確定申告の基礎知識

確定申告はどこでやる?手続きができる期間・持ち物・相談方法も紹介

監修 大柴 良史 社会保険労務士・CFP

確定申告はどこでやる?手続きができる期間・持ち物・相談方法も紹介

確定申告の手続きは、納税地を管轄する税務署や確定申告会場、オンライン(e-Tax)など、複数の場所で行うことが可能です。場所によって手続きの進め方がやや異なるため、これから確定申告を行う場合は場所ごとの特徴を押さえておきましょう。

本記事では、確定申告の手続きを行える場所や手続き期間、相談方法などをわかりやすく解説します。

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▶︎ 確定申告とは?全くわからない人向けに申告の流れ・対象者について解説!

目次

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確定申告はどこで行えるのか

確定申告の手続きは、「納税地を管轄する税務署」「確定申告会場」「オンライン」の3ヶ所で行えます。以下で場所ごとの特徴を紹介します。

納税地を管轄する税務署

確定申告の手続きは、納税地(住所地)を管轄する税務署に確定申告書を提出することで完了します。住所とは別の場所に事業所がある場合、事業所の所在地を管轄する税務署を「納税地を管轄する税務署」とすることもできます。


出典:国税庁「No.2029 確定申告書の提出先(納税地)」

税務署の所在地と管轄地域は、国税庁の公式サイトから確認が可能です。サイト内で郵便番号や住所を入力する、または地図に表示されている地域を選択すると、その地域を管轄する税務署が表示されます。


出典:国税庁「税務署の所在地などを知りたい方」

税務署の開庁時間は、平日(祝日・年末年始を除く)の8時30分から17時までです。ただし、開庁時間外でも、税務署に設置されている時間外収受箱に確定申告書を投函することで提出できます。また、確定申告書は郵送でも提出可能です。


出典:国税庁「Q13 税務署の窓口が開いている時間を教えてください。」
出典:国税庁「申告書の提出方法」

なお、確定申告書の具体的な提出先については、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】
確定申告の提出先はどこでもいい?税務署の確認方法や注意点についてわかりやすく解説

確定申告会場

税務署によっては、確定申告の時期に確定申告会場を設けている場合があります。確定申告会場とは、税務署の職員に相談をしながら確定申告の手続きができる場所です。


出典:国税庁「Q15 申告相談会場は、どこに設置されていますか。」

会場で確定申告書の作成に関する相談をするには、入場可能な時間枠が指定された入場整理券が必要です。入場整理券は会場で当日配布されますが、国税庁のLINE公式アカウントから事前に取得することもできます。

ただし、確定申告書作成の相談が不要で、会場で提出のみを行う場合、入場整理券を取得する必要はありません。


出典:国税庁「確定申告会場への来場を検討されている方へ」

また、確定申告会場でも、基本的に税務署の閉庁日には相談や確定申告書の提出を受け付けていません。

オンライン

国税庁が運営する「e-Tax」を利用すれば、オンライン上で確定申告を行うことも可能です。e-Taxとは、確定申告をはじめとした国税に関する手続きをオンライン上で行えるシステムです。

e-Taxを利用する場合、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書をオンライン上で作成し、作成した確定申告書をe-Taxで送信すると確定申告ができます。


出典:e-Tax国税電子申告・納税システム「e-Taxとはどのようなものですか。」

e-Taxを利用した確定申告の方法は、スマートフォンやICカードリーダライタでマイナンバーカードを読み取って手続きを行う「マイナンバーカード方式」と、税務署が発行する ID・パスワードを利用して手続きを行う「ID・パスワード方式」の2種類があります。

ただし、2025年10月1日より、e-Tax の利用に必要なID・パスワードの新規発行受付は終了しています。そのため、2025年10月1日以降に初めてe-Taxを利用する方は、マイナンバーカード方式で確定申告を行いましょう。

なお、すでに税務署でID・パスワードを発行している方は、今後もID・パスワード方式を利用してe-Taxで手続きができます。


出典:国税庁「ID・パスワードの新規発行停止について」

確定申告初心者はどこで手続きを行うべき?

税務署や確定申告会場、オンラインと確定申告を行える場所は複数ありますが、確定申告初心者の方がどの場所で手続きを行うべきかは一概にはいえません。これは、場所ごとにメリットとデメリットが異なるためです。

たとえば、税務署や確定申告会場では、職員に相談しながら確定申告ができる点がメリットです。

ただし、相談には予約や入場整理券が必要なうえ、手続きの際は混雑の影響を受けやすくなります。

また、後述する添付資料(源泉徴収票、控除証明書、マイナンバーカードなど)を全て持参する必要があるため、事前準備を怠るとその場での手続きが進められなくなるおそれもあります。

一方、オンラインは自宅で手続きできる手軽さがメリットですが、対面で相談しながらの手続きはできません。

ただし、電話で確定申告の方法を相談することは可能です。また、一般的な質問については、チャットボット(ふたば)の利用も有効です。

どこで確定申告を行うか悩む場合は、各場所のメリットとデメリットを把握したうえで、自身の都合や希望にあった場所で手続きを行いましょう。

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確定申告を行える期間

確定申告の手続きは通年で行えるわけではなく、決められた期間内に行う必要があります。

確定申告を行える期間は、原則として2月16日から3月15日までです。申告期限が土曜日・日曜日・祝日にあたる場合、その翌日が期限となります。


出典:国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」

また、税務署や確定申告会場は、確定申告の期限が近づくと混雑が予想されます。スムーズに手続きを進めたい方は、混雑を避けるためにも早めに足を運びましょう。

なお、確定申告を行える期間については、以下の記事でも詳しく解説しています。

【関連記事】
【最新】確定申告はいつからいつまで?期限を過ぎたときの対処法についても解説

税務署や確定申告会場で確定申告を行う場合の持ち物

税務署や確定申告会場で確定申告を行う場合の持ち物は、「確定申告書をすでに準備できている場合」と「確定申告書作成に関する相談をしながら手続きをしたい場合」とで異なります。

それぞれのケースで必要になる主な持ち物は以下のとおりです。

確定申告書をすでに準備できている場合

  • 確定申告書
  • 本人確認書類
  • 各種控除の申請に必要な書類
  • 青色申告決算書や収支内訳書(個人事業主やフリーランスの場合)

確定申告書作成に関する相談をしながら手続きをしたい場合

  • マイナンバーカードまたはマイナンバーがわかる書類
  • 本人確認書類(マイナンバーカードをもっていない場合)
  • 各種控除の申請に必要な書類
  • 利用者識別番号や税務署発行のID・パスワードがわかる書類(利用者識別番号やID・パスワードを取得している場合)
  • 所得金額を証明できる書類
  • 銀行口座がわかる書類
  • 前年分の確定申告書の控え(前年に確定申告をしている場合)
  • 筆記用具

「確定申告書作成に関する相談をしながら手続きをしたい場合」の持ち物が多いのは、申告書の作成に必要な書類も準備する必要があるためです。すでに確定申告書を準備している場合は、提出のみで済むため、持ち物も少なくなります。

なお、確定申告の必要書類の種類については、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】
【2025年向け】確定申告の必要書類・添付書類は?準備するものをケース別にわかりやすく解説

税務署に確定申告に関する相談をする方法

書類の作成方法がわからないなど、確定申告に関する疑問や不明点があるときは、税務署に相談してみましょう。税務署では、対面や電話など複数の方法で確定申告の相談を受け付けています。

以下では、税務署に確定申告の相談をする方法を紹介します。

確定申告会場や税務署で相談する

確定申告に関する疑問がある場合は、確定申告会場を訪れて手続きを進めるのもひとつの方法です。確定申告会場では、税務署の職員に手続き方法に関する相談をしながら確定申告を行えます。

また、確定申告に関する不明点や悩みは、税務署で直接相談することも可能です。ただし、税務署で確定申告の相談をするためには、電話での事前予約が必要です。電話で事前予約を行う流れは以下のとおりです。

税務署に電話で事前予約を行う流れ

  1. 納税地を管轄する税務署に電話をかける
  2. 音声ガイダンスが流れたら「2」を選択する
  3. 職員につながったら、相談の事前予約をしたい旨を伝える

出典:国税庁「国税に関するご相談について」

なお、納税地を管轄する税務署の連絡先は、国税庁の公式サイトから確認できます。

確定申告電話相談センターで相談する

確定申告の期間中は、確定申告の相談対応窓口として「確定申告電話相談センター」が設けられています。確定申告電話相談センターに確定申告の相談をする流れは以下のとおりです。

確定申告電話相談センターに確定申告の相談をする流れ

  1. 国税相談専用ダイヤル(0570-00-5901)に電話をかける
  2. 音声ガイダンスが流れたら「0」を選択する
  3. 職員につながったら、確定申告の相談をする

出典:国税庁「国税に関するご質問・ご相談は電話相談センターへ」

なお、確定申告電話相談センターの受付時間は、平日(祝日・年末年始を除く)の8時30分から17時までです。​​連休明けや月曜日はセンターが混み合いやすいため、時間に余裕がないときは別のタイミングで相談しましょう。

チャットボットで相談する

国税庁の公式サイトには、税務に関する相談を受け付けているチャットボットが設けられています。

チャットボットは、所得税や消費税の確定申告・インボイス制度・年末調整に関する相談に対応しており、質問をするとAIが適切な回答を行います。

チャットボットへの質問は、メニューから質問内容を選択するかチャット欄に質問を直接入力して行うことができます。

なお、チャットボットはメンテナンス時間を除き、スマートフォンやパソコンから24時間利用可能です。


出典:国税庁「チャットボット(ふたば)に質問する」

まとめ

確定申告の手続きは、納税地を管轄する税務署・確定申告会場・オンラインで行えます。対面で相談しながら手続きを行いたい場合は確定申告会場、手軽に手続きを済ませたい場合はオンラインなど、自身の希望に応じて手続きを行う場所を選びましょう。

また、確定申告に関する相談は、電話やチャットボットでも受け付けています。確定申告初心者の方は、準備を始める前に相談することで、不明点を解消しスムーズに手続きを進めやすくなるでしょう。

確定申告をかんたんに終わらせる方法

確定申告の期間は1ヶ月です。それまでに正確な内容の書類を作成し、申告・納税しなければいけません。

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よくある質問

確定申告書は税務署で作成できる?

税務署に電話で事前予約をすれば、職員のサポートを受けながら確定申告書を作成できます。

詳しくは記事内「確定申告初心者はどこで手続きを行うべき?」をご覧ください。

確定申告についてオンラインから相談はできる?

国税庁の公式サイトに設けられているチャットボットを利用すれば、オンラインで確定申告に関する相談を行えます。

詳しくは記事内「チャットボットで相談する」をご覧ください。

監修 大柴 良史(おおしば よしふみ) 社会保険労務士・CFP

1980年生まれ、東京都出身。IT大手・ベンチャー人事部での経験を活かし、2021年独立。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応。ITを活用した無駄がない先回りのコミュニケーションと、人事目線でのコーチングが得意。趣味はドライブと温泉。

監修者 大柴良史

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