確定申告の基礎知識

確定申告や年末調整の追加納税とは?対応方法や期限、還付について解説

監修 eel税理士法人

確定申告や年末調整の追加納税とは?対応方法や期限、還付について解説

確定申告の追加納税とは、本来納めるべき納税額に達していない場合に必要な手続きのことです。確定申告で申告した金額に誤りがあると、3月15日の期限内であれば訂正申告、期限後であれば修正申告で正しく申告し直す必要があります。

また、訂正申告等により生じた所得税等の納税の延納を希望する場合は、期限内に申請して条件を満たすことで5月31日まで猶予が与えられます。ただし、納税額の2分の1以上は3月15日までに納めなければなりません。

本記事では、確定申告の追加納税について、必要なケースや対応方法、再申告のやり方などを詳しく解説します。

目次

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確定申告の追加納税とは?

確定申告の追加納税とは、確定申告後であっても申告した納税額が本来とは違った場合に必要になるものです。申告した金額が正しい所得金額より少なかった場合は足りなかった分の納税額を追加で納め、逆に多かった場合には還付が受けられます。

なお、確定申告で申告していた税金の計算が誤っていた場合でも、税務署からの通知は原則ありません。納税者自身で納税額を計算して再申告しなければならないため、確定申告書などの書類は申告後も保管しておきましょう。

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追加納税の期限と延納条件

追加で納税しなければならない所得税等の期限は、原則通常の確定申告と同じその年の3月15日までです。また、振替納税を利用して納税する際は、振替日が4月24日となります。

また、事業があって期限内に追加納税できない場合では、申請により延納も可能です。延納を適用するには、以下の条件があります。

追加納税が必要なケース

  • 3月15日までに納付すべき金額の2分の1以上を納付する
  • 残りの税額は5月31日までに納付する
  • 確定申告書第一表に延納する金額を記載する

なお、延納を利用して追加納税する際は年0.9%の割合で利子税がかかるため、ご注意ください。


出典:国税庁「【税金の納付】」

確定申告により追加の納税が必要なケース

確定申告を行なった後でも、以下のケースに当てはまる場合は確定申告を行い、追加での納税が必要になります。

追加納税が必要なケース

  • 源泉徴収のされていない収入を受け取っていた
  • 源泉徴収の金額が本来納めるべき納税額よりも少なかった

源泉徴収のされていない収入を受け取っていた

事業者が給与・報酬等を支払う際は、原則として源泉徴収が必要です。しかし、給与・報酬額が月88,000円未満であれば、源泉徴収するべき金額に満たないため源泉徴収はされません。

個人事業主や副業をしている人は、年間の所得が20万円を越える場合、確定申告が必要です。そのため、源泉徴収されていない所得が20万円を超えると確定申告を行い納税が必要になります。

なお、税務署から予定納税の通知が来ていた場合は、年度内にあらかじめ予定納税をしている可能性があります。予定納税額が確定申告で計算した金額よりも多ければ還付が受けられ、少なければ計算した金額から予定納税額を差し引いた金額の納税が必要になります。


出典:国税庁「No.2040 予定納税」


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源泉徴収の金額が本来納めるべき納税額よりも少なかった

本来なら源泉徴収された後の給与を受け取る給与所得者であっても、源泉徴収の金額が納めるべき納税額よりも少なければ年末調整で追加納税(徴収)が必要になります。

逆に差額が本来収めるべき納税額よりも多ければ、還付が受けられる対象となります。

年末調整を受けている人で追加納税が必要なケース

年末調整を受けている人でも、以下のケースに当てはまる場合は年末調整または確定申告により追加での納税が必要です。

  • 受け取った賞与(ボーナス)が高額であった場合
  • 年度の途中で扶養家族が減った場合
  • 副業をしていて給与所得以外の収入がある場合
  • 譲渡や配当、不動産などの所得が給与所得以外にある場合
  • 年末調整で受けた控除額が誤っていた場合

受け取った賞与(ボーナス)が高額であった場合

年末調整では、給与と賞与(ボーナス)の合計額をすべて合計して年間の所得金額と所得税額を計算します。しかし、賞与(ボーナス)は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」をもとに税率が決まるため、本来の所得税率よりも低い税率で計算されてしまう場合があります。

この場合、本来納めるべき所得税額よりも源泉徴収金額が少なくなってしまうため、年末調整で追加の徴収が必要になります。

年度の途中で扶養家族が減った場合

扶養している家族がいる場合、状況に応じた金額を給与所得から差し引ける所得控除が受けられます。これが扶養控除制度です。控除できる金額は12月31日時点で扶養している人数によって決まるため、子供の就職等が理由となり年度の途中で扶養家族が減ると、確定申告する場合には追加で納税が必要になる可能性があります。

ただし、勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出すると、年末調整で不足した税額分を計算して徴収してもらえます。この場合、確定申告による追加納税は不要です。


出典:国税庁「No.1180 扶養控除」

副業をしていて給与所得以外の収入がある場合

年末調整で所得税の精算をしている給与所得者の中には、副業をしている人もいるでしょう。副業の所得が20万円を超える場合は、確定申告でその分の所得税を納めなければなりません。

ただし、副業で受けた収入が源泉徴収されている場合は還付が生じる可能性もあるため、確定申告で払い過ぎた税額の還付を受け取れる場合もあります。

譲渡や配当、不動産などの所得が給与所得以外にある場合

副業以外にも、譲渡・配当・不動産等の所得が一定額を超えた場合には、給与所得で年末調整を受けていても確定申告が必要です。控除を適用できると所得税の課税はされないケースもありますが、控除を受ける際にも確定申告が必要なので、原則として申告手続き自体は必要になります。

年末調整で受けた控除額が誤っていた場合

年末調整では、各社員が適用できる控除を計算した上で年間の所得税額を計算します。しかし、配偶者特別控除等の所得控除を夫婦で適用させていた場合のように、控除額が誤ってしまうと追加で納税しなければなりません。

反対に、適用できる控除を使っていなかった場合には、確定申告することで還付が受けらる可能性があります。

追加の納税が必要になった際の対処法

確定申告により追加での納税が必要になった際は、以下5種類の方法のいずれかで納税を行います。

  • 管轄の税務署や銀行・信用金庫などの金融機関
  • e-Tax
  • 振替納税
  • クレジットカード
  • コンビニでQRコードを利用

選ぶ決まりなどは特にないため、利用しやすい便利な納税方法を選択しましょう。ただし、いずれの方法でも確定申告の期限内に納税を完了させる必要があるため、3月15日の期限には遅れないように気をつけてください。

管轄の税務署や銀行・信用金庫などの金融機関で納税

納税を直接行いたい場合は、管轄の税務署や銀行・信用金庫等の金融機関にて納税できます。それぞれの機関には納付書が備え付けられているため、納税額をその場で記載する方法で手続き可能です。

e-Taxで納税

e-Taxとは、国税庁が運営する申告・納税等のための手続きをオンライン上で行えるサービスです。e-Taxを利用すれば、ダイレクト納付・インターネットバンキングの2種類で納税が行えます。

まずダイレクト納付をする際は、管轄の税務署に「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を事前に提出している必要があります。これを提出していることで、指定した金融機関から自動的に納税できるという仕組みです。なお、引き落とし日は即時または指定ができます。


出典:国税庁「G-2-2 ダイレクト納付の手続」



出典:国税庁「【手書用】 国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」

もう一つのインターネットバンキングは、ネット銀行またはATMから納付できる方法です。納付の手続きは、利用している金融機関またはATMごとに異なりますが、難しくはありません。詳しくは国税庁「G-2-3 インターネットバンキング等からの納付手続」をご覧ください。

振替納税を利用する

振替納税は、申告期限である3月15日までに「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を提出すれば利用可能です。振替納税を選択した場合の振替日は4月23日となるので、残高不足とならないようご注意ください。


出典:国税庁「【手書用】 預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」


なお、依頼書の提出は管轄の税務署に提出する方法に加えて、e-Taxからも行えます。


出典:国税庁「G-2-1 申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替納税手続による納付」

クレジットカードで納税

納税をクレジットカードで行いたい場合は、「国税 クレジットカードお支払サイト」を利用しましょう。案内に従って情報を入力するだけなので、簡単に納税手続きができます。

ただし、クレジットカード納付を利用する場合は納税額に応じて以下の手数料がかかるため、あらかじめご注意ください。


納付税額決済手数料(税込)
1円~10,000円83円
10,001円~20,000円167円
20,001円~30,000円250円
30,001円~40,000円334円
40,001円~50,000円418円
以降の金額も同様に10,000円を超えるごとに決済手数料が加算される

出典:「国税 クレジットカードお支払サイト」

コンビニでQRコードを利用して納税

納税金額が30万円以下の場合は、QRコードを発行することでコンビニにて納付できます。QRコードは国税庁ホームページから作成し、その後コンビニの端末で納付書を発行します。あとは納付書をレジに持っていくことで、納税が可能です。


出典:国税庁「G-2-6 コンビニ納付(QRコード)」


なお、コンビニ納付が利用できるコンビニは以下の4つです。

  • ローソン
  • ミニストップ
  • ナチュラルローソン
  • ファミリーマート

スマホアプリを利用して納税

納税金額が30万円以下であれば、スマホアプリのPay払いを利用して納税できます。納税は、国税スマートフォン決済専用サイトから以下いずれかの決済方法を選択して行いましょう。

  • PayPay
  • d払い
  • au PAY
  • LINE Pay
  • メルペイ
  • Amazon Pay

本来行なっていた確定申告書を修正する方法

一度確定申告を行った後に修正が必要となった場合は、訂正申告として改めて確定申告書を作成し、期限内に再度申告する必要があります。

訂正申告は、原則として間違いを発見した申告年分の翌年3月15日まで(令和5年分の訂正申告であれば、令和6年3月15日まで)に提出する必要があります。しかし特別な事情が、ある場合はこの期限が異なることもあります。

改めて作成した確定申告書の余白部分に「訂正申告」と書き、本来の金額を記載したら正しい確定申告書類として再度提出します。

もし期限を過ぎてしまっていた場合は修正申告となるため、余白部分に「修正申告」と書き、確定申告書第一表上部の種類から「修正」を選んで丸つけしてください。また、申告書の税金の計算部分には「修正申告」の欄があるため、申告書に従って増加分を記載しましょう。

※余白部分への「訂正申告」、「修正申告」の記載は必須ではありません。
出典:国税庁「【申告が間違っていた場合】」

確定申告で還付が受けられるケース

状況によって、確定申告をすることで還付金が受け取れる可能性があります。以下のケースに当てはまる場合は、確定申告を忘れずに行うようにしましょう。

  • 確定申告で納めた納税額が本来よりも多かった場合
  • 給与所得者で年度途中に退職して年末調整を受けなかった場合など

確定申告で納めた納税額が本来よりも多かった場合

確定申告で納めた納税額が本来よりも多かった場合は、当然ながら払い過ぎた分の還付を受ける権利があります。還付を受ける方法は、「更正の請求書」を作成して管轄の税務署に提出することです。

ただし、更正の請求ができるのは原則として法定申告期限から5年以内であるため、忘れないように気をつけてください。


出典:国税庁「A1-2、H1-1 所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」

給与所得者で年度途中に退職して年末調整を受けなかった場合など

年度の途中で退職し年内に再就職をしていない場合には、年末調整が受けられません。他に所得がなかった場合、所得税を納め過ぎのままです。そのため翌年の3月15日までに還付申告することで、払い過ぎた税金を還付金として受け取れます。なお、還付申告の場合には、過去5年間遡って申告することが可能です。


出典:国税庁「No.1910 中途退職で年末調整を受けていないとき」

まとめ

確定申告や年末調整で追加の納税は、納税した金額が本来よりも少なかった場合や、源泉徴収されていない給与・報酬を受け取っていた場合に必要なものです。また、年末調整を受けている場合でも賞与が高額だった場合や控除に誤りがあった場合などに追加の納税が必要になる場合があります。

追加で生じた税金は、通常の確定申告と同様に3月15日の期限内に行わなければなりません。延納の申請をすれば5月31日まで期限を延ばせますが、万が一遅れてしまうと延滞税等が課せられてしまうためご注意ください。(延納の場合には年0.9%の割合で利子税がかかります。)

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よくある質問

確定申告の追加納税が必要になるのはなぜ?

確定申告で申告した納税額が本来納めるべき金額より少ない場合には、追加での納税が必要になります。また、源泉徴収をされていない収入・報酬を受け取った場合も追加での納税が必要になる場合があります。詳しくは記事内「確定申告で追加の納税が必要なケース」をご覧ください。

確定申告の追加納税の期限はいつですか?

確定申告により追加の納税が必要になった場合、原則として通常の確定申告と同じ3月15日が期限です。ただし、振替納税をする場合や延納できる場合があるので、事情がある際は利用すると良いでしょう。詳しくは記事内「追加納税の期限と延納条件」をご覧ください。

監修 eel税理士法人

eel税理士法人は、30代の若手税理士が運営するITと創業支援が強みの税理士事務所です。お客様に合わせたツールで、気軽にコミュニケーションをお取りいただける環境を用意しています。また、創業融資を強みとしておりますので、融資に関してもご相談がある方はお気軽にご相談ください。

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