確定申告の基礎知識

更正の請求とは?期限・書き方やe-Taxでのやり方を解説

監修 松浦 絢子(弁護士)

更正の請求とは?期限・書き方やe-Taxでのやり方を解説

確定申告した税金で、払い過ぎていた税金があった場合や還付金を少なく申告してしまった場合に、修正を行う手続きが「更正の請求」です。

税務署に備え付けられている「更正の請求書」に更正の理由を証明する書類を添付し、法定申告期限(確定申告期限)から5年以内に請求します。

更正の請求は確定申告済みの納税額に対する修正なので、事後的な手続きです。そのため、まずは申告した分の税金を納めたうえで、手続きを進めなければなりません。したがって、確定申告を適切に済ませ、納税手続きを終えていることが前提です。

確定申告自体に不正確さや不備があると、更正の請求が認められないおそれもあります。そのため、普段から正確に確定申告書を作成しておくことが重要です。

本記事では、「更正の請求」の基本的な解説から具体的な手続きの方法まで解説します。

目次

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更正の請求とは?間違いを正して改めて請求すること

更正の請求は、本来納める税金より多く申告していた場合や、還付金を少なく申告してしまった場合に行います。いったん提出した確定申告の内容を申告期限が過ぎてから訂正する手続きです。更正の請求を行うことで払い過ぎた税金が還付されます。

更正の請求書は国税庁のホームページから入手が可能です。

申告済みの確定申告書(第一表)の内容をもとに、修正したい部分を更正の請求書に記入します。

更正の請求と修正申告・訂正申告の違い

更正の請求と修正申告・訂正申告の違いは、次のとおりです。

更正の請求と修正申告・訂正申告の違い

  • 更正の請求:税金を払い過ぎた場合などに還付金を受け取るための手続き
  • 修正申告:税金を少なく納めていた場合などに追加で納税するための手続き
  • 訂正申告:確定申告の期限内に誤りを修正するために再度申告する手続き

税金を少なく納めていた場合は、更正の請求ではなく、修正申告を行います。また、確定申告の期限内の場合は、更正の請求や修正申告ではなく、訂正申告を行います。

訂正申告は、正しい数字で確定申告書を作成し直し、再提出することで手続きが可能です。必要な控除証明書などがあれば、あわせて提出します。



出典:国税庁「【申告が間違っていた場合】」

更正の請求をすることが多い具体的なケース

更正の請求をすることが多いのは、医療費や扶養、住宅ローンの控除に関連したケースです。

医療費の記入漏れ

医療費控除を受けられるはずの医療費を計上していなかったために、更正の請求を行うケースです。基本的に更正理由を証明できる病院の領収書などを添付することで、還付を受けることができます。

扶養控除の記入の誤り

特定扶養控除を受けられる親族を、確定申告で誤って一般の扶養家族として申告してしまったケースです。この場合、一般の扶養家族控除は38万円であるため、特定扶養家族の扶養控除63万円との差額である25万円の控除分を修正することになります。

このケースでは、扶養に入れる親族本人の所得が要件を満たしていることを証明する書類が必要になることがあります。

住宅ローン控除の修正

住宅ローン控除に関する更正の請求では、還付額が増額される事例が多く見られます。手続きの方法自体はほかの更正の請求と同じですが、確定申告時に住宅ローン控除の適用申請をしておく必要があります。

確定申告の訂正申告と修正申告、更正の請求の違いについては、以下の関連記事を参照してください。

【関連記事】
確定申告のやり方を間違えたら?訂正申告・修正申告・更正の請求の違い・期限を解説

更正の請求ができる期限はいつまで?

2011年の制度改正により、2011年度分の確定申告からは請求できる期間が法定申告期限(確定申告期限)から5年間に延長されました。1年を通じていつでも更正の請求書を提出することができるため、税金の払い過ぎに気付いた場合は、忘れないうちに更正の請求を行うとよいでしょう。

請求の内容によっては調査が必要になるものもあります。

更正の請求のやり方

税務署からもらった「所得税及び復興特別所得税の更正の請求書」に更正の請求をする理由など必要事項を記入し、所轄の税務署長あてに提出します。

書面で作成して持参または郵送で提出する方法のほか、確定申告書等作成コーナーで更正の請求書を作成してe-Taxにより提出することも可能です。

更正の請求をするには何が必要?

更正の請求に必要なものは、以下のとおりです。

更正の請求に必要なもの

  • 所得税及び復興特別所得税の更正の請求書
  • 請求の理由の基礎となる事実を証明する書類
  • 本人確認書類(書面提出の場合)

更正の請求書に、請求の理由の基礎となる事実を証明する書類を添付して提出します。事実を証明する書類としては次のようなものが挙げられます。

事実を証明する書類例

  • 必要経費の更正:計上漏れとなった経費の領収書
  • 医療費控除の更正:記載漏れとなった治療費の領収書

そのほか、窓口に提出する場合は本人確認書類の提示、郵送の場合は写しの添付がそれぞれ必要です。

更正の請求書の書き方

No.記載方法
請求者の情報(納税地・マイナンバー・氏名・職業・電話番号)を記載する
請求する申告または処分の種類を記載する(「令和〇〇年分確定申告」「令和〇〇年分決定通知」などと記載)
申告または処分を受けた年月日(または事実が生じた年月日)を記載する
請求の理由や内容を記載する(「○○の経費計上漏れがあり、事業所得が過大に計上されていたため」など)
添付した書類を記載する(医療費の領収書、社会保険料控除証明書など)
所得区分と更正後の所得金額を記載する(※の箇所は総合課税と別の税額があるときに記載)
所得控除の金額を記載し、所得金額から差し引いて課税所得の金額を記載する
更正の請求後の課税所得に対する税額を記載する
税額控除の金額を記載する
更正の請求による納税額・還付額を記載する
還付金を受け取るための口座情報などを記載する
出典:国税庁「令和6年分所得税及び復興特別所得税の更正の請求書・書き方」

以前は、更正の請求前と請求後の金額の両方の記載が必要でしたが、2022年分以降の請求書では更正の請求後の金額のみを記載します。

更正の請求をe-Taxで手続きするやり方

更正の請求をe-Taxから手続きする場合は、確定申告書等作成コーナーのトップページにアクセスし、「新規に更正の請求書・修正申告書を作成する」をクリックして手続きを開始します。

画面の案内にしたがって申告書の作成・送信をすることで、更正の請求を行うことができます。修正前の確定申告書データがある場合は、データを読み込んで修正や追加を入力して申告することも可能です。



出典:e-Tax「作成コーナーで「更正の請求書」・「修正申告書」を作成したい」

更正の請求の注意点

もし更正の請求内容が認められない場合は、その理由が通知されます。不服がある場合は、国税不服審判所へ審査請求を行うことも可能です。

避けたいのは、更正の請求で後から還付されることを見込んで確定申告で税金を納めない行為です。更正の請求をする場合でも確定申告時の税額を納める義務はそのままであるため、まずは税金を納付し、その後更正の請求によって還付が認められるかどうかの決定を待つ必要があります。

また、虚偽の内容で更正の請求を行った場合には、罰則が定められており、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。

更正の請求で税金の還付までにかかる期間

更正の請求は内容審査があるため、還付までの期間はケースにより幅があります。申告内容や添付書類の状況によっては、通常の還付より時間を要することがあります。

処理期間は一律ではありませんが、一般的には数週間から数か月程度かかることが多いです。繁忙期(確定申告時期など)はさらに時間がかかる可能性があります。

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まとめ

更正の請求は訂正申告とは異なり、定められた提出期限を過ぎた後に、すでに提出した申告に対して行います。医療費の記載漏れや扶養控除の申告誤り、住宅ローン控除の対象額の修正といったケースで、払い過ぎた税金の一部や不足している還付金を取り戻す方法です。

「所得税及び復興特別所得税の更正の請求書」に更正の理由を証する書類を添付すればよく、e-Taxによる電子申告も可能です。期限も5年間に延長されたため、より請求しやすくなりました。

なお、更正の請求は確定した税額に対して行う事後的な手続きです。まずは当初の申告どおりに納税し、その後、更正の請求による還付の可否についての決定を待つことになります。還付されることを見込んで税金を納めないようにしましょう。

申告済みの税金のうち、控除の申告漏れなどがある場合は、早めに請求を行いましょう。

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よくある質問

更正の請求とは?

更正の請求は、本来納める税金より多く申告してしまった、または還付金を少なく申告してしまった場合に行う手続きです。更正の請求を行うことで、税金の還付が受けられます。

詳しくは「更正の請求とは?間違いを正して改めて請求すること」をご覧ください。

更正の請求をするデメリットは?

更正の請求をするデメリットは、以下のような点が挙げられます。

更正の請求をするデメリット

  • 税務調査のきっかけになることがある
  • 手続きのために書類準備などの手間が必要になる

更正の請求がきっかけで申告内容を細かく確認され、税務調査のリスクが高まる可能性もあります。また、手続きのために書類の準備や請求書の作成が必要となり、負担が発生します。

あわせて確認すべき更正の請求の注意点は「更正の請求の注意点」をご覧ください。

参考文献

監修 松浦 絢子弁護士

松浦綜合法律事務所代表。京都大学法学部、一橋大学法学研究科法務専攻卒業。東京弁護士会所属(登録番号49705)。法律事務所や大手不動産会社、大手不動産投資顧問会社を経て独立。IT、不動産、相続、金融取引など幅広い相談に対応している。さまざまなメディアにおいて多数の執筆実績がある。

松浦 絢子弁護士

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