確定申告の基礎知識

確定申告の所得控除15種類一覧!受けられる税控除を確認する

公開日:2020/02/12
最終更新日:2021/01/21

確定申告をすることで15種類の所得控除を受けることができます。

所得控除の中でも、誰でも使うことができる基礎控除、家族のいらっしゃる方が対象の配偶者控除、扶養控除も耳にする機会は多いでしょう。

個人事業主の方には馴染みのある社会保険料控除は、会社を退職後に一定期間国民健康保険に加入した方も受けられる控除です。

災害や盗難に遭ったときに受けられる雑損控除をはじめ、障害者控除、寡婦控除、勤労学生控除などは、知らない方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

高齢者にとって重要な医療費控除や、ふるさと納税など寄付金をした人が申請する寄付金控除など、もあります。

この記事では、一般的な所得控除から申告する機会が少ない所得控除まで幅広くご説明します。

こちらの内容は動画でも解説しています。「所得控除」を映像で見て理解したいという方は下記リンクよりご覧ください。

目次

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所得控除15種類一覧

所得控除には15種類の控除があります。それぞれのご説明の前に控除の名称をまとめています。

<所得控除15種類一覧>

  1. 基礎控除
  2. 医療費控除
  3. 雑損控除
  4. 寄附金控除
  5. 生命保険料控除
  6. 地震保険料控除
  7. 配偶者控除
  8. 配偶者特別控除
  9. 扶養控除
  10. 社会保険料控除
  11. 小規模企業共済等掛金控除
  12. 障害者控除
  13. ひとり親控除
  14. 寡婦控除
  15. 勤労学生控除

誰でも受けられる「基礎控除」一律48万円

基礎控除は適用を受ける要件がなく、誰でも使うことができる所得控除です。控除できる金額は一律48万円。その年の所得が48万円以下の人は、基礎控除を引くことで所得がゼロになるため税金を払う必要がありません。申告も不要となります。

令和2年分以降の所得の確定申告では、基礎控除が38万円から48万円に引き上げられました。源泉所得税も変更されましたので、令和3年以降に行う確定申告では注意が必要です。詳しくは下記を参照してください。

国税庁|源泉所得税の改正のあらまし

医療費が通院費を含めて10万円以上なら「医療費控除」を受ける

病気やケガで医療費が掛かった場合に適用を受けることができるのが、医療費控除です。控除できる金額は、支払った医療費から受け取った保険金や給付金を引いた額から10万円を差し引いた金額。つまり原則、年間に支払った医療費が10万円以上であれば医療費控除の適用を受けることができます。

医療費控除の対象は、治療費だけではなく、電車バスの通院交通費(付き添い人も含む)、処方箋で出された薬代、一般の薬局で購入した薬でも「セルフメディケーション制度」の対象薬であれば、控除対象になります。

セルフメディケーション税制についての詳細は関連記事を参照してください。

【関連記事】
セルフメディケーション税制とは

所得が200万円以下の人には、適用要件の緩和があります。

共通の家計費から医療費を支払っている場合、医療費控除は家族分をまとめて申告することができます。申告の際は領収書が必要になるため、捨てずに取っておきましょう。夫婦で働いていてそれぞれの所得に差があるときは、所得の多いほうが、申告をしたほうより還付される額は多くなります。

医療費控除は年末調整では処理できないので、サラリーマンでも適用を受けるときは還付申告が必要になります。

【関連記事】
医療費控除のしくみとは?控除の対象や申請方法について

災害や盗難などにあったら「雑損控除」を受ける

雑損控除は、災害や盗難、横領などで資産に損害を受けたときに使える控除です。火事になったとか、泥棒が入ったなどいろいろな状況で使うことができますが、経済的に困った状況で使えるとても有難い所得控除です。

雑損控除も医療費控除と同様、年末調整で処理をすることができないので、適用を受ける際は確定申告をする必要があります。損害の額が多すぎて、その年の所得から控除しきれないときは、翌年以降3年間にわたって繰り越して所得から控除することができます。

雑損控除で控除できる金額は、次の2つのうちいずれか多い方の金額です。

差引損失額‐総所得金額等×10%
差引損失額のうち災害関連支出の額‐5万円

差引損失額とは、損失を受けた金額から損害保険金などで補てんされた金額を引いた額のことです。なお、災害で損失を被った場合は災害減免法の適用を受けることができます。雑損控除と災害減免法は同時に適用を受けられないので、どちらか有利なほうを選択することになります。

雑損控除の詳細は関連記事を参照してください。

【関連記事】
災害や盗難の被害を受けた場合は確定申告で所得税の軽減を

寄付したら「寄附金控除」を受ける

都道府県や市区町村などに寄付をすると、寄付金控除を受けることができます。

寄付金控除とは、寄付金に応じて受けられる控除の制度のことです。以下の組織や団体に寄付をした場合寄付金控除の対象になります。

雑損控除も医療費控除と同様、年末調整で処理をすることができないので、適用を受ける際は確定申告をする必要があります。損害の額が多すぎて、その年の所得から控除しきれないときは、翌年以降3年間にわたって繰り越して所得から控除することができます。

<寄付金控除の対象になる組織や団体>

  1. 都道府県、市区町村
  2. 政党、政治資金団体
  3. 住所地にある日本赤十字社の支部
  4. 公益財団法人、公益社団法人、学校法人など
  5. 認定NPO法人
  6. 震災関連の寄付金

寄付金控除の特徴として、寄付金の額を所得から差し引くことができるため、課税対象になる所得が減り節税対策になります。

一般的に知られているふるさと納税は、所得税軽減だけでなく、寄付先から特産品などが送られてくる人気の節税対策です。

寄付金控除を受ける場合は、寄付金額を証明する書類を提出する必要があります。

寄付先から寄付金受領証明書が送られてくるので、破棄しないように注意してください。

寄付金控除の詳細は関連記事を参照ください。

【関連記事】
あなたの寄付は控除の対象?確定申告と寄付金控除

年末調整で「生命保険料控除」を受け忘れたら還付申告する

サラリーマンであれば、年末調整で生命保険料控除の適用を受けることができます。その際は、10月下旬になると保険会社から送られてくる「控除証明書」を会社に提出する必要があります。提出を忘れてしまうと年末調整で処理してもらえないのです。

年末調整に間に合わなかった場合は、還付申告をすれば生命保険料控除の適用を受けることができます。生命保険に加入していることを会社に知られたくないときも、還付申告で対応すればOKです。

平成24年から従来の一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除に加えて、介護医療保険料控除が創設されました。平成24年以降、介護保険や医療保険に加入した方は、一般の生命保険料控除とは別枠で介護医療保険料控除の適用を受けることができます。

年末調整で地震保険料の控除を受け忘れたら「地震保険料控除」の申告

地震保険料控除も生命保険料控除と同様、年末調整で適用を受けることができますが、受け忘れてしまったときは還付申告で対応することができます。

地震保険料控除で控除できる金額は、支払った保険料の全額ですが、所得税では5万円が限度です。なお、住民税では支払った保険料の半分まで、最大2万8千円まで控除することができます。

平成18年までは損害保険料控除がありましたが、今はなくなってしまいました。ただし、経過措置として、平成18年12月31日までに契約した長期損害保険契約がある方は、損害保険料控除の適用を受けることができます。控除できる金額は最高1万5千円、地震保険料と合わせて5万円が限度です。

12月に増えた家族分の「配偶者控除」「配偶者特別控除」「扶養控除」

年末調整は、11月に書類が会社に配布され、12月初旬に処理されます。12月に結婚や出産で家族が増えたときは、還付申告をしてしっかりと節税しましょう。

結婚したら「配偶者控除」または「配偶者特別控除」を受ける

合計所得金額が1,000万円以下で、結婚した妻の所得が38万円以下であれば配偶者控除の適用を受けることができます。もちろん、夫の所得が38万円以下で妻がしっかり稼いでいる場合は、妻が配偶者控除の適用を受けることができます。

妻の所得が38万を超えた場合は、所得に応じて配偶者特別控除が受けられます。所得の基準は、38万円超123万円以下(令和2年分以降は48万円を超え133万円以下)の範囲で段階別に決められています。

国税庁|No.1195 配偶者特別控除

扶養家族が増えたら「扶養控除」を受ける

配偶者以外の扶養家族が増えた場合は、扶養控除の適用を受けることができる場合があります。75歳以上の親を扶養しているなど、特定扶養親族がいる場合は48万円の扶養控除を受けることができます。同居をしていれば、控除できる金額が58万円になります。

令和2年分の所得税について、扶養対象になる親族等の合計所得金額が10万円引き上げられました。これまで同一生計配偶者や扶養親族になる対象は、所得の合計が年間合計38万円以下でした。令和2年分の年末調整、確定申告では48万円以下まで扶養控除の対象になりますので、扶養範囲で働ける年間所得が10万円多くなります。詳しくは下記を参照してください。

国税庁|各種控除等を受けるための扶養親族等の合計所得金額要件等の改正(令和2年分以降)

「社会保険料控除」と「小規模企業共済等掛金控除」を受ける

健康保険や公的年金の保険料を支払った場合、社会保険料控除の対象になります。社会保険料控除は、支払った年金の全額が控除できるので、難しい計算は要りませんね。自分の分だけでなく、配偶者や子ども、親など、生計を一にする親族の保険料を払ってあげた場合、その金額も控除の対象となります。

間違えやすいのは、確定拠出年金の掛け金を支払った場合。社会保険料控除ではなく、小規模企業共済等掛金控除の対象になります。

「障害者控除」「ひとり親控除」「寡婦控除」「勤労学生控除」を受ける

これまで説明してきた所得控除以外に、障害者控除、ひとり親控除、寡婦控除、勤労学生控除があります。

障害者控除は、本人が障害者である場合27万円(特別障害者の場合は40万円)控除できます。

ひとり親控除は、一定の条件を満たしたひとり親の方が35万円控除できるものです。

寡婦控除は、一定の条件を満たした寡婦(寡夫)が27万円(特定の寡婦は35万円)控除できるものです。

勤労学生控除は、本人が勤労学生である場合、27万円控除できます。働きながら学校に通っている方でも、所得が65万円を超えると適用を受けることはできません。

「還付申告」についての詳細は関連記事を参照してください。

【関連記事】
「還付申告」は確定申告の締め切りを過ぎても大丈夫!

確定申告を簡単に終わらせる方法

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに書類を作成し納税をすることが重要です。
青色申告と白色申告の違いを知りたい!という方は、こちらもご参照ください。「青色申告と開業届の基礎知識!青色申告のメリットと白色申告との違い
書類の作成には、手書きのほか、国税庁の「確定申告等作成コーナー」や会計ソフトで作成する方法がありますが、「確定申告書の作成は難しいのでは?」と苦手意識をお持ちの方も多いでしょう。
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e-Taxでネットで確定申告:PC・スマホでのやり方とメリットまとめ【2019年(令和元年)10月最新情報】
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まとめ

15種類の所得控除についてご説明しました。

基礎控除や医療費控除、災害や盗難などの被害を受けたときに適応される雑損控除、地震保険料や生命保険料を払った場合の控除だけではなく、寄付金控除、障害者、寡婦(寡夫)、勤労学生が受けられる所得控除など、基本的な条件を知っていれば申告できる所得控除もあります。

条件を満たし、申請手続きのタイミング、必要書類の用意など、所得控除の種類によって異なる申告方法をご紹介した記事を参考に正しく手続きしてください。

確定申告の手続きを税務署などの窓口で行うと時間や手間がかかります。

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