青色申告の基礎知識

青色申告をするために必要な帳簿作成の方法とは

青色申告の特典を最大限に活用するためには、適切な会計処理をする必要があります。ここでは会計処理の方法について学ぶとともに、必要な帳簿書類や関係する書類の整理等について確認していきましょう。

青色申告をするのに必要なこと

新規で青色申告をするには、まず「青色申告承認申請書」を提出することになります。青色申告承認申請書に記載するのは、名前や生年月日、住所、事業所の名称や住所などです。個人事業主は自宅の住所を記載することになります。

ただし、確定申告の時期に「青色申告にしたい」と思っても、申告する分の事業年度の3月15日までに申請していなければ、青色申告はできませんので注意が必要です。例えば、2019年2月16日~3月15日に行う2018年分の確定申告を青色申告にしたい場合は、2018年3月15日までに申請書を提出しなければなりません。また、新しく事業を立ち上げた場合は、開業日から2ヵ月以内に申請書を提出すれば大丈夫です。
なお、申請書の提出は、初年度の1回のみで構いません。その後の確定申告は、毎年青色申告となります。

青色申告をする際には「確定申告書」と「青色申告決算書」が必要になります。この決算書を作成するには適切な会計処理すなわち、帳簿の作成が大切です。

簡易簿記と複式簿記、どちらが必要?

青色申告においては「複式簿記」と呼ばれる方法で帳簿をつける必要があります。対する言葉として「簡易簿記」や「単式簿記」といったものがあり、複式簿記との違いは次のようなものです。

お小遣い帳のような「簡易簿記」

簡易簿記(単式簿記)は、売上や経費の発生額のみに注目して集計する方法です。例えば表計算ソフトなどを使って、売上、仕入、給与、交通費、通信費など各項目について金額を合計していく、いわばお小遣い帳のような付け方をします。この方法でも1年間の所得(儲け)の金額を計算することは可能ですが、売上や経費の額しか把握できません。

保有財産の状況も把握できる「複式簿記」

売上や経費だけでなく、資産や負債などの情報も併せて処理する方法です。複式簿記を使うと「現金はどんな出入りがあったのか」「売上の代金は、いつ、どのように回収されたのか」「借入金の返済はどの口座からされているのか」といった情報を把握することができます。

複式簿記は、所得だけでなくその人の保有する財産の状態(プラスもマイナスも含めて)を明らかにすることができます。複式簿記を採用する場合、通常は会計ソフトを使用します。会計ソフトに日常的な取引きを入力していくと、それがそのまま申告作業に必要な会計資料としてまとめられていきます。

発生主義と現金主義、どちらで記帳するべき?

もうひとつ、知っておかなければいけない会計の考え方に「発生主義」と「現金主義」というものがあります。

正式な会計処理では発生主義が原則

「発生主義」とは、売上や費用について、その債権・債務が確定した日で認識していく方法です。例えば、売上は「相手から代金をもらったとき」ではなく「相手に対して代金を請求することができるようになった時点」で計上をしなければなりません。具体的にいうと、12月25日に請求した売上が1月10日に入金されている場合、売上としては12月25日の時点で計上しなければならない、という考え方です。一方、1月10日で売上を計上する方法を「現金主義」と呼びます。

正式な会計処理では、現金主義ではなく発生主義を採用します。もちろん、業種によっては債権の発生と代金の回収が同時に起こることもあります(小売業や飲食業など)ので、業態に合わせてどの時点で売上を計上しなければならないのかを確認しましょう。仕入れや各種経費についても、発生主義の考え方を適用して会計処理を行います。

青色申告の際に添付する「決算書」とは

複式簿記で処理された取引きは、最終的に「決算書」として申告書に添付します。決算書は「損益計算書」と「貸借対照表」に分かれています。前者は1年間の所得(儲け)の金額が、後者は年始と年末時点におけるその人の資産と負債の状態が表示されます。正しく作成された決算書を添付することが、青色申告の特典を最大限に活用するために不可欠です。

ほかにも、税務署には提出をしませんが、損益計算書や貸借対照表の基となる1年間の取引きを勘定科目ごとにまとめた「総勘定元帳」などが必要です。これらの会計処理をまとめた書類は、きちんと整理をした上で保管をしておく必要があります。もし、税務署から申告の内容について問い合わせがあった場合には、その根拠としてきちんと説明ができる状態を保たなければなりません。

領収書や請求書などの保存期間

会計処理を行うにあたって、根拠となる資料(領収書や請求書、預金通帳の写しなど)も併せて保管をしておく必要があります。例えば、日付けごとや項目ごとにファイリングするなど、継続的に管理できる何かしらのルールを定めて、きちんと分類しておきましょう。

会計帳簿やその根拠となった各種資料については、保存期間が定められています。基本的には確定申告書の提出期限の翌日から7年間、適切に保存しなければなりません。保存義務に違反した場合の罰則はありませんが、もし税務署から申告について問い合わせがあったとき、資料を保存していなければ申告の正当性を主張することができなくなります。申告の内容について修正等が必要になった場合には、納付が漏れていた税金を納付するだけでなく、罰金的な意味合いの税金も追加で支払わなければなりません。

まとめ

青色申告の特典を最大限に享受するためには、適切な会計処理と資料の整理・保存をして、正しい申告と納税を行わなければなりません。また、しっかりと作成された会計帳簿は、申告だけでなく経営判断においても有用な資料として活用することができます。会計ソフトの活用や専門家の力を借りるなど、さまざまな選択肢を検討した上で、日常的に正しい会計処理を行いましょう。

青色申告ソフト freee


青色申告ソフト freee なら、青色申告対応の決算書が自動で作成できます。是非お試しを!

バックオフィス基礎知識