確定申告の基礎知識

確定申告が必要なサラリーマンとは?いつ何をすればいいかまでわかる決定版!

最終更新日:2021/02/09

確定申告が必要なサラリーマンとは?いつ何をすればいいかまでわかる決定版!

確定申告は、フリーランスや個人事業主が対象で、サラリーマンは確定申告をする必要がないと思っていませんか?

実はサラリーマンでも、特定の条件にあてはまる人は、確定申告が必要です。また、必須ではないものの、確定申告を行うことで、お金が戻ってくる場合もあります。

今回は確定申告の要不要や、申告する際には、いつ何をすればいいのかについてご紹介します。

目次

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確定申告が必要なケース

国税庁が発表している「給与所得者で確定申告が必要な人」の条件は、以下のとおりです。

このうち、1つでもあてはまる場合は、確定申告が必要です。

  • 1. 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
  • 2. 1ヵ所から給与の支払いを受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  • 3. 2ヵ所以上から給与の支払いを受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  • 4. 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
  • 5. 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
  • 6. 源泉徴収義務のない者から給与等の支払いを受けている人
  • 7. 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

参考:
給与所得者で確定申告が必要な人|所得税|国税庁

確定申告が必要なのにもかかわらず、申告を行った場合、下記のペナルティが発生する恐れがあります。

無申告加算税が発生

確定申告書を法律で定められた期日までに提出しなかった場合、本来納付するべき金額に加えて、無申告加算税が課せられます。

正当な理由がなく申告日を経過してしまった場合、納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分に関しては20%の割合を元の税額に常時て計算した金額が発生します。

しかし、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後に申告をした場合は、5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。

延滞税が発生

延滞税とは、法律で定められた期日までに税金を支払っていない場合に、ペナルティとして課せられる国税です。この延滞税は、支払い期限の翌日から納付する日までの日数で加算されていきます。

そのため、「期限が過ぎてしまったから、また今度の機会に支払おう」と後回しにしてしまうと、納税額が増えてしまうので注意が必要です。

故意に申告書を提出しないのは「ほ脱」という犯罪です

ほ脱とは、納税義務があるにも関わらず、不正な手段を用いて納税義務を免れることです。この行為は重大な犯罪であり、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、または、その両方」が課されます。

確定申告が必要なサラリーマン

給与所得者で確定申告が必要な人の条件のうち、サラリーマンが該当する可能性が高いのが以下の3つです。

給与が2,000万円を超えている

給与が2,000万円を超えているサラリーマンは、会社に属していても年末調整を個人で行わなくてはいけません。

そのままでは、配偶者控除や社会保険料控除などの所得控除が差し引かれず、所得税や復興所得税の精算がされませんので、自分で確定申告を行う必要があります。

ちなみに、年収2,000万円超になると、配偶者特別控除や住宅ローン控除なども受けられなくなります。1か所からしか給与をもらっていないサラリーマンの年収が、2,000万円超になると確定申告をしなければならないこと、そして受けられない控除があることに注意をしましょう。

副業や株式売買などをしている

副業や株式売買をしている人など、本業以外の部分で20万円超の所得金額がある場合は、確定申告をしなければなりません。

確定申告をしないままでいると、脱税などと見なされ、追徴課税や重加算税が課せられる可能性があります。内容にもよりますが、本来支払うべき税金以上の金額を納めなければならなくなる可能性もありますので、漏れなく確定申告をしましょう。

2ヵ所以上から給与を得ていて、その所得が20万円を超える

何らかの理由によって2ヵ所以上の会社に所属している場合、本業となる会社以外からの所得が20万円を超える場合は確定申告の対象となります。

ただし、国税庁によると以下の2つの条件にあてはまる場合は、申告の必要はないとされています。

・給与所得の収入金額から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下であること
・上記に加えて、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下であること

もし自分が上記に該当するかどうか判断つかない場合は、税務署に相談してみるのがいいでしょう。

内容を見て、ホッとしている人もいるかもしれませんが、実は確定申告は税金を取られるばかりの制度ではありません。上記にあてはまらない人の中には、確定申告をすることでお金が戻ってくる可能性がある人もいます。では、どのような人が、確定申告で得をするのでしょうか。

サラリーマンが確定申告をすると得するケース

サラリーマンでも確定申告をしたほうがいいパターンを6つご紹介します。

家族にフリーランスや自営業の人がいる場合

家族にフリーランスや自営業を営んでいる方がいる場合、所得が年によって大きく変動する可能性があります。

年末調整の際に、会社側から配偶者控除や配偶者特別控除などを行ってくれないことがあります。もし何もせずに放っておくと、本来受けられるはずの控除が受けられない可能性があるため、確定申告で控除の申告をしましょう。

確定申告の際は、家族の所得金額を記載する必要がありますが、家族の収入が130万円以上の場合は控除対象外となるため、この限りではありません。

年末調整で控除書類を提出できなかった場合

年末調整の際に控除書類を提出できなかった場合、会社から受け取った「年末調整済の源泉徴収票」があれば、確定申告によって控除が受けられます。確定申告の際には、控除書類を持っていきましょう。

年末調整後に結婚した場合

年末調整後に結婚した場合でも、扶養控除や配偶者控除の対象となる可能性があるため、確定申告をすればその分の控除額が戻ってくる場合があります。

確定申告の際に提出する書類は特にありませんが、扶養相手が青色申告や白色申告をしていたり、給与が130万円以上だったりした場合などは、扶養控除の対象となりませんので注意しましょう。

ふるさと納税や寄付をした場合

ふるさと納税をしていて「ワンストップ特例制度」を利用しない場合には、確定申告をすると寄附額の一部が所得税から還付され、住民税が減額されます。確定申告の際は、自治体から送られてくる「寄附金受領証明書」を提出しましょう。

ただし、他の理由で確定申告をする必要のない人は、ワンストップ特例制度を利用することで、確定申告をせずに控除が受けられるので便利です。ワンストップ特例制度を利用すると、所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額が翌年度分の住民税から控除されます。

なお、1年間に6自治体以上にふるさと納税をした場合は、ワンストップ特例制度を利用することができず、控除を受けるには確定申告をしなければならなくなります。

ふるさと納税の確定申告についての詳しい内容はは下記を参照してください。
ふるさと納税で税金を抑える!その確定申告の方法と申告用紙の書き方

また、ふるさと納税以外にも国や地方公共団体、認定NPO法人などに寄付した場合に、寄附金控除を受けることが可能です。寄附金控除は、「その年に支出した特定寄付金の合計額」、または「その年の総所得金額などの40%相当額」どちらか低い方から2,000円差し引いた額が控除されます。

住宅ローンを組んだ場合

住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合、住宅ローン控除によって控除を受けられる可能性があります。確定申告の際には以下の書類が必要になりますので、予め準備しておきましょう。

  • <提出書類と入手先>
  • ・確定申告書(A):税務署、または国税庁のサイト
  • ・マイナンバーが記載されている書類:市町村役場等
  • ・住宅借入金等特別控除額の計算明細書:税務署、または国税庁のサイト
  • ・建物・土地の登記事項証明書(登記簿謄本):法務局
  • ・建物・土地の不動産売買契約書:不動産会社
  • ・源泉徴収票:勤務先
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書:利用した金融機関

上記以外にも、一定の耐震基準を満たす中古住宅を購入した場合は、「耐震基準適合証明書又は住宅性能評価書の写し」を、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅を購入した場合は「認定通知書の写し」を不動産会社から入手する必要があります。

なお、住宅ローン控除を受けるための確定申告は1年目のみ必要で、2年目以降は年末調整の対象になります。

家を売って損をした場合

家を売った際に住宅ローンが残って、損をしてしまった場合、以下の条件を満たせば控除を受けられる可能性があります。

  • 1. 住宅を5年以上所有していた
  • 2. 住宅ローンが10年以上残っている
  • 3. マイホームの譲渡価格が、2の住宅ローン残高を下回っている
  • 4. 合計所得が3,000万円以下
  • 5. 住宅を売った相手が親族以外

なお、確定申告で控除を受ける際には、以下の書類が必要です。準備に時間のかかる書類もありますので、確定申告時期に合わせて用意しておきましょう。

居住用財産の譲渡損失の金額の明細書《確定申告書付表》
居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書

「特定支出控除」で経費も控除

「特定支出」とは、簡単に説明をするとサラリーマンにとっての「経費」のことです。その年中の特定支出の合計が、給与所得控除額の半分以上(最高125万円)だった場合、確定申告をすることで超過分の金額を所得金額から差し引くことができる制度を「特定支出控除」といいます。

この特定支出に該当する項目は下記を参考にしてください。

項目 内容
通勤費 通勤に必要な交通機関を利用するための支出
転居費 転勤を伴う転居に必要な支出
研修費 職務の遂行に直接必要な知識や技術を習得するための研修に必要な支出
資格取得費 職務に直接必要な資格を取得するために必要な支出
帰宅旅費 単身赴任などで、自宅と勤務地または居所との間の旅行に必要な支出
勤務必要経費
(図書費、衣服費・交際費など)
図書費:職務に関連する図書を購入する際に必要な支出
衣服費:勤務場所において着用する衣服を購入する際に必要な支出
交際費:得意先、仕入先などの職務上関係のある方に対する接待などに必要な支出
参考:給与所得者の特定支出控除|所得税|国税庁

ここで紹介した事柄以外にも、盗難や災害にあった場合や医療費が高額になった場合は、確定申告によってお金が戻ってくる場合があります。
「これは確定申告をすることで控除できるのかな?」というものがある場合は、国税庁のタックスアンサーで確認してみてください。

タックスアンサー|税について調べる|国税庁

確定申告はいつまでにすればいい?

源泉徴収で税金を支払い過ぎた場合に、確定申告をすることで、納めすぎた所得税の還付を受けることができます。この申告を「還付申告」といいます。

還付申告ができる期間は、2月16日から3月15日の確定申告期間は関係なく、申告対象の翌年1月1日から5年間でしたら、いつでも書類を提出することが可能です。

通常2月16日から3月15日のあいだに確定申告をする必要がありますが、確定申告をすることによって得をする可能性があるサラリーマンは、1月から先行して申告をすることができます。

2月16日から3月15日の期間は、一年間で最も税務署が混み合う時期なので、還付申告ができる方はその期間を避けて申告したほうがいいでしょう。

参考:還付申告|所得税|国税庁


確定申告の期間延長について

確定申告は通常3月15日が期限ですが、2021年3月提出分(令和2年分)の確定申告期間は、新型コロナウイルスの影響により4月15日に延長されました。

併せて、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限も4月15日に延長されます。

詳細は以下のサイトからご確認ください。

参考:
国税庁「令和二年分 確定申告特集」
国税庁「申告・納付期限を令和3年4月15日(木)まで延長します(報道発表資料)」

確定申告の方法

確定申告では、確定申告書に必要事項を記入の上、必要書類を提出する必要があります。 おもな必要書類は以下のとおりです。

  • ・確定申告書
  • ・給与所得や公的年金等の源泉徴収票(原本)
  • ・生命保険料控除証明書や医療費の領収書など(各種控除を受ける場合)

提出には以下3つの方法がありますので、自分に合った方法を選びましょう。

  • ・税務署に直接持ち込む
  • ・e-Taxを利用する
  • ・郵送する

確定申告書の提出方法などについては、こちらの「2021年の確定申告はいつからいつまで?申告期間やスマホでのやり方、提出方法をおさらい」をご覧ください。

e-Taxを利用した2種類の申告方法では、自宅のパソコンから確定申告書を済ませることができ、税務署に提出に行く時間や郵送する手間がかかりません。また、2019年1月からはスマートフォンによる確定申告も可能になりました。

e-Taxはオンラインで手続きができるのでとても便利ですが、手続きにはマイナンバーカードが必要です。e-Taxと確定申告書作成コーナーを利用した確定申告の詳しい方法は、こちらの「【2021年最新】e-Taxと確定申告コーナーの利用手順!簡単に申告を済ませるために会計ソフトを活用」をご覧ください。

まとめ

サラリーマンは会社が年末調整を行ってくれることから、自身で確定申告をすることに対して無頓着になっている人もいるかと思います。

しかし、会社では把握できないことなどで税金が戻ってくるパターンも多くありますので、思いあたることがある人は控除の対象になるかどうか確認してみてください。過去5年分まで申告できるため、さかのぼってチェックするのも忘れずに。

確定申告を簡単に終わらせる方法

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに書類を作成し納税をすることが重要です。
青色申告と白色申告の違いを知りたい!という方は、こちらもご参照ください。「青色申告と開業届の基礎知識!青色申告のメリットと白色申告との違い
書類の作成には、手書きのほか、国税庁の「確定申告等作成コーナー」や会計ソフトで作成する方法がありますが、「確定申告書の作成は難しいのでは?」と苦手意識をお持ちの方も多いでしょう。
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