確定申告の基礎知識

仮想通貨にかかる所得税って?基礎知識から計算方法、確定申告、納税まで

最終更新日:2021/01/07

仮想通貨にかかる所得税って?基礎知識から計算方法、確定申告、納税まで

仮想通貨(暗号資産・ビットコイン)で取引した場合、どれくらいの所得税を払わなければならないのでしょうか?

2017年12月に国税庁が発表した資料によると、仮想通貨で得た利益は所得税のなかでは「雑所得」に分類されます。

雑所得とはどのような所得で、税額はどのように計算するのでしょうか?仮想通貨の売買以外にも、一般的に「所得」と判断されるケースは3つあります。一言に「仮想通貨にかかる所得税」と言っても、知っておくべきことがあります。   

今回は、仮想通貨売買にかかる所得税について、2020年(令和2年)12月1日に更新された「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)」についても詳しく見ていきましょう。   

仮想通貨で得た所得は何税に分類されるのか

冒頭でも触れましたが、2017年12月に国税庁が発表した「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」によると、仮想通貨の取引等による利益は所得税のうち雑所得に分類され、利益が20万円を超える場合は確定申告が必要となります。主婦や学生などの扶養されている方は、利益が33万円を超えると確定申告が必要になります。

所得税は、所得の性質に応じて10種類に分類されます。事業主から受け取る給与や賞与は「給与所得」、個人事業主などの事業による所得は「事業所得」、土地や不動産の貸付による所得は「不動産所得」に分類されます。これらのいずれにも該当しない所得は「雑所得」となります。   

【所得の種類】

利子所得 利子所得とは、預貯金や公社債の利子並びに合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得をいいます。
配当所得 配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける配当や、投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託以外のもの)及び特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得をいいます。
不動産所得 不動産所得とは、土地や建物などの不動産、借地権など不動産の上に存する権利、船舶や航空機の貸付け(地上権又は永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含みます。)による所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除きます。)をいいます。
事業所得 事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得をいいます。

ただし、不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は、原則として不動産所得や山林所得になります。
給与所得 給与所得とは、勤務先から受ける給料、賞与などの所得をいいます。
退職所得 退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当や厚生年金基金等の加入員の退職に基因して支払われる厚生年金保険法に基づく一時金などの所得をいいます。
山林所得 山林所得とは、山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得を いいます。

ただし、山林を取得してから5年以内に伐採又は譲渡した場合には、山林所得ではなく、 事業所得又は雑所得になります。
譲渡所得 譲渡所得とは、土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得、建物などの所有を目的とする地上権などの設定による所得で一定のものをいいます。

ただし、事業用の商品などの棚卸資産、山林、減価償却資産のうち一定のものなどを譲渡することによって生ずる所得は、譲渡所得となりません。
一時所得 一時所得とは、上記1から8までのいずれの所得にも該当しないもので、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものであって、労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。

例えば次に掲げるようなものに係る所得が該当します。

(1) 懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金
(2) 生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金
(3) 法人から贈与された金品

(注) これらの所得でも一時所得に該当しない場合があります。詳しくは、コード1490(一時所得)を参照してください。
雑所得
雑所得とは、上記1から9までの所得のいずれにも該当しない所得をいいます。

例えば次に掲げるようなものに係る所得が該当します。

(1) 公的年金等
(2) 非営業用貸金の利子
(3) 副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)

引用元:国税庁「No.1300 所得の区分のあらまし

仮想通貨にかかる所得税は不利?総合課税とは

雑所得は総合課税の対象となり、給与所得などの他の所得との合計額に応じて税率が決まります。

また、所得税は所得に応じて課税率がアップする累進課税です。多額の利益を上げた場合、所得税は累進課税のため最大45%まで税率が上がり、10%の住民税と合わせると最大55%になることもあります。

所得税の税率
[令和2年4月1日現在法令等]

所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から45%の7段階に区分されています。

課税される所得金額(千円未満の端数金額を切り捨てた後の金額です。)に対する所得税の金額は、次の速算表を使用すると簡単に求められます。

【所得金額と税率】

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

引用元:国税庁「No.2260 所得税の税率

仮想通貨で発生した所得税の計算方法

仮に、2020年の給与所得が500万円で仮想通貨の利益が300万円だった場合、どれくらいの所得税を払わなければならないのか計算してみましょう。

【給与所得にかかる税金の計算例】

給与所得500万円+仮想通貨の利益300万円=所得合計は800万円
この所得合計から38万円の基礎控除を引くと、下記の税金を支払う必要があります。

(800万円-38万円)×0.23-(控除)63万6,000円=111万6,600円
※他にも控除がある場合は減額されます。

なお、株式投資で得た利益は譲渡所得、FX(外国為替証拠金取引)で得た利益は仮想通貨と同様に雑所得に分類され、いずれも他の所得と分離して税額を計算する「申告分離課税」。税率は所得の額に関わらず、一律約20.315%です。

そのため、利益を得れば得るほど税率が高くなる仮想通貨は不利だという意見も少なくありません。   

初めて仮想通貨を取得したら「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」の提出が必要

初めて仮想通貨(暗号資産)を取得した場合は、取得した年の確定申告期限(原則として翌年3月15日)までに、「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を納税地を管轄する税務署長に提出する必要があります。

仮想通貨の売却等に係る譲渡原価の計算の基礎となる年末(12月31日)時点で保有する仮想通貨の評価額は、「総平均法」または「移動平均法」のいずれかの評価方法で計算することになります。これらの評価方法は、暗号資産の種類(名称)ごとに選定することとされています。

(1) 初めて暗号資産を取得する場合
(2) 異なる種類の暗号資産を取得する場合

上記の場合は、取得した年の確定申告期限(原則として翌年3月15日)までに、選定した評価方法など所定の事項を記載した届出書(所得税の暗号資産の評価方法の届出書)を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

※年によって期限日が異なる場合があります。詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。

スマホで仮想通貨による所得の確定申告方法

確定申告とは、その年に発生した所得にかかる税金を納税者が計算し、翌年の3月15日までに納付する手続きのことです。

仮想通貨取引による所得も、20万円を超える場合は確定申告が必要になります。医療費控除やふるさと納税で確定申告をする場合は、仮想通貨取引による所得が20万円未満であっても確定申告が必要になります。

スマホで確定申告をする流れ

1.仮想通貨に係る雑所得の⾦額を計算する。

仮想通貨に係る雑所得の⾦額の計算は、国税庁ホームページ「暗号資産の計算書(総平均法用)」をダウンロードして⾏います。

<仮想通貨の計算書(総平均法用)の入力手順>

  1. 年間取引報告書の記載項⽬を⼊⼒【⻘・ピンク・⾚・緑の枠囲み】
  2. 仮想通貨での決済等があれば必要事項を⼊⼒【茶⾊の枠囲み】
  3. 前年末の残⾼があれば年始残⾼に⼊⼒【⿊の枠囲み】
  4. 売却価額・売却原価・所得⾦額が⾃動計算【⻘字・⾚字】
仮想通貨の計算書
引用元:国税庁「スマホで確定申告(仮想通貨編)

2.確定申告書を作成・送信する。

仮想通貨の計算書が作成が完了したら、確定申告書を作成します。

確定申告書類をスマホで作成するには、会計ソフトや国税庁の「確定申告書作成コーナー」を利用します。そして、作成した確定申告書をスマホから「送信」までできるのは「確定申告書等作成コーナー」のみです。2018年までは、スマホから提出はできなかったのですが2019年から対応。画面も見やすくなったと好評です。

スマホでe-Tax(イータックス)を利用して確定申告書を作成・送信する方法を詳しく知りたい方は、こちらの「e-Tax(イータックス)からスマホで確定申告を完了する方法とは」をご覧ください。

3.税⾦を納付する。

税金の納付方法には様々なお支払い方法があります。ご自身に合った方法をお選びください。

  1. 振替納税を利用する。
    平成30年分の所得税等の確定申告分(第3期分)の振替日は、平成31年(2019年)4月22日(月)です。確実に振替納付できるよう、振替日の前日までに預貯金残高をご確認ください。なお、振替納税は申告期限までに申告書を提出された場合に限り利用できます。

    ※振替納税のお申込みは、平成31年(2019年)3月15日(金)までに『預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書』に必要事項をご記入の上、所轄税務署又は金融機関に提出してください。
    ※転居等により所轄税務署が変わった場合や、振替納税で指定している金融機関や口座を変更する場合には、新たに振替納税(変更)の手続が必要となります。
    ※振替納税の場合には、領収証書は発行されませんのでご注意ください。
  2. e-Taxで納付する。
    自宅等からインターネットを利用して納付できます。詳しくは、e-Taxホームページをご覧ください。
  3. クレジットカードで納付する。
    インターネットを利用して専用のWeb 画面から納付できます。詳しくは、こちらをご覧ください。
  4. QRコードによりコンビニエンスストアで納付する。
    平成31年(2019年)1月以降、ご自宅などで、確定申告書等作成コーナーやコンビニ納付用QRコード作成専用画面から納付に必要な情報をQRコードとして作成(印刷)し、コンビ二エンスストアで納付できます。

    ※納付できる金額は30万円以下となります。
    ※納付できるコンビ二エンスストアなど、詳しくは、こちらをご覧ください。
    (注)「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
  5. 金融機関又は税務署の窓口で現金で納付する。

    金融機関又は所轄税務署の窓口で、現金に納付書を添えて納付する方法です。なお、納付書をお持ちでない方は、税務署又は所轄税務署管内の金融機関に用意してある納付書を使用してください。金融機関に納付書がない場合は、所轄税務署までご連絡ください。申告書の提出後に、納付書の送付や納税通知等による納税のお知らせはありません。
引用元:国税庁「納税の方法

QRコードを利用したコンビニ納付の方法

パソコン、スマートフォン、タブレットを使って、必要な情報(名前、税額など)が記載されたQRコードを作成し、近くのコンビニエンスストアで支払うことができます。

詳細は国税庁「QRコードを利用した コンビニ納付ができます!」をご覧ください。

仮想通貨で得た所得、3つのケース

最後に、仮想通貨で所得が発生する主なケースを見ていきましょう。仮想通貨は売買しただけでなく、商品を購入したり、仮想通貨同士を交換したり、さらには仮想通貨をマイニングした場合も所得税の対象となります。   

それぞれのケースについて詳しく解説していきます。

1. 仮想通貨の売買で利益を出したケース

仮想通貨の売買で利益が出た場合は、その年(1月1日~12月31日まで)の取引の合計を所得額として申告しなければなりません。合計所得額を計算する方法には、「移動平均法」と「総平均法」の2つの方法があり、申告の際にどちらかを選択する必要があります。さらに、一度選択した計算方法は継続して使用しなければならないという決まりがあるので注意が必要です。   

移動平均法は仮想通貨の各購入金額と残高を平均化して所得を算出し、総平均法は1年間の購入平均レート(購入率)から算出した総購入金額と売却合計金額との差額(所得)を計算する方法です。

仮想通貨の計算書(総平均法)を使用する場合

仮想通貨の計算書(総平均法)の内容を、「雑(その他)所得」画面で入力する方法は、以下のとおりです。

仮想通貨の計算書

移動平均法により計算する場合

ご自身で計算した収入金額、必要経費を、上記の「仮想通貨の計算書(総平均法)を使用する場合」を参考に入力します。

<申告書第二表の編集イメージ>

所得の内訳

引用元:国税庁 確定申告書等作成コーナー「仮想通貨の取引に係る収入がある場合

さらに詳しい計算方法を知りたい方は、こちらの「仮想通貨の確定申告に不安がある方へ。知らないと困る基礎知識|移動平均法とは」の計算式をご参照ください。

2.仮想通貨で買い物をしたケース

仮想通貨を決済に使用した場合、支払った時点で利益と損失が確定し、決済時の時価が購入価格よりも高い場合は「仮想通貨を使用することで生じた利益」とみなされ、課税対象となります。また、他の仮想通貨と交換した場合も同様に課税対象となります

例えば、1BTCが10万円の時に1BTCを10万円で購入し、後に40万円に値上がりしていた場合。その仮想通貨を使って40万円のPCを購入したとします。

PCの代金40万円−仮想通貨の購入金額10万円=差額の30万円が課税対象となります。

次に、同じ条件で後に40万円に値上がりした仮想通貨を使って、他の仮想通貨を40万円分購入したとします。

他の仮想通貨の購入価格40万円−元の仮想通貨の購入金額10万円=差額の30万円が課税対象となります。

3.マイニングで仮想通貨を取得したケース

ビットコインはユーザー同士で取引を「承認」し合うことで不正行為を防止しています。そのため、仮想通貨取引の承認作業(マイニング)を行うと、その対価として仮想通貨を獲得することができます。

無料でビットコインが手に入るというのは魅力的ですが、注意しなければならないのは、高性能なパソコンや電気代が必要だということです。電気代や機材の購入費用は経費となり、マイニングで得た仮想通貨の時価から差し引かた所得は課税の対象となります。

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まとめ

仮想通貨で得た利益が雑所得に分類されると発表されたのは2017年12月。仮想通貨を取引する個人が増加する一方で、仮想通貨の確定申告に対する不安の声も多くあがっています。

さらに、取引数や取引所が複数ある場合、計算方法がやや複雑なため億劫に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、申告をしないことで課されるペナルティには充分に注意したいところ。

会計freeeを活用して、確定申告にお役立ていただければ幸いです。