確定申告の基礎知識

住宅ローン控除の計算法や記入法、手続き、対象になるか判断する方法

住宅ローンを利用してマイホームを取得した年に住宅ローン控除の適用を受けるためには、住宅購入の1年目に確定申告を行うことが必要です。確定申告での住宅ローン控除の計算や手続きの方法などについて、解説していきます。

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住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは、正確には「住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除」というものです。住宅ローンを利用して、自宅を購入したり、新築や増改築工事を行ったりしたときに一定の要件を満たすと、年末のローン残高に応じて、所得税の還付や控除が受けられる制度です。

住宅ローン控除は制度の見直しが行われながら延長が繰り返されています。現時点だと平成31年6月30日までに、当該の住まいに入居する人までが対象となっています。

住宅ローン控除の対象とは

住宅ローン控除を受けるためには、以下のような主な要件があります。

・自らが居住する住宅であること

住宅ローン控除はマイホームとしての取得が要件の一つとなっています。住宅の引き渡し、あるいは、工事の完了から6カ月以内に住むことが条件であり、住民票を移すことが必要です。その他には、以下の条件があります。

・床面積が50㎡以上

住宅ローン控除を受ける物件は、床面積が50㎡以上の広さがあることが要件です。戸建ては壁芯、マンションなどの共同住宅は内法で判断されます。

・住宅ローンの借入期間が10年以上

・住宅ローンの適用を受ける年の年収が3000万円以下であること

・(中古住宅の場合)鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造などの耐火建築物で築25年以内、非耐火建築物で20年以内

この築年数を超える場合には、耐震基準に適合していることを証明するため、耐震基準適合証明書、または、耐震等級1以上と認められた既存住宅性能評価書、あるいは、既存住宅売買瑕疵保険への加入が必要です。

・(増改築の場合)工事費100万円以上

・住宅ローン控除の必要書類は?

最初に住宅ローン控除を受ける場合には1年目は確定申告による手続きが必要だといいましたが、2年目以降はサラリーマンなどの給与所得者であれば年末調整で対応できます。住宅ローン控除の確定申告に必要な書類を上げていきます。

  • ・確定申告書(サラリーマンなどの給与所得者は確定申告書A)
  • ・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • ・住民票の写し
  • ・建物・土地の登記事項証明書
  • ・源泉徴収票
  • ・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
  • ・建物・土地の不動産売買契約書、あるいは請負契約書の写し
  • ・耐震基準適合証明書、または、既存住宅性能評価書の写し、あるいは、既存住宅売買瑕疵保険に加入していることを証明する書類(非耐火建築物で築20年、耐火建築物で築25年を超える場合で耐震基準を満たす場合)
  • ・長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し、または、住宅用家屋証明書の写しまたは認定長期優良住宅建築証明書(長期優良住宅の場合)
  • ・低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し、または、住宅用家屋証明書の写しまたは低炭素住宅建築証明書(低炭素住宅の場合)

平成28年分 住宅ローン控除の確定申告書の書き方や計算方法

平成28年に引き渡しをした場合の住宅ローン控除額

平成26年4月1日から平成31年6月30日までに居住した場合では、住宅ローンの年末の残高の1%を10年間、控除を受けることができます。ただし、上限は年40万円となっており、長期優良住宅や低炭素住宅では年50万円となります。

住宅ローン控除の「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」の書き方

計算明細書

「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」は、住所や氏名を記入し、「居住開始日」には入居日を入れます。「取得対価の額」は契約書を見て記入しますが、建物は税込み、土地は消費税が非課税です。

「総(床)面積」は登記事項証明書をもとに記入します。「うち居住部分の(床)面積」は、事務所などとして使用している部分がなければ、「100.00」です。

「あなたの持ち分に関わる取得対価の額等」は共有者がいなければ、「取得対価の額」と同じものを記入します。

「購入及び増改築等に係る住宅借入金等の年末残高」は、「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を見て書き入れます。

「②と⑤のいずれか少ない方の金額」は、「あなたの持分に係る取得対価の額等」と「住宅借入金等の年末残高」の少ない方の額です。諸経費の分などを含めて借り入れている場合は、住宅ローン控除の対象となるのは取得金額までです。

「8.(特定増改築等)住宅増改築等特別控除額」は、二面の該当する計算式をもとに、番号と二面に記入した計算に基づいて、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」を書き入れます。

「9 控除証明書の要否」の欄に〇をつけると、控除証明書が税務署から発行され、翌年から年末調整での対応が可能です。

「確定申告書」の住宅ローン控除に関わる部分の書き方

確定申告書の第1表には、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」をもとに、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」を記入します。第2表の「特例適用条文等」の欄には、平成28年の住宅の取得は消費税が8%のため、特定取得に当たりますので、「平成28年〇月〇日居住開始(特定)」と書きます。長期優良住宅や低炭素住宅の場合には、「認」を〇で囲んで頭につけます。

住宅取得資金贈与を受けた場合の住宅ローン控除

住宅の取得資金として、平成27年1月1日~平成31年6月30日に、父母や祖父母から贈与を受けたとき、一定の限度額までであれば贈与税が非課税になる制度が設けられています。住宅取得資金の贈与を受けて、住宅ローンを借り入れて住まいを取得した場合は、借入額のうち、贈与を受けた額との合計が購入価格と同額まで、住宅ローン控除が適用されます。

たとえば、購入価格4500万円、住宅取得資金贈与額700万円、住宅ローン借入額3000万円の場合をみていきましょう。住宅取得資金贈与額と住宅ローン借入額の合計が、購入価格を下回るため、住宅ローン借入額全額が住宅ローン控除の対象となります。

非課税限度額

借り換えをした場合の住宅ローン控除

住宅ローンの借り換えをした場合には、2つの要件を満たす場合に限って、住宅ローン控除の対象となります。

  • ・新たに借り入れた住宅ローンが当初の住宅ローンの返済に充てることが明らかである
  • ・新たに借り入れた住宅ローンの借入期間が10年以上あるなど、住宅ローン控除の要件を満たしている

新たに借り入れた住宅ローンの残高が、当初の住宅ローンの借り換え直前の残高よりも少ないか同額の場合には、新たに借り入れた住宅ローンの年末残高が住宅ローン控除の対象です。しかし、新たに借り入れた住宅ローン控除の額の方が大きい場合には、以下の計算式となります。

計算式

借り換えを行った場合には、当初の住宅ローン控除の期間の残りの期間が適用の対象です。

リフォームした場合の住宅ローン控除

リフォームの場合には、住宅ローン控除に変えて利用できる減税制度もあります。従来からの「省エネ改修」と「バリアフリー改修」に加えて、平成28年4月から「三世代同居改修」も加わりました。いずれも、平成31年6月30日までに居住開始となる物件を対象です。ローン残高250万円を限度に、該当する工事部分の年末ローン残高2%と、それ以外の部分の年末ローン残高の1%が、合計でローン残高1000万円を限度に5年間控除されます。最大で62万5000円の控除が受けられるものです。

これらの改修減税には、現金で支払った人を対象とする投資型減税の制度もあります。該当するリフォームを行っている場合は要件を調べて、どちらがお得か比較してみましょう。

その他の控除一覧

住宅ローン控除以外の所得税の控除制度には以下のものがあります。

  • ・基礎控除
  • ・配偶者控除
  • ・配偶者特別控除
  • ・扶養控除
  • ・障害者控除
  • ・寡婦控除
  • ・寡夫控除
  • ・勤労学生控除
  • ・社会保険料控除
  • ・生命保険料控除
  • ・地震保険料控除
  • ・雑損控除
  • ・医療費控除
  • ・小規模企業共済等掛金控除
  • ・寄付金控除

まとめ

確定申告での住宅ローン控除の手続きは、1年目は少し煩雑ですが、年末調整で済む2年目からは比較的簡単です。必要な書類は早めに準備をして、わからないことは税務署で尋ねるなどし、余裕を持って手続きをしましょう。

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