確定申告の基礎知識

仮想通貨で出た利益は雑所得に分類される?総合課税の税率や課税対象の取引も解説

監修 鶏冠井 悠二 ファイナンシャルプランナー

仮想通貨で出た利益は雑所得に分類される?総合課税の税率や課税対象の取引も解説

ビットコインを始めとする仮想通貨の取引で得た利益は、原則として「雑所得」に分類されます。仮想通貨取引にかかる雑所得は、ほかの所得との合計額で所得税の税率が決まる「総合課税」の対象で、税率は5%~45%です。

一般的に、会社員は仮想通貨による雑所得が年間20万円を超えると確定申告が必要となるため、仕組みを正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、仮想通貨で得た「雑所得」にかかる税金の計算方法や税率、税負担を軽減する方法を解説します。

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目次

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仮想通貨(暗号資産)で得た利益は雑所得に分類される

仮想通貨の取引で得た利益は、原則として「雑所得(その他雑所得)」に分類されます。

暗号資産取引により生じた利益は、所得税の課税対象になり、原則として雑所得(その他雑所得)に区分されます

出典:国税庁「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)」

ただし、暗号資産取引による収入金額が300万円を超える場合、所得の区分は「雑所得(業務にかかる雑所得)」または「事業所得」とされます。


帳簿書類の保存所得の区分
あり原則として事業所得
なし原則として雑所得(業務にかかる雑所得)

また、暗号資産取引が事業活動に付随して行われたものである場合は、事業所得に分類されます。


出典:出典:国税庁「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)」

雑所得とは

雑所得とは、所得税法で定められた所得のうち、ほかのいずれにも該当しない所得のことです。

国税庁のホームページ「雑所得」では、以下のように定義されています。

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得を指します。

たとえば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します。

出典:国税庁「No.1500 雑所得」

なお、所得税法では、その性格によって所得を次の10種類に区分しています。

[令和2年4月1日現在法令等]

No所得区分概要
1利子所得預貯金・公社債の利子・合同運用信託・公社債投資信託・公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得
2配当所得株主や出資者が法人から受ける配当、および公社債投資信託等を除いた投資信託や特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得
3不動産所得土地や建物などの不動産・借地権など不動産の上に存する権利・船舶や航空機の貸付けによる所得
※地上権・永小作権の設定なども含む
※事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く
4事業所得農業・漁業・製造業・卸売業・小売業・サービス業その他の事業から生ずる所得
※不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は、原則として不動産所得や山林所得になる
5給与所得勤務先から受ける給料、賞与などの所得
6退職所得退職により勤務先から受け取る退職手当や、厚生年金基金等の加入員の退職によって支払われる一時金などの所得
7山林所得山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得
※山林を取得してから5年以内に伐採または譲渡した場合には、山林所得ではなく、 事業所得または雑所得に分類される
8譲渡所得・土地・建物・ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得
・建物などの所有を目的とする地上権などの設定による所得
※事業用の商品などの棚卸資産、山林、減価償却資産のうち一定のものなどを譲渡することによって生ずる所得は、譲渡所得とならない
9一時所得・上記1から8までのいずれの所得にも該当せず、かつ継続的な営利活動に基づかない所得
・労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時的な収入

・たとえば次に掲げるようなものに係る所得
賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金
生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金
法人から贈与された金品
※これらの所得でも一時所得に該当しない場合がある
10雑所得・上記1から9までの所得のいずれにも該当しない所得

・たとえば次に掲げるようなものに係る所得
公的年金等
非営業用貸金の利子
副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)
出典:国税庁「No.1300 所得の区分のあらまし」

たとえば、会社から支払われる給与は「給与所得」、事業から得られる収入は「事業所得」、預貯金の利子は「利子所得」です。その中でも、「どの所得にも当てはまらない所得」は雑所得に分類されます。

雑所得と事業所得の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】
雑所得とは? 計算方法や確定申告の必要書類・申告不要なケースについて解説



出典:国税庁「No.1500 雑所得」

仮想通貨で得た雑所得(総合課税)の税率は5%~45%

仮想通貨取引で得た雑所得は総合課税の対象となり、ほかの所得(給与所得など)と合算して適用される所得税率が決まります。

総合課税とは、各種所得金額を合計して所得税額を計算する課税方式を指します。総合課税では、累進課税(所得金額に応じて段階的に税率が上がる方式)が採用されており、税率は5%~45%です(住民税は一律10%)。

利益が大きければ、所得税率は最大45%まで上がり、住民税を含めた合計税率は最大で55%です。

なお、政府は仮想通貨の所得について、株式や投資信託と同様に一律20%の申告分離課税とする方向で検討を進めています。将来的には、現在よりも税負担が大きく軽減される可能性があります。

所得税率の速算表

課税対象の所得金額税率控除額
1,000円〜1,949,000円5%0円
1,950,000円〜3,299,000円10%97,500円
3,300,000円〜6,949,000円20%427,500円
6,950,000円〜8,999,000円23%636,000円
9,000,000円〜17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円〜39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円
出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」
出典:国税庁「No.2220 総合課税制度」

FXや株式投資は申告分離課税

同じ雑所得でも、FX(外国為替証拠金取引)による利益は、ほかの所得と分けて税額を計算する「申告分離課税」の対象です。また、株式の売買による利益は譲渡所得に分類され、申告分離課税の対象となります。

それぞれの税率は以下のとおりです。


項目所得区分税率※
仮想通貨雑所得(総合課税)所得税5%~45%、住民税10%
FX雑所得(申告分離課税)所得税15%、住民税5%
株式譲渡所得(申告分離課税)所得税15%、住民税5%

※復興特別所得税を考慮していません。


出典:国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」
出典:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」
出典:国税庁「No.2220 総合課税制度」

仮想通貨で得た雑所得の計算方法

仮想通貨取引で得た利益は、毎年年1月1日~12月31日までの1年分の合計額を雑所得として申告しなければなりません。この合計所得の計算には、「移動平均法」と「総平均法」の2つの方法があります。


区分概要
移動平均法仮想通貨を取得するたびに、保有している仮想通貨の簿価の総額から平均単価を計算する方法
総平均法年初時点で保有する暗号資産の評価額と1年間で取得した暗号資産の取得価額の総額から平均単価を計算する方法
出典:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」

なお、一度選択した計算方法は、原則として継続して適用する必要があるため、慎重に検討しましょう。

移動平均法・総平均法の計算法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】
仮想通貨(暗号資産)で確定申告は必要?所得税の計算方法についてわかりやすく解説

仮想通貨にかかる所得税はいくら?

例として、給与所得が500万円、仮想通貨による利益が300万円の場合の所得税額を計算してみましょう。

給与所得500万円と仮想通貨の利益300万円で総所得金額が800万円の場合、基礎控除58万円のみを考慮すると、以下のように算出されます。

所得税の計算例

(8,000,000円 – 580,000円)× 0.23 – 636,000円 = 1,070,600円
※ほかにも控除がある場合は減額されます。

なお、仮想通貨を円や商品に交換せずに保有しているだけなら、確定申告をする必要はありません。課税されるのは、仮想通貨を売却したとき、ほかの仮想通貨に交換したとき、仮想通貨で商品やサービスを購入したとき、マイニングを行ったときです。

課税対象となるのは、売買によって発生した所得(利益)のみです。

【関連記事】
仮想通貨の税金はいくらから?計算方法や払い方など確定申告の手順を解説


出典:国税庁「No.1199 基礎控除」
出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」

仮想通貨取引で税金の負担額を軽減する方法

仮想通貨で得た利益は、総合課税の雑所得として申告する必要があります。これにより、所得税率は最大45%が適用されます。経費計上や控除を適切に活用することで、税負担額を軽減しましょう。

税金の負担額を軽減する方法

  • ほかの雑所得と暗号資産取引の損失を通算する
  • 必要経費を漏れなく計上する
  • 所得控除や税額控除を活用する
  • 青色申告を行う(個人事業主)

たとえば、暗号資産を売却した際は、売却のためにかかった費用を必要経費として計上できます。必要経費に該当する可能性があるのは、売却時に支払った手数料・インターネットの回線利用料・パソコンの購入費用などの費用です。

また、所得税を計算する際に一定額を差し引ける所得控除や税額控除が活用できます。所得控除は、所得金額から一定額を差し引く制度で、税額控除は算出した税額から一定額を差し引く制度です。

さらに、個人事業主は、青色申告を行うことで最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。


出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」
出典:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」
出典:国税庁「No.1100 所得控除のあらまし」
出典:国税庁「No.1200 税額控除」
出典:国税庁「No.2070 青色申告制度」

仮想通貨で得た雑所得を申告する際の注意点

仮想通貨で得た雑所得を申告するうえで、注意すべき点は主に以下の2つです。

ほかの所得と損益通算ができない

暗号資産取引で損失が生じた場合、ほかの所得(給与所得・譲渡所得など)から差し引くこと(損益通算)はできません。ただし、総合課税の雑所得同士であれば、損益通算することが認められています。

また、FXや株式とは異なり、暗号資産の取引による損失は、翌年以降の利益と相殺できる繰越控除の対象外です。


出典:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」
出典:国税庁「No.1523 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除」
出典:国税庁「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」

仮想通貨の確定申告をしないとペナルティがある

仮想通貨による取引について、確定申告の提出が期限に遅れると、延滞税や無申告加算税が課される可能性があります。確定申告を期限内に提出し忘れた場合でも、気がついた時点で速やかに申告を行いましょう。この場合は、期限後申告として扱われます。

確定申告の期限は毎年通常2月16日から3月15日までですが、年によって期限日が異なる場合があります。詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。

なお、会社員などの給与所得者は、一般的に仮想通貨による雑所得が年間20万円を超えると確定申告の義務が生じます。また、主婦や学生など扶養されている人でほかに収入がない場合は、雑所得が年間95万円※を超えると確定申告が必要です
※ほかにも控除がある場合は95万円よりも控除の額が増える可能性があります。


出典:国税庁「確定申告を忘れたとき」
出典:国税庁「確定申告が必要な方」
出典:国税庁「No.1199 基礎控除」

まとめ

仮想通貨取引で得た利益は、原則として雑所得に分類されます。

仮想通貨取引による雑所得は、申告分離課税の対象であるFXや株式投資とは異なり、ほかの所得と合算して税率が決まる「総合課税」の対象です。課税所得金額に応じて、所得税率は最大45%まで適用されます。

ただし、必要経費を適切に計上し、所得控除や税額控除を活用すれば、税負担を抑えることが可能です。

仮想通貨取引による利益を正確に申告するために、所得区分や税金の計算方法を正しく理解しておきましょう。

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よくある質問

ビットコインの利益は所得税法上の雑所得に分類される?

仮想通貨の取引で得た利益は、原則として「雑所得」に分類され、総合課税の対象となります。

詳しくは、記事内「仮想通貨(暗号資産)で得た利益は雑所得に分類される」をご覧ください。

仮想通貨で得た雑所得で確定申告が不要なのはいくらまで?

会社員で、給与所得と暗号資産取引による雑所得以外に所得がない場合、雑所得が20万円以下なら確定申告は不要です。

詳しくは、記事内「仮想通貨の確定申告をしないとペナルティがある」をご覧ください。

監修 鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeCo、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。

監修者 鶏冠井 悠二

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