会計の基礎知識

税理士と公認会計士どちらに依頼するべき?それぞれの違いを詳しく聞いてみました

最終更新日:2023/02/22

会社の経理について専門家に相談したい場合、税理士と公認会計士どちらに依頼するのが適切なのでしょうか。税理士や経営者の方にそれぞれの特徴や違いをお伺いしました。

目次

この記事でご回答いただいたみなさま

リライル会計事務所 税理士 野口五丈さん

リライル会計事務所:公認会計士・税理士 野口五丈さん

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竹市会計事務所:税理士 竹市真由香さん

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税理士法人あすなろ 税理士 清水昭紀さん

税理士法人あすなろ:税理士 清水昭紀さん

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税理士法人あすなろ

株式会社Kaeru 代表取締役 大崎弘子さん

株式会社Kaeru:代表取締役 大崎弘子さん

ITや不動産、コミュニティを活用して、ウェブから集客する、サブスクリプション型の事業を複数展開。

株式会社Kaeru

freee株式会社 経理管理部 池嶋真吾さん

freee株式会社:経理管理部 池嶋真吾さん

食品メーカーでの5年間の経理経験を経てfreee株式会社に入社。インサイドセールス、カスタマーサクセスを経験し、2018年10月に経理チームへ異動。異動後に、バックオフィスメンバーとして人生初のIPOを経験する。現在は売上関連業務を中心に経理業務全般に幅広く従事。

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Q.税理士と公認会計士の違いとは?

A.税理士は「税務」の専門家、公認会計士は「監査」の専門家

まずは税理士と公認会計士の違いを理解しておきましょう。

リライル会計事務所:公認会計士・税理士 野口五丈さん

両者ともに会計の専門家でありますが、そのなかでも税理士は「税務」の専門家、公認会計士は「監査」の専門家といった感じです。

会計業務にはさまざまな分野がありますが、以下の業務は税理士、公認会計士それぞれの「独占業務(*)」に定められていて、資格を持っていないと行うことができません。

それゆえに税理士は、企業が作成した決算書をもとに、税金の申告書の作成や、節税などの税に対するアドバイスを行うことが業務のベースにあります。

一方、公認会計士は、企業が作成した決算書が正しく作られているかチェックをすることが業務のベースにあります。

税理士は比較的「社長の右腕」みたいな立場で、日々の数字を積み上げて好決算を作っていく視点を持っている方が多いのが特徴です。一方、会計士は、できあがった決算書を見て、チェックをかけていくといった感じですね。

(*)独占業務

  • 税理士:税務書類の作成、税務代行、税務相談
  • 公認会計士:財務諸表監査

竹市会計事務所:税理士 竹市真由香さん

税理士も公認会計士もどちらも日本の国家資格であり、それぞれ独占業務があります。税理士の主な業務内容は、税務代理・税務書類の作成・税務相談で、これらが税理士の独占業務となります。そのほか、個人や個人事業主や会社に関わる税務に関する仕事を代理して行っています。

一方、公認会計士の主な業務は監査業務です。企業が会計基準や金融商品取引法・会社法などの関連法に違反していないかをチェックすることが、公認会計士の独占的業務となっています。また公認会計士は、一定の条件を満たしていれば税理士としての登録も可能です。税理士登録をして税務業務を行う公認会計士もいます。

どちらも会社の会計を見るという点では同じです。ところが、両者の業務の目的が異なります。公認会計士は、会計の内容が正しいかどうかのチェック(監査)が目的です。そして、税理士は会計を元にして、国に対しての税金の申告・申請、そして税の相談をすることを目的とします。税金関係の申告・申請・相談だけでよいのであれば、税理士の仕事となります。また、税金関係だけでなく、同時に監査も期待しているのであれば、公認会計士に依頼するのが良いでしょう。

freee株式会社:経理管理部 池嶋真吾さん

弊社は税理士と公認会計士のどちらともお付き合いがあり、ご依頼する内容の区分けとしては、税務については税理士の方に、会計や会計監査については公認会計士が所属する監査法人にお願いしてます。

公認会計士のみできる独占業務が「監査業務」です。これは公認会計士法に定められており、企業が作成した財務諸表を第三者の立場から評価する業務。このため、上場企業を中心とする大企業がクライアントになります。

それに対して税理士は「税務業務」を独占してできる資格で個人や中小企業の税務処理、税金に関するアドバイスなどを行う仕事。ただし、公認会計士は税理士登録も可能なので、税理士として活動することもできまます。

ただし、会計監査が必要な会社は全体から見ると多くなく、中小企業は、会計監査のために公認会計士の方に依頼することはあまり考える必要がないかと思います。

一概には言えませんが、税理士事務所は税金関係により強く、会計士は業務フローの改善を得意とする傾向があるかもしれません。とはいえ、どちらも税理士登録ができ、それを済ませていれば会社の税務申告はできるので、中小企業が、会計事務所と税理士事務所の違いを強く意識する必要があるかと言われると、あまりないと思います。

Q.経理まわりの相談事はさまざまですが、税理士と公認会計士どちらに依頼すべき?

A.中小規模の会社であれば、どちらに依頼しても大きな違いはない

得意分野には個人差があります。自身が相談したい内容に対しての実績などを一つの判断材料にすると良いでしょう。上場企業や上場を目指している企業は、公認会計士の監査を受けなければいけません。

リライル会計事務所:公認会計士・税理士 野口五丈さん

簡単に言うと、「税務」や「記帳」についての相談であれば税理士のほうが得意なケースが多く、「経営」や「資金調達」、「補助金」などの相談であれば、会計士のほうが得意なケースが多いですね。

ただし、何が得意かについては個人差があり、税理士のなかにも、会計士のなかにも、両方できる方がけっこういらっしゃいます。まずは、個別に「こんなことも相談できますか?」と聞いてみて、できる場合はその実績がどれくらいあるか聞いてみるのが良いでしょう。

例えば、資金調達の相談をしたい場合は、「これまで、融資の支援を何件くらい行った実績がありますか?」といった感じで聞いてみます。「100件以上実績があります」と返ってくれば安心できますし、2〜3件だと別をあたることを考えても良いかもしれませんね。

竹市会計事務所:税理士 竹市真由香さん

税理士と公認会計士のどちらに相談すればよいのかということですが、正直、小規模の会社であれば、どちらに依頼しても、あまり変わりはないと思います。でも、大きな企業になると、法人税のことをしっかり勉強して、しかも経験がないと対応できない場合があるので、その場合は税理士に依頼するのがよいのではないでしょうか。やはり、税に関しては、税理士が専門家となりますから。また、相続関連も税務ですから、専門となる税理士のほうが良いでしょう。

税理士法人あすなろ:税理士 清水昭紀さん

職業の領域として、公認会計士は、登録すれば税理士業務も認められている会計の専門家としての国家資格ですが、税理士は、税金計算のプロとしての国家資格です。資格の領域が異なり、上場企業や上場を目指している企業は、公認会計士の監査を受けなければいけませんが、中小企業はその必要がありません。

なので、相談の種類は関係なく、中小企業(もしくは個人事業主)であれば、どちらを選んでもいいですし、上場企業であれば公認会計士もしくは両方と契約する必要があります。

Q.税理士と公認会計士の両方の資格を持っている人にお願いした方が良い?

A.上場企業や上場を目指している場合を除き、特に関係ない

上述したように上場企業や上場を目指している企業は公認会計士の監査を受けなければいけません。

竹市会計事務所:税理士 竹市真由香さん

税務だけ依頼するのであれば、税理士と公認会計士の両方の資格を持っている必要はありません。それよりも、相続税や法人税などに関しては、税務の専門家である税理士のほうが向いているのではないかと思います。

ただし、大きな会社であって、将来的に監査も頼みたいという要望があれば、両方の資格を持っているほうがいいでしょう。また、社内統制を強化したいなどと考えているのであれば、これも公認会計士の資格のある方がよいのではないでしょうか。

税理士法人あすなろ:税理士 清水昭紀さん

片方か両方かというのは、あまり関係ありません。上場企業や上場を目指している企業は、公認会計士の監査を受ける必要がありますので、公認会計士と契約しつつ、税理士とも契約しています。

ですが、中小企業は公認会計士の監査を受ける必要がないので、税理士だけと契約しているケースがほとんどです。

株式会社Kaeru:代表取締役 大崎弘子さん

公認会計士は税理士の役割を果たすこともできますが、逆に税理士には行えず、公認会計士だけができることもあるはずです。その特別な役割の分だけ、公認会計士のほうがコストが高くなっていると思います。

それに公認会計士は上場を考えるタイミングや、企業規模が大きくなる場合にお願いするイメージがあるんです。今の自分たちにとってはあまり関係しない方ですし、コスト感からも公認会計士のほうから選ぶというのは、現状では考えていません。

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紹介を依頼された方には、3人のアドバイザーに紹介したタイミングでメールが届きます。

その後数日間は認定アドバイザーが対応すると、freeeからメールが届きURLを開くと税理士からのメッセージを確認することができ、返信することができます。

連絡が取れましたら、そのままメッセージする、電話する、直接会うなどの連絡を取り、条件面や人柄が合うか等すり合わせのうえ、契約の検討をお願いいたします。

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