定年退職後、確定申告をすることで払いすぎた所得税を還付してもらえる場合があります。ほかにも、要件に該当する場合は自身で確定申告をしなければなりません。
本記事では、定年退職後に確定申告が必要なケースについて詳しく解説します。
なお、退職金をもらったうえで転職した際の確定申告については、別記事「退職金の確定申告は必要?不要なケースや税金還付についてわかりやすく解説」をご覧ください。
目次
定年退職をして確定申告が必要になるケース
確定申告が必要なのは「所得税の納税義務がある人」です。また、源泉徴収をされていたり、各種控除の要件を満たしていたりする場合には、確定申告をすることで還付を受けられる可能性もあります。
定年退職をして確定申告が必要になる代表的なケースは主に以下のとおりです。
定年退職をして確定申告が必要になるケース
勤務先で「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合
定年退職に伴い退職金が発生する場合、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、原則として確定申告の必要はありません。
「退職所得の受給に関する申告書」を提出していないと、退職所得控除などの税制上の優遇措置が適用されず、退職金から一律20.42%の所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されてしまいます。未提出のまま退職金の支給を受けた場合には、確定申告を行い、所得税額の精算を行いましょう。
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年の途中で定年退職してから無職の場合
1月1日から12月31日の途中で定年退職し、再就職をしなかった場合は年末調整がされないため、源泉徴収された所得税額と本来の納税額の精算ができていません。
この場合は個人で確定申告が必要になる可能性があります。源泉徴収で本来の納税額よりも多く支払っている場合には、還付を受けられる可能性もあります。
定年退職する年の12月末日まで働いていた場合、会社が年末調整を行ってくれるため、原則として確定申告の必要はありません。また、年の途中で定年退職してもその年内に再就職をし、新しい会社で年末調整が行われていれば確定申告は不要です。
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年金収入が1年間で400万円を超す場合
年金は税制上「雑所得」に該当し、課税対象です。定年退職をした年に年金収入があり、年間で400万円を超える人は確定申告が必要です。
複数の年金を受給している場合は、合計金額が年間の年金収入となります。たとえば、国民年金と厚生年金を受給しているケースでは、両方の源泉徴収票の支払金額を足し合わせた金額が年間の年金収入です。
年金をもらいながら働いていて一定額以上の収入がある場合
定年退職した年に再就職をして、公的年金以外にも年間20万円を超える所得がある場合には確定申告が必要となる場合があります。たとえば、年金をもらいながらアルバイトやパートとして働いていたり、副業で所得があったりする場合がこれにあたります。
民間の個人年金や生命保険の満期返戻金など「公的年金以外の所得」の所得金額が20万円を超える場合も含まれます。
ただし、年金受給者には確定申告不要制度が設けられており、以下の要件をすべて満たす場合には確定申告をする必要はありません。
年末調整の対象外である控除を受けたい場合
定年退職する勤務先で年末調整を受けられたとしても、以下の所得控除を適用したい場合には個人で確定申告が必要です。
| 控除の種類 | 概要 |
|---|---|
| 寄付金控除 | ふるさと納税(ワンストップ特例を利用しない場合)や国や地方公共団体への寄付などを行った |
| 医療費控除 | 納税者本人や生計を一にする配偶者、扶養親族の医療費が一定額を超えた |
| 雑損控除 | 災害や盗難、横領により損害を受けた |
| 住宅ローン控除(初回) | 自宅の購入にあたり住宅ローンを支払っている(初回のみ) |
定年退職後、確定申告をしなかったらどうなる?
確定申告の義務があるにもかかわらず、申告手続きをしなかったり期限を過ぎたりすると、さまざまなペナルティが課される可能性があります。
- 加算税や刑事罰のペナルティを受ける
- 青色申告における控除額の減額が受けられない
- ふるさと納税などの控除を受けられない
- 税金の還付を受けられない
- ローンや賃貸契約に影響が出ることがある
- 国民健康保険の減税措置が受けられない
確定申告には期間が設けられており、原則として対象となる年の翌年2月16日から3月15日です。開始日と最終日が土日になる場合は翌月曜日に繰り越されます。
2025年分の確定申告期間は、2026年2月16日から3月16日です。確定申告が必要な人(納税義務のある人)はこの期間内に申告・納付を完了させるようにしましょう。
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払い過ぎた税金の還付を受ける場合は5年間申告が可能
確定申告をすることで、払い過ぎた税金の還付を受ける場合は、対象なる年の翌年1月1日から5年間申告が可能です。これを還付申告といい、手続きや必要書類は確定申告と変わりません。
たとえば、2025年分の還付申告期間は、2026年1月1日から2030年(令和12年)12月31日までです。
確定申告の対象外でも住民税の申告は必要になる場合がある
年末調整や確定申告をしている場合は、税務署から自治体に確定申告のデータが連携されるため、住民税申告を別途行う必要はありません。
所得税の納税義務がなく、確定申告が不要な場合でも、以下の要件に該当する場合には住民税申告が必要になる場合があります。
住民税申告が必要になりえるケース
- 所得税の確定申告を行わない人
- 退職により年末調整を受けていない人
- 給与所得者の給与・退職所得以外の所得が20万円以下で、確定申告の必要がない人
- 住民税の減免制度を申請する人 など
また、確定申告が不要な人であっても、医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)などを住民税に反映させたい場合は、住民税申告が必要です。
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確定申告をかんたんに終わらせる方法
確定申告の期間は1ヶ月です。それまでに正確な内容の書類を作成し、申告・納税しなければいけません。
ほかにも、青色申告の場合に受けられる特別控除で、最大65万円を適用するためにはe-Taxの利用が必須条件であり、はじめての人には難しい場面が増えることが予想されます。
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会計ソフトでも現金取引の場合は自身で入力し、登録しなければなりません。
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余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。
よくある質問
受け取った退職金は確定申告が必要?
定年退職に伴う退職金については、退職金の支払を受けるまでに「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していれば、原則確定申告の必要はありません。
「退職所得の受給に関する申告書」が未提出だと、退職金の収入金額から一律20.42%の所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されてしまいます。その場合は確定申告で精算をしましょう。
定年退職で確定申告が不要な人は?
以下に該当する場合は確定申告は不要です。
- 定年退職する勤務先で年末調整を受けている
- 定年退職した年に再就職し、そこで前の勤務先の分を含めて年末調整を受けられる
- 定年退職する勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している
- 年金受給者の確定申告不要制度の要件を満たしている
まとめ
定年退職をしたタイミングやほかの収入の有無などによっては確定申告が必要になる場合があります。確定申告の義務があるにもかかわらず、申告・納税をしなかったり期限を過ぎたりしてしまうと、ペナルティに科せられる可能性があるため、自身が対象であるかどうかを確認しておきましょう。
また納税義務はなくても、確定申告を行うことで払い過ぎた税金の還付を受けられる可能性があります。医療費控除やふるさと納税などの要件を確認し、該当する場合には申告手続きを行いましょう。また、還付を受ける場合の期間は、対象となる年の翌年1月1日から5年間です。
監修 好川寛(よしかわひろし)
プロゴ税理士事務所。元国税調査官。国税(調査・相談2万件・審判実務)×民間(事業会社実務・PdM)の複眼的な視点が強み。クリエイター/IT・SaaS等の現代的ビジネス、海外取引・非居住者税務に明るい。
