確定申告の基礎知識

亡くなった人の所得の申告と納税「準確定申告」は相続人が行う

公開日:2017/09/09
最終更新日:2020/02/14

1年の途中で亡くなった人に確定申告の必要があった場合、相続人が代わって確定申告を行います。この確定申告を「準確定申告」といいます。

申告上作成して提出する書類は、基本的に通常の確定申告と同じです。

注意が必要なことは、申告時期は相続を認知してから4か月以内、相続人全員で行う必要がある、所得控除等が死亡日までの計算になる、の3点です。

手続きには制約があり、e-Taxでは手続きができないため、亡くなった人の住所を管轄する税務署に足を運んで手続きをします。また、相続人が複数の場合は全員のマイナンバーを準備し本人確認書類をそろえて準備してください。

この記事では、「準確定申告」の手続きについて詳しく解説します。

目次

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準確定申告とは? 相続人が亡くなった人の確定申告をすること

準確定申告とは、1年の途中で亡くなった人(被相続人)の所得と納税を相続人が行う手続きです。通常の確定申告では、本人が前年度の所得等を翌年の2月16日~3月15日に申告します。しかし、申告の必要がある方が亡くなった場合は、相続人がこの手続きを行わなければなりません。亡くなられた人の財産を相続する場合、事業を営んでいた場合などは、関連記事を参考にしてください。

【関連記事】
遺産を相続した場合にかかる確定申告などのルールについて

1月1日から亡くなった日までの所得が準確定申告の対象

準確定申告の対象となるのは、被相続人の1月1日~亡くなった日までの所得となります。しかし、被相続人が3月15日までに亡くなり、かつその前年の確定申告が行われていない場合には、前年分の申告も準確定申告として手続きが必要です。

亡くなった人に確定申告の必要があった場合に準確定申告が必要

亡くなった方全てが、準確定申告が必要となる訳ではありません。給与所得の他に20万円以上の収入がある場合や事業所得や不動産所得がある場合など、通常の確定申告が必要な場合には準確定申告も必要です。また、給与所得があり源泉徴収が行われている場合や、高額の医療費を支払っていた場合は、申告により還付を受けられる場合があります。

亡くなった人に確定申告の必要があった場合に準確定申告が必要

参考:国税庁

準確定申告の注意点

確定申告と準確定申告の内容はほぼ変わりませんが、相続人が行うために手続き上、確定申告と異なる注意点もあります。

<準確定申告の注意点>
申告時期は相続を認知してから4か月以内
相続人全員で行う必要がある
所得控除等が死亡日までの計算になる

申告時期は相続を認知してから4か月以内

通常の確定申告は、毎年2月16日~3月15日に手続きを行いますが、準確定申告では、申告が必要である亡くなった方の死亡を知ってから4か月以内に相続人が行います。また、納税の期限も、準確定申告の提出期限と同一ですので、ご注意が必要です。

相続人全員で行う必要がある

準確定申告は、亡くなった人の相続人となる人全員が行う必要があるため、「確定申告付表」を用いて全相続人が連署します。連署を行わず、各相続人が個別で申告を行うこともできますが、その場合には他の相続人に申告内容を通知しなければなりません。

所得控除等が死亡日までの計算となる

各種の所得控除の計算は、死亡日までとなります。生命保険料や地震保険料などは死亡日時点までの支払分になります。また、医療費も、亡くなる前に被相続人が支払ったものが対象です。亡くなった後に支払われた医療費は準確定申告の対象外ですが、被相続人と相続人の生計が同じであれば、相続人の確定申告時に医療費に算入できます。また、被相続人の所得金額38万円以下であれば、扶養控除又は配偶者控除を受けることが可能です。(参考:国税庁

準確定申告は亡くなった人の住所の管轄税務署にe-Taxではなく書類を提出

準確定申告は、相続人の住所地の管轄税務署ではなく、被相続人(納税者)の住所地を管轄する税務署となります。納税の相談に関しては、全国どの税務署でも可能ですが、申告書の提出先は、あくまで被相続人の住所地を管轄する税務署ということにご留意が必要です。被相続人の管轄の税務署へ足を運ぶのが難しい場合には、郵送で提出することもできます。なお、準確定申告の場合、e-Taxによる申告はできませんので注意してください。

管轄の税務署の調べ方

国税庁のホームページから調べることができます。都道府県名から、各税務署の連絡先および管轄地域を確認できます。(参考:国税庁

準確定申告書の郵送時の注意

準確定申告書を郵送する場合、控えの返送に必要な切手貼付済の返信用封筒を同封しておきましょう。相続税の申告を行う際に必要です。また、申告受付日は、郵便消印の日付となります。

準確定申告の手順と必要書類

準確定申告の場合も、通常の確定申告と同様の書式で行います。ただし、申告者の氏名欄については、被相続人の氏名の他に「相続人代表者名」を記名し、用紙の表題の確定申告の先頭部に「準」という文字を付け足します。確定申告には、給与所得や年金など雑所得、配当所得などがある方向けの申告書Aと事業所得や不動産所得などがある方向けの申告書Bがありますので、目的に応じたものを使用します。

準確定申告の必要書類は確定申告と同様

確定申告と同様、源泉徴収票や保険料等の支払証明書などを事前に準備しておきましょう。支払証明書は、死亡日までの支払が控除の対象となります。年金受給者については、死亡届の提出によって年金の源泉徴収票が送られます。事業所得がある場合には、申告の内容に応じて青色申告決算書や収支内訳書などの提出も必要となります。

「確定申告書付表」の提出が必要

相続人が複数の場合には、申告書とともに「確定申告書付表」の提出が必要です。ここに相続人の署名捺印と、相続分の割合を記入しなければなりません。この割合を基に、税金が発生する場合は負担、還付が行われます。また、連署で準確定申告を行う場合には、平成28年分より、相続人全員の個人番号(マイナンバー)の記入と本人確認書類が必要です。(参考:国税庁

死亡した者の平成・令和  年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(兼相続人の代表者指定届出書)

画像引用元:国税庁

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まとめ

準確定申告のまとめは次の通りです。

  • 準確定申告は相続の開始が分かってから4か月以内
  • 準確定申告は相続人全員で行う
  • 所得の控除は、1月1日から死亡日までにつき生じる
  • 確定申告付表は相続人が複数の時に必要(相続人全員のマイナンバー・本人確認書類を用意の上作成)

提出は亡くなった人の最後の住所地を管轄する税務署に紙で行い、e-Taxは利用できません。

上記以外、準確定申告は確定申告とほぼ同じ手続きとなります。
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