人事労務の基礎知識

年末調整まとめ | 扶養控除・保険料控除、計算方法や源泉徴収票まで【保存版】

最終更新日:2021/10/26

年末調整書類

年末調整とは、会社員やアルバイト、パートなど、給与を受け取っている人が毎年行う手続きです。聞きなれない言葉も多く、会社から渡される書類に正しく記入できているか不安になる方も多いのではないでしょうか。

一方、企業の経理担当者や中小企業の経営者にとって年末調整は、従業員からさまざまな書類を集め、納めるべき税額を計算し、税務署や自治体に提出する書類を作成する一大イベントです。その苦労はなかなか周囲にわかってもらえない作業なのです。

令和2年(2020年)からは、所得税のルールが大幅に変わり、必要な書類や記入方法も前年とは変わっています。

本記事では、年末調整の目的やスケジュールから、扶養控除・保険料控除の範囲、今年の年末調整に必要な書類や計算方法などについてまとめました。

目次

年末調整をカンタンに

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年末調整の目的や対象者とは?

年末調整とは

年末調整とは、従業員が納めるべき1年間(その年の1月から12月まで)に支払うべき「所得税」と毎月の給与や賞与(ボーナス)から源泉徴収した「所得税」の差額を計算して精算する手続きです。

所得税は、その年の所得に応じて税額が決まりますが、従業員が毎月の給料を受け取る際には、あらかじめ所得税が差し引かれています(=源泉徴収税)。

源泉徴収額はあくまでも概算であるのため、各人の生活状況(扶養家族の有無や保険料の支払いなど)に応じた所得控除は考慮されていません。そのため、個人が支払うべき正確な所得税を再計算する必要があります。

源泉徴収額された金額と正しい所得税額を比較し、従業員が多くの税金を納めていた場合はその差額を還付(返金)し、不足していた場合は追加の税金を徴収します。

年末調整と確定申告の違い

年末調整も確定申告も、その年の所得を計算して所得税を納めるという目的は同じです。両者の違いは「誰」が申告し、納税するかです。


年末調整と確定申告の違い

確定申告は、納税者自身がその年の所得を計算し、税務署に税額を自己申告して納税するものです。

一方、会社印や契約社員・アルバイトなどの給与所得者の場合は、会社が個人に代わって税務署に申告・納税します。つまり、年末調整は会社が従業員の確定申告を代行していると言えます。

ただし給与所得者であっても、次のいずれかに該当する場合は年末調整の対象とならず、確定申告が必要となります。

年末調整の対象外となる場合

  • 給与収入が1カ所からで、副業の所得が20万円を超えている
  • 給与収入が2カ所以上からあり、従たる給与が20万円を超えている
    ※主たる給与は会社が年末調整をしてくれるため、確定申告不要
  • 同族会社の役員やその親族などの会社から給与を得ていて、給与以外に賃貸料などの支払いを受けた
  • 年末調整では手続きできない還付を受けたい(初年度の住宅ローン控除の申請など)
参考・引用元:国税庁「年末調整がよくわかるページ(令和3年分)

年末調整について、概要や目的、手順、必要書類などを詳しく知りたい方は、『年末調整とは?概要・目的・手順から必要書類までを解説』をご覧ください。

年末調整を行うのは「年末」だけではないことも?

年末調整とは、その年の最後に支払った給与で所得税の精算をすることです。多くの人は「年末調整」という言葉が示すように12月に行うことが多いでしょう。

しかし、次のケースに該当する方は年の途中で年末調整を行います。

  • 海外転勤によって出国し、非居住者となった
  • 死亡により退職した
  • 心身傷害のため退職し、かつ復職が望めない場合
  • 12月に支給されるべき給与などの支払いを事前に受け取って退職した
  • パートタイマーなどの退職者で、その年中に支払いを受ける給与総額が103万円以下の人で、その年中に他社から給与をもらう見込みがない
上記に該当する人はいずれも、その年中の給与を受け取らなくなるタイミングで税額の調整を行い、過不足額の清算を行います。

参考・引用元:国税庁「年末調整の対象となる人

年末調整をしないとどうなる?

年末調整は基本的に雇用主の義務です。これを怠った場合、以下の2つのペナルティが課せられます。

(1)年末調整を行わず、従業員から適切な金額を徴収しなかった場合
1年以下の懲役または50万円以下の罰金

(2)年末調整を行ったが、その徴収額を納付しなかった場合
10年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方

年末調整を行わないと確定する前の税金を払っている状態に

年末調整をしないと、納めるべき税金を年末調整で確定する前の金額を払っている状態になっています。

従業員は、毎月の給料から一定額の所得税を源泉徴収されています。源泉徴収税は、多くの場合で少し多めに所得税が差し引かれています。年末調整の際には、1年間の収入と控除の額を確認し、本来差し引かれるべき所得税の額を再計算し、差し引かれた所得税を精算する作業ですので、差し引かれた金額が多ければ還付し、少なければその年の最後の給料などから徴収することになります。

年末調整では、生命保険料控除や社会保険料控除など、毎月の源泉徴収では考慮されないさまざまな控除が考慮されます。年末調整の結果、多くの給与所得者が支払うべき所得税の額は減少します。年末調整をしないと、そのため、年末調整をしないと、税金の還付を受けることができなくなってしまいます。

年末調整を行って納税したものの、実際に納税すべき額より少ない場合は、雇用主に「過少申告加算税」や「延滞税」が発生します。

また、払いすぎた状態の可能性があるのは所得税だけではありません。市町村は所得や控除の情報をもとに住民税の額を計算し、納税額を通知します。年末に控除が行われていなければ、当然、翌年の6月からの住民税の計算に影響し、税額が高くなります。

過少申告加算税について

税務署の調査を受けて修正申告をしたり、更正処分を受けたりすると、新たな納税額に加えて、過少申告加算税が課せられます。この過少申告加算税の額は、新たな納税額の10%に相当します。ただし、新たな納税額が当初の申告額または50万円のいずれかを超える場合は、過少申告加算税は15%となります。

参考:国税庁「確定申告を間違えたとき

延滞税について

設定された納付期限までに税金が支払われない場合、原則として法定納期限の翌日から納付日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課せられます。

参考:国税庁「延滞税について

年末調整が雇い主に義務づけられないケースもある

しかし、年末調整が雇用主に義務付けられないこともあります。

それは、従業員が年末調整の日までに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しなかった場合です。この場合、年末調整前の源泉徴収票を従業員に渡し、翌年2月から3月に実施される確定申告で個人として所得税を納めてもらうことになります。

2020年以降は、配偶者控除だけでなく、配偶者特別控除の計算も複雑になっています。会社が行う年末調整とは違い、確定申告はすべての計算、申告、納税を従業員自身で行わなければいけません。

雇用主は、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書が正確に記入されているかどうかを確認し、回収することが重要です。

正確に年末調整を行い、期限まで提出をするようにしましょう。

年末調整のスケジュール

年末調整のスケジュール

〜11月上旬:源泉徴収票の回収

社内に転職した人がいる場合は、前職から転職した人の源泉徴収票を集める必要があります。源泉徴収票はすぐに発行できない場合が多いので、早めに請求しておきましょう。

11月下旬〜12月:従業員による申告書類の回収

各従業員の必要書類を回収します。詳しくは、次項の「年末調整に必要な書類」をご参照ください。

12月:年末調整の計算

必要な書類が回収できたら、年末調整の計算を行います。過不足が出た場合には、その従業員の12月または1月の給与の支払時に過不足学の調整をします。その後、税務署に従業員の所得税を納付します。

年末調整を行うためには、さまざまな書類が必要となります。これらの書類をすべて集めるためには、経理担当者が従業員にできるだけ早く書類を提出するために促すことが重要です。

年末調整に必要な書類

年末調整に必要な書類は、主に以下の4つです。

  1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  2. 給与所得者の保険料控除申告書
  3. 給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
  4. 住宅借入金等特別控除申告書(住宅ローン控除)
これらの書類は、従業員に記入してもらい、経理担当者が回収する必要があります。

1. 給与所得者の扶養控除等(異動) 申告書

令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

画像引用元:国税庁「令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

給与所得者の扶養控除等(異動) 申告書とは、扶養している配偶者や親族がいることを申し出る書類です。この書類を提出することで、配偶者控除、扶養控除、障害者控除の適用を受けることができます。

扶養している配偶者や親族がいない場合でも、この書類を提出する必要があります。

① 全員が記入する欄

令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書|全員記入欄

(1)は全員が記入します。(2)~(6)は該当する控除を受ける場合に記入します。それぞれの内容は以下の通りです。

※令和3年度税制改正に伴い、給与所得者の保険料控除申告書への押印が不要になりました。詳しくは国税庁ホームページ「源泉所得税の改正のあらまし」をご参照ください。

【関連記事】
年末調整での扶養控除等申告書(記入例つき)

② 源泉控除対象配偶者の書き方

令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書|源泉控除対象配偶者記入欄

配偶者を扶養に入れる場合に記入します。配偶者とは、その年の12月31日の時点で以下の条件をすべて満たしている人のことです。

なお、平成30年分以後は、配偶者控除を受ける納税者の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。

  • 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
  • 納税者と生計を一にしていること
  • 年間の合計所得金額が48万円以下であること
    (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと
参考・引用元:国税庁「配偶者控除

③ 控除対象扶養親族(16歳以上)の書き方

令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書|控除対象扶養親族(16歳以上)記入欄

16歳以上の扶養対象親族がいる場合に記入します。このうち、19歳以上23歳未満までの扶養対象親族は「特定扶養親族」となりますので、住所欄の左にある「特定扶養親族」の項に「○」を記入してください。

④ 障害者、寡夫、寡婦または勤労学生の書き方

令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書|障害者、寡夫、寡婦または勤労学生記入欄

障害者本人または障害者の不要かぞく、寡夫または寡婦である人、学校に通いながら働いている人などがこの控除を受けることができます。

【関連記事】
年末調整の勤労学生控除の書き方

⑤ ほかの所得者が控除を受ける扶養親族等の書き方

令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書|ほかの所得者が控除を受ける扶養親族等記入欄

夫婦共働きで、子供が配偶者の扶養に入っている場合は、配偶者の名前と子供の名前を記入します。

⑥ 16歳未満の扶養親族の書き方

令和3年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書|16歳未満の扶養親族記入欄

16歳未満の扶養親族がいる人は記入しましょう。

2. 給与所得者の保険料控除申告書

令和3年分給与所得者の保険料控除申告書

給与所得者の保険料控除申告書は、加入している保険会社・期間・支払った保険料を申告するための書類です。生命保険や地震保険、社会保険などに加入している場合、その年に支払った保険料に応じで一定の所得控除を受けられます。

【関連記事】
保険料控除申告書の書き方

① 生命保険料控除の書き方

生命保険料控除の対象となるのは、「一般の生命保険料」「介護医療保険」「個人年金保険」の3種類です。

各保険会社から、10月以降に「控除証明書」が封書またはハガキで送られてきます。その証明書に記載されている内容に従って、申告書に転記します。

令和3年分給与所得者の保険料控除申告書|生命保険料控除記入欄

契約者情報を記入します。

  1. 保険会社名
  2. 保険の種類(定期、終身、養老など)または年金の種類
  3. 保険期間
  4. 契約者名
  5. 保険金の受取人と続柄
    ※個人年金保険料は「支払開始日」の上に保険金の受取人名を記入します。
  6. 新旧の区分にマルをつける
    ※新契約は平成24年1月1日以降に加入した保険、旧契約は平成23年12月31日までに加入した保険となります。

令和3年分給与所得者の保険料控除申告書|生命保険料控除欄の書き方

次に、保険料の金額を書きましょう。

  1. 本年中に支払った保険料を転記します。
    ※このとき、11月分までを転記しないように注意しましょう。12月分までの金額を記入します。
  2. 「一般の生命保険料」と「個人年金保険料」は新旧の契約に基づき、それぞれの合計料金を記入。「介護医療保険料」は1の合計額を記入します。
  3. 「一般の生命保険料」と「個人年金保険料」は、「計算式1」「計算式2」に基づいて金額を記入します。この欄に記入できる最高額は新保険料が4万円、旧保険料が5万円です。
  4. 「一般の生命保険料」と「個人年金保険料」は3で出した金額を合計します。4万円を上回る場合は一律4万円を記入します。
  5. それぞれの計算結果を記入します。
  6. イ・ロ・ハの合計金額を記入します。これが、生命保険料控除額になります。生命保険料控除額は最高12万円までとなりますので、合計金額が12万円を超える場合には12万円と記入しましょう。
「給与所得者の保険料控除申告書」を提出する際には、控除証明書を提示または添付します。もし控除証明書の封書やハガキを紛失してしまった場合は、加入している保険会社に再発行依頼してください。

参考:
一般社団法人 生命保険協会 会員各社一覧
一般社団法人 日本損害保険協会 会員各社

② 地震保険料控除の書き方

地震保険料控除の対象と地震保険を支払っている方が対象となります。また、保険会社から地震保険料の「控除証明書」が送られてきますので、それに基づいて記入します。

令和3年分給与所得者の保険料控除申告書|地震保険料控除欄の書き方1

契約者情報を記入します。

  1. 保険会社名
  2. 保険の種類(地震、積立傷害)
  3. 保険期間
  4. 契約者名
  5. 地震・旧長期の区分にマルをつける
  6. 家屋などの居住者名と続柄(※多くの場合、契約者と同じになります。)

令和3年分給与所得者の保険料控除申告書|地震保険料控除欄の書き方2

次に、保険料の金額を書きましょう。

  1. 支払った保険料額を記入します。
  2. 1のうち、「地震保険料」の合計額を記入します。
  3. 1のうち「旧長期損害保険料」の合計額を記入します。
  4. 2の金額を記入。5万円を超える場合は一律5万円です。
  5. 3の金額を記入。1万を超える場合は(3の金額×1/2+5,000)円を記入します。さらに(3の金額×1/2+5,000)円が1万5,000円を超える場合は一律1万5,000円です。
  6. 4と5の合計額を記入。5万円を超える場合は一律5万円です。

③ 社会保険料控除の書き方

令和3年分給与所得者の保険料控除申告書|社会保険料控除欄の書き方

自分と生計を一とする配偶者や親族の社会保険料を払っている場合は、配偶者や親族の社会保険料の額を給与から控除します。社会保険料控除とは、社会保険料の控除額を調整することです。

具体的には、以下の社会保険料が該当します。

  • 健康保険料、厚生年金保険料
  • 国民健康保険料(税)、国民年金保険料
  • 後期高齢者医療保険
  • 介護保険料
  • 雇用保険料
  • 国民年金基金の掛け金
  • 厚生年金基金の掛け金
  • 公務員共済の掛け金

④ 小規模企業共済等掛金控除の書き方

令和3年分給与所得者の保険料控除申告書|小規模企業共済等掛金控除欄の書き方

小規模企業共済等掛金控除は、「小規模企業共済」と「確定拠出年金」に支払った保険料に適用されます。いずれの場合も、その年に払った掛け金の全額が控除されます。

このうち。サラリーマンに関係するのは「個人型確定拠出年金」です。掛け金が給与から天引きされている場合は、会社が手続きをしてくれます。サラリーマンが個人で加入している場合は、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が送られてきますので、「小規模企業共済掛金等控除」欄に拠出した金額を記入します。

3.給与所得者の基礎控除申告書申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

令和3年分給与所得者の基礎控除申告書申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

画像引用元:国税庁「令和3年分給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書

令和2年度(2020年)の年末調整から、「給与所得者の配偶者控除申告書」が「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」に変更になり、3つの申告が一枚でできるようになりました。

これまで一律で38万円だった基礎控除額は、令和2年度(2020年)の年末調整から納税者の合計所得によって控除額が変更になりました。

また、配偶者控除の所得要件が38万円から48万円に引き上げられました。

給与所得者の基礎控除申告書申告書の書き方

給与所得者の基礎控除申告書申告書の書き方

給与所得の欄には、直近の源泉徴収票や給与明細書を参照して推定した今年度分の給与所得の金額(2か所以上から給与を受け取っている場合はその合計額)を「所得金額」欄に記入し、給与所得の金額をもとに下記「給与所得の計算欄」で計算します。

給与所得以外の所得がある場合は、その合計額を記入します。ここで計算する所得には、源泉分離課税により源泉徴収のみで納税が完了する所得や、確定申告をしないことを選択した一定の所得は含まれません。

<給与所得の計算欄>


給与所得の計算欄

所得金額調整控除や特定支出控除の対象となる方は、給与所得の金額からそれらの控除額を差し引いてください。所得金額調整控除額の計算方法は以下の通りです(①と②の両方に該当する場合は、それらの合計額)。

① (給与の収入金額(※1)-850万円)×10%
(※1)1,000万円を超える場合は1,000万円

② 給与所得控除後の給与等の金額(※2)+公的年金等に係る雑所得の金額(※2)-10万円
(※2)10万円を超える場合は10万円

次に、算出された合計金額に基づき、「判定」欄の該当する項目にチェックを入れ、判定結果に対応する控除額を「基礎控除額」欄に入力してください。

配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受ける場合は、「控除額の計算」の「判定」欄に、判定結果に対応する記号(A~C)を記入します。配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受けない場合には、記入する必要はありません。

給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方

給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方

1)配偶者の氏名、個人番号などの記入

配偶者のフリガナ、氏名、個人番号(マイナンバー)、生年月日を記入します。また、配偶者が非居住者である場合には、「非居住者である配偶者」欄に◯印をつけ、「生計を一にする事実」の欄に送金額等を記入してください。

この場合、親族関係書類及び送金関係書類の添付等が必要です。ただし、親族関係書類については、扶養控除等(異動)申告書の提出時に添付等をしている場合は不要です。

※条件によっては、個人番号(マイナンバー)の入力が不要な場合もありますので、送金先にご確認ください。

2)配偶者の本年中の合計所得金額の見積額の計算

給与所得者の基礎控除申告書のあなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算を参考に記入します。

3)判定及び区分Ⅱ

「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額の計算」の表で算出した合計額と配偶者の生年月日から、「判定」欄の該当する項目にチェックし、判定結果に対応する記号(①~④)を「区分Ⅱ」欄に記入します。

4)控除額の計算

「控除額の算出 」の表に、区分Ⅰの判定結果(A~C)と区分Ⅱの判定結果(1~4)を当てはめて、配偶者控除額または配偶者特別控除額を算出します。

5)配偶者控除の額又は配偶者特別控除の額

区分Ⅱが①又は②の場合、「配偶者控除の額」欄に、区分Ⅱが③又は④の場合は「配偶者特別控除の額」欄に「控除額の計算」の表で求めた配偶者控除額又は配偶者特別控除額を記入します。

なお、配偶者特別控除は配偶者同士では適用できませんので、どちらか一方の配偶者が適用することはできません。

所得金額調整控除申告書の書き方

所得金額調整控除申告書の書き方

1)要件にチェック

該当する要件にチェックを入れます。複数の項目が該当する場合は、いずれかの項目1つにチェックを入れます。

※特別障害者とは、身体障害者手帳に一級または二級と記載されている方など、重度の精神障害または身体障害をお持ちの方を指します。

2)扶養親族等

「要件」の欄で「同一生計配偶者が特別障害者」、「扶養親族が特別障害者」、「扶養親族が年齢23歳未満」のいずれかにチェックを入れた場合は、要件を満たす同一生計配偶者又は扶養親族の氏名、個人番号(マイナンバー)、生年月日を記入します。

※条件によっては個人番号(マイナンバー)の入力が不要な場合もありますので、給与の支払者にご確認ください。

3)特別障害者

「特別障害者に該当する事実」欄には、障害の状態、交付を受けている手帳などの種類と交付年月日、障害の程度(障害の等級)など、特別障害者に該当する事実を記入します。

※特別障害者に該当する方が、「扶養控除等(異動)申告書」に記載されている特別障害者と同一である場合は、「扶養控除等申告書のとおり」と記載しても差し支えありません。

参考・引用元:国税庁「《記載例》令和3年分給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書

4. 住宅借入金等特別控除申告書(住宅ローン控除)

住宅借入金等特別控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを新築、購入、リフォームした際に適用される控除です。

年末調整では、住宅ローン控除の適用2年目以降の方は、該当年の「住宅借入金等特別控除申告書」の提出が必要です。なお、適用初年度は確定申告が必要となります。

【関連記事】
【年末調整】2年目からの住宅ローン控除申請の書類の書き方(記入例つき)

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年末調整の計算方法

年末調整の計算方法

次に、年末調整の計算方法について説明します。

1)年間の給与額の算出と給与から差し引いた社会保険料、源泉徴収税の集計

各従業員に支払われた毎月の給与と賞与の総額を計算し、その年の給与所得の収入金額を求めます。また、毎月の給与や賞与の支払い時に源泉徴収した税額も集計します。

2)給与所得控除額を差し引き給与所得額を算出する

次に、給与収入から給与所得控除額を差し引きます。

※令和2年度(2020年)より、給与所得控除額が変更になっています。昨年とは控除額が異なりますので、ご注意ください。

参考:国税庁「昨年と比べて変わった点

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収表の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%-100,000円
550,000円に満たない場合には550,000円
1,800,000円超
3,600,000円以下
収入金額×30%+80,000円
3,600,000円超
6,600,000円以下
収入金額×20%+440,000円
6,600,000円超
8,500,000円以下
収入金額×10%+1,100,000円
8,500,000円超 1,950,000円(上限)

引用:国税庁

給与所得者は、会社の業務に必要な経費を控除することができます。これを「給与所得控除」といい、その金額は収入金額によって決まります。計算式は以下の通りです。

給与所得 = 給与収入(現金+現物)- 給与所得控除額

新幹線で通勤したり、転勤に伴って引っ越しをしたりすると、「特定支出控除」の対象になることがあります。特定支出控除の対象となるのは以下のとおりです。

  • 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)
  • 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)
  • 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)
  • 職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
    ※平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。
  • 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)
  • 次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費)。なお支出については、平成25年分以後、特定支出の対象となります。
  • 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
  • 制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)
  • 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)
引用:国税庁「No.1415 給与所得者の特定支出控除

上記の支出は、給与の支払者が証明する必要があります。適用される場合の計算式は以下のとおりです。

給与収入 - 給与所得控除 - 特定支出控除 = 給与所得

3)所得控除額を差し引く

給与所得がわかったら、次は所得控除を差し引きます。所得控除は「給与所得者の扶養控除等申告書」、「給与所得者の保険料控除申告書」、「給与所得者の配偶者控除等申告書」に基づいて計算します。

給与所得 - 所得控除 = 課税所得

所得控除には、自分の置かれている状況に応じて考慮される「人的控除」と、保険料などの支払いや掛け金を考慮して控除される「物的控除」(生命保険料控除や小規模企業共済等掛金控除など)があります。

【人的控除】

控除の種類 給与所得控除額
(1) 基礎控除 480,000円
(2) 扶養控除 一般の控除対象扶養親族 380,000円
特定扶養親族 630,000円
老人扶養親族 同居老親等以外 480,000円
同居老親等 580,000円
(3) 障害者控除 一般の障害者 270,000円
特別障害者 400,000円
同居特別障害者 750,000円
(4) 寡婦控除 270,000円
(5)ひとり親控除 350,000円
(6) 勤労学生控除 270,000円

引用:国税庁「平成30年分 年末調整のしかた p.58

令和2年度(2020年)からは合計所得金額が2,500万円を超える所得者は基礎控除の適用外となりました。また、これまで一律38万円だった基礎控除額が、合計所得金額に応じて変動するようになりました。

また、ひとり親控除が追加され、所得者がひとり親である場合、35万円の控除が受けられるようになりました。

参考・引用元:国税庁「昨年と比べて変わった点

【物理控除】
物的控除とは、その人が加入している保険や住宅ローンに関する控除を指します。

控除の種類 区分 年間の支払保険料等 控除額 備考
生命保険料控除 新契約 20,000円以下 支払保険料等の全額 最高120,000円
20,000円越
40,000円以下
支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超
80,000円以下
支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円
旧契約 25,000円以下 支払保険料等の全額
25,000円超
50,000円以下
支払保険料等×1/2+12,500円
50,000円超
100,000円以下
支払保険料等×1/4+25,000円
100,000円超 一律50,000円
地震保険料控除 (1)地震保険料 50,000円以下 支払金額の全額 最高50,000円
50,000円超 一律50,000円
(2)旧長期損害保険料 10,000円以下 支払金額の全額
10,000円超 支払金額×1/2+5,000円
20,000円以下
20,000円超 15,000円
(1)・(2)両方がある場合 - (1)、(2)それぞれの方法で計算した金額の合計額(最高50,000円)
社会保険料控除 - - 全額 -
小規模企業共済等掛金控除 - - 全額 -

4)所得税率をかける

課税所得額 税率 控除額
1,000円〜1,950,000円以下 5% 0円
1,950,000円超〜3,300,000円以下 10% 97,500円
3,300,000円超〜6,950,000円以下 20% 427,500円
6,950,000円超〜9,000,000円以下 23% 636,000円
9,000,000円超〜18,000,000円以下 33% 1,536,000円
18,000,000円超〜40,000,000円以下 40% 2,796,000円
40,000,000円超 45% 4,796,000円

* 所得税額の端数処理は行いません。 出典: 国税庁 No.2260 所得税の税率

課税給与所得の金額が出たら、その額に応じた所得税率を掛けます。これによって、その人が本来納めるべき1年間の確定所得税額がわかります。このとき、住宅ローン控除がある人は確定所得税額から住宅ローン控除額を差し引きます。

5)超過額もしくは不足額の計算と精算

確定所得税額と年間の源泉徴収税額を比較し、過不足を判断します。年間の源泉徴収税額が確定所得税額よりも多い場合は還付し、少ない場合は不足分を徴収します。

税務署と市区町村に提出する書類は?

12月または1月の給与で過不足額を調整すれば、従業員にとってはその年の年末調整は終了です。しかし、給与の支払い者は、税務署や市区町村に提出する書類を作成しなければなりません。

税務署に提出する書類は以下の4種類です。

  1. 所得税徴収高計算書
  2. 給与所得の源泉徴収票
  3. 支払調書
  4. 法定調書合計表

1)所得税徴収高計算書

所得税徴収高計算書とは、源泉徴収した所得税を国に納付するための計算書を兼ねた納付書のことです。年末調整時だけでなく、給与などを支払った月の翌月の10日までに提出する必要があります。

給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般用)

2)給与所得の源泉徴収票

従業員に支払った給与や賞与などの総額、所得控除額、源泉徴収税額などが記載された書類です。いわば年末調整の結果表ともいえます。

給与所得の源泉徴収票

3)支払調書

支払調書にはいくつか種類がありますが、代表的なものは「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」です。これは、会社が同じ個人事業主などに5万円以上の報酬を支払った場合に発行されます(ただし、支払者に交付義務はありません)。

その年の1月1日から12月31日までの間に個人事業主などに支払われた報酬額および源泉徴収税額を記載したものです。

次の条件に該当する場合は、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出が義務付けられています。

  • 外交員、集金人、電力量計の検針人及びプロボクサー等の報酬、料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬、料金、広告宣伝のための賞金については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの
  • 馬主に支払う競馬の賞金については、その年中の1回の支払賞金額が75万円を超えるものの支払を受けた者に係るその年中の全ての支払金額
  • プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金については、その年中の同一人に対する支払金額の合計額が5万円を超えるもの
  • 弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料や画料、講演料等については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が5万円を超えるもの
  • 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの
参考・引用元:国税庁「No.7431 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等

ほかに、「不動産の使用料等の支払調書」というものがありますが、これは土地や建物の賃借料のほか、敷金、礼金、更新料などが発生した場合に必要になるケースがあります。

【関連記事】
年末調整の法定調書合計表・支払調書の書き方

4)法定調書合計表

法定調書とは、「所得税法」「相続税法」「租税特別措置法」「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により、税務署に提出しなければならない資料のことです。

法定調書は全部で59種類あり、前述した「給与所得の源泉徴収票」と「支払調書」も法定調書に含まれます。また、作成した法定調書を集計したものを「法定調書合計表」といいます。法定調書合計表は、作成した法定調書と一緒に税務署に提出します。法定調書合計表に記載される主な内容は以下の6つです。

  • 給与所得の源泉徴収票合計票
  • 退職所得の源泉徴収票合計表
  • 報酬、料金、契約金および賞金の支払調書合計表
  • 不動産の使用料等の支払調書合計表
  • 不動産などの譲受けの対価の支払調書合計表
  • 不動産等の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書合計表

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年末調整の法定調書合計表・支払調書の書き方

給与支払報告書は市区町村に提出する書類

給与支払報告書とは、前年の1月1日から12月31日までに給与を支払った人の給与支払金額や事業所の連絡先などを記載した書類です。

給与を受け取った人の本年の1月1日時点で所在地の市区町村に1月31日までに提出します。例えば、2020年に支払った給与については、2021年の1月1日時点の住所(所在)地の市区町村となります。

給与支払報告書 (個人別明細書)

書類はオンラインで提出(電子申告)も可能

書類の提出方法は、紙で出力した書類を封入して郵送するのが一般的ですが、オンラインで提出することも可能です。

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年末調整の電子申告をしよう!オンライン申請のメリットと方法

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給与所得の源泉徴収票の見方

年末調整が終わると、「給与所得の源泉徴収票」(以下、源泉徴収票)が従業員に配布されます。多くの場合、配布時期は12月もしくは1月の給与支払と一緒になります。

例えば、12月25日が給与支払日の場合、その日にその年の源泉徴収票が従業員に渡されます。源泉徴収票を見れば、その人の年収や納税額が分かります。

源泉徴収票の見方は少し複雑なので、具体的な例をもとに説明していきます。


給与所得の源泉徴収票

1.「給与所得控除後の金額」の根拠を把握しよう

  • 支払金額:給与や賞与など、1年間に受け取った収入の合計(=年収)
    この場合は年収492万円です。
  • 給与所得控除後の金額:収入から給与所得控除を差し引いた金額
    この場合は339万6,000円です。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%-100,000円
550,000円に満たない場合には550,000円
1,800,000円超
3,600,000円以下
収入金額×30%+80,000円
3,600,000円超
6,600,000円以下
収入金額×20%+440,000円
6,600,000円超
8,500,000円以下
収入金額×10%+1,100,000円
8,500,000円超 1,950,000円(上限)

参考・引用元:国税庁「給与所得控除」からダウンロードできます。

給与所得控除は上の表から求めます。年収が492万円の場合は以下の通りです。

給与所得控除
492万円×20%+44万円=142万4,000円
給与所得控除後の金額
492万円-142万4,000円=349万6,000円
これにより、「給与所得控除後の金額」が求められました。

2. 所得控除額を確認しよう

「所得控除の額の合計額」とは、その名のとおり、さまざまな所得控除額を合計したものです。しかし、合計金額より下にあるオレンジ色の枠内の数字を計算しても。153万6,728円にはなりません。

実は、ここに記載されていない控除が1つあります。それが「基礎控除」です。基礎控除は、合計所得金額が2,500万円未満であれば、48万円の控除を受けることができます。

また黄色の枠内には、「新生命保険料の金額」として78万円の記載があります。生命保険料を支払っている人は生命保険料控除を受けることができます。新制度では、一般の生命保険料が年間8万円を超える場合の控除額は一律4万円となります。したがって、オレンジ色の枠内の「生命保険料の控除額」は4万円となります。

これらをもとに所得控除額の合計を算出します。

所得控除額
配偶者特別控除31万円+社会保険料控除70万6,728円+生命保険料控除4万円+基礎控除48万円=153万6,728円
これにより、所得控除の額の合計額が導きだされました。

3. 課税所得額を求めよう

課税所得は、給与所得から各所得控除を差し引いて算出します。したがって、今回の場合は以下のような金額になります。

課税所得
339万6,000円-153万6,728円=185万9,272円

最後に、所得税額を求めます。所得税は課税所得に所得税率をかけます。

課税所得が185万9,272円の場合、税額は以下のとおりです。

所得税額
185万9,000円×5%=9万3,000円
※基本的に、課税所得金額は1,000円未満の端数切り捨て、税額では100円未満の端数切り捨てとなります。
しかし、これでは源泉徴収票の額と一致しません。2013年から25年間は、東日本大震災の復興特別所得税を加算する必要があります。復興特別所得税額は所得税の納税額の2.1%で固定され、一般と坑内員・船員の区別がなくなっています。
復興特別所得税額
9万3,000円+(9万3,000円×2.1%)=9万5000円
【関連記事】
源泉徴収票とは? わかりにくい見方を解説。大事な数字を理解しよう

年末調整の還付金はいくら?

年末調整の際、従業員にはどのくらいの金額が払い戻されるのでしょうか。

実際に3つの計算例を見てみましょう。

計算例1:Aさんの場合

条件:

  • 役員として小規模企業共済に加入
  • 毎月7万円の掛金拠出
  • 専業主婦の妻がいる

項目 金額
年収 9,600,000円
11月までに支払った給与の源泉所得税徴収額合計 783,620円
小規模企業共済掛金控除額 840,000円
生命保険料控除額 80,000円
扶養控除額(*1) 0円
上記の控除額考慮した後の年税額 498,700円
最後の給与での還付額(*2) 284,920円
最後の給与での徴収額(*2) 259,380円
差引還付額 225,540円

*1: ここでの扶養控除額は、毎月の給与計算と比べて、年末調整を行った時点で変化のあったものに限ります。変化のないものは、毎月の源泉税額計算に含まれているため、ここでは記載していません。
*2: 12月の最後の給与の支払時には、12月分の源泉所得税を徴収するのと同時に、11月までの徴収高と計算された年税額との差額を還付します。


還付の理由:
小規模企業共済掛金控除は、毎月の源泉税額計算には考慮しませんが、年末調整計算では考慮するためとなります。

計算例2:Bさんの場合

条件:

  • 月額1万円のiDeCoに加入
  • 1種の生命保険料年間12万円に加入

項目 金額
年収 3,600,000円
11月までに支払った給与の源泉所得税徴収額合計 81,600円
小規模企業共済掛金控除額 120,000円
生命保険料控除額 40,000円
扶養控除額(*1) 0円
上記の控除額考慮した後の年税額 65,400円
最後の給与での還付額(*2) 16,200円
最後の給与での徴収額(*2) 6,750円
差引還付額 9,450円

*1: ここでの扶養控除額は、毎月の給与計算と比べて、年末調整を行った時点で変化のあったものに限ります。変化のないものは、毎月の源泉税額計算に含まれているため、ここでは記載していません。
*2: 12月の最後の給与の支払時には、12月分の源泉所得税を徴収するのと同時に、11月までの徴収高と計算された年税額との差額を還付します。


還付の理由:
iDeCoは小規模企業共済掛金控除の対象となっており、上記と同様の結果として還付が生じるためです。

計算例3:Cさんの場合

条件:

  • 共働きの妻がいる
  • 本年12月上旬に子供が16歳になった

項目 金額
年収 6,000,000円
11月までに支払った給与の源泉所得税徴収額合計 223,540円
小規模企業共済掛金控除額 0円
生命保険料控除額 0円
扶養控除額(*1) 380,000円
上記の控除額考慮した後の年税額 169,700円
最後の給与での還付額(*2) 53,840円
最後の給与での徴収額(*2) 15,480円
差引還付額 38,360円

還付の理由:
扶養控除の対象となっており、上記と同様の結果として還付が生じるためです。

*1: ここでの扶養控除額は、毎月の給与計算と比べて、年末調整を行った時点で変化のあったものに限ります。変化のないものは、毎月の源泉税額計算に含まれているため、ここでは記載していません。
*2: 12月の最後の給与の支払時には、12月分の源泉所得税を徴収するのと同時に、11月までの徴収高と計算された年税額との差額を還付します。


Aさんのような役員で、所得が比較的多く、小規模企業共済に加入している場合は、還付額が数十万円となることもあります。一般的な会社員の還付金は、数千円から数万円程度が多いですが、所得が多く、近年話題になっているiDeCoなどによる控除額が大きい場合、還付額が大きくなる可能性があります。

なお、年末時点に扶養家族の人数が減った場合や、年末に支給される賞与の支給額が想定よりも多かった場合、追加で税金を徴収されることがあります。

【関連記事】
年末調整の還付金の計算方法
年末調整の追徴税額について解説

年末調整のやり直しはできる?

年末調整を行った後、計算をやり直す必要がある場合があります。主に、以下のような場合に年末調整のやり直しが発生します。

年末調整のやり直しが起こる主なケース

  • 結婚や出産、離婚で扶養家族の人数が変わった
  • 配偶者の収入に変更があった
  • 年末調整後に子どもが産まれ、生命保険料などを追加で支払った
  • 所得控除に必要な書類を提出し忘れていた
これらのケースに該当する場合、従業員はできるだけ早く雇用主に知らせる必要があります。雇用主は翌年1月末までに再調整を行います。

1月末までに間に合わない場合は、2〜3月の確定申告シーズンに個人で確定申告を行ってください。

年末調整に関する書類の保存期間

年末調整時に回収した書類は、提出期限の年の翌年の1月10日の翌日から、7年間保存する必要があります。例えば、2021年分の年末調整を行った場合、2021年分の扶養控除等申告書を2022年1月11日から7年間保存が必要です。

保存すべき書類は以下のとおりです。

保存すべき年末調整の書類

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の配偶者控除等申告書(平成29年分以前は給与所得者の配偶者特別控除申告書)
  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 退職所得の受給に関する申告書
  • 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
出典:国税庁 No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期間
これらの書類は、税務署長から提出を求められた場合は、それに応じる必要があります。

年末調整とマイナンバー

従業員の方は、2016年以降に既にマイナンバーを提出している場合は、「扶養控除等(異動)申告書」にマイナンバーを記入する必要はありません。給与支払い者は、税務署に提出する源泉徴収票にマイナンバーを記載する必要がありますが、従業員の方は不要です。

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まとめ

年末調整をスムーズに行うには、経理担当や中小企業の経営者は従業員に対し、早め早めに書類提出の呼びかけをすることが大切です。また、従業員側は自分が受けるべき控除の書類を漏れなく提出することが肝心。年末調整に何が必要かを把握し、年1回の会計の大きな作業を乗り切りましょう。

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