においては、売掛金の消滅時効期間は業種に関わらず、原則として5年と定められました。商品の販売代金などの時効は2年となっています。

債務者側が時効を適用するためには、自ら主張を行う必要がある点にも注意が必要です。

まとめ

買掛金の適切な処理は、日々の取引をスムーズに行うだけでなく、会社の資金繰りを円滑にするためにも重要です。事業の拡大によって取引先が増えていけば、それだけ経理作業も増えていきます。取引先との良好な関係を保つためにも、買掛金の支払い漏れがないように意識を向けておくことが大切です。

クラウド型の会計ソフトを利用すれば、取引先ごとの買掛金を素早くチェックすることができます。日々の経理状況をきちんと把握するためにも、自社の実情に合わせた仕組みを整えてみましょう。

監修:筧 智家至(公認会計士・税理士)

慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:税理士法人グランサーズ)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。

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