監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所

耐用年数とは、減価償却資産として扱われる固定資産が、価値を保ちつつ使用できるとされる期間のことです。
企業や個人事業主が建物や機械などの資産を取得した場合、その資産の価値は時間の経過とともに徐々に減っていきます。そのため、耐用年数にわたって、資産の価値を少しずつ費用として計上する減価償却を行わなければなりません。
税務処理で参照するのは、省令で定められた「法定耐用年数」です。法定耐用年数の長さは、資産の種類や用途によって異なります。
本記事では、耐用年数の基本情報や減価償却の計算方法、主な資産の法定耐用年数、中古資産の耐用年数の算出方法まで、詳しく解説します。
目次
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耐用年数とは?
耐用年数とは、減価償却資産として扱われる固定資産が、価値を保ちつつ使用できるとされる期間のことです。
会計上、建物や備品、機械などの資産は、時間の経過とともに価値が減少し、いずれ使用できなくなると考えます。このような固定資産を、減価償却資産といいます。
「減価償却資産が使用できる期間」として認められた年数が「耐用年数」であり、耐用年数は、減価償却資産の種類や用途などによって細かく設定されています。主な減価償却資産の種類と各耐用年数の一覧は、国税庁のサイトからも確認できます。
耐用年数と減価償却資産の関係
減価償却資産の対象は、耐用年数が1年以上かつ、取得価額が10万円以上のものです。具体的には、建物や機械、車両運搬具などが減価償却資産の対象です。
一方、土地や骨董品などのような、時間の経過によって価値が下がらないものは、減価償却資産の対象とはなりません。
減価償却とは?
減価償却とは、減価償却資産に該当する固定資産に支払った費用を、一定期間で配分し費用計上する会計処理のことです。これは、収益に対応している分の費用を計上する「費用収益対応の原則」に基づきます。
減価償却の目的は、経営成績を正しく把握することです。固定資産を取得した金額を一度に費用で計上した場合、その期のみ費用が増加し、正確な業績把握がしづらくなるなどのリスクが生じます。
減価償却を行うことで、資産の取得が業績に与えた正確な影響を判断しやすくなります。
減価償却について詳しく知りたい方は、別記事「減価償却とは?償却できる資産や計算方法、耐用年数をわかりやすく解説」をご覧ください。
法定耐用年数とは
法定耐用年数とは、財務省令「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表で定められた減価償却資産の使用可能期間です。減価償却資産の処理を行う際は、公平性を担保するためにも、原則として法定耐用年数にしたがって処理します。
本来、減価償却資産の使用可能期間は、使い方や性能に応じて異なります。たとえば、同じ機械であっても、使用回数が多かったり製品の耐久性が低かったりすると使用可能期間は短くなります。
しかし、資産それぞれに耐用年数を測定して減価償却を行うのは、納税者にとっても多くの手間と労力が必要です。そのため、税法上では画一的な法定耐用年数が定められています。
出典:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」
出典:e-Gov法令検索「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(令和六年財務省令第六十三号)」
出典:財務総合政策研究所ディスカッションペーパー「耐用年数についての論点の整理」
法定耐用年数の長さはその年の納税額に影響する
法定耐用年数の違いは、減価償却費の金額に影響を与えます。たとえば、2,000万円の資産(耐用年数:5年/10年)を定額法で減価償却する際、損金に算入できる減価償却費は以下の通りです。
- 法定耐用年数5年の減価償却費:400万円/1年
- 法定耐用年数10年の減価償却費:200万円/1年
上記のように、同じ取得価額の資産であっても、法定耐用年数が異なれば1年ごとに損金に算入できる減価償却費に差が生まれます。減価償却費が大きければそれだけ費用が増加し、当該年度の納税額は少なくなります。
出典:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」
法定耐用年数と会計上の耐用年数が異なる場合の処理
会計上の耐用年数は、個々の資産の使用状況や使用頻度に応じて、企業が個別に設定することが可能です。
ただし、会計上の耐用年数と法定耐用年数が異なる減価償却資産の税務処理を行う際は、法定耐用年数を用いて計算した減価償却費が、損金算入の上限となります。会計上の耐用年数と法定耐用年数に基づいた減価償却費をそれぞれ比較し、差額を調整しましょう。
出典:e-Gov法令検索「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(令和六年財務省令第六十三号)」
耐用年数と耐久年数の違い
耐用年数と似ている言葉に「耐久年数」があります。耐用年数と耐久年数の違いは、会計上で定められた価値が存続する期間か、当該資産が物理的に使用可能であると保証されている期間か、という点です。
耐久年数とは、商品の製造元などが調査・実験結果をもとに、機能面で問題なく使用できると公示された期間を指します。この期間は、法律で定められているものではありません。また、使用状況・環境によっては、実際に使える期間が耐久年数と異なることもあります。
一方、耐用年数は、税法上で定められた「固定資産としての価値を保つことができる年数」です。法定耐用年数として一律に年数が定められており、減価償却の計算で使用されます。
減価償却の計算方法「定額法」と「定率法」
減価償却の計算方法は、主に定額法と定率法の2つあり、それぞれ計算方法が異なります。
計算方法 | 概要 | 計算式 |
---|---|---|
定額法 | 毎年同額の減価償却費を計上する計算方法 | 取得価額 × 定額法の償却率 |
定率法 | 償却期間の開始から終了にかけて減価償却費が徐々に減少する計算方法 |
未償却残高 × 定率法の償却率 (償却額が償却保証額※より小さくなれば「改定取得価額 × 改定償却率」で算出) |
※償却保証額の算出方法は「取得価額 × 耐用年数の保証率」
税法の定める減価償却の計算方法は、原則、個人事業主は定額法を適用し、法人は建物、建物附属設備、構築物、ソフトウェアを除き定率法を適用します。
個人事業主・法人のどちらも、税務署へ届け出を提出すれば計算方法の変更が可能です。ただし、鉱業用のものを除く建物・建物附属設備・構築物、ソフトウェアは、定額法のみが適用されます。
出典:国税庁「A1-23 所得税の減価償却資産の償却方法の変更承認申請手続」
定額法の算出方法
定額法は、取得価額に一定の割合を乗じて、毎年同額の減価償却費を計上する方法です。算出方法は以下の通りです。
- 取得価額 × 定額法の償却率
たとえば、耐用年数10年の250万円で購入した資産を定額法で償却するのであれば、以下のように減価償却額が求められます。
- 2,500,000円 × 0.1(耐用年数10年の場合の償却率)= 250,000円
9年間は25万円を支払い、最後の年は耐用年数経過後にも残っている価値を示す残存薄価1円を残すために、24万9,999円計上します。
定額法は、償却費が毎年同額なので計算が簡単です。また、毎年いくら計上するかを事前に把握できるため、資金計画も立てやすくなります。
定率法の算出方法
定率法は、未償却残高に一定の割合を乗じて減価償却費を計上する方法です。未償却残高を基準に計算するため、減価償却費は償却期間の開始から終了にかけて徐々に減少します。算出方法は、以下の通りです。
- 未償却残高 × 定率法の償却率
途中で償却額が償却保証額より小さくなると、算出方法は「改定取得価額 × 改定償却率」に切り替わります。償却保証額とは、資産が最終的に最低限償却されるべき金額のことを指し、「取得価額 × 耐用年数の保証率」で算出します。
たとえば、耐用年数10年の250万円で購入した資産を定率法で償却するのであれば、以下の手順で各数値を算出します。
- 償却保証額
2,500,000円 × 0.06552(耐用年数10年の場合の保証率)= 163,800円 - 改定取得価額
2,500,000円 – 1,844,640円(前年までの償却費の合計額)= 655,360円 - 改定償却率
0.250(耐用年数10年の場合)
定率法の保証率・償却率・改定償却率は、それぞれ国税庁が公開する「減価償却資産の償却率等表」で確認できます。
上記で算出した数値を、取得してからの各年に当てはめると以下のようになります。
年数 | 算出方法 | 期首帳簿価額 | 償却限度額 | 期末帳簿価額 |
---|---|---|---|---|
1年目 | 250万 × 0.2=50万 | 250万 | 50万 | 200万 |
2年目 | (250万 - 50万)×0.2=40万 | 200万 | 40万 | 160万 |
3年目 | (250万 - 90万)×0.2=32万 | 160万 | 32万 | 128万 |
4年目 | (250万 - 122万)×0.2=25万6,000 | 128万 | 25万6,000 | 102万4,000 |
5年目 | (250万 - 147万6,000)× 0.2=20万4800 | 102万4,000 | 20万4,800 | 81万9,200 |
6年目 | (250万 - 168万800)× 0.2=16万3,840 | 81万9,200 | 16万3,840 | 65万5,360 |
同じように計算すると、7年目の償却額は13万1,072円です。この時、償却額が償却保証額16万3,800円より少なくなるため、7年目以降の償却額の算出方法を「改定取得価額 × 改定償却率」に変更します。
すると、以下のように計算できます。
7年目 | 65万5360 × 0.250=16万3,840 | 65万5,360 | 16万3,840 | 49万1,520 |
8年目 | 65万5360 × 0.250=16万3,840 | 49万1,520 | 16万3,840 | 32万7,680 |
9年目 | 65万5360 × 0.250=16万3,840 | 32万7,680 | 16万3,840 | 16万3,840 |
10年目 | 65万5360 × 0.250=16万3,840 | 16万3,840 | 16万3,839 | 1 |
10年目は残存薄価1円を残し、償却額は16万3,839円となります。
このように、定率法は未償却残高と償却率を掛け合わせるため、初年度の償却費が最大となり、その後毎年減少していきます。途中、償却費の金額が償却保証額に満たなくなると、償却費を毎年同額に変更します。
定率法は初年度の計上額が多いため、直近の節税対策に役立つというメリットがあります。ただし、途中から算出方法が変わるなど、定額法と比較して計算が複雑というデメリットがあります。
【関連記事】
減価償却とは?償却できる資産や計算方法、耐用年数をわかりやすく解説
主な減価償却資産の種類と法定耐用年数一覧
減価償却資産の法定耐用年数は、以下の分類にあわせてそれぞれ設定されています。
上記項目の主な対象と法定耐用年数の一部を、以下にまとめました。記載がないものは国税庁のサイトをご確認ください。
建物、建物付属設備の法定耐用年数
建物や建物付属設備は、構造や用途によって法定耐用年数が変わります。
<建物>
構造・用途 | 細目 | 耐用年数 (年) |
---|---|---|
木造・合成樹脂造のもの |
事務所用のもの 店舗用・住宅用のもの 飲食店用のもの 旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの 公衆浴場用のもの 工場用・倉庫用のもの(一般用) |
24 22 20 17 12 15 |
木骨モルタル造のもの |
事務所用のもの 店舗用・住宅用のもの 飲食店用のもの 旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの 公衆浴場用のもの 工場用・倉庫用のもの(一般用) |
22 20 19 15 11 14 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの |
事務所用のもの 住宅用のもの 飲食店用のもの 延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの その他のもの 旅館用・ホテル用のもの 延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの その他のもの 店舗用・病院用のもの 車庫用のもの 公衆浴場用のもの 工場用・倉庫用のもの(一般用) |
50 47 34 41 31 39 39 38 31 38 |
れんが造・石造・ブロック造のもの |
事務所用のもの 店舗用・住宅用・飲食店用のもの 旅館用・ホテル用・病院用のもの 車庫用のもの 公衆浴場用のもの 工場用・倉庫用のもの(一般用) |
41 38 36 34 30 34 |
金属造のもの |
事務所用のもの 骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの 3㎜を超え、4㎜以下のもの 3㎜以下のもの 店舗用・住宅用のもの 骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの 3㎜を超え、4㎜以下のもの 3㎜以下のもの 飲食店用・車庫用のもの 骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの 3㎜を超え、4㎜以下のもの 3㎜以下のもの 旅館用・ホテル用・病院用のもの 骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの 3㎜を超え、4㎜以下のもの 3㎜以下のもの 公衆浴場用のもの 骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの 3㎜を超え、4㎜以下のもの 3㎜以下のもの 工場用・倉庫用のもの(一般用) 骨格材の肉厚が、4㎜を超えるもの 3㎜を超え、4㎜以下のもの 3㎜以下のもの |
38 30 22 34 27 19 31 25 19 29 24 17 27 19 15 31 24 17 |
<建物附属設備>
構造・用途 | 細目 | 耐用年数(年) |
---|---|---|
アーケード・日よけ設備 | 主として金属製のもの その他のもの | 15 8 |
店舗簡易装備 | 3 | |
電気設備(照明設備を含む) | 蓄電池電源設備 その他のもの | 6 15 |
給排水・衛生設備、ガス設備 | 15 |
同じ構造の建物でも、事務所用や店舗用、飲食店用などの用途で法定耐用年数が異なります。
車両・運搬具、工具の法定耐用年数
車両・運搬具は、一般用か運送事業用などで、法定耐用年数が変わります。
<車両・運搬具>
構造・用途 | 細目 | 耐用年数 (年) |
---|---|---|
一般用のもの(特殊自動車・次の運送事業用等以外のもの) |
自動車(2輪・3輪自動車を除く。) 小型車(総排気量が0.66リットル以下のもの) 貨物自動車 ダンプ式のもの その他のもの 報道通信用のもの その他のもの 2輪・3輪自動車 自転車 リヤカー |
4 4 5 5 6 3 2 4 |
運送事業用・貸自動車業用・自動車教習所用のもの |
自動車(2輪・3輪自動車を含み、乗合自動車を除く。) 小型車(貨物自動車にあっては積載量が2トン以下、その他のものにあっては総排気量が2リットル以下のもの) 大型乗用車(総排気量が3リットル以上のもの) その他のもの 乗合自動車 自転車、リヤカー 被けん引車その他のもの |
3 5 4 5 2 4 |
<工具>
構造・用途 | 細目 | 耐用年数 (年) |
---|---|---|
測定工具、検査 工具(電気・電子 を利用するもの を含む。) | 5 | |
治具、取付工具 | 3 | |
切削工具 | 2 | |
型(型枠を含む。) 鍛圧工具、 打抜工具 |
プレスその他の金属加工用金型、合成樹脂、ゴム・ガラス成型用金型、鋳造用型 その他のもの |
2 3 |
活字、活字に常用される金属 |
購入活字(活字の形状のまま反復使用するものに限る。) 自製活字、活字に常用される金属 |
2 8 |
たとえば、社用車で普通自動車を使用している場合、「一般用のもの」の「その他のもの」に該当するため、法定耐用年数は6年です。
器具・備品の法定耐用年数
器具・備品は種類によって法定耐用年数が変わります。
<器具・備品>
構造・用途 | 細目 | 耐用年数 (年) |
---|---|---|
家具、電気機器、 ガス機器、家庭用品 (他に掲げてあるものを除く。) |
事務机、事務いす、キャビネット 主として金属製のもの その他のもの 応接セット 接客業用のもの その他のもの ベッド 児童用机、いす 陳列だな、陳列ケース 冷凍機付・冷蔵機付のもの その他のもの その他の家具 接客業用のもの その他のもの 主として金属製のもの その他のもの ラジオ、テレビジョン、テープレコーダーその他の 音響機器 冷房用・暖房用機器 電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気・ガス機器 氷冷蔵庫、冷蔵ストッカー(電気式のものを除 く。) カーテン、座ぶとん、寝具、丹前その他これらに 類する繊維製品 じゅうたんその他の床用敷物 小売業用・接客業用・放送用・レコード吹込用・劇場用のもの その他のもの 室内装飾品 主として金属製のもの その他のもの 食事・ちゅう房用品 陶磁器製・ガラス製のもの その他のもの その他のもの 主として金属製のもの その他のもの |
15 8 5 8 8 5 6 8 5 15 8 5 6 6 4 3 3 6 15 8 2 5 15 8 |
事務機器、通信機器 | 謄写機器、タイプライター 孔版印刷・印書業用のもの その他のもの 電子計算機 パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを 除く。) その他のもの 複写機、計算機(電子計算機を除く。)、金銭登録機、タイムレコーダーその他これらに類するもの その他の事務機器 テレタイプライター、ファクシミリ インターホーン、放送用設備 電話設備その他の通信機器 デジタル構内交換設備、デジタルボタン電話設備 その他のもの |
3 5 4 5 5 5 5 6 6 10 |
時計、試験機器、 測定機器 | 時計 度量衡器 試験・測定機器 | 10 5 5 |
光学機器、写真製作機器 | カメラ、映画撮影機、映写機、望遠鏡 引伸機、焼付機、乾燥機、顕微鏡 | 5 8 |
看板・広告器具 | 看板、ネオンサイン、気球 マネキン人形、模型 その他のもの 主として金属製のもの その他のもの |
3 2 10 5 |
容器、金庫 | ボンベ 溶接製のもの 鍛造製のもの 塩素用のもの その他のもの ドラムかん、コンテナーその他の容器 大型コンテナー(長さが6m以上のものに限 る。) その他のもの 金属製のもの その他のもの 金庫 手さげ金庫 その他のもの |
6 8 10 7 3 2 5 20 |
理容・美容機器 | 5 | |
医療機器 | 消毒殺菌用機器 手術機器 血液透析または血しょう交換用機器 ハバードタンクその他の作動部分を有する機能回復訓練機器 調剤機器 歯科診療用ユニット 光学検査機器 ファイバースコープ その他のもの その他のもの レントゲンその他の電子装置を使用する機器 移動式のもの、救急医療用のもの、自動血液分析器 その他のもの その他のもの 陶磁器製・ガラス製のもの 主として金属製のもの その他のもの |
4 5 7 6 6 7 6 8 4 6 3 10 5 |
娯楽・スポーツ器具 | たまつき用具 パチンコ器、ビンゴ器その他これらに類する球戯用具、射的用具 ご、しょうぎ、まあじゃん、その他の遊戯具 スポーツ具 |
8 2 5 3 |
出典:国税庁「耐用年数(器具・備品)(その2)」
たとえば、同じ事務机でも、金属製のものは15年、その他のものは8年など、素材によって耐用年数が異なります。
機械・装置の法定耐用年数
機械・装置は設備の種類によって法定耐用年数が変わります。
<機械・装置>
設備の種類 | 細目 | 耐用年数 |
---|---|---|
農業用設備 | 7 | |
林業用設備 | 5 | |
食料品製造業用設備 | 10 | |
飲料・たばこ・飼料製造業用設備 | 10 | |
繊維工業用設備 |
炭素繊維製造設備 黒鉛化炉 その他の設備 その他の設備 |
3 7 7 |
木材・木製品(家具を除く。)製造業用設備 | 8 | |
家具・装備品製造業用設備 | 11 | |
パルプ・紙・紙加工品製造業用設備 | 12 | |
印刷業・印刷関連業用設備 |
デジタル印刷システム設備 製本業用設備 新聞業用設備 モノタイプ・写真・通信設備 その他の設備 その他の設備 |
4 7 3 10 10 |
ゴム製品製造業用設備 | 9 | |
なめし革・なめし革製品・毛皮製造業用設備 | 9 | |
窯業・土石製品製造業用設備 | 9 | |
鉄鋼業用設備 |
表面処理鋼材・鉄粉製造業・鉄スクラップ加工処理業用設備 純鉄・原鉄・ベースメタル・フェロアロイ・鉄素形材・鋳鉄管製造業用設備 その他の設備 |
5 9 14 |
金属製品製造業用設備 |
金属被覆、彫刻業・打はく、金属製ネームプレート製造業用設備 その他の設備 |
6 10 |
林業用設備 | 5 | |
鉱業・採石業・砂利採取業用設備 |
石油・天然ガス鉱業用設備 坑井設備 掘さく設備 その他の設備 その他の設備 |
3 6 12 6 |
総合工事業用設備 | 6 | |
倉庫業用設備 | 12 | |
運輸に附帯するサービス業用設備 | 10 | |
飲食料品卸売業用設備 | 10 | |
飲食料品小売業用設備 | 9 | |
その他の小売業用設備 |
ガソリン・液化石油ガススタンド設備 その他の設備 主として金属製のもの その他のもの |
8 17 8 |
宿泊業用設備 | 10 | |
飲食店業用設備 | 8 | |
洗濯業・理容業・美容業・浴場業用設備 | 13 | |
その他の生活関連サービス業用設備 | 6 | |
自動車整備業用設備 | 15 |
中古資産の耐用年数の計算方法
中古で手に入れた減価償却資産も、基本的には法定耐用年数で減価償却を行います。
法定耐用年数は新規取得を前提に定められています。中古資産は、取得時点ですでに使用開始から年数が経過していることから、取得時点での使用可能期間の見積もりが必要です。
使用可能期間の合理的な見積もりが可能ならば、見積もった使用可能年数を耐用年数として減価償却します。使用可能年数の見積もりが難しい場合には、簡便法で算出した年数を使います。
ただし、中古資産の修理や改良などに要した金額が、新品で取得する際の取得価額の50%を超える場合は、見積法や簡便法は適用できません。この場合は、新規取得時と同様に法定耐用年数から使用可能期間を判断します。
出典:国税庁「No.5404 中古資産の耐用年数
簡便法の計算方法
簡便法は、取得時点で経過している法定耐用年数に応じて中古資産の耐用年数を計算する方法です。簡便法には、以下の2つの計算方法があります。
中古資産の簡便法による計算2例
法定耐用年数を全て経過した中古資産
算出方法:法定耐用年数 × 20%
法定耐用年数を一部経過した中古資産
算出方法:法定耐用年数 - 経過年数 + 経過年数 × 20%
出典:国税庁「No.5404 中古資産の耐用年数」
どちらの方法も、算出した年数が2年に満たないときは2年とします。2年以上の場合は、1年未満の端数は切り捨ててください。
ただし、簡便法による耐用年数の算出は、中古資産を使用開始した事業年度のみ可能です。翌年度以降の計算では、通常の法定耐用年数が適用されます。
以下で、それぞれのパターンを解説します。
パターン① 法定耐用年数を全て経過した中古資産
たとえば法定耐用年数が7年の農業用設備を、使い始めて7年以上経過した中古品で購入したとします。このとき、耐用年数は以下のように算出します。
- 新品時の耐用年数7年 × 20% = 1.4年 → 2年
算出した数値が2年未満のため、この場合は耐用年数は「2年」です。
パターン② 法定耐用年数を一部経過した中古資産
使い始めて1.5年経過した農業用設備の中古品を購入したとき、耐用年数は以下の通り算出します。
- 耐用年数7年 - 経過年数1.5年 + 経過年数1.5年× 20% = 5.8年 → 5年
1年未満の端数は切り捨て、耐用年数は「5年」となります。
まとめ
耐用年数は省令で定められており、減価償却資産の種類や用途などによって異なります。資産ごとの耐用年数は、減価償却費を計算する際に必要な情報です。
減価償却の方法は定額法と定率法の2つです。原則、個人事業主は定額法が適用され、法人は鉱業用を除く建物・建物附属設備・構築物、ソフトウェアを除いて定率法が適用されます。
また、中古資産を購入した際には、中古資産の耐用年数を算出しましょう。通常の法定耐用年数の代わりに、事業供用日から残りの使用できる期間で見積もられる期間を簡便法で計算できます。資産ごとの算出方法を把握して、正しく減価償却を行いましょう。
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よくある質問
耐用年数とは?
耐用年数とは、減価償却資産(固定資産)を使用できる期間です。
耐用年数は、減価償却資産の使用可能な期間として定められた年数で、減価償却資産の種類や用途などによって細かく設定されています。
詳しくは、記事内「耐用年数とは?」で解説しています。
減価償却とは?
減価償却は、減価償却資産の取得金額を耐用年数に応じて配分して割り振り、その金額を費用とし計上する会計処理です。
詳しくは、記事内「減価償却とは?」をご覧ください。
定額法と定率法とは?
減価償却の計算方法は、一般的には定額法と定率法の2通りです。毎年同じ金額の償却費を計上する定額法と、時間の経過とともに減価償却費が減少する定率法があります。
詳しくは、記事内「減価償却の計算方法「定額法」と「定率法」」をご覧ください。
監修 安田 亮(やすだ りょう)
1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。
