確定申告の基礎知識

確定申告が必要なケースと不要なケースとは?確定申告の対象者について

最終更新日:2020/03/12

確定申告では、一年間の所得を計算・申告し納税をします。個人事業主やフリーランスは確定申告の対象者ですが、退職した人や年金受給者など自分が確定申告対象者なのかわからないケースもあるでしょう。今回は、具体的にどのような場合に確定申告が必要になるのかを解説します。

確定申告が必要なケースと不要なケースとは?確定申告の対象者について

目次

確定申告_必要でも安心

確定申告が必要なケースと対象者

まずは確定申告が必要な4つのケースをご紹介します。

①個人事業主やフリーランス

個人事業主やフリーランスの所得は「事業所得」に分類され、1年間の売上から経費と所得控除を差し引いた金額がプラスになる場合は、確定申告の必要があります。

例えば、年間の売上が50万円、各種経費に10万円かかったとします。ここからさらに基礎控除の38万円と社会保険料控除が差し引かれます。差引金額がマイナスになった場合は、確定申告の必要はありません。

以下に、14種類の所得控除をまとめます。控除の対象者になる場合は必ず活用しましょう。

14種類の所得控除一覧

控除の種類 控除が受けられる場合 控除額
雑損控除 災害や盗難、横領によって損害を受けた時に適用される控除 損失額をもとに一定の方法で計算した金額
医療費控除 一定額以上の医療費を支払った場合。生計を一にする配偶者その他の家族も含まれる。 (支払った医療費-保険金などで補填される金額)-(所得金額×5%と10万円のいずれか少ない方)
社会保険料控除 健康保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料、国民年金保険料、国民年金基金の掛金、厚生年金保険料などを支払った場合に適用される控除。生計を一にする配偶者その他の家族も含まれる。 支払った保険料の合計
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済の掛金を支払った場合に適用される控除 支払った掛金の合計額
生命保険料控除 生命保険や介護医療保険、 個人年金保険で、支払った保険料がある場合に適用される控除 一定の方法で計算した金額
地震保険料控除 地震保険料を支払った場合に適用される控除 一定の方法で計算した金額(最高5万円)
寄附金控除 ふるさと納税や認定 NPO 法人等に対して寄付をした場合に適用される控除 「寄附金支出合計額」と「所得 ×40%」のいずれか少ない方-2,000 円
障害者控除 納税者や控除対象配偶者、扶養親族が障害者である場合に適用される控除 一人につき、
①障害者 27 万円
②特別障害者 40 万円
③同居特別障害者 75 万円
寡婦(寡夫)控除 配偶者と死別または離婚して扶養家族がいる場合に適用される控除(女性の場合と男性の場合とで要件に差がある) 27 万円(一定の要件を満たす場合 35 万円)
勤労学生控除 学校に行きながら働いている場合に適用される控除
※ただし、前年分の合計所得金額が65万円以下で、勤労によらない所得が10 万円以下の方
27 万円
配偶者控除 配偶者の合計所得が 38 万円以下の場合に適用される控除 ①一般控除対象配偶者:最大38 万円
②老人控除対象配偶者:最大48 万円
(控除対象配偶者のうち年齢が 70 歳以上)
配偶者特別控除 納税者の合計所得が 1,000 万円以下で、配偶者の合計所得が38万円以上123 万円未満である場合に適用される控除 配偶者の所得金額によって最大38万円
扶養控除 16歳以上の子供や両親などを扶養している場合に適用される控除 ①一般の控除対象扶養親族:38 万円
②特定扶養親族:63 万円(扶養親族が 19 歳以上 23 歳未満の方)
③老人扶養親族:最大58万円
基礎控除 すべての人に適用される控除 38 万円

参考:国税庁『No.1100 所得控除のあらまし


各種控除、経費を差し引いたら、その金額に税率をかけて所得税を算出します。

所得税=(所得金額-所得控除)×税率 - 控除額

例えば、「課税される所得金額」が100万円の場合には、求める税額は次のようになります。

5万円 = 100万円 × 0.05 - 0円

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

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② 一定額の公的年金を受け取っている場合

公的年金受給額から生命保険や扶養などの所得控除を差し引いたのち、金額が余るようであれば、確定申告の必要があります。また、公的年金の源泉徴収が行われていても、公的年金等の年間の収入金額が400万円を超えれば申告が必要なので注意しましょう。

③ 株取引で一定の利益を得た場合

株取引やFXなどの譲渡で利益を得た場合、株式譲渡益課税制度に則って、確定申告を行わなければなりません。目安となる所得は、自営業などと同じ38万円。ただし、自動的に源泉徴収が行われる源泉徴収口座で取引があった場合や、税金の優遇が行われているNISA口座での利益が120万円までであれば申告は不要です。

④ 不動産などそのほかの所得があった場合

土地や家など不動産の譲渡があった場合、不動産を貸し付けて収入を得ている場合も確定申告が必要になります。

給与所得者でも確定申告が必要なケース

ここまで一般的に確定申告が必要なケースをご紹介してきました。基本的に会社勤めの方は確定申告の必要がありませんが、給与所得者だからといってすべて確定申告が不要なわけではありません。給与所得者でも、確定申告が必要なケースもあります。詳しく確認していきましょう。

① 給与所得が2,000万円を超える

多くは役員などに該当するかと思いますが、年間の給与が2,000万円を超えると年末調整の対象者となりません。別途確定申告で所得を申告する必要があります。

② 本業のほかに20万円を超える収入がある場合

年末調整を受けている会社以外にも副業として仕事をしている人もいるでしょう。そうした副業から年間20万円を超える所得がある場合は、確定申告が必要です。自営業ではなくて副業だから大丈夫だということはありません。

③ 2か所以上から給与を受けていて一定の収入がある場合

2か所以上の会社で給与を受けており、かつ年末調整が行われない方の収入が20万円を超える場合も確定申告が必要になります。いわゆるダブルワークをしており、メインでない方の仕事での収入が一定を超える場合です。

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ほかにも、同族会社の役員などで家賃収入などを会社から受け取っている場合、災害減免法で源泉徴収税などの猶予を受けた場合、在日外国公館勤めで源泉徴収を受けていない場合が確定申告対象者となります。

確定申告が不要なケース

確定申告が必要なケースについても、具体的な例を確認していきましょう。

① 事業などにおける所得が38万円以下の場合

確定申告における基礎控除は38万円です。基本的に、事業などの収入から経費を差し引いた金額である所得が38万円を超えない場合は、所得がゼロとなり、確定申告は不要となります。

② 会社から年末調整を受けている場合

会社員として勤務している場合、基本的には会社側が年末調整を行っています。年末調整は会社員の確定申告のようなものですから、別途確定申告をする必要はありません。

③ 副収入が20万円未満の場合

ダブルワークや副収入で給与所得以外の収入がある場合でも、合計して年間20万円を超えなければ基本的に確定申告は不要です。

④ 公的年金400万円以下で源泉徴収をうけている場合

公的年金の受給者の一部は確定申告の必要がありますが、公的年金の源泉徴収を受けており、かつ年額400万円以下、ほかの所得が20万円を超えなければ確定申告の必要はありません。

確定申告不要でも確定申告をした方が良いケース

一般的に確定申告が不要である場合でも、確定申告をした方が良いケースもあります。それは、余分に所得税を支払っている場合です。

① 事業で赤字が出た場合

基本的に自営業者などは38万円以下であれば確定申告は不要ですが、事業が赤字となった場合は、還付が受けられる可能性があるほか、住民税が考慮されるため、確定申告をしたほうが良いです。

② 給与所得者でも確定申告をした方が良い場合

実際に払った額から保険金を引いた医療費が10万円以上の場合、災害などで資産に損害があった場合などは還付を受けられます。さらに、生命保険料など控除漏れがあった場合も還付を受けられるので、確定申告を行った方が良いです。

③ 年の途中で退職した場合

年の途中で退職し、年度末に就職先が決まっていない場合は、年末調整が行われていないことになります。生命保険料や社会保険料などの支払いで還付が受けられるので、確定申告をした方が良いでしょう。

④「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合

退職金受取にあたって、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していないと、20.42%の源泉徴収が行われるため、余分に所得等を支払ってしまうことになります。

⑤ アルバイト先などで源泉徴収されている場合

主たる勤務先でないアルバイト先や副業先で源泉徴収が行われている場合、申告すれば所得税が還付されることがあります。

確定申告をする、しないは所得金額や年末調整が大きく関わってきます。たとえ確定申告が不要だった場合でも、税金の還付が受けられる場合もありますので、一度確認してみることをおすすめします。
確定申告が必要な場合は、できるだけ正確に速く終わらせるためにも会計ソフトの活用がおすすめです。

確定申告を簡単に終わらせる方法

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があり、期限までに書類を作成し納税をすることが重要です。
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