青色申告の基礎知識

【2022年(令和3年分)】個人事業主の帳簿の記帳方法とは?簡易簿記と複式簿記の違いや保存ツールについて解説

最終更新日:2021/12/28

個人事業主の帳簿の記帳方法とは?簡易簿記と複式簿記の違いや保存ツールについて解説

個人事業主(フリーランス)が確定申告を行う際には、申告の方法を問わず、帳簿の作成と保存が義務となっています。しかし、帳簿には主要簿・補助簿をはじめさまざまな種類があり、どの帳簿を作成すべきか分からないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、会計帳簿の種類を解説するとともに、帳簿作成の流れ、簡易簿記と複式簿記の違いなどについて解説します。

目次

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帳簿とは?

会計帳簿とは、事業にまつわる取引やお金の流れを記録するための帳面や台帳のことです。フリーランス(個人事業主)の方で、確定申告が必要な場合は、資産の動きを正しく把握するために必ず作成しなければいけません。

これは申告方法を問わず、青色申告・白色申告どちらで確定申告をする場合でも、帳簿の作成が必要です。

ただし、青色申告の場合は「複式簿記」、白色申告の場合は「簡易簿記」など申告の方法によって帳簿の記帳方法は異なります。こちらに関しては、記事の後半「帳簿のつけ方の基本」にて詳しく解説します。

なお、帳簿自体は、確定申告の際に税務署に提出する必要はありませんが、提出の義務がないからといって作成しなくて良いわけではなく、作成ならびに一定期間の保管が求められます。

帳簿には、取引の内容をはじめ、取引が行われた日時や取引先の情報、そして勘定科目などを記載します。この帳簿を最終的にまとめたものが、「決算書」となります。

帳簿を作成する際は、記載漏れや仕訳間違いがないように注意して記載しなければなりません。年度によって項目などが変わらないように作成方法も統一するようにしましょう。

基本用語の定義・解説

基本用語 意味
帳簿 事業にまつわる取引やお金の流れを記録するための冊子や台帳
簿記 日々の取引を帳簿に記載し、決算書を作成すること
記帳 取引の内容を帳簿に記載すること
仕訳 複式簿記において、取引の内容を勘定科目ごとに振り分けること

青色申告・白色申告の基礎知識について知りたい方はこちら

帳簿の種類と記載内容

帳簿の種類には、大きく分けて「主要簿」と「補助簿」の2種類があります。

白色申告をする際の簡易簿記で帳簿付けをするのであれば、「補助簿」のみの作成で問題ありませんが、青色申告の55万円控除(e-Taxの利用で65万円控除)を受けるためには、「主要簿」の作成が必要になります。

主要簿 ・総勘定元帳
・仕訳帳
補助簿 補助記入帳 ・現金出納帳
・預金出納帳
・固定資産台帳
・売掛帳
・買掛帳
補助元帳 ・商品有高帳
・仕入先元帳
・得意先元帳

主要簿

主要簿には、「総勘定元帳」と「仕訳帳」の2種類があります。青色申告の際には、この2つの主要簿をもとに「青色申告決算書」を作成します。

仕訳帳

仕訳帳とは、発生したすべての取引を日付順に記載した帳簿のことです。

「借方」「貸方」に分けて記載を行います。現金などの資産が増える場合は「借方」につける、資産が減る場合は「貸方」と覚えておけば問題ありません。「借方」「貸方」の金額は必ず一致します。

決まったフォーマットはなく、以下の内容が記載されていればエクセル等の表ソフトで自分で作成することができます。

仕訳帳に記載すべき項目一覧

  • 日付(年月日)
  • 勘定科目(貸方と借方)
  • 金額(貸方と借方)
  • 摘要(例:取引の相手先や販売数量など)

<例:仕訳帳の書き方>

日付 借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科 貸方金額 摘要
8/4 会議費 2,000 現金 2,000 A社打ち合わせ
8/15 現金 200,000 普通預金 200,000 現金引出し
8/17 仕入 150,000 買掛金 150,000 パソコン

総勘定元帳

一方の総勘定元帳は、発生したすべての取引を勘定科目ごとにまとめたものです。特定の勘定科目の残高や増減の内容を知りたい場合に、総勘定元帳を見れば一目で分かるのが利点となっています。

総勘定元帳は、仕訳帳の内容を転記することで作成します。

<例:総勘定元帳の書き方>

総勘定元帳
現金

日付 摘要 仕丁 借方 日付 摘要 仕丁 貸方
6/2 前月繰越 ✔︎ 1,000 6/2 仕入 1 100
6/10 売上 1 300 6/10 次月繰越 ✔︎ 1,900
6/18 売掛金 1 700 6/18 仕入 1 1,900

勘定科目とは、発生した取引の内容を第三者が見ても分かるように分類するものです。売上高や接待交通費・通信費など該当する勘定科目に仕訳を行います。

なお、会社の業種や業態によっては、独自の勘定科目を設定する場合があり、使用する勘定科目の種類や総数は各会社によって異なります。

勘定科目 内容
売上高 サービスや商品を提供して発生した売上
雑収入 事業の売上以外で得た収入
給与・賃金 従業員の給与
外注費 外部スタッフに支払った金額
水道光熱費 事業用途で使用した水道代や電気代など
旅費交通費 業務で使用した交通費や、出張の際に発生した宿泊費など
接待交際費 事業用途で発生した接待や贈答品の購入で使用した費用
通信費 電話代やインターネット通信費など

補助簿

補助簿はその名の通り、主要簿を補助するために作成する帳簿です。補助簿は、詳しい取引の内容を把握したい時に用いられます。代表的な補助簿には、以下のようなものがあります。

種類 概要
現金出納帳 入金伝票や出金伝票から転記し、現金のやりとりをまとめたもの
預金出納帳 銀行口座でのやりとりをまとめたもの
売掛帳 取引先別に売掛金に関する取引を記入して管理するもの
買掛帳 取引先別に買掛金に関する取引を記入して管理するもの
固定資産台帳 減価償却する固定資産(パソコンや車など)を入力して管理するもの

これら全てを作成する必要はなく、取引の内容に応じて必要なものだけを作成します。例えば、フリーランスのライターやデザイナーは、一般的にはツケが発生することがなく、ツケによる販売を管理する「売掛帳」や、ツケによる仕入れを管理する「買掛帳」は必要がありません。

現金出納帳

現金出納帳は、現金の入出金を日付順に記載するもので、帳簿の残高と現金残高が一致しているかを確認するために用いられます。入金伝票・出金伝票から転記して作成します。

<例:現金出納帳の書き方>

日付 摘要 入金 出金 残高
項目 詳細
3/1 前月繰越 300,000
3/3 現金仕入 16,000 284,000
3/10 売掛金 株式会社A社 50,000 334,000
3/15 売掛金 株式会社B社 30,000 364,000
3/21 預金引出 ○◯銀行 40,000 404,000

帳簿のつけ方の基本

帳簿作成の流れ

まずは、領収書やレシート・銀行の通帳などを参照しながら取引内容を整理します。

続いて、複式帳簿であれば、取引内容を勘定科目ごとに仕訳を行い、仕訳帳に記載をしていきます。仕訳帳への記載が完了したら、その内容を総勘定元帳に転記、合わせて「現金出納帳」や「預金出納帳」への記入も行っていきます。

これらの作業は、取引の量にもよりますが、確定申告前にあわててやると膨大な量になってしまいますので、日々記帳の時間を作り、こまめに進めていくことをおすすめします。

最後に確定申告前に、総勘定元帳の内容をもとに「青色申告決算書」の作成を行います。

発生主義と現金主義

帳簿作成の際に頭に入れておかなければいけない会計の考え方が、「発生主義」と「現金主義」の違いです。

発生主義とは、売上や費用について、その債権・債務が確定した日で取引を認識する方法です。つまり、売上は「相手から代金をもらったとき」ではなく「相手に対して代金を請求することができるようになった時点」で計上を行います。

例えば、12月25日に請求した売上が1月10日に入金されている場合、売上として12月25日の時点で計上します。

一方で、現金主義とは、現金や預金の入出金の事実に基づいて、取引を認識する方法です。上記の例で言えば、12月25日ではなく、実際に現金が入金された1月10日の時点で計上を行います。

正式な会計処理では、現金主義ではなく発生主義を採用します。もちろん、業種によっては債権の発生と代金の回収が同時に起こることもあります(小売業や飲食業など)ので、業態に合わせてどの時点で売上を計上しなければならないのかを確認しましょう。

仕入れや各種経費についても、同様に発生主義の考え方を適用して会計処理を行います。

簡易簿記(単式)と複式簿記の違い

帳簿の記帳方法には、「簡易簿記」と「複式簿記」の2種類があります。簡易簿記は取引の内容と収支のみが記録され、複式簿記では1つの取引において、お金の入出金と、その原因に関する2つの側面が記録されます。

例:現金1,000円から交通費として600円を使った場合の記録方法

単式簿記

日付 勘定科目 金額 摘要
令和3年○○月××日 旅費交通費 600円 電車賃

複式簿記

日付 貸方 借方 摘要
令和3年○○月××日 旅費交通費 600円 現金 600円 電車賃

複式簿記だと、交通費として600円使用したため(原因)、現金が600円減ったという(結果)二面の方向からお金の流れを記録することができます。

青色申告控除を受ける場合、控除額によって、それぞれ準備する帳簿の記帳方法が異なります。55万円の控除(e-taxの利用で65万円控除)を受けるためには、複式簿記での記帳が必要となり、簡易簿記で記帳する場合は10万円の控除になります。

なお、白申申告の場合は、簡易簿記で帳簿を付けます。

お小遣い帳のような「簡易簿記(単式簿記)」

簡易簿記(単式簿記)は、売上や経費の発生額のみに注目して集計する方法です。例えば、表計算ソフトなどを使って、売上、仕入、給与、交通費、通信費など各項目について金額を合計していく、いわばお小遣い帳のような付け方をします。

この方法では、1年間の所得(もうけ)の金額を計算することは可能ですが、売上や経費の額しか把握できません。

保有財産の状況も把握できる「複式簿記」

売上や経費だけでなく、資産や負債などの情報も併せて処理する方法です。複式簿記を使うと「現金はどんな出入りがあったのか」「売上の代金は、いつ、どのように回収されたのか」「借入金の返済はどの口座からされているのか」といった情報を把握することができます。

複式簿記は、所得だけでなくその人の保有する財産の状態(プラスもマイナスも含めて)を明らかにすることができるため「損益計算書」と「貸借対照表」が作成できる。

複式簿記を採用する場合、通常は会計ソフトを使用します。会計ソフトに日常的な取引を入力していくと、それがそのまま確定申告に必要な会計資料としてまとめられていきます。

青色申告と白色申告で異なる帳簿の管理・作成方法

作成する書類の違い

白色申告、青色申告10万円控除、青色申告特別控除(55万円控除、e-Taxの活用で65万円控除)と、申告の内容によって、作成すべき帳簿の種類や帳簿の付け方が異なります。

白色申告では、もともと帳簿付けが義務ではありませんでしたが、2014年の法改正により、「収支内訳書」の提出が必要になりました。収支内訳表とは、1年間の収入・経費の内訳・減価償却の計算などを記入し、所得を計算する書類です。白色申告の場合は、複式簿記ではなく簡易簿記での記帳が認められています。

青色申告(10万円控除)では、白色申告と同じく簡易簿記で記帳を行います。必要な帳簿は、「現金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「経費帳」「固定資産台帳」といた補助簿になります。

一方の青色申告(55万円・65万円控除)を受けるためには、補助簿に加えて、「仕訳帳」「総勘定元帳」の主要簿が必要になってきます。また、帳簿付けは複式簿記で行います。

【関連記事】
青色申告特別控除とは? 最大65万円の控除を受ける条件と節税について

保存期間の違い

帳簿書類は、作成するだけでなく一定期間の保存が義務付けられています。保存する期間は、その事業年度の確定申告書の提出期限日の翌日から7年間となっています。

保存する帳簿には、総勘定元帳や仕訳帳、現金出納帳、売上帳、仕入帳などがあります。帳簿とともに、取引等に関する書類も保存しなければなりません。書類には、棚卸表、貸借対照表、損益計算書、契約書や領収書、注文書などが含まれます。

保存義務に違反した場合の罰則はありませんが、もし税務署から申告について問い合わせがあったとき、資料を保存していなければ申告の正当性を主張することができなくなります。

申告の内容について修正等が必要になった場合には、納付が漏れていた税金を納付するだけでなく、罰金的な意味合いの税金も追加で支払わなければなりません。

青色申告の場合

保存が必要なもの 保存期間
帳簿 仕訳帳
総勘定元帳
厳禁出納帳
売掛帳
買掛帳
経費帳
固定資産台帳など
7年
書類 決算関係書類 損益計算書
貸借対照表
棚卸表など
7年
現金預金取引等関係書類 領収証
小切手控
預金通帳
借用証など
7年
(※前々年分所得が300万円以下の方は5年)
その他の書類 取引に関して作成または受領した上記以外の書類
(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など)
5年

白色申告の場合

保存が必要なもの 保存期間
帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年
書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 5年

帳簿の電子保存

電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿書類を、一定の条件を満たした上で、電子データで保存することを認める法律です。以前は厳しい条件がありましたが、2020年10月の法改正にともない、事前の承認が不要となりました。

DVDやハードディスクといったメディアでの保管だけではなく、クラウドサービスを利用してサーバーに保管したデータも対象となります。

また、紙の領収書などを電子データに変換する「スキャナ保存」も認められており、以前は必要だったタイムスタンプや定期検査といった規制要件が大幅に緩和され、領収書への自署は廃止され、タイムスタンプ付与までの期間は最長約70日(2ヶ月とおおむね7営業日)以内に統一されます。

まとめ

本記事では、個人事業主が確定申告の際に必要となる帳簿の作成方法や保存方法について解説しました。確定申告、特に青色申告の特典を最大限に享受するためには、適切な会計処理と資料の整理・保存をして、正しい申告と納税を行わなければなりません。

また、しっかりと作成された会計帳簿は、申告だけでなく経営判断においても有用な資料として活用することができます。会計ソフトの活用や専門家の力を借りるなど、さまざまな選択肢を検討した上で、日常的に正しい会計処理を行いましょう。

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