最終更新日:2020/12/25

現金の入出金を記録する「現金出納帳」。税理士に経理を依頼していても、「これだけは自分で作成してください」と言われることが多くなっているため、記録の仕方について頭に入れておく必要があります。
本記事では、現金出納帳の必要性や、作成する際の具体的な項目、現金出納帳よりも簡単にお金の流れを記録する方法について解説していきます。
目次
現金出納帳とは
現金出納帳とは、「お金の入出金を記録」し、「帳簿の残高と現金残高が一致しているかどうかを確認する」帳簿のことです。
法人または個人事業主としてビジネスをするにあたっては「お金の流れ」を必ず記録しておく必要があります。
商売の基本であり最も重要なことは「いくら支払い(支出)」「いくらのお金を得る(入金)」ことができたのかを正しく把握することです。
現金出納帳は支払いの場合、「いつ、何のために、どこに、いくら支払ったのか」を記載します。逆に入金の場合も、「いつ、何のために、どこから、いくらお金が入金されたのか」を記載します。
日々の入出金を記録する現金出納帳は重要な会計帳簿になりますので、作成し保存しておくことが必要です。
もし現金取引はほとんど発生しない、という場合もお金の流れは何かの手段で把握しておくことが重要です。クラウド会計ソフトなどを用いて銀行口座の入出金データを同期しておくと、会社全体のお金の流れがリアルタイムに把握できます。
現金出納帳と小口現金出納帳の違い
現金出納帳とよく似た帳簿に「小口現金出納帳(こぐちげんきんすいとうちょう)」があります。どちらも入出金の記録をするのですが、小口現金出納帳は会社や店舗に置いてある少額の現金を記録するために用いられるものです。
例えば、日々発生する消耗品の購入費や、従業員の交通費・出張費などは、銀行口座ではなく事務所やオフィスの金庫等に保管されます。事務所やオフィスが複数ある場合などは、現金出納帳ひとつで全てを記録するのが難しくなりますので、各事務所やオフィスごとに小口現金出納帳を作成するのが一般的です。
現金出納帳の必要性
現金出納帳をつける必要性は「お金の流れを可視化すること」「不正を防止すること」の2つが考えられます。それぞれについて解説します。
お金の流れを可視化することができる
現金出納帳が必要な理由の1つは、お金の取引を可視化することができることです。小売店を経営している企業であれば、店舗での販売では現金取引が行われるケースが多いでしょう。また、備品の購入の際に現金で支払うこともあるでしょう。現金出納帳をつけていることで、どこからどのような形でお金の入出金があったのかを可視化することができます。
不正を防止することができる
二つ目の理由として、不正なお金の使い込みを防止に役立つことが挙げられます。会社組織において、従業員による不正は起こり得ないとは言い切れません。起きてしまう前に、事前の対策が重要です。
仮に、経理担当者がプライベートの支払い領収書をあたかも会社経費として改ざんした場合、気づくことはできるでしょうか? また、現金の抜き取りや持ち出しといった不正が起きた場合、いつ、いくら無くなったのか正確に把握できるでしょうか?
現金出納帳が正確につけることで、不正な金額の出金がないかどうかを確認することができます。
現金出納帳に記載する項目の解説
現金出納帳には最低限必要な以下6つの項目に分かれており、「日付」「科目」「摘要」「収入金額」「支出金額」「差引残高」があります。その他に「合計金額」「繰越金額」を記入する場合もあります。
それぞれの項目について以下に解説していきます。

- ① 日付
-
お金の入金もしくは支払いがあった日付を記入する項目です。日付順に記入していき、同じ日に収入や支出があった場合、それぞれ別の欄に記載していく必要があります。
また、領収書の立替精算の振込などは領収書の日付を記載するのではなく、精算日の出金として記載します。
- ② 科目
- 収入や支出などお金がどこから入ってきて、どのような費用になるのか分類したものを記載します。科目は「交通費」「光熱費」「雑費」など様々です。
- ③ 摘要
- 収入・支出など取引先との間に起こる取引内容など何のためにお金の出入りがあったのかを具体的に記載します。また、お金の出入り口についても「○○銀行へ入金・□□銀行より出金」と記載します。
- ④ 収入・支出金額
- 入金・出金した金額を記載します。消費税については税込金額を記載します。
- ⑤ 差引残高
-
日次で行う差引残高は次の計算式によって算出されます。
差引残高=前日の差引残高+当日の収入金額-当日の支出金額です。
月次や年次の差引残高を算出する場合も同様に
差引残高(月または年度)=前月(前年)の繰越金+(月または年度)収入合計-(月または年度の)支出合計を記載します。
また、月次や年次の差引残高は月(年)の収入・支出金額と月(年)の繰越金額を計算しておく必要があります。
現金出納帳をあつかうときに注意すべき点
次の差引残高で金額が合わない場合は、転記ミスはないか、記帳の桁違いはないか、誤った入出金はないか、など原因を探る調査をその日のうちに行います。
それでも、過不足金の原因がわからない場合は、「現金過不足」という科目を使用し処理します。ここでの注意点は、経理担当者は1円でも過不足金があった場合、決して自身で過不分の金額を抜いたり、補填したりを行ってはいけないということです。
現金過不足が生じたということは業務の過程で何らかのミスがあったということです。ミスに目をつむるのではなく、次に同じミスが起きないように業務改善をしていくことが大切です。
冒頭にお伝えしたように、現金出納帳はお金の入出金の記録と差引残高の確認をするための帳簿です。会社の適切なお金の管理の情報になるため注意して取り扱いましょう。
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