パソコンの中に「人に見られたくないフォルダ」があるものの、どう守ればいいのかわからず、そのままにしていませんか。
仕事の見積書や顧客情報、社内資料、あるいは個人的な写真や書類など、第三者に見られると困るデータを抱えている人は多いでしょう。そこで「フォルダにパスワードをかけたい」と考えて調べてみると、Windowsの標準機能、ZIP圧縮、無料ソフトなど選択肢が多く、かえって混乱してしまうケースも少なくありません。
本記事では、ITに詳しくない人でも判断できるように、「フォルダにパスワードをかける方法」を目的別・環境別に整理して解説します。自分のパソコンで何ができて、何に注意すべきかを押さえ、自分に合った安全な方法を選べるようにしていきましょう。
目次
- フォルダにパスワード・鍵をかけるとは?
- Windows 11では「フォルダに直接パスワード設定」ができない理由
- Windows 11でフォルダにパスワード・鍵をかける方法
- ZIP圧縮+パスワードで手軽に保護する(標準機能で可能)
- BitLockerでフォルダを丸ごと保護する(Windows 11 Pro向け)
- 専用ソフトでフォルダにパスワードをかける(初心者向け)
- Macでフォルダにパスワード・鍵をかける方法
- 無料の圧縮・暗号化ソフトでフォルダにパスワードをかけるメリット
- 無料で導入しやすく初心者でも使いやすい
- 複数ファイルをまとめて暗号化して共有しやすい
- メール添付やオンラインストレージとの相性がよい
- フォルダにパスワード・鍵をかける際に注意すべきポイント
- パスワードを忘れないようにする
- 暗号化キーや回復キーをバックアップする
- フリーソフトの利用にはウイルス・情報抜き取りのリスクがある
- ZIP暗号化は安全性が低い
- まとめ
- よくある質問
フォルダにパスワード・鍵をかけるとは?
フォルダにパスワード・鍵をかけるとは、パソコン内の特定のフォルダやその中のファイルを、許可された人以外が開けないように制限することを指します。
具体的には、パスワードを入力しなければ中身を閲覧・編集できない状態を作り、第三者によるのぞき見や情報漏えいを防ぐ仕組みです。自宅や職場でパソコンを共用している場合や、ノートPCを持ち歩く機会が多い場合には、とくに重要な対策といえます。
ここで注意したいのは、「鍵をかける」といっても、目的によって適した方法が異なる点です。単に家族に見られなければよいのか、業務データとして一定のセキュリティ水準が必要なのか、PCを紛失した場合まで想定するのかによって、選ぶべき対策は変わります。また、パスワードを忘れると自分でも開けなくなるケースがあるため、バックアップや管理方法も含めて考える必要があります。
フォルダにパスワードをかけるとは「とりあえず鍵をつける」行為ではなく、利用環境やデータの重要度に応じて、適切な方法でアクセス制限をおこなうことだと理解しておくとよいでしょう。
Windows 11では「フォルダに直接パスワード設定」ができない理由
Windows 11では、フォルダ単体に直接パスワードを設定する機能が用意されていません。これは不具合や設定不足ではなく、Windowsの設計思想による仕様です。
Microsoftは、個々のフォルダに簡易的なパスワードをつける方式よりも、ドライブ全体を暗号化する仕組みのほうが安全性と管理性が高いと考えています。そのため、BitLockerのように保存場所ごと暗号化する機能を正式なセキュリティ対策として採用しているのです。
フォルダ単位のパスワード機能は、実装の仕方によっては簡単に突破されたり、管理が煩雑になったりするリスクがあります。業務利用においては、「どのフォルダに鍵がかかっているか」「解除権限は誰がもつのか」といった運用面の問題が発生しやすくなるでしょう。こうした背景から、Windows 11ではフォルダ単体のロック機能をあえて標準搭載していません。
その代わり、ZIP暗号化やBitLocker、専用ソフトなど、用途に応じた外部手段を選ぶ前提になっています。つまり、Windows 11では「直接かけられない」のではなく、「目的に応じて適切な方法を選ぶ」設計になっていると理解するとわかりやすいでしょう。
Windows 11でフォルダにパスワード・鍵をかける方法
Windows 11ではフォルダ単体に直接パスワードを設定できないため、フォルダにパスワード・鍵をかける際は以下のいずれかの方法を選択することになります。
3つの方法
- ZIP圧縮+パスワードで手軽に保護する(標準機能で可能)
- BitLockerでフォルダを丸ごと保護する(Windows 11 Pro向け)
- 専用ソフトでフォルダにパスワードをかける(初心者向け)
それぞれの特徴と向いている使い方を確認していきましょう。
ZIP圧縮+パスワードで手軽に保護する(標準機能で可能)
もっとも簡単なのは、フォルダをZIPファイルに圧縮し、パスワードを設定する方法です。特別な設定変更が不要で、短時間で実行できます。一時的に他人の目を避けたい場合や、メール添付や持ち運び用として軽く保護したい場面に向いています。
ただし、Windows標準のZIP暗号化は強度が高くありません。業務資料や個人情報を扱う場合は、7-Zipなどのツールを使い、AES-256で暗号化したほうが安心です。ファイル名まで暗号化できるため、中身を推測されにくくなります。
BitLockerでフォルダを丸ごと保護する(Windows 11 Pro向け)
Windows 11 Proを利用している場合、BitLockerによる暗号化がもっとも堅牢な選択肢です。フォルダ単位ではなく、USBメモリや外付けドライブ、内蔵ドライブ全体を暗号化します。紛失や盗難への備えとしては、フォルダ単位の対策より確実です。
設定はエクスプローラーから有効化できますが、回復キーの管理が欠かせません。回復キーを失うと本人でも復旧できないため、Microsoftアカウントへの保存や紙での保管など、あらかじめ運用ルールを決めておく必要があります。
専用ソフトでフォルダにパスワードをかける(初心者向け)
右クリック操作など、直感的にフォルダをロックしたい場合は専用ソフトが候補になります。
ドラッグ操作だけで暗号化できるものや、パスワードを入力するまでフォルダを見えなくする機能をもつ製品もあります。日常的にフォルダを開閉しながら使いたい人には扱いやすい方法です。
どの方法にも長所と短所があります。守りたい情報の重要度と使い方を基準に、無理のない方法を選ぶことが、安全と継続性を両立させるポイントです。
Macでフォルダにパスワード・鍵をかける方法
Macでフォルダにパスワードや鍵をかけたい場合、Windowsのようにフォルダ単体へ直接パスワードを設定する機能は用意されていません。その代わり、Macでは標準機能や専用アプリを使って、実質的に同じ目的を達成します。
もっとも安全で基本となる方法は、標準アプリの「ディスクユーティリティ」を使うやり方です。保護したいフォルダを、暗号化されたディスクイメージ(.dmg)に変換します。作成時にパスワードを設定するため、開くたびに入力が必要になり、中身は第三者から見えません。AES方式で暗号化されるため、個人情報や業務資料の保管にも適しています。
一方、他人とデータを共有する場合やZIP形式で渡したい場合は、Mac標準機能だけでは対応できません。その場合は「Keka」などの圧縮アプリを使い、パスワード付きZIPを作成します。用途に応じて、保管用はディスクイメージ、共有用はZIPと使い分けることが、Macで安全にフォルダを守るポイントです。
無料の圧縮・暗号化ソフトでフォルダにパスワードをかけるメリット
無料の圧縮・暗号化ソフトでフォルダにパスワードをかけるメリットは、主に以下の3つです。
3つのメリット
- 無料で導入しやすく初心者でも使いやすい
- 複数ファイルをまとめて暗号化して共有しやすい
- メール添付やオンラインストレージとの相性がよい
それぞれについて、具体的に解説していきます。
無料で導入しやすく初心者でも使いやすい
フォルダにパスワードをかけるために、高価なセキュリティ製品を購入する必要はありません。7-ZipやVeraCryptといった無料ソフトを使えば、コストをかけずに強力な暗号化が可能です。また、Windows 11 Homeのように、標準の暗号化機能が制限される環境でも問題なく使えます。
多くの圧縮ソフトは右クリックメニューに組み込まれ、フォルダを選んで操作するだけで設定画面が開きます。難しい専門用語や複雑な管理画面を避けられるため、ITに詳しくない人でもすぐに使いはじめやすい点がメリットです。
複数ファイルをまとめて暗号化して共有しやすい
業務では、見積書や請求書、画像、PDFなど複数の関連ファイルをまとめて扱う場面が多くあります。圧縮・暗号化ソフトを使えば、フォルダ構成を保ったまま、ひとつのパスワード付きファイルにまとめられます。
その結果、送信時にファイルが散らばらず、受け取る側も管理しやすくなるでしょう。強力な暗号化をかけておけば、送信経路での情報漏えいリスクも抑えられます。さらに、圧縮によってファイルサイズが小さくなり、送信時間や保存容量の節約にもつながりま
メール添付やオンラインストレージとの相性がよい
BitLockerはPC内のデータ保護に向く一方、外部へ渡す用途には適していません。これに対し、パスワード付きZIPなどは汎用性が高く、WindowsやMac、スマートフォンなど環境を問わず扱えます。
メール添付やGoogleドライブ、OneDrive、Dropboxへのアップロード時にも有効です。事前に暗号化しておけば、共有設定のミスやアカウントの不正利用が起きても、ファイルの中身まで見られる可能性を下げられます。場所や相手を選ばず安全にデータを扱える点が、無料の圧縮・暗号化ソフトの強みです。
フォルダにパスワード・鍵をかける際に注意すべきポイント
フォルダにパスワード・鍵をかける際は、以下の点に注意しましょう。
注意すべき4つのポイント
- パスワードを忘れないようにする
- 暗号化キーや回復キーをバックアップする
- フリーソフトの利用にはウイルス・情報抜き取りのリスクがある
- ZIP暗号化は安全性が低い
それぞれについて、具体的に解説していきます。
パスワードを忘れないようにする
暗号化されたフォルダやファイルは、正しいパスワードがなければ本人でも開けません。これは高い安全性の裏返しであり、「忘れたら終わり」という性質を持ちます。実際、久しぶりに開こうとして思い出せず、写真や業務データを失うケースは少なくありません。
そのため、「覚えられるはず」と過信しない姿勢が重要です。設定したパスワードは、パスワード管理アプリに保存するか、紙に書いて鍵付きの場所に保管してください。頭だけに頼らず、忘れても困らない仕組みを用意しておくことが大切です。
暗号化キーや回復キーをバックアップする
暗号化キーや回復キーは、必ずバックアップしておきましょう。BitLockerやEFSのようなWindowsの暗号化機能は強力ですが、PCの故障や初期化が起きると解除できなくなるリスクがあります。
注意したいのは、回復キーを暗号化したPC内だけに保存しないことです。それではトラブル時に取り出せません。BitLockerの場合はMicrosoftアカウントへの保存、USBメモリへの書き出し、紙での保管など、PCとは別の場所に残してください。
フリーソフトの利用にはウイルス・情報抜き取りのリスクがある
無料の暗号化・圧縮ソフトは便利ですが、すべてが安全とは限りません。更新が止まった古いソフトや、非公式サイトから配布されているものには、脆弱性やウイルス混入のリスクがあります。
導入前には、開発者が明確か、定期的に更新されているかを確認してください。企業や業務用途では、実績のある7-ZipやVeraCryptなど、信頼性が検証されているソフトを選ぶほうが安心です。ソフトは安さや手軽さだけで選ばず、「長く安全に使えるか」を基準に判断しましょう。
ZIP暗号化は安全性が低い
ZIP暗号化は手軽に使える一方で、安全性は高いといえません。とくにWindowsの標準機能で作成したZIPファイルは、古い暗号化方式が使われており、専用の解析ツールを使えば比較的短時間で解除される可能性があります。そのため、「パスワードをかけたから安心」と思い込むのは危険です。
個人のメモや一時的な受け渡し用途であれば問題になりにくいですが、業務資料や個人情報、顧客データを守る目的には不十分です。安全性を重視する場合は、7-Zipなどのツールを使い、AES-256といった強力な暗号化方式を選ぶ必要があります。
ZIP暗号化は「簡易的な目隠し」と考え、守りたい情報の重要度に応じて、より強固な方法へ切り替える判断が欠かせません。
まとめ
Windows 11でフォルダにパスワードをかける際は、OSのエディションや利用シーンに応じた使い分けが重要です。
手軽な共有には「ZIP暗号化」、Pro版での強固な保護には「BitLocker」、頻繁な利用には「専用ソフト」と、それぞれの特徴を理解して選びましょう。
どの方法を選んでも、パスワード忘れなどのトラブルを防ぐため、管理ルールの徹底と定期的なバックアップは欠かせません。適切な保護方法を導入し、情報漏えいの不安がない安全な環境を整えてください。
よくある質問
Window 11でフォルダにパスワードをかけるにはどうしたらいい?
Windows 11には「右クリックしてフォルダに直接パスワードをかける」標準機能はありません。
そのため、外部ツールを使うのが現実的な解決策です。もっとも手軽で安全性のバランスがよい方法は、7-Zipを使ってフォルダをパスワード付きZIPに変換するやり方になります。
AES-256暗号化に対応しており、Windows 11 Homeでも利用可能です。右クリック操作だけで設定できるため、初心者でも扱いやすい方法といえます。
詳しくは「Windows 11でフォルダにパスワード・鍵をかける方法」で解説しています。
フォルダにパスワードをかければ絶対に安全?
パスワードをかけただけでは「絶対に安全」とはいえません。安全性は、暗号化方式とパスワードの強さに左右されます。
推測されやすい短いパスワードや、Windows標準ZIPの古い暗号化方式では、解析ツールによって突破される可能性があります。
安全性を重視する場合は、AES-256に対応したツールを使い、英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた12文字以上のパスワードを設定することが重要です。ツール任せにせず、設定する側の意識も欠かせません。
詳しくは「ZIP暗号化は安全性が低い」で解説しています。
フォルダにパスワードをかける際の注意点は?
「パスワードを忘れて自分で開けなくなる」ことに注意しましょう。
強力な暗号化を使った場合、パスワードを失うと復旧はほぼ不可能になります。必ずパスワード管理アプリや紙のメモなど、安全に保管してください。
詳しくは「フォルダにパスワード・鍵をかける際に注意すべきポイント」で解説しています。
Macユーザーはフォルダにパスワードをかけられる?
Macでも可能ですが、方法がWindowsとは異なります。
Finderの通常の圧縮機能ではパスワードは設定できません。標準機能で対応するなら、「ディスクユーティリティ」を使い、フォルダを暗号化されたディスクイメージ(.dmg)に変換する方法が一般的です。マウント時にパスワードを求められるため、自分用の保管には向いています。
ただし、この形式はWindowsでは開けません。Windowsユーザーと共有する場合は、Kekaなどの圧縮アプリを使い、パスワード付きZIPを作成するのが現実的です。Mac内で完結させるのか、他人と共有するのかで手段を使い分けることが重要になります。
詳しくは「Macでフォルダにパスワード・鍵をかける方法」で解説しています。
