確定申告の基礎知識

確定申告が必要なケースと不要なケースとは?確定申告の対象者について

最終更新日:2020/11/27

確定申告とは、一年間の所得を計算して申告し、税金を納めるために行うものです。個人事業主やフリーランス方も確定申告の対象となりますが、退職した人や年金受給者など自分が確定申告対象者なのかが分からない場合もあるでしょう。   

この記事では、具体的にどのような場合や対象の人が確定申告が必要になるのかについてを解説します。

確定申告が必要なケースと不要なケースとは?確定申告の対象者について

目次

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確定申告が必要なケースと対象者

まずは確定申告が必要な4つのケースをご紹介します。

①個人事業主やフリーランス

個人事業主やフリーランスの方の所得は「事業所得」に分類され、1年間の売上から経費と所得控除を差し引いた金額がプラスの場合は、確定申告が必要になります。

例えば、年間の売上が50万円、各種経費に10万円だったとします。この中から基礎控除の38万円と社会保険料控除が差し引かれます。差し引き金額がマイナスの場合は、確定申告をする必要はありません。

以下に、14種類の所得控除についてまとめました。これらの控除の対象者になる場合は必ず活用しましょう。

14種類の所得控除一覧

控除の種類 控除が受けられる場合 控除額
雑損控除 災害や盗難、横領によって損害を受けた時に適用される控除 損失額をもとに一定の方法で
計算した金額
医療費控除 一定額以上の医療費を支払った場合。生計を一にする配偶者その他の家族も含まれる。 (支払った医療費-保険金などで補填される金額)

(所得金額×5%と10万円のいずれか少ない方)
社会保険料控除 健康保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料、国民年金保険料、国民年金基金の掛金、厚生年金保険料などを支払った場合に適用される控除。生計を一にする配偶者その他の家族も含まれる。 支払った保険料の合計
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済の掛金を支払った場合に適用される控除 支払った掛金の合計額
生命保険料控除 生命保険や介護医療保険、 個人年金保険で、支払った保険料がある場合に適用される控除 一定の方法で計算した金額
地震保険料控除 地震保険料を支払った場合に適用される控除 一定の方法で計算した金額
(最高5万円)
寄附金控除 ふるさと納税や認定NPO法人等に対して寄付をした場合に適用される控除 「寄附金支出合計額」と
「所得 ×40%」のいずれか
少ない方-2,000円
障害者控除 納税者や控除対象配偶者、扶養親族が障害者である場合に適用される控除 一人につき、
①障害者27万円
②特別障害者40万円
③同居特別障害者75万円
寡婦(寡夫)控除 配偶者と死別または離婚して扶養家族がいる場合に適用される控除
(女性の場合と男性の場合とで要件に差がある)
27万円
(一定の要件を満たす場合35万円)
勤労学生控除 学校に行きながら働いている場合に適用される控除
※ただし、前年分の合計所得金額が65万円以下で、勤労によらない所得が10 万円以下の方
27万円
配偶者控除 配偶者の合計所得が38万円以下の場合に適用される控除 ①一般控除対象配偶者:最大38万円
②老人控除対象配偶者:最大48万円
(控除対象配偶者のうち年齢が70歳以上)
配偶者特別控除 納税者の合計所得が1,000万円以下で、配偶者の合計所得が38万円以上123万円未満である場合に適用される控除 配偶者の所得金額によって
最大38万円
扶養控除 16歳以上の子供や両親などを扶養している場合に適用される控除 ①一般の控除対象扶養親族:38万円
②特定扶養親族:63万円
(扶養親族が19歳以上23歳未満の方)
③老人扶養親族:最大58万円
基礎控除 すべての人に適用される控除 38万円

参考:国税庁『No.1100 所得控除のあらまし


<所得税の計算方法>
各種控除、経費を差し引いたら、その金額に税率をかけて所得税を算出します。

・所得税=(所得金額-所得控除)×税率 - 控除額

例えば、「課税される所得金額」が100万円の場合には、求める税額は次のようになります。
・5万円 = 100万円 × 0.05 - 0円


所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
1,950,000円以下 5% 0円
1,950,000円を超え
3,300,000円以下
10% 97,500円
3,300,000円を超え
6,950,000円以下
20% 427,500円
6,950,000円を超え
9,000,000円以下
23% 636,000円
9,000,000円を超え
18,000,000円以下
33% 1,536,000円
18,000,000円を超え
40,000,000円以下
40% 2,796,000円
40,000,000円超 45% 4,796,000円

予定納税額が知りたい場合はこちらの『青色申告の税額診断 | 最短1分で個人事業主の税額を算出』ページをご覧ください。

こちらの『青色申告の税額診断 | 最短1分で個人事業主の税額を算出』ページでは、所得税、住民税、社会保険料、個人事業税がどれくらいかかるのかが自動で算出されます。青色申告だけではなく、白色申告の納税額も算出されるため、青色と白色どちらがお得か比べることができます。

② 一定額の公的年金を受け取っている場合

公的年金受給額から生命保険や扶養などの所得控除を差し引いた金額以上の金額がある場合は、確定申告が必要です。

また、公的年金の源泉徴収が行われていても、公的年金等の年間の収入金額が400万円を超える場合は確定申告が必要が必要です。

③ 株取引で一定の利益を得た場合

株取引やFXなどの譲渡で利益を得た場合は、株式譲渡益課税制度に則って、確定申告をしなければなりません。所得の目安は、自営業の場合と同じ38万円です。   

ただし、税金が自動的に源泉徴収される源泉徴収口座や、税金の優遇措置が受けられるNISA口座で取引した場合は、120万円までの利益であれば確定申告の必要はありません。

④ 不動産などそのほかの所得があった場合

土地や家などの不動産の譲渡があった場合、不動産を貸し出し付けて収入を得ている場合は確定申告が必要になります。

不動産所得とは、次の(1)から(3)までの所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除きます。)をいいます。

(1) 土地や建物などの不動産の貸付け
(2) 地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付け
(3) 船舶や航空機の貸付け

引用元:国税庁「不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)

給与所得者でも確定申告が必要なケース

確定申告が必要なケースについて、よくあるケースを紹介してきました。基本的に会社員は確定申告が不要ですが、給与所得者だからといってすべて確定申告が不要なわけではありません。

給与所得者でも、確定申告が必要なケースもあります。詳細を確認していきましょう。

申告書の提出が必要な方とは

<給与所得がある方>

  • 給与の年間収入金額が2,000万円を超える方
  • 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える方
    例:給与を1か所から受けていて公的年金に係る収入金額が90万円(65歳以上の方(昭和30年1月1日以前に生まれた方)は140万円)を超える場合
    ※給与の収入金額が85万円以下の方は、下記2の年金所得者に係る確定申告不要制度も参照してください。
  • 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える方
    ※給与所得の収入金額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く。)を差し引いた金額が150万円以下で、更に各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。
  • 同族会社の役員やその親族などで、その同族会社から給与のほかに、貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている方
  • 災害減免法により所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた方
  • 在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税等を源泉徴収されないこととなっている方
引用元:国税庁『確定申告特集|確定申告情報「申告書の提出が必要な方とは」』

① 給与所得が2,000万円を超える

年間の給与所得が2,000万円を超える場合は、役員に該当する方が多いかもしれませんが、年末調整の対象外となります。別途確定申告で所得の申告をしなければなりません。

② 本業のほかに20万円を超える収入がある場合

年末調整を受けている会社以外にも副業として仕事をしている人もいるでしょう。そのような副業で年間20万円を超える所得がある場合は、確定申告が必要になります。

③ 2か所以上から給与を受けていて一定の収入がある場合

2か所以上(複数の会社)から給与をもらっていて、かつ年末調整が行われない方の収入が20万円を超える場合も確定申告をしなければなりません。いわゆるダブルワークをしており、本業以外の仕事での収入が一定額を超えている場合です。   

副業やダブルワークの結果、どれだけ納税の必要があるのか知りたい場合は、こちらの『副業の税額診断 | 1分で所得税・住民税・社会保険料を算出』を使って納税額を確認してみましょう。入力した内容をもとに、所得税・住民税・社会保険料が算出されます。

また、同族会社の役員をしていて、その会社から家賃収入などを得ている場合や、災害減免法で源泉徴収税の猶予を受けている場合、在日外国公館に勤務していて源泉徴収を受けていない場合は、確定申告の対象者となります。

確定申告が不要なケース

確定申告が必要なケースについても、具体的な例を確認していきましょう。

① 事業などにおける所得が38万円以下の場合

確定申告の基礎控除は38万円です。基本的には、事業などで得た収入から経費を差し引いた金額である所得が38万円を超えければ、所得はゼロとなり、確定申告の必要はありません。

② 会社から年末調整を受けている場合

会社員として働いている場合、基本的には会社側が年末調整を行います。年末調整は会社員の場合は確定申告のようなものですので、別途確定申告をする必要はありません。

③ 副収入が20万円未満の場合

ダブルワークや副業で給与所得以外の収入があっても、合計して年間20万円を超えない限り、基本的には確定申告の必要はありません。

④ 公的年金400万円以下で源泉徴収をうけている場合

公的年金の受給者の中には確定申告が必要な人もいますが、公的年金の源泉徴収を受けていて、年収が400万円未満、その他の所得が20万円を超えない場合は、確定申告の必要はありません。

確定申告不要でも確定申告をした方が良いケース

一般的に確定申告が不要な場合でも、確定申告をした方が良いケースもあります。それは、所得税を余分に支払っている場合です。確定申告不要でも確定申告をした方が良いケースについて、具体的な例を確認していきましょう。

① 事業で赤字が出た場合

自営業者などは基本的には売り上げから経費を引いた所得が38万円以下であれば、確定申告の必要はありませんが、事業が赤字になってしまった場合は、還付を受けることができたり、住民税が考慮されることもあるので、確定申告をしたほうが良いでしょう。

② 給与所得者でも確定申告をした方が良い場合

実実際に支払った金額から保険金を差し引いた医療費の額が10万円以上であったり、災害などで資産に損害があった場合などは、還付金を受け取ることができます。また、生命保険料などの控除漏れがあった場合は、確定申告をすることで還付金を受け取ることができます。

③ 年の途中で退職した場合

年の途中で退職して、年度末に就職先が決まっていない場合は、年末調整をしていないことになります。その場合、生命保険料や社会保険料の付を受けることができるので、確定申告をした方が良いでしょう。

④「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合

退職金の受給時に、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しないと、20.42%の源泉徴収税が課されるため、余分な所得などを支払うことになります。

⑤ アルバイト先などで源泉徴収されている場合

主たる勤務先ではないアルバイトや副業で源泉徴収されいる場合、確定申告をすれば所得税の還付がされることがあります。

確定申告をするかしないかは、所得金額や年末調整に大きく関係してきます。たとえ確定申告が不要だったとしても、税金が還付される場合もあるので、確認しておくとよいでしょう。

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青色申告と白色申告の違いを知りたい!という方は、こちらもご参照ください。「青色申告と開業届の基礎知識!青色申告のメリットと白色申告との違い
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