確定申告の基礎知識

源泉徴収票の見方「確定申告に役立つポイント」源泉徴収票の添付不要

公開日:2020/17/08/31
最終更新日:2020/02/25

源泉徴収票の見方「確定申告に役立つポイント」源泉徴収票の添付不要

確定申告を行う際に必要となる書類の1つに、源泉徴収票があります。正しく確定申告を行うためには、この源泉徴収票の理解が不可欠です。

2019年4月1日移行の確定申告から源泉徴収票の添付が不要となりました。令和2年分所得税の確定申告から所得控除や基礎控除、公的年金控除などの控除額の取り決めが変更になることもあり、注意が必要です。

この記事では、確定申告と源泉徴収票の関係についてご説明します。

目次

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確定申告をするには源泉徴収票の理解が必要

会社勤めの方は、年に1回会社から渡される「給与所得の源泉徴収票」に馴染み深いのではないでしょうか。

サラリーマンで副業をされている方、会社を辞めて個人事業主になったフリーランスの方や会社を退職されて退職所得がある方は、自分で確定申告を行わなくてはならないため、源泉徴収票についてより深く理解する必要があります。

源泉徴収票とは

源泉徴収とは、給与や報酬を支払う側があらかじめ税金を差し引き、差し引いた税金を国に納める制度のことです。そして、給与や報酬額、及び差し引いた税額などが記載された書類が、源泉徴収票と呼ばれるものです。

給与や報酬を支払う側は源泉徴収票を2通作成し、翌年の1月31日までに1通を税務署長、もう1通を源泉徴収を行った従業員に交付しなければなりません。これは法律で定められたことです。

3種類の源泉徴収票と確定申告の注意

源泉徴収票は支払を受ける所得の違いなどによって、3つの種類に分かれます。

1.給与所得の源泉徴収票は

1月1日から12月31日までに支払われた給与等の支払金額や、所得税等の源泉徴収税額が記載されています。会社から給与を得ている方は、一般的にこちらの源泉徴収票を受け取ります。
会社が年末調整をすることで、会社から納税されていますので、税金を納めすぎている場合もあります。確定申告で、医療費や住宅ローンの控除を申告すれば、納めすぎた税金が還付されるかもしれません。

2.退職所得の源泉徴収票

退職手当等の支払金額や所得税の源泉徴収税額が記載されています。退職日から1か月以内に会社から交付される源泉徴収票です。

退職された方が、その年の12月31日までに再就職し、新しくお勤めされた会社にこの源泉徴収票を提出しなかった場合や退職年の12月31日までに再就職されなかった場合は、確定申告が必要になります。
退職、転職した場合の確定申告については関連記事を参照してください。

【関連記事】
サラリーマンが転職・退職したら「確定申告」は必要?

3.公的年金等の源泉徴収票

1月1日から12月31日までに支払われた公的年金等の支払金額や所得税の源泉徴収税額が記載されています。支払を受けた翌年の1月31日までに交付されます。
公的年金受給者の方でも、医療費などが多くかかった場合は、確定申告することで、あらかじめ納めている税金の一部が還付される場合もあります。
公的年金を受給されている方の確定申告については関連記事で詳しくご説明しています。

【関連記事】
年金受給者も確定申告が必要?確定申告をすべきケースとは

源泉徴収票が発行されるタイミング

源泉徴収票が発行されるタイミングはおもに次の2パターンです。

1.年末調整の計算後

毎年12月に年末調整の計算が終了した後に源泉徴収票が発行されます。いわば、年末調整の「最終報告書」として作成されていることになります。従業員が受け取るものとは別に、税務署に1部、市区町村に2部提出されるので、会社は従業員1人につき合計4枚の源泉徴収票を作成しています。

2.従業員の退職時

従業員の退職時に、1月1日〜退職時点までの給与に基づいた源泉徴収票が発行されます。 受け取った源泉徴収票は、年内に就職することがなかった場合には確定申告で、就職すれば次の職場での年末調整で使われます。

確定申告で抑えたい源泉徴収票の7つの項目

確定申告書を作成する際に源泉徴収票で必要な情報は大きく分けて7つあります。青枠で囲った箇所について、詳しくご紹介します。

以下の表の①~⑦を例に見ていきましょう。

給与所得の源泉徴収票

①支払金額

支払金額は、給与、残業代(時間外手当)、ボーナス(賞与)ほか、各種手当などを含んだ額面の給料のことです。1年分の合計額が記載されているので、年収とだいたい等しくなります。

②給与所得控除後の金額

給与所得控除後の金額は、収入金額(源泉徴収票の中での支払金額)から給与所得控除を引いて算出されます。

「給与所得控除」は、「会社だけでなく従業員にも必要経費がある」との考えのもと、一定額を経費として年収から差し引くことで、払うべき税金を安くするという制度です。給与所得控除はそれぞれの年収(支払金額)に応じて金額が変わります。詳しくは、国税庁のホームページで確認してみてください。

給与所得控除

③所得控除の額の合計額

②で説明した「給与所得控除」以外の控除の合計額が記載されています。この合計額には大きく分けて、次の2つが含まれています。

  • これまで毎月の給与計算で控除してきた金額:毎月給料から天引きされてきた、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料、企業共済掛金などの年間合計額です。前職分があればそれも含まれています。
  • 身元確認書類:配偶者控除や基礎控除など、年末調整で初めて登場する控除です。源泉徴収票の下部には、その内訳が記載されています。

例えば、以下のような控除があります。

<年末調整の際に適用される控除の例>

  • 基礎控除:すべての課税者について、一律に適用される控除
  • 雑損控除:盗難や災害などに遭ったとき、その損害額について適用される控除
  • 医療費控除:一部の入院治療代、介護費用などについて適用される控除
  • 寄附金控除:災害の義援金など、寄附した金額について適用される控除
  • 障害者控除:納税者自身や扶養親族に障害者がいる場合に適用される控除
  • 寡婦(夫)控除:配偶者と離婚・死別して、扶養すべき子どもなどがいる場合に適用される控除
  • 勤労学生控除:給与を得て働いている学生・生徒で、所得が水準以下の場合に適用される控除
  • 扶養控除:養うべき家族などがいる場合に適用される控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除:一定水準以下の収入の配偶者がいる場合に適用される控除

※住宅ローン控除は所得控除とは異なり、所得税を最終的に計算したものから直接差し引くことが可能です。

④源泉徴収税額

1年間で徴収された所得税の合計額が記載されています。

「②給与所得控除後の金額」から「③所得控除の額の合計額」を差し引くと、課税対象となる金額が算出されます。この金額に税率をかけたものが、この「④源泉徴収税額」となります。

源泉徴収額は、給与や報酬が100万円以下の場合は、
給与や報酬×10.21%

給与や報酬が100万円以上の場合は、
(給与や報酬-100万円)×20.42%

というように計算されます。

また、平成25年1月1日から令和19年12月31日の間に生ずる所得について源泉徴収を行う際には、復興特別所得税が併せて徴収されています。これは、平成23年12月2日に公布された「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」に基づいたものです。上記の式の0.21%(100万円以上の場合は0.42%)がこれに当たります。

これら①~④は、確定申告書を作成する際に転記する内容です。

このように、確定申告と源泉徴収票は切っても切れない関係なのです。

⑤配偶者控除や扶養親族の情報など

配偶者控除に関する情報(控除対処の配偶者の有無や、控除の金額)や、扶養親族の人数などを記載します。2016年分の源泉徴収票から、人数だけでなく、誰を扶養に入れているかも明記されるようになりました。抜け漏れがないか、また扶養から外れた配偶者や親族が記載されていないかを確認しましょう。

⑥社会保険料等の金額

1年間に支払った社会保険料です。「健康保険料」、「介護保険料」、「厚生年金保険料」、「雇用保険料」の合計額が記載されます。月々の給与明細には、それぞれの内訳が記載されていますから、一般的には12か月分を合計すると源泉徴収票の「社会保険料」の金額と一致します。

⑦各種控除の金額

「生命保険料の控除額」には、生命保険などの保険料を支払っている場合の所得控除額が記載されています。生命保険料控除全体の控除額は、所得税で12万円、住民税で7万円が最大です。保険の種類によって、控除区分が定められています。

「地震保険料の控除額」も同様に、地震保険などの支払保険料に応じて生じる所得控除の金額が記載されます。所得税が最高5万円、個人住民税(地方税)が最高2万5千円、課税所得金額から控除されます。

「住宅借入金等特別控除」とは、一般的に住宅ローンを組んだ際に生じる控除を指します。住宅ローン控除は、所得控除と違って、最終的に計算された所得税から直接引くことができます。

※源泉徴収票の情報を確定申告書に転記する方法は、こちらのページで詳しくまとめています。

源泉徴収票がない場合は会社に相談

中には年度途中で退職したため源泉徴収票が手元にない、または紛失してしまったなんて方もいるかもしれません。

年度途中で退職して源泉徴収票が手元にないという方は、退職した職場に発行するよう頼んでみましょう。中には年末になるとこちらから何も言わなくとも発行してくれる会社もありますが、心配な方は電話等でお願いしておけば発行してくれるはずです。

また、紛失してしまったという方も、再発行してくれるよう職場に相談をしてみましょう。しっかりと給与の管理を行ってくれている職場であれば、すぐに再発行してくれるはずです。

源泉徴収票が入手できない場合は過去の給与明細で確定申告

勤めていた、または退職した会社に相談したにも関わらず、源泉徴収票が入手できなかったというケースもあるかもしれません(退職した会社が倒産し、給与管理者の行方が分からないなど)。源泉徴収票が手元にない場合は、確定申告をする年度の1月1日から12月31日までの給与明細を用意して、それらを自身で計算して確定申告書を作成することになります。その際には、税務署で源泉徴収票不交付の届出手続を行います。

本来会社には源泉徴収票を発行する義務があります。このため、会社が源泉徴収票を発行してくれない旨を所轄の税務署に相談すれば、その会社に対し指導をしてくれます。指導が入れば、後に源泉徴収票を発行してもらうことが出来るでしょう。

源泉徴収票にはマイナンバーは記載されない

会社にマイナンバーを提出したにも関わらず、よく見ると実は源泉徴収票には記載がありません。これは、個人情報保護のため、各社員に渡す源泉徴収票にはマイナンバーは記載しない取り扱いになっているためです。

反対に、会社から税務署や自治体に提出する税金関係の書類には本人や控除対象配偶者、扶養親族のマイナンバーが記載されています。

2020年の確定申告には源泉徴収票の添付が不要

ペーパーレス化を進める政府の方針の下、2019年4月1日から確定申告書の提出時に、源泉徴収票等の添付が不要となりました。

ここで注意しておきたいのが、源泉徴収書の内容は確定申告書に記載しなければならないという事です。「確定申告書第2表」には源泉徴収票の内容を記載する必要があるので、見直し適用後の基準に従って、正しく控除額を記載しなければなりません。また、税務署での申告手続きでは依然と同じく源泉徴収票が必要なことにも注意しておきましょう。

令和2年分の所得税確定申告から控除の見直しが適用される

令和2年分以後の所得税に関して、控除の見直しが適用されます。見直されるのは「給与所得控除」「公的年金控除」「基礎控除」などで、同時に扶養親族等の合計所得金額の要件なども変更されます。これによってサラリーマンであれ公的年金受給者であれ、納税額が変わることになります。

各種の控除などの調整の結果、支払い過ぎた税金がある場合は、確定申告によって還付を受けられることがあり、還付額がない場合であっても控除分の適用分だけ住民税が少なくなることがあります。

確定申告を簡単に終わらせる方法

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まとめ

確定申告時の源泉徴収票の重要性が理解いただけたかと思います。

特に重要なのは源泉徴収票の記載事項です。①支払金額、②給与所得控除後の金額、③所得控除の額の合計額、④源泉徴収税額、⑤配偶者控除や扶養親族の情報など、⑥社会保険料等の金額、⑦各種控除の金額の7つの項目を押えて、正しく記載する必要があります。

2020年以後は確定申告時に源泉徴収票の添付は原則不要となりますが、「給与所得控除」「基礎控除」「公的年金控除」などの見直しの適用が始まるなど、変更点がいくつもある点に注意しましょう。正確な申告を無理なく行うには、確定申告ソフトfreeeを利用して確定申告書を作成すると便利です。

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