会計の基礎知識

経理とはどんな仕事? 会計・財務との比較や1年の仕事サイクルについて解説

最終更新日:2021/03/22

経理とはどんな仕事? 会計・財務との比較や1年の仕事サイクルについて解説

会社を経営するうえで、必ず行わなければいけない経理業務。しかし、経理といっても具体的にはどんなことをすればよいでしょうか。

本記事では、なぜ経理をしなければならないのか、基本的な作業は何か、毎月やるべきことは何か、年に一度はやらなければならないことは何かについて詳しく解説していきます。

目次

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経理とは

経理とは、一言でいえば、会社経営において大切な「利益」や「資産」を生み出すためにお金の管理をすることです。

会社は利益や資産を生み出すために、仕入れや販売、経費の支払いなどで多くのお金を動かしています。そして会社は、そのお金の流れを可視化して管理しなければなりません。

経理の仕事は、会社におけるお金の流れを数値化し正確に管理することです。

具体的な内容としては「日々の売上管理」「仕入れ管理」「給与・保険の管理・計算」「税金の計算」「決算書作成」などがあります。そしてそれらの数値化された資料をもとに、経営陣が経営判断や次の一手を考えます。また、経理自身も、その数字に対して改善提案を行う場合もあります。

ひとつひとつの仕事内容には派手さはなく、コツコツと地道に積み重ねていくものですが、経営判断の要である「お金の管理」を行っている業務であるため、会社には欠かせない存在です。

会計や財務と経理の違い

会社のお金の管理を行っている経理の仕事ですが、同じようにお金に関する仕事として会計や財務という仕事もあります。

「経理」「会計」「財務」これら3つの業務はそれぞれお金に関わっている仕事ではあるものの、経理は会計業務の中の一部で、財務は経理が作成した資料をもとに資産調達などを行います。

経理の仕事は会計の仕事の一部

実は、経理と会計はまったくの別物というわけではなく、会計の仕事は経理の仕事の一部でもあります。

会計の業務は、飲食店などのお店での「お会計をする」という意味での会計ではなく、家の家計簿をつけることのような「お金の管理」を意味しています。

会計とは、本来では「お金や物のやりとり、それらの出入りを記録すること」を意味します。

つまり、会計は会社のお金の流れ全体を把握するために必要な業務なのです。売上だけでなく、経費も帳簿に記録しなければならないため、一般的には会社規模が大きくなればなるほど、会計の仕事量は増えていきます。

また、仕訳には一定のルールがあるため、税務の知識が必要になることも少なくありません。法人における会計は、財務会計と管理会計の2つに分けることができます。

財務会計は、企業の営業活動の結果を財務諸表にまとめ、ステークホルダーに開示することを目的とした会計手法です。そして管理会計は、会社自身が経営状況を把握するための会計手法であり、経営方針を決定するための重要な書類となります。

経理は、上記の会計の仕事の他にも、日々の売上げや仕入れなどの会社の日常的な出納管理を行います。日々のお金の流れの管理に加え、月次の仕事である給与・保険の管理や年次の仕事である決算書作成なども経理の仕事です。

会社の規模によっては経理専門の部署が設けられて、より専門職的な仕事内容になったり、一人がすべての業務を兼任したりする場合もあります。

財務の仕事は未来のお金を管理する仕事

経理と会計には業務内容に重複する部分がありましたが、財務はそれらと大きな違いがあります。

経理が会社の「これまでに使ったお金」を管理するのに対し、財務では会社の「これから使うお金」を管理することになります。

財務の主な業務内容は、銀行との融資交渉などの資金調達、投資やM&Aといった資産運用です。経理が作成した賃借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)といった決算書や将来の事業計画などをもとにして、財務が資金調達や資産運用を企画するのです。

つまり、経理・会計は現状を把握するための有効な業務であるのに対し、財務は現状を把握した上でより具体的な行動に移すための業務であるということです。

財務専門の組織が組まれている企業もありますが、中小企業やベンチャー企業では経理が財務を兼任していることもあります。

経理の仕事サイクル

経理の年間を通じての基本業務は大きく分けて3つの仕事サイクル「日次業務」「月次業務」「年次業務」があります。日次業務とは日々の会社の取引を全て数値化し記録をしていきます。

「現金出納管理」「経費精算」「伝票記帳・整理」「売掛金や買掛金の管理」などがこれにあたります。

日次での仕事

日次業務では、日々の会社の取引をすべて数値化し記録をしていきます。

  • 現金出納管理
  • 経費精算
  • 伝票記帳・整理
  • 売掛金や買掛金の管理
などが日時業務にあたります。

月間の仕事サイクル

経理の主な月次業務は

  • 従業員の給与や社会保険料の計算
  • 月次決算書作成
  • 予算実績管理
であり、一般的に以下のサイクルで実施されます。

経理の月次業務
前半 取引先の入金確認
月次決算書作成
予算実績管理
住民税・源泉所得税の納付(毎月10日まで)
後半 給与計算
取引先への支払い・請求書発行
社会保険料の納付

1カ月単位で会社の予算計画と現状の実績を照らし合わせながら、売上の増減や削減できる経費がないかなどを確認します。また、月次決算書をもとに経営陣はその後の経営方針を決定するので、月次決算書は月初にスピード感をもって作成することが必要です。

そのほか、経理の月次業務は「売上代金の請求・支払い」「税金の納付」などの業務があります。なお、源泉所得税は翌月の10日までに納付しなければならない決まりとなっています。忘れずに納付しましょう。

源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければなりません。
引用:国税庁「No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例

年間の仕事サイクル

3月決算の会社の場合、経理の年間の仕事サイクルについては以下の通りです。

経理の年次業務
4月 決算整理
5月 年次決算書作成
税務申告
6月 賞与計算・振込
社会保険の算定基礎届提出
7月 労働保険の更新
8月
9月
10月
11月 中間税務申告
12月 賞与計算・振込
年末調整
1月
給与支払報告書・法定調書の提出
償却資産税申告書提出
2月
3月 実地棚卸

経理の年次単位での業務はたくさんあり、そのなかでも年間の決算のとりまとめ・決算書作成が重要な業務といえます。会計帳簿をもとに損益計算書や賃借対照表などの決算書類を作成します。決算書は、年度の会社の利益や財務状況を示すものとなり、株主総会にも使われる重要な書類です。

そのほかの年次業務には

  • 税務申告
  • 年末調整
  • 賞与計算・振込
  • 株主総会の準備
  • 償却資産申告書
  • 実地棚卸
など経理の年次業務はさまざまです。年間でいうと、決算月の前後3カ月くらい(4月〜6月、1月〜3月)は繁忙期となります。

参考:国税庁「申告と納税
参考:厚生労働省「労働保険の年度更新とは

なお、令和2年分より「年末調整」は改正事項が多いため注意が必要です。詳しくは以下の国税庁のリンクよりご確認ください。
参考:国税庁「令和2年分 年末調整のしかた

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まとめ

経理の仕事の基本は、「記録すること」そして「管理すること」です。取り扱っているものは「決算書の作成」「通帳の記帳や管理」「税金の納付」など会社経営において重要なものばかりです。

また、「給与計算」「立替経費精算」といった業務を正確に行うことで社員からの信用を得る業務なので、経理は経営者にとっても一般社員にとっても信頼のおける人物といっても過言ではないでしょう。

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