会社員の方が、毎年、年末・年始に勤務先から受け取る「源泉徴収票」。
なんだか重要な書類で、年収を証明するものかな?というのはわかるけれど、書かれている内容についてはよくわかっていない…という方も多いのではないでしょうか。
簡単に説明すると、「源泉徴収票」にはあなたの年収額(額面金額)と、あなたが負担する所得税の金額が記入されています。
会社員の方は基本的にこちら源泉徴収票を受け取った時点で所得税の金額が確定しますが、マイホーム購入のために住宅ローンを組んだ時などや、医療費をたくさん使った年などは、確定申告を行うことで、税金の還付を受けられるなどの優遇措置があります。
ひとまず、今回は源泉徴収票の見方について理解しておきましょう。
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源泉徴収票ってなに??
源泉徴収票は、「あなたのお給料から、これだけの税金を天引きで徴収(源泉徴収のこと)しましたよ」という勤務先からの報告書です。ですので、マニアックですが、正式名称は「給与所得の源泉徴収票」といいますが前半の「給与所得の」の部分は省略されて呼ばれています。
皆さんが仕事をした対価として受け取るお給料からお金を天引きするわけですから、正確な金額を報告してもらわないと何かと困ります。
そのために、源泉徴収票には天引きをする前の正確な給与の金額と、天引きした社会保険料や所得税の金額が記載されています。
源泉徴収票が必要になるケース
サラリーマンの方の場合、通常は「年末調整」という手続きを勤務先が行い、税務署にあなたの収入額から正確な所得税の金額を計算して報告しています。(その計算結果が源泉徴収票としてあなたに報告されているというわけです)ただし、サラリーマンの方でも、マイホームを購入するために住宅ローンを組んだ時や、医療費の支出が多かった年などは「確定申告」を行って税金を安くしてもらうための手続きを自分で行う必要があります。といいますか、行わなくても良いのですが(国としては税金を払ってもらっている状況なので)行ったほうがお得なので行って下さい。
ちなみに、忙しくて3月15日までの確定申告期限に間に合わない(T_T)という方も、このような還付金をもらえる申告については、5年間は遡って申告を行えますので、過去についても諦めずに申告をしましょう。
また、源泉徴収票はあなたの収入の金額や支払った社会保険料の金額を証明する書類になり、確定申告を行うときには必ず必要になります。
通常、勤務先から源泉徴収票を受け取ってから確定申告を行うまでは数ヶ月間のラグがありますので、この間に源泉徴収票を紛失してしまうことのないよう注意しましょう。(確定申告は2月〜3月に行います)
諸事情により、源泉徴収票が手元にない!。という方は税理士にご相談下さい。あれをこれしてこうすればできるよ等とアドバイスもらえると思います。
会社員の場合の所得税の計算方法
会社員の方が受け取るお給料には、「給与所得」として所得税がかかります。こちらの計算方法についてさくっとご説明します。
所得税の計算方法は?
所得税の計算は、以下の通りです。
所得税額=(給与の金額ー給与所得控除ー所得控除)×税率
ここの「給与所得控除」というのはお給料を得るために必要になった「必要経費」のようなもので、法律上で金額があらかじめ決められています。
たとえば給与の金額が180万円の人であれば給与所得控除の金額は「収入金額×40%」で計算しますので、72万円が給与所得控除の金額です。
フリーランスの方は売上から実際にかかった経費を差し引いて計算をしますが、会社員の方の場合はざっくり一律のパーセントで経費を認めるという感じです。
こちらの給与所得控除の金額よりも多く経費がかかってしまった場合などはその分の経費を認めるなどの別の計算方法もありますが、こちらは細かい論点なので詳しくは税理士にご相談下さい。
また、「所得控除」というのは1年間で支払いをした社会保険料(健康保険料や厚生年金保険料のことです)や、生命保険料が該当します。
最後に所得税の税率を掛けて税額が決定します。ここで所得税の税率は収入の金額に応じて5%〜45%になります。(収入が多いほど税率も高くなります)
こうして計算した「所得税額」と、毎月天引きされている「源泉徴収税額」の差額が年末のお給料に加減算して清算します。
以上この手続きを「年末調整」と呼びます。
正確な所得税の金額が10万円、毎月天引きされている源泉徴収税額が1万円(年間で12万円)だったとすると、12万円-10万円=2万円は多く徴収しすぎていたということになりますので、このお金を年末のお給料に加算して従業員に返すというわけですね。
まとめ
以上、源泉徴収票の見方について説明しました。
源泉徴収票にはあなたの所得税の金額や、年間で負担した社会保険料の正確な金額が記載されています。
源泉徴収票は年末調整に続いて確定申告を行う際などに必要になるほか、ローンを組む時にも金融機関から提出を求められることもあります。
ローン審査時には数年間にさかのぼって源泉徴収票を準備しないといけないケースもありますので、毎年勤務先から受け取る源泉徴収票は必ず保管しましょう。
執筆: 田本 啓(税理士)
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