確定申告の基礎知識

住宅ローン控除の対象とは?計算方法や確定申告の方法まとめ

最終更新日:2021/02/24

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅を購入したり、リフォームする際に、一定の要件を満たすことで10年間、所得税の控除が受けられる制度です。住宅ローン控除を受けるためには、住宅を購入した年の確定申告をする必要があります。

ここでは、住宅ローン控除の計算方法や確定申告での申請方法などについて解説します。


住宅ローン控除の対象とは?計算方法や確定申告の方法まとめ

目次

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住宅ローン控除のしくみ

住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(住宅借入金等特別控除)」といい、住宅ローンを利用して住宅の新築や購入、住宅の建て替え、増改築などを行い、一定の要件を満たした場合、年末のローン残高に応じて所得税の控除を受けることができます。ただし、控除を受けられる期間は最長で10年間です。

具体的な控除の割合は、住宅ローンを組んだ1~10年目の年末時点のローン残高等×1%(控除限度額:40万円)となります。(令和3年1月1日〜令和3年12月31日までに対象となる住宅に入居した人について)。

ただし、住宅ローン控除控除限度額は年40万円、認定長期優良住宅や低炭素建築物の場合は年50万円までとなっています。例えば、年末のローン残高が3,000万円の場合、控除額は30万円となります。

正式名称の「特別控除」という言葉からもわかるように、住宅ローン控除はいつまでも続くものではなく、政府の経済対策で始まった「時限立法」という期限付きの制度です。これまでのところ、期限が来るたびに制度の見直しと延長が繰り返されてきました。

住宅ローン控除の条件

新築又は新築住宅を取得した場合の住宅ローン控除の条件

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けるには、個人が住宅を新築又は建築後使用されたことのない住宅を取得した場合、以下の条件を全て満たしていれば、適用を受けることができます。

※平成28年3月31日以前の住宅の新築・購入・増改築については、非居住者は住宅ローン特別控除の対象外となります。
※贈与による取得や、取得時に生計を一にしており、取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者などからの取得は、特別控除の適用はされません。
※居住用の住宅を複数所有している場合、控除の対象となるのは、主に居住の用に供する1つの住宅に限られます。

自らが居住する住宅であること

新築または取得、増改築等の日から6ヶ月以内に居住用として使用され、申請の対象となる各年の12月31日まで継続して居住していることが条件となります。

※個人が死亡した年については、同日までその場所に住み続けていること。
※投資用物件や親族の家などには適用されません。

控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下

住宅ローン控除を受ける年分の合計所得金額が3,000万円以下である必要があります。合計所得金額が3,000万円を超える年には適用できませんが、合計所得金額が3,000万円未満の年には適用できます。

参考:国税庁「合計所得金額3,000万円の判定

床面積が50平方メートル以上

新築又は取得をした住宅、増改築等をした後の住宅の床面積が50㎡(平方メートル)以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住用であることです。

<床面積の判断基準>

  • 床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。
  • マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分(共有部分)については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。
  • 店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。
  • 夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。

    ただし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する部分(専有部分)の床面積によって判断します。

住宅ローンの借入期間が10年以上

住宅ローン控除は新築又は取得のための一定の貸付金又は債務であって、10年以上の期間をかけて分割返済するもの(住宅と併せて取得する住宅の敷地の用に供する土地等の取得のための貸付金を含みます。)があることが条件です。

※9年以下の短期ローンでは控除されません。
※一定の借入金又は債務とは、例えば銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先などからの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、建設業者などに対する債務です。
※勤務先からの借入金の場合には、無利子又は0.2%(平成28年12月31日以前に居住の用に供する場合は1%)に満たない利率による借入金はこの特別控除の対象となる借入金には該当しません。また、親族や知人からの借入金は全て、この特別控除の対象となる借入金には該当しません。

参考・引用元:国税庁「住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等

長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていない

住宅を新築又は取得してその居住用に供している個人は、次の期間において、新築又は取得した住宅及びその敷地の用に供している土地等以外の資産(以前に居住していた住宅等)については、居住用財産等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないことが条件になります。

  • 令和2年4月1日以後に譲渡した場合
    その居住の用に供した年とその前2年・後3年の計6年間
  • 令和2年3月31日以前に譲渡した場合
    その居住の用に供した年とその前後2年ずつの計5年間
参考:国税庁「マイホームを売ったときの軽減税率の特例

中古住宅を取得した場合の住宅ローン控除の条件

個人が中古住宅を取得した場合の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用を受けるためには、新築又は新築住宅を取得した場合の住宅ローン控除の条件に加え、以下の条件を満たしている必要があります。

※平成28年3月31日以前の中古住宅の購入については、非居住者は住宅ローン特別控除の対象外となります。

※居住用の住宅を複数所有している場合、控除の対象となるのは、主に居住の用に供する1つの住宅に限られます。

取得した中古住宅が次のいずれにも該当する住宅

  1. 建築後使用されたものであること。
  2. 次のいずれかに該当する住宅であること。
    • 家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下であること。
      ※「耐火建築物」とは、建物登記簿に記載された家屋の構造のうち、建物の主たる部分の構成材料が、石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造(軽量鉄骨造は含みません。)、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造のものをいいます。
    • 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるもの (耐震基準)に適合する建物であること。
      ※「地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるもの(耐震基準)に適合する建物」とは、その家屋の取得の日前2年以内に耐震基準適合証明書による証明のための家屋の調査が終了したもの、その家屋の取得の日前2年以内に建設住宅性能評価書により耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級1、等級2若しくは等級3であると評価されたもの又は既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されているもの(住宅瑕疵担保責任法人が引受けを行う一定の保険契約であって、その家屋の取得の日前2年以内に締結したものに限ります。)をいいます。
    • 平成26年4月1日以後に取得した中古住宅で、a.又はb.のいずれにも該当しない一定のもの(要耐震改修住宅)のうち、その取得の日までに耐震改修を行うことについて申請をし、かつ、居住の用に供した日までにその耐震改修(租税特別措置法41条の19の2(既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除)第1項又は41条の19の3(既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除)第6項若しくは第8項の適用を受けるものを除きます。)により家屋が耐震基準に適合することにつき証明がされたものであること(「要耐震改修住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」参照)。
  3. 取得の時に生計を一にしており、その取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者などからの取得でないこと。
  4. 贈与による取得でないこと。
参考・引用元:国税庁「中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

増改築等をした場合の住宅ローン控除の条件

個人が増改築等をした場合の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用を受けるためには、新築又は新築住宅を取得した場合の住宅ローン控除の条件に加え、以下の条件を満たしている必要があります。

※平成28年3月31日以前の増改築については、非居住者は住宅ローン特別控除の対象外となります。
※居住用の住宅を複数所有している場合、控除の対象となるのは、主に居住の用に供する1つの住宅に限られます。

  1. 自己が所有し、かつ、自己の居住の用に供する家屋について行う増改築等であること。

    ※平成20年以前に増改築等を行い居住の用に供している場合は、自己が所有し、かつ、自己が居住の用に供している家屋について行った増改築等に限られていましたが、平成21年度税制改正により、自己の所有している家屋に増改築等をして、平成21年1月1日以後に居住の用に供した場合(その増改築等の日から6か月以内に居住の用に供した場合に限ります。)についてもこの特別控除の対象とされました。
  2. 次のいずれかの工事に該当するものであること。
    • 増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事
      ※「建築基準法に規定する大規模の修繕又は大規模の模様替え」とは、家屋の壁(建築物の構造上重要でない間仕切壁を除きます。)、柱(間柱を除きます。)、床(最下階の床を除きます。)、はり、屋根又は階段(屋外階段を除きます。)のいずれか一以上について行う過半の修繕・模様替えをいいます。
    • マンションなどの区分所有建物のうち、その人が区分所有する部分の床、階段又は壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事(a.に該当するものを除きます。)
    • 家屋(マンションなどの区分所有建物にあっては、その人が区分所有する部分に限ります。)のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事(a.及びb.に該当するものを除きます。)
    • 建築基準法施行令の構造強度等に関する規定又は地震に対する安全性に係る基準に適合させるための一定の修繕・模様替えの工事(a.~c.に該当するものを除きます。)
    • 一定のバリアフリー改修工事(a.~b.に該当するものを除きます。その増改築等をした部分を平成19年4月1日以後に居住の用に供した場合に限ります。)
    • 一定の省エネ改修工事(a.~e.に該当するものを除きます。その増改築等をした部分を平成20年4月1日以後の居住の用に供した場合に限ります。)
  3. 増改築等の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
    ※1 個人が死亡した日の属する年にあっては、同日まで引き続き住んでいること。
    ※2 中古住宅を取得した後、その住宅に入居することなく増改築等工事を行った場合の住宅借入金等特別控除については、新型コロナウイルス感染症等の影響によって工事が遅延したことなどにより、その住宅への入居が控除の適用要件である入居期限要件(取得の日から6か月以内)を満たさないこととなった場合でも、次の要件を満たすときは、その適用を受けることができます(新型コロナ税特法6条、新型コロナ税特令4条)。
    • 一定の期日(※)までに、増改築等の契約を締結していること
    • 増改築等の終了後6か月以内に、中古住宅に入居していること
    • 令和3年12月31日までに中古住宅に入居していること
      ※中古住宅の取得をした日から5か月を経過する日又は新型コロナ税特法の施行の日(令和2年4月30日)から2か月を経過する日のいずれか遅い日。
  4. その工事費用の額(平成23年6月30日以降に増改築等に係る契約を締結し、その増改築等の費用に関し補助金等の交付を受ける場合はその額を控除した額)が100万円を超えており、その2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。

要耐震改修住宅を取得し、耐震改修を行った場合の住宅ローン控除の条件

要耐震改修住宅とは、個人が居住の用に供する家屋(建築後に使用されたも住宅であって、その床面積の2分の1以上の部分が専ら居住の用に供するものに限る。)で、床面積が50平方メートル以上であることにつき建物登記事項証明書で証明されたもののうち、耐震基準又は経過年数基準に適合するもの以外のものをいいます。

個人で要耐震改修住宅を取得し、耐震改修を行った場合の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用を受けるためには、以下の条件を満たしている必要があります。

ここでいう耐震基準又は経過年数基準に適合する家屋とは、次のA.又はB.に掲げる住宅をいいます。

A.耐震基準に適合するもの

    地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるもの(以下「耐震基準」といいます。)に適合する家屋とは、その家屋の取得の日前2年以内に耐震基準適合証明書による証明のための家屋の調査が終了したもの、その家屋の取得の日前2年以内に建設住宅性能評価書により耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級1、等級2若しくは等級3であると評価されたもの又は既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されているもの(住宅瑕疵担保責任法人が引受けを行う一定の保険契約であって、その家屋の取得の日前2年以内に締結したものに限ります。)をいいます。

B.経過年数基準に適合するもの
家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下であるものをいいます。

※「耐火建築物」とは、建物登記簿に記載された家屋の構造のうち、建物の主たる部分の構成材料が、石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造(軽量鉄骨造は含みません。)、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造のものをいいます。

要耐震改修住宅について住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには次の1.〜9.に掲げる全ての要件を満たす必要があります。

税額控除のメリット

住宅ローン控除は、「税額控除」という種類にあたります。税額控除とは、正式名称を「所得税額の特別控除」といい、最終的に決定した税金額から差し引く形の控除のこと。

一方、全員が受けられる基礎控除などは「所得控除」といい、税額計算の途中で差し引かれるため、30万円の控除があったとしても、税金として安くなるのは、控除額に税率を掛けた金額です。

所得控除と税額控除で節税できる金額の違い

年間所得300万円の場合の所得税額(各種控除がない状態)を、以下の表から税率と控除額を参照して計算してみます。

・所得控除額・税額控除がない場合
所得税額=300万円×10%-97,500円=20万2,500円

<所得税の速算表>

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 42万7,500円
695万円超900万円以下 23% 63万6,000円
900万円超1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円

参考:
所得税の税率│所得税│国税庁

次に、所得控除、もしくは税額控除額が20万円だった場合それぞれの、所得税額を計算してみます。

・所得控除額が20万円の場合(基礎控除、社会保険料控除、医療控除など)
所得税額=(300万円-20万円)×10%-97,500円=18万2,500円
節税額=20万2,500円-18万2,500円=20,000円

・税額控除が20万円の場合(住宅ローン控除、寄附金控除、配当控除など)
所得税額=300万円×10%-97,500円-20万円=2,500円
節税額=20万2,500円-2,500円=20万円

上記を比較すると、税額控除のほうが18万円も節税額が多くなっており、住宅ローン控除の節税インパクトが大きいことがわかります。ちなみに、住宅ローン控除額のほうが所得税額より大きい場合は、翌年度の個人住民税から税額控除されます。

参考:
総務省|所得税から住宅ローン控除額を引ききれなかった方

ただし、住民税からの最大控除額は、所得税の課税総所得金額等の額の7%か、13万6,500円のうち小さいほうの額が上限となります。

平成29年分住宅ローン控除の確定申告書の書き方や計算方法

確定申告書といっしょに提出する、住宅ローン控除専用書類の書き方をご紹介します。

【(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 一面】

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【(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 二面】
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引用元:国税庁

・新築又は購入した家屋等に係る事項
居住開始年月日:入居日を入れます。
取得対価の額:契約書を見て記入しますが、建物は消費税込み、土地は消費税が非課税です。
総(床)面積:登記事項証明書を元に記入します。
うち居住部分の(床)面積:事務所などとして使用している部分がなければ「100.00」です。

・家屋や土地等の取得対価の額
あなたの持分に係る取得対価の額等:共有者がいなければ「取得対価の額」と同じものを記入します。

・居住用部分の家屋又は土地等に係る住宅借入金等の年末残高
新築、購入及び増改築等に係る住宅借入金等の年末残高:「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を見て書き入れます。
(2)と(5)のいずれか少ない方の金額:「あなたの持分に係る取得対価の額等」と「新築、購入及び増改築等に係る住宅借入金等の年末残高」の少ないほうの額です。諸経費の分などを含めて借り入れている場合は、住宅ローン控除の対象となるのは取得金額までです。

・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額
同計算明細書二面の該当する計算式を基に、番号と二面に記入した計算に基づいて「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」を書き入れます。

・控除証明書の要否
欄に〇をつけると、控除証明書が税務署から発行され、翌年から年末調整での対応が可能です。

住宅ローン控除額の計算方法

住宅ローン控除額は年末におけるローン残高の1%ですが、これは最大額で、実際には1%を控除できる人は多くありません。それはなぜか、具体的に控除額がどのくらいになるのか、計算方法をご紹介します。

<計算条件>
年末時点のローン残高:3,000万円
税込年収:400万円
所得税額:10万円
住民税:14万円

最大控除額は年末時点のローン残高の1%
3,000万円×0.01=30万円

1. 所得税から控除
まずは所得税から住宅ローン控除額を引きます。

所得税額10万円-住宅ローン控除30万円=-20万円(住宅ローン控除残額)

2. 所得税から控除しきれない額は住民税から控除
所得税から控除しきれない分を住民税から控除する場合は、所得税の課税総所得金額等の額の7%、または13万6,500円のうち小さいほうの額が上限になります。
今回の場合、課税総所得金額の7%で400万円×0.07=28万円となり、13万6,500円のほうが額が小さいため、住民税からの控除最大額は13万6,500円が採用されます。

住民税14万円-13万6,500円=3,500円(住民税支払額)

所得税分10万円+住民税分13万6,500円=23万6,500円(総控除額)

元々の住宅ローン控除額である30万円のうち、23万6,500円が控除できました。差額の63,500円は、来年に持ち越すといったことはできません。このように、控除可能額と実際の控除額では差が出てしまうことがあります。

より強く節税を意識するのであれば、たとえば夫婦とも働いていて、それぞれ所得税や住民税を支払っている場合、夫婦で別々のローンを組んだり、連帯債務形式でローンを組んだりして、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けるという方法もあります。

「確定申告書」の住宅ローン控除に関わる部分の書き方

確定申告書(A・Bともに)の第一表には、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を元に、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」を記入します。
第二表の「特例適用条文等」の欄には、例えば2017年1月1日(平成29年)の住宅の取得は消費税が8%の「特定取得(※)」にあたりますので、「平成29年1月1日居住開始(特定)」と書きます。長期優良住宅や低炭素住宅の場合には、「平成29年1月1日居住開始(特定)」の前に〇で囲んだ「認」の文字をつけます。

※「特定取得」とは、住宅を新築・購入・増改築した際にかかった費用の消費税額等(消費税額と地方消費税額の合計額)が8%、または10%だった場合のこと。最新の特定取得に該当する期間は、2014年4月1日~2019年6月30日までに住宅を購入した場合

【確定申告書A第一表】

 loan_3.png


【確定申告書A第二表】
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引用元:国税庁

そのほかの住宅ローン控除

住宅を新築・購入、増改築した場合に限らず、住宅ローン控除を受けられる場合があります。

1. 住宅取得資金贈与を受けた場合の住宅ローン控除
住宅の取得資金として、2015年1月1日~2021年6月30日のあいだに、父母や祖父母から贈与を受けたとき、一定の限度額までであれば贈与税が非課税になる制度が設けられています。
住宅取得資金の贈与を受けた上、住宅ローンを借り入れて住まいを取得し、その借入額と贈与を受けた額の合計が住宅購入価格以下となる場合、住宅ローン控除が適用されます。

<住宅取得資金贈与を受けた場合の住宅ローン控除計算シミュレーション>
1. 購入価格4,500万円、住宅取得資金贈与額700万円、住宅ローン借入額3,000万円の場合

700万円+3,000万円=3,700万円 < 4,500万円

住宅取得資金贈与額と住宅ローン借入額の合計が購入価格を下回るため、住宅ローン借入額全額が住宅ローン控除の対象となります。

2. 購入金額4,500万円、住宅取得資金贈与額1,000万円、住宅ローン借入額4,000万円の場合

1,000万円+4,000万円=5,000万円 > 4,500万円

住宅取得資金贈与額と住宅ローン借入額の合計が購入金額を上回るため、住宅ローン借入額全額が住宅ローン控除の対象にはなりません。

この場合は、
1. 住宅借入金の金額(4,000万円)
2. 住宅購入金額(4,500万円)から住宅取得資金贈与額(1,000万円)を差し引いた金額(3,500万円)
のいずれか少ないほうが住宅ローン控除の対象となるため、ここでは2の3,500万円 が控除対象の金額となります。

2. 借換えをした場合の住宅ローン控除
住宅ローンの借換えをした場合には、下記2つの要件を満たす場合に限って、住宅ローン控除の対象となります。

・新たに借り入れた住宅ローンが当初の住宅ローンの返済にあてられることが明らかである

・新たに借り入れた住宅ローンの借入期間が10年以上あるなど、住宅ローン控除の要件を満たしている

新たに借り入れた住宅ローンの残高が、当初の住宅ローンの借り換え直前の残高よりも少ないか同額の場合には、新たに借り入れた住宅ローンの年末残高が住宅ローン控除の対象です。しかし、新たに借り入れた住宅ローン控除の額のほうが大きい場合には、以下の計算式となります。

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借換えを行った場合には、当初の住宅ローン控除期間の残りの期間が適用期間となります。

3. リフォームした場合の住宅ローン控除
リフォームの場合には、「省エネ改修」「バリアフリー改修」「三世代同居改修」という、住宅ローン控除に替えて利用できる減税制度があります。
いずれも、2021年12月31日までに居住開始となる物件が対象で、5年間控除されます。控除額の計算方法は以下になります。

A×2%+(B-A)×1%=控除額
※控除額の最高額は12万5,000円

A:増改築等に対する住宅借入金の年末残高の合計のうち、リフォームに要した工事費用額に相当する金額(限度額250万円)
B:増改築等に対する住宅借入金の年末残高の合計額(最高1,000万円)

例えば、増改築等の住宅借入金等の年末残高の合計が700万円(B)、リフォームに要した工事費用の合計額が200万円(A)の場合の控除額は

200万円×2%+(700万円-200万円)×1%=90,000円
となります。

これらの改修減税には、現金で支払った人を対象とする投資型減税の制度もあります。該当するリフォームを行っている場合は要件を調べて、どちらがお得か比較してみましょう。

参考:
住宅リフォーム推進協議会┃リフォームの減税制度

まとめ

確定申告での住宅ローン控除の手続きは、1年目は少し煩雑ですが、年末調整で済む2年目からは比較的簡単です。必要な書類は早めに準備をして、わからないことは税務署で尋ねるなどして、余裕を持って手続きをしましょう。

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