確定申告の基礎知識

確定申告は必要?マイナンバーで会社員の副業はバレるのか?

平成27年にマイナンバー制度が始まり、平成28年分の確定申告からマイナンバーを記入するようになります。会社員は給与から源泉徴収されていますが、マイナンバーの導入によって副業をしているサラリーマンは会社にバレることがあるのでしょうか。

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マイナンバーが導入される理由

マイナンバー制度は、平成27年10月に「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」が施行されたことにより、平成28年10月に利用が始まりました。国民総背番号制の導入として、1999年に住民基本台帳ネットワークシステムが構築されましたが、参加しない自治体もあり、住民基本台帳コードの交付は約5%程度と低いものとなっていました。

<マイナンバー制度の導入のポイント>

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マイナンバー制度導入の背景には、大きな3つのポイントがあります。これまで、複数の行政機関から基礎年金番号や健康保険被保険者番号、納税者番号などを交付されていました。そのため、市町村役場や税務署など複数の機関をまわって、必要な書類を集めて提出するという個別の手続きが必要でした。

マイナンバーの導入で、行政手続きの手間が削減されるとともに、今後、受給可能な行政サービスのお知らせを受けられるようになるとされています。1人に1つの番号が付与されるマイナンバー制度の導入によって、「国民の利便性を向上」と「行政を効率化」を図ることができます。そして、行政が国民の所得やほかに受給している行政サービスを把握することで、「公正で公平な社会の実現」に寄与するのです。

マイナンバー制度|総務省

マイナンバーは会社に副業を知らせる制度なのか

マイナンバー制度の導入によって、「サラリーマンの副業が会社に知られるやすくなるのでは?」と懸念する人もいるかもしれません。しかし、マイナンバー制度は会社に副業を直接的に知らせるものではないです。

マイナンバー制度の導入によって、会社が税務署に提出する源泉徴収票や支払い調書、確定申告書にはマイナンバーを記入することになります。税務署では複数の会社で働いている人の源泉徴収票や支払い調書、確定申告書の名寄せがしやすくなります。そのため、会社員などが副業を確定申告しないと、税務署にバレやすくなるのです。そして、正しい申告によって副業で住民税が上がると、会社に副業を疑われやすいという状況になることが想定されます。

マイナンバーで各種控除の適用漏れ・適用ミスが防げる?

マイナンバー制度の導入で、税務署が確定申告や年末調整での各種控除の適用漏れや適用ミスを把握しやすくなります。

たとえば、よくある例として、「複数のアルバイトをしている子供の所得が扶養親族となる所得を超えているのに、父親に扶養控除が適用されている」、「同居していない両親に仕送りをしているため、扶養親族として兄と弟の両方が扶養を受けている」といったケースが挙げられます。こうした適用ミスでは、税務署から是正を受ける可能性が高まるのです。

反対に税額控除の適用漏れも、実際に税務署からの指摘が行われるかは別として、仕組みをつくること自体は可能といえます。

マイナンバーで年末調整や源泉徴収票がこう変わる

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国税分野における 社会保障・税番号制度導入に伴う各種様式の変更点|国税庁

会社員や公務員は、「扶養控除等(異動)申告書」をその年の最初の給料を受ける前日までに提出することで、配偶者控除や扶養控除が適用され、税額表の甲欄での源泉徴収となります。「扶養控除等(異動)申告書」は、年末調整でも使用する書類です。平成28年分の「扶養控除等(異動)申告書」からマイナンバーの記入欄ができていますので、本人及び扶養親族のマイナンバーを記入します。事業主がマイナンバーを記載した帳簿を備えた場合には、平成29年以降は、「扶養控除等(異動)申告書」へのマイナンバーを記入は不要です。

「扶養控除等(異動)申告書」をもとに、会社が税務署へ提出する源泉徴収票には、本人及び扶養する親族のマイナンバーが記載されます。しかし、本人へ交付されるのは、マイナンバーの記載がないものになります。

[手続名]給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|国税庁

2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収|国税庁

国税分野における 社会保障・税番号制度導入に伴う各種様式の変更点|国税庁

そもそも副業は確定申告や納税の必要がある?

マイナンバーの導入で、サラリーマンの副業が会社にバレやすくなるとされていますが、そもそも、副業でどの程度のお金を得ると、確定申告書の義務が生じるのでしょうか。

サラリーマンなどの給与所得者で、確定申告の義務がある人は、2パターン考えられます。1つ目は、2カ所以上から給与をもらっている人で、本業以外の所得の合計が20万円を超える場合です。2つ目は、給与をもらっているのは1カ所でも、雑所得などにあたる所得の合計が20万円を超えるケースです。ただし、雑所得や事業所得は収入から必要経費を引いたものが所得になります。たとえば、翻訳をして10万円の収入を得た場合、翻訳のために1万円の辞書を購入していると、所得は9万円です。

合計で20万円以下の所得となる副業であれば、確定申告や納税の義務がないため、副業によって住民税が増えることはありません。マイナンバーが導入されても、これまでと同様に、20万円以下の副業であれば、税務上の理由で副業がバレることは考えにくいのです。

給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

マイナンバー制度の導入によって、副業で確定申告が必要となる所得の基準が変わったわけではありません。マイナンバー制度によって、税務署で1人1人の所得の合計を把握しやすくなり、公平な税負担が進むことが期待できます。

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