会計の基礎知識

個別注記表とは?役割と必要性について解説します

個別注記表とは?役割と必要性について解説します

会社法により決算書には、会計を適正に処理するにあたり補足情報を記載して提供する必要があります。

その補足情報を一覧表示した書類のことを個別注記表といいますが、個別注記表を用意しなければならない法的根拠や、求められる記載内容をご紹介しましょう。

初めて決算書の作成を行う方はこちらの記事も併せてご覧ください。
【関連記事】法人決算を一人で完結させるために必要な前提知識

目次

法人決算の準備をfreee会計で簡単・安心・確実に

freee会計で日々の記帳を行うと、決算書を簡単に作成。
帳簿の作成も、銀行口座との同期で自動入力・自動仕訳ができます!

クラウド会計ソフト市場シェアNo.1のfreee会計なら、初心者の方でも安心して進められます。

個別注記表とは

注記とは、決算書を読みとく際にヒントや参考になる内容を、補足するものです。

個別注記表はそれらを一覧にしたもので、重要な会計方針に関わる注記、貸借対照表に関わる注記、損益計算書に関わる注記など、それぞれの計算書類に記載されていた事項をまとめて記しています。これは、会社法にて計算書類として設定され、作成する必要があります。

会社法および会社計算規則に準じた手続き

会社法(平成17年法律第86号)の規定に基づいて定められた、会社計算規則(平成18年2月7日法務省令第13号)では、重要な会計方針にかかる事項に関する注記等の項目で、個別注記表を表示するよう求めています。

さらに、それ以外でも貸借対照表や損益計算書、そして株主資本等変動計算書によって、会社の財産または損益の状態を間違いのないように判断するための事項を、注記しなければならないのです。会社計算規則の第97条以下に記載のある内容に従って、注記を行いましょう。

なお、個別注記表は必ずしも1つの書面として整えなければならないものではないので、貸借対照表などの注記事項として記しても、問題はありません。

個別注記表に記載すべき項目(公開会社と非公開会社による違い)

個別注記表に記載が必要な事項は、同じ株式会社であっても公開会社であるか、そうでないかによって異なります。具体的な注記項目を見る前に、会社の種別について確認しておきましょう。

公開会社
発行株式のうち、譲渡制限株式が一部分でもある会社
公開会社でない株式会社
すべての株式の譲渡について会社の承認が必要である旨の定めを、定款においている株式会社

個別注記表には何が記載されているべきか

以下の項目名の横には、会計監査人設置会社ではない株式会社(公開会社を除く)に求められる個別注記表に記載すべき項目は(●)、会計監査人設置会社ではない公開会社に求められる記載すべき項目は(★)として、それぞれ示しています。

該当する事項がないときは、記載する必要はありません。それでは、各項目の簡単な説明をしましょう。詳細は、会社計算規則の第98条以下を参照してください。

記載項目説明
継続企業の前提に関する注記 将来にわたって、会社として事業を継続するための前提として、重要な疑義を生じさせる事象(売上高の顕著な減少、債務の超過など)がある場合に、記載します。
重要な会計方針にかかる事項に関する注記(●)(★) 資産の評価基準や固定資産の減価償却の方法など、計算書類を作成するための基本事項を記載します。
表示方法の変更に関する注記(●)(★) 表示方法を他の方法に変える場合に、その内容や理由を記載します。
会計上の見積もりの変更に関する注記 会計上の見積もりを変更した場合は、内容や影響額を記載します。
誤謬の訂正に関する注記(●)(★)企業会計基準の第24号、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」にのっとって、会計処理を行う場合に注記が必要となります。
貸借対照表に関する注記(★)資産が担保に供されていることや、減価償却累計額などを示す項目です。
損益計算書に関する注記(★)関係会社との間の営業取引による取引高総額、営業取引以外のやりとりによる取引高総額をそれぞれ分けて、示します。
株主資本等変動計算書に関する注記(●)(★)事業年度末日における、発行済み株式の数などを示します。
税効果会計に関する注記(★)繰延税金資産や、繰延税金負債を記載します。
リースにより使用する固定資産に関する注記(★)ファイナンス・リース取引の借主となる株式会社が、通常の売買取引にかかる方法にのっとって会計処理を行っていない場合に、リース物件に関する事項を記載します。
金融商品に関する注記(★)金融商品の状況や、時価に関する記載をします。
賃貸等不動産に関する注記(★)賃貸等不動産の状況や、時価に関する記載をします。
持分法損益等に関する注記関連会社がある場合、その会社に対する投資金額などを記載します。
関連当事者との取引に関する注記(★)親会社や子会社等をはじめとする、関連当事者との間に取引がある場合(法人・個人問わず)、相手先の名称・関係性や取引の内容、議決権の数の割合などを記載します。
一株当たりの情報に関する注記(★)一株当たりの純資産額や、当期純利益額などを示します。
重要な後発事象に関する注記(★)事業年度の末日後に、翌事業年度以降の財産や損益に重要な影響を及ぼす事柄が発生した場合、その内容を記載します。
連結配当規制適用会社に関する注記当該事業年度の末日が最終の事業年度の末日となる際は、その後連結配当規制適用会社となる旨を記載します。
その他の注記(●)(★)これまでの項目の内容以外で、貸借対照表等、損益計算書等、株主資本等変動計算書等によって、会社の財産や損益の状態を正確に判断するために必要な事項を記載します。

法人決算の準備をfreee会計で簡単・安心・確実に

freee会計で日々の記帳を行うと、決算書を簡単に作成。
帳簿の作成も、銀行口座との同期で自動入力・自動仕訳ができます!

クラウド会計ソフト市場シェアNo.1のfreee会計なら、初心者の方でも安心して進められます。

個別注記表の記載例

では、個別注記表の記載例を見てみましょう。これは、中小企業庁から公開されている資料です。実際に記載する項目は、それぞれの企業によって異なります。

出典: 中小企業庁:「中小企業の会計34問34答」から個別注記表の様式例

終わりに

個別注記表を記すことで、会社の現在の状況がわかりやすくまとまります。

将来にわたる会社の健全性をしっかり把握するためにも、個別注記表が果たす役割は大きいです。ミスのないように、会社計算規則に準じてしっかり整理するようにしましょう。

経理を自動化し、日々の業務をもっとラクにする方法

経理業務には日々の入出金管理だけでなく、請求書や領収書の作成から保存まで多岐にわたります。

シェアNo.1のクラウド会計ソフト(*1)「freee会計」では、面倒な仕訳や入力作業を自動化、必要書類も簡単に作成でき、経理業務にかかる時間を半分以下(*2)に削減できます。
※1.シミラーウェブ、ローカルフォリオ(2019年10月)
※2.自社調べ。回答数1097法人。業務時間が1/2以上削減された法人数


また、関連書類はクラウド内で保存が可能です。管理にかかるコストも削減でき、書類の破損や紛失の心配もありません。

数あるソフトの中でも、freee会計を導入するメリットをご紹介します。

freee会計

明細の自動取り込みで日々の帳簿作成が簡単・ラクに!

銀行口座やクレジットカードを同期することにより、利用明細を自動的に取り込むことができます。取り込んだ明細から勘定科目の登録はもちろん、売掛金や買掛金の消し込み、資金の移動などの記帳も可能です。

明細を手入力ではなく自動的に取り込むため、入力の手間や漏れなく正確な帳簿を作成できます。

freee会計

経営層にもわかりやすいレポートを自動作成!

会社を経営するうえで重要なのはお金の流れです。freee会計では、お金の流れをリアルタイムで把握できるレポートを自動で作成できます。

たとえば「資金繰りレポート」を作成すると、今後のお金の出入りを踏まえた上で現金の残高推移を確認することができます。現金の動きを把握することで、資金ショートの防止につながります。


freee会計で出力したレポートのイメージ

決算関連の書類作成にも対応!

freee会計では、中小企業の決算関連書類を自動的に作成できます。

<freee会計で出力可能な書類の一例>

  • 貸借対照表・損益計算書
  • 仕訳帳・総勘定元帳
  • 現金出納帳 など
PDFやCSVファイルに出力することも可能なため、士業の方への共有や社内での資料作成にも活用できます。

ほかにもfreee会計には、効率的な経理を実現するための機能が豊富に備わっています。

<freee会計の機能例>
  • 見積書/請求書/納品書の発行
  • 入金確認や消込、帳簿への反映
  • 支払管理や振込ファイルの自動作成
  • 証憑管理(電子帳簿保存対応)etc...
freee会計は、30日間の無料お試し期間を設けています。無料お試し期間でもサポート機能の利用も可能なので、気になる方はまず無料でお試しされることをおすすめします。

今すぐfreee会計を使ってみたい方は、freee会計アカウントの新規作成(無料)ページからお試しください。

freee会計で経理業務をかんたんに!

freee会計なら会計帳簿の作成はもちろん、初めてでも簡単に決算書や申告書も作成が可能です。

通帳と同期すれば転記作業もなく、入力ミスを大幅に削減できます。経理業務の効率化に、ぜひ一度お試しください。