確定申告の基礎知識

アパート経営は不動産所得?事業所得?「確定申告」はどうするの?

いま流行りのアパート経営も、初めての確定申告では戸惑ってしまうことも多いものです。家賃収入は事業所得なのか、不動産所得なのか、確定申告は必ずしなくてはならないのかなどなど。今回はアパート経営で確定申告をしなくてはならない人や、確定申告の際の所得の計算の方法などをご紹介します。

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アパート経営は不動産所得?それとも事業所得?

所得があれば、必ず所得税や住民税が掛かってきます。これらの税金を計算する際は、どうやって得られた所得かによって10種類の所得に分類した上で計算します。例えばサラリーマンのお給料は給与所得に該当しますし、個人で事業をしている場合などは事業所得に該当します。 アパート経営を始めてまず迷うのが、家賃収入の所得区分でしょう。事業所得と間違えやすいのですが、家賃収入は不動産所得になります。アパートなどの部屋や建物を貸すだけでなく、土地を貸した場合も不動産所得になります。

一方、土地や建物を貸し付けても事業所得や雑所得に該当する場合もあります。例えば、賄い付き下宿などは、部屋を貸すだけでなく食事を出すという役務の提供も含まれるので事業所得(規模によっては雑所得)、保管責任を伴う有料駐車場も事業所得または雑所得になります。

タックスアンサー|不動産所得を受け取ったとき(不動産所得)|国税庁

アパート経営で確定申告が必要なのはどんな人?

アパート経営によって所得が発生すると確定申告をする必要があります。サラリーマンの場合、会社で年末調整をしてもらえるので、自ら確定申告をすることはあまりありませんが、不動産所得の場合は申告納税方式が採られています。つまり、自分で1年分の所得と税額を計算して、義務として確定申告をしなければならないのです。 ただし、サラリーマンが副業としてアパート経営をしているような場合、給与所得以外の所得が年間20万円以下であれば確定申告をしなくてもいいことになっています(申告不要制度)。

所得税は暦年課税なので、その年の1月1日から12月31日までの所得が対象になります。確定申告は翌年の2月16日から3月15日までの間に行うことになっているので、申告時期に遅れないように収入から経費を差し引いた所得の計算をしたり、必要な書類を揃えておくようにしましょう。この際に未払いの家賃も収入の額に算入して計算しなくてはいけません。 不動産所得も事業的規模であれば確定申告にあたって青色申告を選択することができます。青色申告には、白色申告にはないメリットもあるので、青色申告の申請をした方がお得です。事業的規模かどうかの判定は、不動産の貸し付けが、戸建であれば5棟以上、アパートであれば10室以上とされています。

不動産所得の計算方法は?

不動産収入があっても、その収入の全額に税金が課せられるわけではありません。収入とは実際に入ってきた金額のことですが、アパート経営をする際にはさまざまな経費が掛かります。収入からその経費などを引いた金額が不動産所得になります。

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ここで問題になるのは、不動産収入の範囲と、経費として認められる出費の範囲でしょう。まずは、不動産収入にはどんなものがあるのかご説明します。

【不動産収入になるもの】

  • ・不動産(土地、建物など)の貸付けによる家賃収入
  • ・名義書換料、承諾料、更新料、頭金など
  • ・敷金や保証金などのうち、返還を要しないもの
  • ・敷金や保証金などのうち、返還を要しないもの
  • ・共益費などの名目で受け取る電気代、水道代や掃除代など

以上が不動産収入です。最近ではアパートの賃貸契約をする際、「礼金不要」という物件も多くなりましたが、一般的な慣習としては、敷金だけでなく礼金も受け取ることが多くなっています。敷金は家賃を滞納したり、退去する時の修理費用などに使われるお金で、礼金は大家さんに対する謝礼として受け取るお金です。礼金は退去時に返還不要なので不動産所得に含めて計算しますが、敷金は返還しなくてはならないので不動産収入には含めず、預かり金の扱いになります。

礼金不要の場合でも、敷金の一部を返還しないという契約を結ぶことがあります。これを敷引と言いますが、敷金という名目で受け取っても、退去時に返還を要しない部分の金額は、賃貸借契約が締結され、貸室の引渡しをした時点において不動産収入に含めて計算しなくてはなりません。

アパート経営で経費として認められる出費とは?

不動産所得を計算する際に経費と認められるのは、不動産収入を得るために掛かった直接的な費用です。具体的には次のようなものがあります。

  • ・租税公課
  • ・委託管理費、手数料
  • ・水道光熱費
  • ・立ち退き料
  • ・修繕費
  • ・借入金利子
  • ・減価償却費

不動産所得を計算する際、登録免許税、不動産取得税、印紙税、固定資産税、事業税などは経費として認められます。同じ税金でも所得税や住民税は経費にならないので注意しましょう。貸し付けの対象となる建物や部屋に火災保険や地震保険を掛けた場合、その保険料も経費です。

アパート経営は、まず不動産を取得する必要があるため、初期投資の金額が大きいのが特徴です。仮に、金融機関から資金を借り入れて土地や建物、マンションなどを購入した場合、借入金利子は経費として認められます。元本の返済金は経費にはなりません。

このように、不動産所得を計算する際に経費として認められる出費はいろいろあります。それらの金額を合計して、収入から差し引いたものが不動産所得となります。

アパート経営を始めた最初の年などは、初期投資が多額だった割に家賃収入がまだ少なくて、不動産所得がマイナスになることもあるかもしれません。不動産所得は損益通算の対象なので、マイナスの場合は他の所得のプラスと相殺することができます。ただし不動産所得が赤字になる場合、土地等を取得するために要した借入金利子に対応する金額は経費として認められません。

不動産所得の経費で減価償却費って?

建物や機械装置などの固定資産(減価償却資産)は、年数が経過することでその価値が減少していきます。その減少額を減価償却費として一定の計算方法で毎年経費化していきます。建物は減価償却資産ですが、土地は時間の経過によって価値が減少することはないので、減価償却の対象ではありません。 減価償却資産の対象となるものやそれぞれの使用に耐える期間(法定耐用年数)は、財務省の別表により定められています。

建物などの法定耐用年数(償却期間)

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償却資産を購入した場合、購入した年にそれだけの出費があったということですが、全額を経費にすることはできず、毎年少しずつ経費化していきます。2年目以降は実際の出費があるわけではないけれども経費にできるので、それだけ所得税、住民税などの税金を減らすことができるのです。
減価償却費の計算方法には、毎年一定の額を償却する定額法と、毎年一定の率で償却する定率法がありますが、個人事業主の場合、法廷償却方法は定額法です。届け出をすることによって定率法を選択することもできますが、建物の償却法は定額法しか選択できません。

まとめ

アパート経営で得た家賃などの収入は、事業所得ではなく不動産所得に該当します。ほとんどの場合、不動産所得があれば確定申告が必要になるので、申告期限が迫ってからあわてなくて済むように、あらかじめ不動産収入や経費の金額を計算したりしておきましょう。

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