確定申告の基礎知識

確定申告しないとどうなるの?無申告のペナルティを学ぶ

公開日:2017/09/17
最終更新日:2021/05/24

確定申告しないとどうなるの?無申告のペナルティを学ぶ

確定申告は、個人事業主だけでなく、副業収入のあるサラリーマン・フリーター・収入がない人・年の途中で退職した専業主婦(夫)なども対象となります。そのため、自分が確定申告の対象となるかをしっかりと把握しておく必要があります。

もし確定申告の対象者なのにも関わらず、申告を怠った場合は、何らかのペナルティが課される恐れがあります。

例えば、税金を減らすために意図的に申告を怠る「無申告」は脱税行為に該当します。「無申告加算税」や「延滞税」といった追加徴税が課されるケースや場合によっては「ほ脱」と呼ばれる刑事罰の対象となり、社会的信用を失うことにもなりかねません。

本記事では、確定申告の対象者やペナルティについて解説します。仮に、確定申告漏れがある場合は、勧告前に申告を行えば軽減措置を受けられる可能性があります。必ず確定申告をするようにしましょう。

目次

確定申告は義務!副収入がある、個人事業が赤字、無職・無収入の場合の注意

どのような場合に確定申告が必要になるのかと、注意すべきことをまとめました。

副収入がある場合やフリーターでも確定申告が必要

給与所得のあるサラリーマンでも副収入のある方は確定申告が必要です。

確定申告が必要になるのは、給与所得と退職所得以外の副収入が、経費を差し引いた合計が「20万円以上」の場合です。副収入には、給与以外の収入全般が含まれます。例えば、土地の売買による収入や、株やFX取引による収入なども該当します。

副業をしている場合の確定申告については、関連記事で詳しく解説していますので、そちらを参考にしてください。

【関連記事】
副業をしている場合の確定申告はどうなる?

フリーターの方で源泉徴収されている場合、確定申告をして医療費控除などを受ければ、払い過ぎた税金が還付される可能性があります。

住民税は、昨年の1月1日から12月31日までに支払った所得税の金額によって決まります。そのため、確定申告で所得税の金額に変更があれば、翌年の住民税も変わりますので、別途住民税の申告をする必要はありません。

【関連記事】
知っておきたい所得税と住民税の基礎知識。会社員、バイト、フリーランスのタイプ別に解説

個人事業主で赤字でも確定申告は必要

個人事業主の場合、制度上は事業所得が年間38万円以下であれば確定申告は必要ありません。

サラリーマンとは違い、個人事業主の場合、確定申告は税金の支払いや還付だけでなく、社会的信用を得るためにも重要です。確定申告を怠ると、以下のようなデメリットが発生するケースもあります。

非課税証明書が取得できない

個人事業主で確定申告の必要がない場合は、非課税であることを証明する「非課税証明書」が発行されます。この書類は、銀行でローンを組んだり、子供の奨学金を申請する際に必要になります。無申告だと発行できなくなります。

参考:世田谷区「課税・非課税・納税証明書交付申請手続き

国保の減税措置が受けられない

個人事業主は、国民健康保険などに保険料を納めていますが、収入が少ないなどの理由で保険料の軽減措置を受けられるケースがあります。ただし、確定申告していないと、所得を証明する「所得証明書」が発行されず、軽減措置の申請ができません。

個人事業主の確定申告には青色申告を使用します。詳しい申告方法は以下をご覧ください。

参考:所沢市「国民健康保険税の軽減措置について

【関連記事】
白色申告での赤字の処理。青色申告とはどう違うのか?

無職・無収入でも注意が必要

年の途中で退職した場合や無収入の場合、、前の会社では年末調整をしてもらえず、収入の額によっては確定申告の対象となり、確定申告が必要になることもあります。また、退職金を受け取った場合も注意が必要です。

詳しい解説は関連記事を参照してください。

【関連記事】
年の途中で退職して就職していない場合でも確定申告は必要?

結婚して専業主婦(夫)になったら?

無職や無収入になった場合と同じように、結婚を理由に年の途中で退職した場合は、収入額に応じて確定申告が必要になります。ただし、医療費控除や配偶者控除の申請など、配偶者名義で確定申告をしなければならないのがあります。

結婚して専業主婦(夫)になった場合の確定申告は、関連記事で詳しく解説しています。

【関連記事】
確定申告をする必要はある?結婚して専業主婦になった場合は

無申告の罰則は税金が重くなる

納税者が期限までに確定申告をしなかった場合、納税者は以下のような罰則を受ける可能性があります。また、申告をしなかった場合に加えて、期限後に申告する「期限後申告」をした場合も同様の罰則が適用される場合があります。

15%~20%の「無申告加算税」の支払い

無申告加算税(確定申告をしない場合の加算税)は、本来納めるべき税額に加えて、その税額に応じた罰金を支払うものです。

基本的には、納税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の税率をかけて算出した金額が罰金となります。また、税務署の調査を受ける前に自主的に申告期限を過ぎて申告した場合は、この無申告加算税の課税割合が5%に軽減されます。

期限後申告で申告した場合でも、一定の条件を満たせば無申告加算税が課されません。例えば、「無申告に正当な理由があること」、「期限後申告日から過去5年間のうちに無申告加算税もしくは重加算税を課されたことがないこと」、「期限後申告の後、税額を期日までに納付したこと」などが挙げられます。

参考:国税庁「確定申告を忘れたとき

7.3%~14.6%の「延滞税」の支払い

税金が期限内に納付されなかった場合に発生するのが「延滞税」です。

期限後申告を行うと、原則として、法定納期限の翌日から申告書を提出する日までの日数に応じて、利息分に相当する延滞税が自動的に課されます。申告書の提出が遅れれば遅れるほど、延滞税が増える可能性がありますのでご注意ください。

延滞税は原則として、納期限の翌日から2ヶ月を経過するまでは7.3%(平成26年1月1日以後であれば※特例基準割合+1%のいずれか低い方)、2ヶ月を経過した後は14.6%(平成26年1月1日以後であれば特例基準割合+7.3%のいずれか低い方)の延滞税が課されます。

参考:国税庁「延滞税について

※特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいいます。

延滞税の計算方法

納付が期限に遅れた場合、法定納期限の翌日から完納する日までの延滞税を併せて納付する必要があります。

延滞税の額は、法定納期限の翌日から完納する日までの日数に応じ、次により計算した金額の合計額(①+②)となります。

延滞税の計算式


(※1) 法定納期限とは、国税に関する法律の規定により国税を納付すべき期限をいい、原則として法定申告期限と同一の日となります。

なお、令和2年分、令和元年分及び平成30年分の所得税と個人事業者の消費税及地方消費税の法定納期限は次のとおりです(所得税には復興特別所得税を含みます。)。

所得税

区分 法定納付期限
令和2年分 令和3年4月15日(木)
令和元年分 令和2年4月16日(木)
平成30年分 平成31年3月15日(金)

個人事業者の消費税及地方消費税

区分 法定納付期限
令和2年分 令和3年4月15日(木)
令和元年分 令和2年4月16日(木)
平成30年分 平成31年4月1日(月)

(※2)[令和3年1月1日以後の期間に対応する延滞税の割合]

①納期限(※)までの期間及び納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年「7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」の いずれか低い割合

②納期限の翌日から2月を経過する日の翌日以後については、年「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合

延滞税特例基準割合とは、各年の前々年の9月から前年の8月までの各月における銀行の新規の短期貸付約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいいます。

[平成26年1月1日から令和2年12月31日までの期間に対応する延滞税の割合]

①納期限(※)までの期間及び納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年「7.3%」と「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合

②納期限の翌日から2月を経過する日の翌日以後については、年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合

特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいいます。

なお、令和3年12月31日以前の延滞税の割合については、「延滞税の割合」でご確認ください。

※納期限は次のとおりです。

  • 期限内に申告された場合には法定納期限
  • 期限後申告又は修正申告の場合には申告書を提出した日
  • 更正・決定の場合には更正通知書を発した日から1月後の日
(※3)期限内申告書の提出後1年以上経過して修正申告又は更正があった場合(重加算税が課された場合を除く。)には、法定納期限から1年を経過する日の翌日から修正申告書を提出した日又は更正通知書を発した日までは延滞税の計算期間から控除されます。

また、期限後申告書の提出後1年以上経過して修正申告又は更正があった場合(重加算税が課された場合を除く。)には、その申告書提出後1年を経過する日の翌日から修正申告書を提出した日又は更正通知書を発した日までは延滞税の計算期間から控除されます。

参考・引用元:国税庁「延滞税の計算方法

確定申告を忘れてしまったら、できるだけ早く申告する

うっかり確定申告を忘れてしまい、申告期限が過ぎてしまったということもあるでしょう。

そのような場合には、できるだけ早く自主的に確定申告を行うことで、期限を過ぎてからの申告によるペナルティを最小限に抑えることができます。例外として、一定の条件を満たせば、無申告加算税が加算されない場合もありますので、気づいた時点で申告したい旨を管轄の税務署に問い合わせましょう。

故意に納税義務を無視したり、隠蔽などの不正行為をしたりすると、罰則がさらに厳しくなる可能性があります。

罰則について詳しく知りたい方は、こちらの関連記事を参考にしてください。

【関連記事】
確定申告は2021年4月15日まで!期限過ぎの申告と罰則 同じ期限の手続き解説

確定申告で不正をしたらどうなるか

帳簿の改ざんや虚偽の記載といった「所得の悪質な偽造」は、「ほ脱」と呼ばれる犯罪行為です。もし「ほ脱」を行った場合、無申告加算税・延滞税に加えて重加算税が課せられます。

加算税の税率は税額の35~40%と高く、納税者が納税できない場合には、住まいを差し押さえられることになります。

悪質な場合は刑事罰に

所得を少なく申告したり、売上げを隠蔽したりするなどの悪質なほ脱行為は、上記の罰則に加えて刑事罰が科せられる可能性があります。

最高刑は10年以上の懲役または1,000万円以下の罰金(または併科)ですので、くれぐれも確定申告書を偽造などはしないように注意しましょう。

確定申告を簡単に終わらせる方法

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに書類を作成し納税をすることが重要です。
青色申告と白色申告の違いを知りたい!という方は、こちらもご参照ください。「青色申告と開業届の基礎知識!青色申告のメリットと白色申告との違い
書類の作成には、手書きのほか、国税庁の「確定申告等作成コーナー」や会計ソフトで作成する方法がありますが、「確定申告書の作成は難しいのでは?」と苦手意識をお持ちの方も多いでしょう。
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e-Taxでネットで確定申告:PC・スマホでのやり方とメリットまとめ【2019年(令和元年)10月最新情報】

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まとめ

確定申告は、国税を納めたり還付したりするための義務であり、重要な作業です。副業のあるサラリーマンや、無収入、赤字の個人事業主、専業主婦(夫)であっても、確定申告が必要な場合があります。

無申告や、期限後に申告する「期限後申告」を行うと、通常の納税額に加えて、申告をしなかったことに対する最大20%の「無申告加算税」や最大14.6%の「延滞税」が課せられることになります。また、申告内容の改ざんなど悪質な「ほ脱」を行った場合には、最大40%の重加算税が課されることになります。

確定申告を怠っていることに気づいたら、税務署に指摘される前に早めに申告して、ペナルティを最小限に抑えることが大切です。

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