最終更新日:2021/12/08

所得控除と一口にいっても、その種類は多岐にわたります。控除を受けられる対象の項目があるなら、漏れなく申告をして適切に税金が戻ってくるようにしたいですよね。ここでは、所得控除の種類についてご紹介します。
目次
所得控除の仕組み
所得控除とは、一定の要件にあてはまる場合に所得の合計金額から一定の金額を差し引く制度のことです。所得税を計算する際に、各納税者の個人的な事情を反映するための仕組みで、誰にでも適用されるわけではなく一定の要件を満たす必要があります。
例えば、同じ年収が500万円の人でも、扶養家族がいる人といない人、高い医療費を払っている人と払っていない人では生活にかかる出費額が異なるため、負担することができる税額は異なります。
そこで、扶養家族がいる、高い医療費を払っているなどの事情がある人は、その分を所得から「控除」することで、収めるべき所得税を低くすることができるという措置がとられているのです。
所得税額は、簡単に言えば「(収入-経費-所得控除)×税率」で求められますので、所得控除が大きければ大きいほど、納めるべき所得税額は低くなります。
ここで気を付けなければならないのは、所得控除は申告をすることによってはじめて受けることができるという点です。上述した一定の要件に当てはまり、控除を受けることができる状態にあるにも関わらず申告をしないでいると、納めなくてもよい税金を支払うことになってしまいますので注意が必要です。
所得控除の種類
所得控除は、よく給与所得控除と混同されがちです。しかし、ある一定の要件に当てはまり、尚且つ申告した人が差し引かれるのが「所得控除」なのに対し、無条件に年収から差し引かれるものが「給与所得控除」です。名称は似ていますが、内容も全く異なるので注意が必要です。
また、所得控除は細かく分けて15種類あります。各控除に記載した要件を確認し、自身が受けることのできる控除はなにがあるのかを確認しましょう。
控除名 | 概要 | |
1 | 雑損控除 | 災害・盗難、または横領等によって、納税者本人・納税者と生計を同じくする配偶者やそのほかの親族(1年の総所得金額が48万円以下の人)の資産について損害を受けた場合に受けることができる |
2 | 医療費控除 | 納税者本人、または納税者と生計を同じくする配偶者やそのほかの親族のために医療費を支払った場合、一定額を超えた医療費から計算された金額の所得控除を受けることができる |
3 | 社会保険料控除 | 納税者本人、または納税者と生計を同じくする配偶者やそのほかの親族のために社会保険料を支払った場合に受けることができる |
4 | 小規模企業共済等掛金控除 | 納税者が、小規模企業共済法が規定する共済契約に基づく掛金などを払った場合に受けることができる |
5 | 生命保険料控除 | 納税者本人が、生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に一定の金額で受けることができる |
6 | 地震保険料控除 | 納税者本人が、地震や津波等で損害を被った場合に備えた地震等の損害保険の保険料や掛金を支払った場合に受けることができる |
7 | 寄附金控除 (ふるさと納税) |
納税者本人が、国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して「特定寄附金」を支出した場合に受けることができる |
8 | 障害者控除 | 納税者本人、または控除対象配偶者や扶養親族が、所得税法上の障害者にあてはまる場合に受けることができる |
9 | 寡婦控除 | 納税者本人が所得税法上の寡婦(女性)の場合に受けることができる |
10 | ひとり親控除 (寡夫控除) |
納税者本人が、「ひとり親」である場合に受けることができる |
11 | 勤労学生控除 | 納税者本人が、所得税法上の勤労学生(特定の学校の生徒・学生で、勤労による所得があるなど)の場合に受けることができる |
12 | 扶養控除 | 納税者本人が、所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合に受けることができる |
13 | 配偶者控除 | 納税者本人に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に受けることができる |
14 | 配偶者特別控除 | 配偶者の所得金額に応じて受けることができる |
15 | 基礎控除 | 合計所得金額が2,500万円以下である場合に受けることができる |
各所得控除の詳細
15種類の所得控除の概要をご紹介しましたが、ここでは各控除の詳細な要件と、控除額の算出方法について詳しくご紹介します。
雑損控除
災害・盗難、または横領等によって、納税者本人・納税者と生計を同じくする配偶者やそのほかの親族(1年の総所得金額が48万円以下の人)の資産について損害を受けた場合に、一定の金額の控除を受けることができます。
資産への損害額が大きく、その年の所得から控除をしきれない場合には、翌年以降の3年間に限り、繰り越しを行い所得から控除することができます。また、雑損控除は年末調整で処理をすることができないので、適用受ける際には確定申告を行う必要があるため注意が必要です。
雑損控除額の算出方法は次の2つのうち、大きい方の金額となります。
次の二つのうちいずれか多い方の金額です。
(1) (差引損失額)-(総所得金額等)×10%
(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円
差引損失額
=損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出の金額-保険金などにより補てんされる金額
医療費控除
その年の1月1日から12月31日までの期間で納税者本人、または納税者と生計を同じくする配偶者やそのほかの親族のために、病気やケガなどで医療費を支払った場合、一定額を超えた医療費から計算された金額の所得控除を受けることができます。
医療費控除の対象には、上述した病気やケガによる医療費、治療費だけではなく、公共交通機関を利用した通院交通費や、薬局などで購入したセルフメディケーション制度対象の薬なども控除の対象となります。
医療費控除額の算出方法は以下となります。
医療費控除の金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円)です。
(実際に支払った医療費の合計額-(1)の金額)-(2)の金額
(1) 保険金などで補てんされる金額
(例) 生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など
(注) 保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きません。
(2) 10万円
(注) その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額
社会保険料控除
その年の1月1日から12月31日までの期間で納税者本人、または納税者本人と生計を同じくする配偶者、そのほかの親族の社会保険料を支払ったときに受けることができます。健康保険や国民年金、厚生年金保険の保険料などが対象です。
社会保険料控除額はその年に実際に支払った金額又は給与や公的年金等から差し引かれた金額の全額です。
引用:国税庁「社会保険料控除」
小規模企業共済等掛金控除
納税者が、小規模企業共済法が規定する共済契約に基づく掛金などを払った場合に受けられます。
小規模企業共済等掛金控除額はその年に支払った掛金の全額です。
引用:国税庁「小規模企業共済等掛金控除」
生命保険料控除
納税者本人が生命保険料や個人年金保険料を支払った場合に一定の金額の所得控除を受けることができます。また、平成24年から介護医療保険料控除が創設され、平成24年以降、介護保険や医療保険に加入した方は、一般の生命保険料控除とは別に介護医療保険料控除の適用を受けることができます。
平成23年12月31日以前に締結された保険契約等にかかる保険料については、生命保険料控除の取扱いが異なるので注意が必要です。同様に、保険期間が5年未満の生命保険などの中には、控除の対象とならないものもありますのでこちらもあわせて確認するようにしましょう。

引用:国税庁「生命保険料控除」
生命保険料控除額の算出方法は以下となります。上述したとおり、(1)平成24年1月1日以後に締結した保険契約等の算出方法と、(2)平成23年12月31日以前に締結した保険契約等の算出方法が異なりますのでそれぞれご紹介します。
(1) 新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額
年間の支払保険料等 | 控除額 |
20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
(2) 旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額
年間の支払保険料等 | 控除額 |
25,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
25,000円超 50,000円以下 | 支払保険料等×1/2+12,500円 |
50,000円超 100,000円以下 | 支払保険料等×1/4+25,000円 |
100,000円超 | 一律50,000円 |
引用:国税庁『生命保険料控除|「2 生命保険料控除額の金額」より』
控除額:最大12万円
※新契約と旧契約の双方に加入している場合と、生命保険料の控除額等詳しくは上記のページを参照してください。
地震保険料控除
納税者本人が、地震や津波等で損害を被った場合に備えた地震等の損害保険の保険料や掛金を支払った場合、一定の所得控除を受けることができます。
また、損害保険料控除は税制改正によって平成19年からが廃止されましたが、長期損害保険契約等に係る損害保険料については、平成18年以前に締結した契約で、尚且つ契約が満期返戻金等のあるもので保険期間か共催期間が10年以上であり、平成19年以降に変更していないものであれば、地震保険料控除の対象とすることができますので覚えておきましょう。
地震保険料控除額の算出方法は以下となります。
区分 | 年間の支払保険料等 | 控除額 |
(1)地震保険料 | 50,000円以下 | 支払金額の全額 |
50,000円超 | 一律50,000円 | |
(2)旧長期損害保険料 | 10,000円以下 | 支払金額の全額 |
10,000円超 20,000円以下 |
支払金額×1/2+5,000円 | |
20,000円超 | 15,000円 | |
(1)・(2)両方がある場合 | - | (1)、(2)それぞれの方法で 計算した金額の合計額 (最高50,000円) |
引用:国税庁「地震保険料控除」
控除額:最大5万円
※年間に支払った地震保険料による
寄付金控除(ふるさと納税)
納税者本人が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して「特定寄附金」を支出した場合に所得控除を受けることができます。
「特定寄付金」とは、国や地方に対する寄付金であったり、公益を目的とした事業を行う法人や団体、特定公益増進法人などが該当します。
また、政治活動や認定NPO法人、公益社団法人等に対する寄附金のうち一定のものについては、所得控除か税額控除を選択することができますので覚えておきましょう。なお、「ふるさと納税」も寄付金控除の対象となります。
寄付金控除額の算出方法は以下となります。
次のいずれか低い金額 - 2,000円 = 寄附金控除額
「総所得金額等」とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。
- その年に支出した特定寄附金の額の合計額
- その年の総所得金額等の40%相当額
障害者控除
納税者本人、または納税者本人と生計を同じくする合計所得金額が48万円以下の配偶者や扶養親族が、所得税法上の障害者にあてはまる場合に受けられます。
障害者控除の対象となる方は、精神障害によって事理を弁識する能力を欠く常況にある方や、相談所や福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障害者と判定された方などが該当します。
症状によっては特別障害者と判定され、障害者控除の金額なども変わってきますので注意しましょう。
障害者控除控除額の算出方法は以下となります。
区分 | 控除額 |
障害者 | 27万円 |
特別障害者 | 40万円 |
同居特別障害者 特別障害者である控除対象配偶者や扶養親族で、自身や配偶者、生計を一にする親族のいずれかと同居している場合 |
75万円 |
引用:国税庁「障害者控除」
寡婦控除
納税者本人が所得税法上の寡婦(女性)の場合に控除が受けられます。
寡婦とは、原則としてその年の12月31日時点で「ひとり親」に該当せず、尚且つ「夫と離婚した後に婚姻をしておらず、扶養親族がいる人」であり、「夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人」、そして「合計所得金額が500万円以下の人」という3つの要件に当てはまる方のことを指します。また、この場合は扶養親族の要件はなく、「夫」は民法上婚姻関係にある方を指します。
寡婦控除額は27万円(3つの要件すべてを満たしている「特定の寡婦」に該当する場合は35万円)となります。
区分 | 控除額 |
寡婦控除 | 27万円 |
引用:国税庁「寡婦控除」
ひとり親控除(寡夫控除)
納税者本人がひとり親である場合に控除が受けられます。以前は寡夫控除と呼ばれていましたが、改正によって令和2年分からはこの名称に変更されましたので注意しておきましょう。
ひとり親とは、原則としてその年の12月31日時点で納税者本人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいない方であること、納税者本人と生計を同じくする子がいる方であること、納税者本人の合計所得金額が500万円以下であることが要件となります。なお、この場合の子はその年の総所得金額が48万円以下であり、尚且つ他の人と生計を同じくする配偶者を持たず扶養親族になっていない人に限られます。
ひとり親控除額は35万円となります。
区分 | 控除額 |
ひとり親控除 | 35万円 |
引用:国税庁「ひとり親控除」
勤労学生控除
納税者本人が、所得税法上の勤労学生(特定の学校の生徒・学生で、勤労による所得があるなど)の場合に控除が受けられます。
勤労学生とは、原則としてその年の12月31日時点で給与所得などの勤労による所得があり、尚且つ合計所得金額が75万円以下で、給与所得以外の所得が10万円以下であること、そして特定の学校に所属する学生、生徒である人を指します。
勤労学生控除額は27万円となります。
区分 | 控除額 |
勤労学生控除 | 27万円 |
引用:国税庁「勤労学生控除」
扶養控除
納税者本人に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合に受けられます。
控除対象扶養親族となるのは、その年の12月31日の時点で納税者本人の配偶者以外の親族か、都道府県知事から養育を委託された児童、市町村長から養護を委託された老人であり、尚且つ納税者と生計が同じであること。そして、年間の合計所得金額が48万円以下で、青色申告者の事業専従者としてその年に一度も給与の支払を受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないことが要件となります。
扶養控除額は以下となります。その年12月31日現在の扶養親族の年齢、同居の有無などによって控除額が変わりますので覚えておきましょう。
区分 | 控除額 | |
一般の控除対象扶養親族(※1) | 38万円 | |
特定扶養親族(※2) | 63万円 | |
老人扶養親族(※3) | 同居老親等以外の者 | 48万円 |
同居老親等(※4) | 58万円 |
控除額:最大63万円
※その年12月31日現在の扶養親族の年齢、同居の有無などによって変わります。
- 一般の控除対象扶養親族(16歳以上):38万円
- 特定扶養親族(19歳以上23歳未満):63万円
- 老人扶養親族(70歳以上)
- 同居老親等(老人扶養親族のうち、納税者・その配偶者の直系の父母・祖父母などで、納税者・その配偶者と常に同居している人):58万円
- 同居老親等以外:48万円
配偶者控除
納税者本人に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に、一定の金額の所得控除が受けられます。
控除対象配偶者は、民法規定による配偶者であることと、納税者本人と生計が同じであること、年間の合計所得金額が48万円以下であること、青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないことが条件となります。
なお、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以上の場合は、配偶者控除を受けることはできないので注意が必要です。
配偶者控除額は以下となります。
「老人控除対象配偶者」は、控除対象配偶者のうち、その年12月31日時点で年齢が70歳以上の方を指します。同時に、配偶者が障害者の場合、配偶者控除の他に障害者控除27万円の控除を受けることができます。
控除を受ける納税者本人の 合計所得金額 |
控除額 | |
一般の控除対象配偶者 | 老人控除対象配偶者(※) | |
900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
900万円超950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
950万円超1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
引用:国税庁「配偶者控除」
控除額:最大38万円
※老人控除対象配偶者(その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人)の場合は最大48万円
配偶者特別控除
上記の配偶者控除対象の基準を満たしておらず、配偶者控除の適用が受けられない場合でも、配偶者の所得金額に応じて一定の所得控除が受けられる「配偶者特別控除」を受けることができます。
配偶者特別控除を受けるために満たす要件は以下のとなります。要件が多いため、国税庁の配偶者特別控除のページを引用します。
- 控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。
- 配偶者が、次の要件全てに当てはまること。
- 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
- 控除を受ける人と生計を一にしていること。
- その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
- 年間の合計所得金額が48万円超133万円以下(平成30年分から令和元年分までは38万円を超え123万円以下、平成29年分までは38万円を超え76万円未満)であること。
- 配偶者が、配偶者特別控除を適用していないこと。
- 配偶者が、給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として、源泉徴収されていないこと(配偶者が年末調整や確定申告で配偶者特別控除の適用を受けなかった場合等を除きます。)
- 配偶者が、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として、源泉徴収されていないこと(配偶者が年末調整や確定申告で配偶者特別控除の適用を受けなかった場合等を除きます。)。
控除額は、控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額及び配偶者の合計所得金額に応じて次の表のようになります。
控除を受ける納税者本人の合計所得金額 | ||||
900万円以下 | 900万円超 950万円以下 |
950万円超 1,000万円以下 |
||
配偶者の合計所得金額 | 48万円超 95万円以下 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
95万円超 100万円以下 | 36万円 | 24万円 | 12万円 | |
100万円超 105万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 | |
105万円超 110万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 | |
110万円超 115万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 | |
115万円超 120万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 | |
120万円超 125万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 | |
125万円超 130万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 | |
130万円超 133万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 |
基礎控除
これまでは要件がなく、誰でも受けることができる控除でしたが、令和2年に改正があり、合計所得金額が2,500万円を超える所得者は、基礎控除の適用を受けることはできなくなりました。
基礎控除は、納税者本人の合計所得金額に応じて変わりますので注意が必要です。それぞれの控除額は以下となります。
納税者本人の合計所得金額 | 控除額 |
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
引用:国税庁「基礎控除」
青色申告特別控除
青色申告者のみが対象ですが、所得金額から最高65万円か55万円、もしくは10万円を所得から控除することができます。
自身が対象になるものは必ず確定申告書に記載しましょう。また、多くが確定申告書第一表「所得から差し引かれる金額」の欄に記載するのに対し、青色申告特別控除だけは記入欄が異なり、控除分を引いた金額を「所得金額」の欄に記載することになりますので覚えておきましょう。
控除を受けるために必要な要件とそれぞれの控除額は以下のようになっています。ここからは要件が多いため、国税庁の青色申告特別控除のページを引用しご紹介します。
1. 55万円の青色申告特別控除
この55万円の控除を受けるための要件は、次のようになっています。
(注)
- 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
- これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
- 2の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること
- 現金主義によることを選択している人は、55万円の青色申告特別控除を受けることはできません。
- 不動産所得の金額又は事業所得の金額の合計額が55万円より少ない場合には、その合計額が限度になります。ただし、この合計額とは損益通算前の黒字の所得金額の合計額をいいますので、いずれかの所得に損失が生じている場合には、その損失をないものとして合計額を計算します。
- 不動産所得の金額、事業所得の金額から順次控除します。
2. 65万円の青色申告特別控除
この65万円の控除を受けるための要件は、次のようになっています。
- 上記1の要件に該当していること
- 次のいずれかに該当していること
- その年分の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について、電子帳簿保存(下記《参考》参照)を行っていること。
- その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書等の提出を、確定申告書の提出期限までにe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用して行うこと。
3. 10万円の青色申告特別控除
この控除は、上記1及び2の要件に該当しない青色申告者が受けられます。
(注)
- 不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の合計額が10万円より少ない場合には、その金額が限度になります。ただし、この合計額とは損益通算前の黒字の所得金額の合計額をいいますので、いずれかの所得に損失が生じている場合には、その損失をないものとして合計額を計算します。
- 不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額から順次控除します。
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まとめ
所得控除にはさまざまな種類がありますが、中でも金額の多いもののひとつである青色申告特別控除は最大65万円となりますので、事業を営んでいる人で青色申告か白色申告かで迷っている方は、ぜひ青色申告を検討してください。
青色申告を選択するためには、事前に開業届と青色申告承認申請書を提出する必要があります。書類の記入を煩雑に感じるかもしれませんが、無料の開業freeeを活用すれば、ステップに沿って記入するだけで、最短5分で申請書が出力されます。
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