確定申告の基礎知識

年末調整と確定申告の両方が必要なケースとは?違いや注意点も解説

監修 大柴良史 社会保険労務士・CFP

年末調整と確定申告の両方が必要なケースとは?違いや注意点も解説

年末調整と確定申告はどちらも、所得税の計算・納税をする手続きです。会社員などの給与所得者は、原則として年末調整を受ければ確定申告は不要です。

ただし、年末調整を受けた人でも、一定の要件に該当する場合は確定申告を行う必要があります。

年末調整と確定申告の違いを理解し、正しく納税しましょう。

本記事では、年末調整と確定申告の違いをはじめ、年末調整と確定申告の両方が必要なケースや両方やる際のポイント・注意点を解説します。

目次

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年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告は、どちらも1年間の所得税額を確定し、申告・納税するための手続きです。

ただし、申告手続きの対象者・実施者・申告期間・受けられる控除の種類などに違いがあります。

年末調整と確定申告の違いは以下のとおりです。

項目年末調整確定申告
手続きをする人勤務先本人(納税者自身)
対象者給与所得者
(一定の条件に該当しない人)
・個人事業主やフリーランス
・年間の収入が2,000万円超の給与所得者
・副業などによる所得が20万円超の人
・年金受給者(不要な場合もあり)など
対象期間1月1日~12月31日に支払いを受けた給与および賞与1月1日〜12月31日に発生した全ての所得
申告期限勤務先が定めた期間(通常は当年11月末〜12月に支払われる給与計算の締日)原則、翌年2月16日〜3月15日(開始日・最終日が土日の場合は翌月曜日まで)
出典:国税庁「No.2662 年末調整のしかた」
出典:国税庁「No.2020 確定申告」

年末調整では、従業員である納税者に代わって、勤務先が所得税の申告・納税を行います。年末に1年間の給与総額が確定した時点で、毎月の給与から概算で徴収されていた源泉徴収税額と正しい所得税額との差額を精算します。

一方、確定申告は、個人事業主や一部の要件に該当する会社員・会社役員などが自ら行う手続きです。1年間の所得金額を税務署に申告し、所得税を確定・納税します。

年末調整とは

年末調整とは、毎月概算で徴収した源泉徴収税額と年税額の差額を精算する手続きです。

会社員やアルバイト・パートなどの給与所得者は、毎月の給与やボーナスから概算で所得税が差し引かれます。

これを源泉徴収といいますが、「1年間の源泉徴収税額の合計」と「給与総額にもとづく正しい年税額」は一致しないのが一般的です。そのため、源泉徴収を行った勤務先が年末に精算手続きを行います。

精算の結果、その年の12月~翌年1月頃に税額の過不足分が従業員に還付または追加徴収されます。

年末調整とは
出典:国税庁「給与所得者(従業員)の方へ(令和7年分)」

会社員であれば、基本的には年末調整の対象となるため、確定申告を行う必要はありません。しかし、一定の要件に該当する場合には年末調整の対象外となります。年末調整の対象となる人と、対象外となる人の要件は以下のとおりです。

年末調整の対象となる人の要件

年末調整までに給与支払者に「扶養控除等(異動)申告書」を提出している人のうち、以下のいずれかに該当する人


  • 1年を通じて勤務している人
  • 年の途中で就職し、年末まで勤務している人
  • 年の途中で退職した人のうち、次に該当する人(※1)
    • 死亡により退職した人
    • 著しい心身の障害のため退職し、本年中の再就職が見込めない人
    • 12月に給与の支払いを受けた後、退職した人
    • パートタイマーとして働いている人が退職した場合で、本年中に支払いを受ける給与の総額が123万円以下の人(退職後、年末までにほかの勤務先から給与を受け取る見込みがある場合を除く)
  • 年の途中で、海外勤務により非居住者となった人(※2)

出典:国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」

(※1)上記対象者は、年末ではなく退職時に年末調整を実施

(※2)上記対象者は非居住者となった際に年末調整を実施

年末調整の対象外となる人

  • 給与収入が年間2,000万円を超える人
  • 災害による被害を受け、本年分の給与に対する源泉所得税および復興特別所得税の徴収猶予、または還付を受けた人
  • 2ヶ所以上から給与の支払いを受けており、ほかの給与の支払者に扶養控除等(異動)申告書を提出している人
  • 年末調整を行うまでに「扶養控除等(異動)申告書」を提出していない人
  • 年の途中で退職した人のうち、次に該当しない人
    • 死亡により退職した人
    • 著しい心身の障害のため退職し、本年中の再就職が見込めない人
    • 12月に給与の支払いを受けた後、退職した人
    • パートタイマーとして働いている人が退職した場合で、本年中に支払いを受ける給与の総額が123万円以下の人(退職後、年末までにほかの勤務先から給与を受け取る見込みがある場合を除く
  • 非居住者
  • 継続して同一の雇用主に雇用されない、いわゆる日雇い労働者

年末調整に関連する税制改正

2025年度の税制改正により、「所得税の基礎控除」や「給与所得控除」の見直しと、「特定親族特別控除」の創設が⾏われました。これらの改正は原則として2025年12月1日に施行され、2025年分以後の所得税について適⽤されます。

このため、2025年12月に行う年末調整など、2025年12月以後の源泉徴収事務には変更があります(2025年11月までの事務には影響しません)。

年末調整に関する事務手続きの詳細は、国税庁のWebサイトに随時公開される予定です。適宜確認しておきましょう。

出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」

【関連記事】
2025年(令和7年)度の年末調整の変更点とは?対応の注意点なども解説

確定申告とは

確定申告とは、1月1日~12月31日までの1年間の所得を申告する手続きです。原則として翌年2月16日から3月15日までに所得を申告して所得税を確定し、納付します。

源泉徴収や予定納税の額よりも本来納付すべき税額が少ない場合は、確定申告書の提出後、1ヶ月~1ヶ月半程度でその差額が還付されます。反対に、税額が多い場合は、不足分の所得税を納付します。

個人事業主や自営業の人など、給与所得以外の所得がある人は個人で確定申告をしなければなりません。

会社員などの給与所得者でも、条件に該当する場合は確定申告が必要です。

確定申告のやり方や対象者について知りたい人はこちらの記事からチェック!


▶︎ 確定申告とは?全くわからない人向けに申告の流れ・対象者について解説!

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年末調整済みの会社員で確定申告が必要なケース

通常、会社員などの給所得者は年末調整によって所得税が精算されるため、確定申告をする必要はありません。

しかし、一例として以下の項目に該当する人は、年末調整とは別に確定申告が必要です。確定申告では、年末調整後に発行される源泉徴収票の内容にもとづいて申告書を作成します。

会社員で確定申告が必要なケース

  • 副業の所得が20万円を超える人
  • 2ヶ所以上から給与の支払いを受けている人
  • 同族会社の役員で家賃収入がある人
  • 土地や建物の売却益がある人
  • 年金受給者で、給与所得が20万円を超える人

※給与収入金額から、雑損控除・医療費控除・寄附金控除・基礎控除以外の所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、かつ給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円以下の人は、申告不要です。

出典:国税庁「確定申告が必要な方」
出典:国税庁「土地や建物を売ったとき」

年末調整は雇用主の義務であり、従業員が実施の有無を選べるものではありません。確定申告を行う場合でも、年末調整の対象者であれば原則として年末調整は実施されます。

会社員が確定申告しなくてはならない場合について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】
会社員で確定申告が必要な人とは?ふるさと納税や副業など事例別にやり方を解説
副業による雑所得で確定申告が必要なケースは?事業所得との違いを解説

副業の所得が20万円を超える人

本業として1ヶ所から給与を受け取り、副業による所得が20万円を超える人は、所得税の確定申告が必要です。

たとえば、本業とは別にクラウドソーシングや内職などで得た雑所得が20万円を超える場合は、確定申告をしなければなりません。

副業所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。ただし、住民税の申告は別途必要となります。

2ヶ所以上から給与の支払いを受けている人

年末調整は1人につき1ヶ所でしか受けることができません。

たとえば、本業が会社員で副業としてアルバイトをしている人など、2つの会社に雇用されている場合は、年末調整を受けられるのはどちらか一方に限られます。

一般的には、収入の多いほうで年末調整が行われます。2ヶ所以上から給与を受け取っている場合、年末調整を受けていない方の給与の収入金額が20万円を超えると、確定申告が必要です。

同族会社の役員で家賃収入がある人

自身が同族会社の役員であり、給与以外に不動産の賃料などを受け取っている場合は、その所得が20万円以下でも確定申告が必要です。

また、その同族会社の役員と特殊な関係にある人も、同様に確定申告が必要です。

同族会社の役員とは、法人税法で定められた同族会社の役員を指します。役員と特殊な関係にある人とは、その役員の親族または親族関係にあった人などを指します。

出典:国税庁「No.1901 同族会社の役員で確定申告の必要な人」

土地や建物の売却益がある人

土地・建物を売却して利益を得た場合は、原則として確定申告が必要です。不動産の売却による所得は譲渡所得に該当します。

譲渡所得は分離課税にあたるため、給与所得などとは別に計算が必要ですが、確定申告の手続きは同時に行います。

また、マイホームを売却し、利益を得た場合に受けられる「3,000万円の特別控除の特例」を適用する際も確定申告が必要です。

【関連記事】
不動産売却後に確定申告は必要?譲渡所得の計算方法と申告方法を解説

出典:国税庁「土地や建物を売ったとき」
出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

年末調整済みの会社員で確定申告をしたほうがよいケース

確定申告の義務がない会社員でも、以下の条件に該当する人は、確定申告をすることで還付を受けられる可能性があります。

会社員で確定申告をしたほうがよいケース

  • 医療費控除・雑損控除・寄附金控除を受ける人
  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を初めて受ける人
  • ふるさと納税の納付先自治体が6ヶ所以上の人

会社員で確定申告の対象となる要件について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事】
会社員で確定申告が必要な人とは?ふるさと納税や副業など事例別にやり方を解説

医療費控除・雑損控除・寄附金控除を受ける人

所得控除は、所得税を算出する際に一定の金額を所得から差し引ける制度です。所得控除は16種類あり、年末調整・確定申告での適用可否は以下のとおりです。

控除の種類控除の適用可否
年末調整確定申告
雑損控除×
医療費控除×
寄附金控除×
社会保険料控除
小規模企業共済等掛金控除
生命保険料控除
地震保険料控除
障害者控除
寡婦控除
ひとり親控除
勤労学生控除
配偶者控除
配偶者特別控除
扶養控除
基礎控除
特定親族特別控除
出典:国税庁「No.1100 所得控除のあらまし」
出典:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」

年末調整をしている会社員であっても、雑損控除・医療費控除・寄附金控除を受けるには、確定申告を行う必要があります。

所得控除控除対象となるケース
雑損控除災害・盗難・横領によって一定の資産について損害を受けた場合
医療費控除1年間(1月1日~12月31日)に自身または生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費が一定額を超える場合
寄附金控除国・地方公共団体・特定公益増進法人などに対して一定の寄附金を支払った場合
出典:国税庁「No.1120  医療費を支払ったとき(医療費控除)」
出典:国税庁「No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」
出典:国税庁「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」

なお、年末調整で申告漏れがあった生命保険料控除や小規模企業共済等掛金控除などについても、確定申告を行うことで適用を受けることが可能です。

【関連記事】
所得控除とは?種類や対象者、計算方法などを解説

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を初めて受ける人

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を初めて受ける年(初年度)は、確定申告が必要です。2年目以降は、年末調整で手続きができます。

住宅ローン控除は、所得税額から一定額を控除できる税額控除のひとつで、住宅ローンを利用してマイホーム(認定住宅)を新築した場合などに適用されます。

【関連記事】
住宅ローン控除を受けるための確定申告のやり方や必要書類を解説

ふるさと納税の納付先自治体が6ヶ所以上の人

「ふるさと納税」の納付先自治体が6ヶ所以上の場合は、ワンストップ特例制度を利用できないため、確定申告が必要です。

ワンストップ特例制度とは、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けられる制度です。以下2つの条件を満たす人が利用できます。

ワンストップ特例制度を利用できる人

  • 会社員などで、確定申告を行わない人
  • 1年間のふるさと納税先の自治体が5ヶ所以内の人

ワンストップ特例制度を利用する場合は、翌年1月10日までにワンストップ特例申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)を提出しなければなりません。申請が間に合わなかった場合は、確定申告が必要となります。

【関連記事】
ふるさと納税の確定申告のやり方は?必要書類やワンストップ特例制度についても解説

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転職・退職後に確定申告が必要なケース

会社員が転職・退職をした場合に、確定申告が必要になることがあります。

転職・退職後に確定申告が必要なケース

  • 退職後に年末まで再就職しなかった人
  • 「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない人

なお、退職後に雇用保険から失業給付を受ける場合は、失業給付分を申告する必要はありません。失業給付は、次の仕事が見つかるまでの生活を保障するものであり、課税所得には該当しないためです。

【関連記事】
転職した年は確定申告が必要?必要なケース・自分でする場合の注意点について解説

退職した年の年末までに再就職しなかった人

年の途中で退職して年内に再就職した場合は、新しい勤務先で前職分も含めた年末調整を受けられます。

一方、年の途中で会社を退職し、その年の12月31日時点で会社に勤めていない場合は、個人で確定申告が必要です。

退職した年の年末までに再就職しなかった人

「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない人

退職金は、長年の勤労に対する報酬として位置付けられているため、税負担を軽減する「退職所得控除」が設けられています。退職所得控除とは、勤続年数に応じて一定額が所得から控除される制度です。

退職時に退職金を受け取る際、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出していれば、退職金には退職所得控除が適用され適切に源泉徴収されるため、確定申告は不要です。

一方、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合は、退職金から一律20.42%が源泉徴収されます。そのため、退職所得控除を適用した場合より多く税金が差し引かれる可能性があり、還付を受けるには確定申告が必要です。

勤続年数退職所得控除額
20年以下400,000円 × 勤続年数
(上記計算で80万円に満たない場合は一律80万円)
20年超8,000,000円 + 700,000円 ×(勤続年数 - 20年)
出典:国税庁「退職金と税」
出典:国税庁「No.2732 退職手当等に対する源泉徴収」

「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合

例:30年勤務した人が退職金2,500万円を受け取った場合の所得税額の違い

「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合
退職所得控除額:8,000,000円 + 700,000円 ×(30年 − 20年)= 15,000,000円
課税退職所得金額:(25,000,000円 − 15,000,000円) × 1/2 = 5,000,000円
所得税額:5,000,000円 × 20%(※1)− 427,500円(※2)= 572,500円
復興特別所得税:572,500円 × 2.1% = 12,022円
納税する所得税額:572,500円 + 12,022円 = 584,500円(100円未満端数切り捨て)

「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合
納税する所得税額:25,000,000円 × 20.42% = 5,105,000円
(※1)所得税率
(※2)所得額に応じた控除額

退職所得の受給に関する申告書を提出していない場合は、確定申告を行い、払いすぎた所得税の還付を受けましょう。

【年末調整の有無別】確定申告のやり方

以下では、確定申告の基本的な手順を、年末調整の有無に分けて解説します。年末調整済みのケースと未実施のケースで必要な対応が異なるため、それぞれの流れを確認しておきましょう。

年末調整済みのときの確定申告のやり方

年末調整をした人で確定申告が必要になる主なケースとしては、医療費控除・住宅ローン控除・寄附金控除を受ける場合などが挙げられます。

医療費控除の場合

1年間で支払った医療費が10万円以上(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等 × 5%を超える場合)は、確定申告により医療費控除を受けられます。

確定申告の流れは、以下のとおりです。

医療費控除の確定申告の流れ

  1. 通知書や領収書をもとに、1年間の医療費の支払総額を確認する
  2. 医療費控除額を計算する
  3. 確定申告書と医療費控除の明細を作成する
  4. 必要書類をそろえて税務署に提出する

医療費控除の申告方法は「税務署への書面提出(郵送または窓口持参)」と「e-Tax(インターネットによる電子申告)」の2種類です。

申告の際には、医療費控除の明細書・確定申告書を提出します。書面で提出する場合は、マイナンバーの記載がある本人確認書類の添付が必要です。e-Taxの場合は、手続き時にマイナンバーカードで本人確認を行います。

医療費通知書や領収書は医療費の確認に必要ですが、提出は不要です。

【関連記事】
医療費控除とは?確定申告のやり方・計算方法についてわかりやすく解説

出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

住宅ローン控除の場合

住宅ローン控除を受ける場合、2年目以降は年末調整で手続きが可能ですが、初年度は確定申告が必要となります。

確定申告の流れは以下のとおりです。

住宅ローン控除を受けるための確定申告の流れ

  1. 不動産会社から不動産売買契約書と住宅の区分に応じた証明書類を受け取る
  2. 金融機関から住宅ローンの年末残高等証明書を受け取る
  3. 建物・土地の登記事項証明書を取得する
  4. 勤務先から源泉徴収票を受け取る
  5. 確定申告書と住宅借入金等特別控除額の計算明細書を作成する
  6. 必要書類をそろえて税務署に提出する

確定申告に必要な書類は、以下のとおりです。

住宅ローン控除を受けるための確定申告で必要な書類

  • 確定申告書
  • 本人確認書類の写し
  • 源泉徴収票
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 住宅ローンの年末残高等証明書
  • 建物・土地の登記事項証明書
  • 建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
  • 住宅の区分に応じた証明書類

住宅ローン控除の申告方法も「税務署への書面提出(郵送または窓口持参)」と「e-Tax(インターネットによる電子申告)」の2種類です。

書面で提出する場合は、マイナンバーの記載がある本人確認書類の添付が必要です。e-Taxの場合は、マイナンバーカードで本人確認を行います。

住宅ローン控除は必要書類が多いため、計画的に書類の準備を進めていきましょう。

【関連記事】
住宅ローン控除を受けるための確定申告のやり方や必要書類を解説

出典:国税庁「マイホームを持ったとき」

ふるさと納税に関する寄附金控除の場合

年末調整をした人でも、ふるさと納税の納付先自治体が6ヶ所以上ある場合、またはワンストップ特例申請書の提出が間に合わなかった場合は、確定申告が必要です。

確定申告の流れは、以下のとおりです。

ふるさと納税の確定申告の流れ

  1. 年間の寄附金額を計算する
  2. 確定申告書を作成する
  3. 必要書類をそろえて税務署に提出する

確定申告書 第二表には、以下の2つを記入します。

確定申告書 第二表の記入内容

  • 「寄附金控除に関する事項」欄に寄附先の名称と合計寄附金額を記入
  • 「住民税・事業税に関する事項」の「都道府県、市区町村への寄附(特別控除対象)」欄に合計寄附金額を記入

確定申告書 第一表には、寄附金額から2,000円を差し引いた寄附金控除額を「寄附金控除」欄に記入します。

ふるさと納税の寄附金控除の申告方法も「税務署への書面提出(郵送または窓口持参)」と「e-Tax(インターネットによる電子申告)」の2種類です。

申告の際には、確定申告書・寄附金受領証明書を提出します。書面で提出する場合は、マイナンバーの記載がある本人確認書類の添付が必要です。e-Taxの場合は、マイナンバーカードで本人確認を行います。

なお、e-Taxで確定申告する場合は、寄附金受領証明書の提出は不要です。

【関連記事】
ふるさと納税の確定申告のやり方は?必要書類やワンストップ特例制度についても解説

出典:国税庁「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」

年末調整していないときの確定申告のやり方

年間の給与収入が2,000万円を超えている人や、年の途中で退職して年末まで再就職していない人などは、年末調整が行われず確定申告が必要です。確定申告書を作成し、必要書類一式を税務署へ提出します。

確定申告書の提出期限は、毎年2月16日〜3月15日(開始日・最終日が土日祝日などの場合は翌営業日まで)です。

確定申告に必要な書類は、以下のとおりです。

確定申告に必要な書類

  • 確定申告書
  • マイナンバーがわかる書類(書面で提出する場合)
  • 各種控除証明書
  • 収入がわかる書類(源泉徴収票など)

確定申告書は「税務署への書面提出(郵送または窓口持参)」または「e-Tax(インターネットによる電子申告)」のいずれかで提出します。

【関連記事】
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年末調整と確定申告を両方やる際のポイント・注意点

以下では、年末調整後に確定申告を行う人に向けて、両方行う際のポイント・注意点を解説します。

年末調整と確定申告を両方行う際のポイント・注意点

  • 確定申告では全ての収入を申告する
  • 税金が二重にかかる心配はない
  • 源泉徴収票を保管しておく
  • 控除の申告(還付申告)は5年間行える

初めて確定申告を行う人は、ポイント・注意点を把握しておきましょう。

確定申告では全ての収入を申告する

確定申告を行う場合は、原則として全ての収入を申告しなければなりません。

たとえば、1ヶ所から給与を受け取り、副業の所得が20万円を超える人は、副業だけでなく本業の給与収入も含めて確定申告が必要です。

申告に漏れがあると、本来の所得税とは別に延滞税や加算税が課される可能性があります。

税金が二重にかかる心配はない

確定申告を行う場合、年末調整の内容も含めて最終的な納税額を再計算し、すでに源泉徴収された税額や年末調整で精算済みの額を差し引いて過不足を調整します。

そのため、年末調整と確定申告を両方行っても、税金が二重に課されたり、所得控除を重複して申請してしまったりする心配はありません。

なお、確定申告が必要であるにもかかわらず行わなかった場合は、延滞税や加算税が課される可能性があります。

源泉徴収票を保管しておく

給与所得者が確定申告を行う場合は、年末調整後に交付される源泉徴収票をもとに確定申告書を作成します。

源泉徴収票の添付や提示は不要ですが、申告書の作成に必要となるため、確定申告まで保管しておく必要があります。

控除の申告(還付申告)は5年間行える

確定申告の義務がない人が、申告期間内に医療費控除や寄附金控除を申告していなかった場合でも、還付申告は5年間行うことができます。

還付申告とは、源泉徴収された所得税額などが納めるべき所得税額よりも多い場合に、確定申告をすることで所得税などの還付を受けられる制度です。

還付申告は、確定申告期間にかかわらず、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。

【関連記事】
還付申告とは?対象となるケースや確定申告・年末調整との違いを解説

まとめ

年末調整は、従業員の代わりに勤務先が行う所得税の精算手続きです。源泉徴収済みの所得税額と、年間の所得にもとづいて算出された正確な所得税額を照合し、その過不足を調整します。

一方、確定申告は、1年間の所得金額や納税額を自分で計算し、申告・納税する手続きです。

会社員などの給与所得者は、勤務先で年末調整を行うため、原則として確定申告する必要はありません。

ただし、医療費控除など年末調整の対象外となる控除を受けたい場合や、副業の所得(副業が給与所得の場合は収入)が20万円を超える場合などは、年末調整を受けていても、自身で確定申告を行う必要があります。

年末調整や確定申告の仕組みを正しく理解し、適切に申告しましょう。

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よくある質問

年末調整と確定申告の違いは?

年末調整と確定申告は、どちらも1年間の所得に対する所得税を確定・申告し、還付を受ける、または不足分を納税する手続きを指します。

確定申告は個人で行う手続きであり、年末調整は勤務先が行う手続きです。

詳しくは、記事内「年末調整と確定申告の違い」をご覧ください。

年末調整と確定申告の両方が必要なケースは?

基本的には、年末調整を受けていれば確定申告は不要です。ただし、副業による所得が一定額を超える場合や、退職金を受け取った人で特定の条件に当てはまる場合などは、確定申告が必要です。

詳しくは、記事内「年末調整済みの会社員で確定申告が必要なケース」と「転職・退職後に確定申告が必要なケース」をご覧ください。

監修 大柴 良史(おおしば よしふみ) 社会保険労務士・CFP

1980年生まれ、東京都出身。IT大手・ベンチャー人事部での経験を活かし、2021年独立。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応。ITを活用した無駄がない先回りのコミュニケーションと、人事目線でのコーチングが得意。趣味はドライブと温泉。

監修者 大柴良史

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