人事労務の基礎知識

雇用保険料とは?雇用保険料の計算方法や対象を紹介

最終更新日:2021/06/04

雇用保険は、失業した人が安定的な生活を送れるように、必要な給付を受けられる制度です。「失業保険(失業手当)」と呼ばれることもあります。

雇用保険の保険料は、雇用主と従業員の双方で負担をしますが、本記事では雇用保険料の具体的な計算方法や対象となる賃金について解説します。

雇用保険料とは?雇用保険料の計算方法や対象を紹介

目次

労働保険の手続きや保険料の計算がラクに

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雇用保険とは

雇用保険とは、失業などで仕事がなくなった際に、再就職や起業するまでに必要な給付を受けることができる労働保険の一種です。

この失業したら受け取れる給付のことを「失業等給付」といいます。

失業等給付を受けられる期間は約3ヶ月から1年間で、給付の条件や日数は年齢や離職理由などによって異なります。

また、失業時給付を受け取りながら、就職に役立つ知識やスキルを無料で習得できる職業訓練を受けることも可能です。加えて、失業時だけではなく、育児や介護のために一時的に休職する際の手当ても雇用保険から支給されます。

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雇用保険料とは

雇用保険料とは、公的な労働保険制度である雇用保険の掛け金のことで、給与明細に金額が記載されています。

そもそも「雇用保険」と「労災保険(労働者災害補償保険)」は、合わせて「労働保険」と呼ばれ、いずれも国が管掌する保険のことです。雇用保険と労災保険とで給付は別々に行われていますが、両保険料の納付については、ひとつのものとして取り扱われます。

労災保険料は事業主が負担するため、労働者が支払う必要はありません。一方、雇用保険料は事業者と労働者の双方が負担します。給与明細には、雇用保険料の記載がありますが、労災保険料の記載がないのはそのためです。

また、雇用保険料の金額は労使折半ではなく、事業主が多く支払うようになっています。この点が社会保険料や厚生年金保険料とは異なる点です。

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雇用保険の加入条件は? 加入手続きの方法や必要書類について

雇用保険料の対象となる賃金

雇用保険料の対象となる賃金には、毎月支払われる給与額だけではなく、賞与額も該当します。なお、税金や社会保険料などを差し引く前の賃金金額で、雇用保険料は計算されます。

ここで注意したいのが、賃金の中には雇用保険料の対象になる賃金と、対象にならない賃金があります。例えば、通勤手当や住宅手当などは雇用保険料の対象となりますが、退職金や出張旅費・宿泊費は含まれません。

雇用保険料の対象となる賃金

  • 通勤手当(非課税分を含む)、定期券・回数券(通勤のための現物支給分)
  • 超過勤務手当・深夜手当(いわゆる残業手当など)、宿直手当・日直手当
  • 家族手当・子供手当・扶養手当
  • 技能手当・教育手当・特殊作業手当
  • 住宅手当・地域手当
  • 皆勤手当・精勤手当などの奨励手当
  • 休業手当(「労働基準法」第26条。事業主の都合で休業した場合に支給)

雇用保険料の対象にならない賃金

  • 役員報酬
  • 結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金、年功慰労金、勤続褒賞金、退職金
  • 出張旅費・宿泊費
  • 休業補償費(「労働基準法」第76条。労働者が業務災害により休業した場合に支給)
  • 傷病手当金(「健康保険法」第99条。労働者が業務外の傷病により休業した場合に支給)
  • 解雇予告手当(「労働基準法」第20条。30日前の解雇予告なしに労働者を解雇する場合に支給する手当)

参考:厚生労働省「雇用保険料の対象となる賃金

所得税の計算では対象にならない通勤手当も、雇用保険料の計算では対象となります。

また、残業手当の増減などで月の総賃金額が変わると雇用保険料も変わるため、雇用保険料は毎月計算する必要があります。標準報酬月額を基に計算した、1年間保険料が変わらない健康保険料や厚生年金保険料とは異なるため、注意が必要です。

雇用保険料率とは

雇用保険料とは、毎月の給与総額に「雇用保険料率」を掛けて算出される保険料率のことです。

雇用保険料率は、失業保険の受給者数や積立金の残高などに応じて毎年見直しが行われ、変更がある場合には4月1日から施行されます。

また、事業の種類によっても、労働者と事業主の保険料率は異なります。業種は次のように分類されます。

  • 一般の事業
  • 農林水産・清酒製造の事業
  • 建設の事業

令和3年度の雇用保険料率

※「農林水産の事業」は、園芸サービス、牛馬の育成、酪農、養鶏、養豚、内水面養殖及び特定の船員を雇用する事業については一般の事業の率が適用されます。

引用元:厚生労働省「令和3年度の雇用保険料率について

事業の種類によって保険料率が異なる理由

前項のとおり、雇用保険料は「一般の事業」「農林水産・清酒製造の事業」「建設の事業」と3種類に分けられており、事業の種類によって保険料率が異なります。農林水産・清酒製造・建設のどれにもあてはまらない事業は「一般の事業」になります。

「農林水産・清酒製造の事業」と「建設の事業」の保険料率は、「一般の事業」の保険料率に比べると高く設定されています。

農林水産・清酒製造の事業の保険料が高い理由

これは、「農林水産・清酒製造の事業」は季節によって事業規模が縮小し、就業状態が不安定となることがあるため、失業保険を受給する可能性が高いとされているからです。

ただし、農林水産の事業のなかでも、季節的な休業や事業規模の縮小がないとして厚生大臣が指定する以下の事業は、一般の事業として取り扱われます。

  • 牛馬育成、酪農、養鶏、または養豚の事業
  • 園芸サービスの事業
  • 内水面養殖の事業
  • 船員が雇用される事業
引用:厚生労働省「雇用保険料率についてのよくあるご質問と回答

建設の事業の保険料が高い理由

建設業も建築物ごとに雇用契約を結ぶケースが少なからずあり、失業給付を受ける場合が多く考えられるため、保険料率が高くなっています。

また、建設の事業には独自の助成金が多いのも理由の一つといわれています。この助成金の財源は、雇用保険料から賄っており、一般の事業でもらえるものに上乗せして支給されるものが多い特徴があります。

引用元:建設事業主等に対する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)

雇用保険料の計算方法

雇用保険料は、次の計算式で算出されます。

雇用保険料 = 給与額または賞与額 × 雇用保険料率

具体的に雇用保険料の労働者負担額を計算してみましょう。

A社に勤務する営業職のBさんが、2021年3月に以下の支払いを受けた場合

税金・社会保険料など控除前の給与額:30万円
税金・社会保険料など控除前の賞与額:50万円

Bさんの給与にかかる雇用保険料
30万円×3÷1,000(2019年度「一般の事業」の雇用保険料率)=900円

Bさんの賞与にかかる雇用保険料
50万円×3÷1,000(2019年度「一般の事業」の雇用保険料率)=1,500円

よって、Bさんが2019年10月の給与の際に支払う雇用保険料は900円、賞与の際に支払う雇用保険料は1,500円となります。

端数が出た場合の雇用保険料

雇用保険料の労働者負担額を源泉徴収する場合、1円未満の端数が出た際は、原則として「50銭以下の場合は切り捨て、50銭1厘以上の場合は切り上げ」となります。ただし、「すべて切り捨て」など、労使間で慣習的な端数処理などの特約がある場合は、従来どおりの端数計算方法で取り扱うことも認められています。

では、具体的に雇用保険料の計算における端数処理の例を見てみましょう。

給与総額が24万3,088円の場合の雇用保険料

24万3,088円×3÷1,000(令和3年度「一般の事業」の保険料率)
=729.264円→729円
※端数が50銭以下の場合は切り捨て

給与総額が24万3,900円の場合の雇用保険料

24万3,900円×3÷1,000(令和3年度「一般の事業」の保険料率)
=731.7円→732円
※50銭1厘以上の場合は切り上げ

まとめ

雇用保険料の計算方法は、健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険の計算方法と異なる点がいくつかあります。雇用保険料の源泉徴収額を間違えると修正に手間がかかるため、計算する際には注意しましょう。

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