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厚生年金保険とは?厚生年金保険料の基礎知識と計算方法

最終更新日:2021/07/13

厚生年金保険とは?厚生年金保険料の基礎知識と計算方法

毎月の給与から天引きされている厚生年金保険料について、どのように決められ、使われているのか疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

厚生年金保険とは、私たちの老後の生活を支える重要な保険です。老後の年金以外にも、けがや病気で障害が残ったときの障害年金、亡くなったときに遺族へ支給される遺族年金など、働けなくなったり収入を得ることが困難になった場合に、生活を守ってくれます。

しかし、厚生年金は変動する支払額や、計算方法がわかりにくいのが実情です。

この記事では「厚生年金保険とは?」「厚生年金と国民年金の違いとは?」といった基礎知識から、厚生年金保険料の計算方法までをご説明します。

目次

社会保険の手続きや保険料の計算がラクに

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厚生年金保険とは?

厚生年金保険は、厚生年金保険の適用を受ける事業所(企業)に勤務する会社員や公務員など70歳未満の人が原則として全員が加入する公的年金制度です。

厚生年金保険の加入者(被保険者)は、厚生年金制度を通じて国民年金にも加入しており、「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の両方を将来受け取ることになります。また、厚生年金保険は『厚生年金保険法』にもとづき、国によって管理され、給付が行われています。

厚生年金と国民年金の違い

厚生年金と国民年金には、大まかにまとめると以下のような違いがあります。

厚生年金保険・国民年金の比較

厚生年金保険 国民年金
対象者 厚生年金保険の適用を受ける事業所に勤務する会社員・公務員などで、70歳未満の人 日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人
納付する年金保険料 「標準報酬月額×保険料率」、「標準賞与額×保険料率」を事業主と被保険者で半分ずつ負担(労使折半) 一律の保険料
(令和2年度は月16,540円)
年金保険料の納付方法 給与・賞与からの天引き
(事業主が被保険者分をまとめて納付)
自分で納付
将来給付される年金 基礎年金+厚生年金
(報酬比例部分)
基礎年金のみ

参考:日本年金機構「知っておきたい年金のはなし

上記のように、厚生年金保険では基礎年金に加えて、企業側も負担してくれる厚生年金(報酬比例部分)があるため、将来給付される年金額が国民年金に比べて多くなります。さらに、厚生年金保険のほかに独自の企業年金として、厚生年金基金、確定給付企業年金、または確定拠出年金(企業型)を用意している企業もあります。

年金制度の全体図

年金制度の全体図

引用元:企業年金連合会

(注1)
被用者年金制度の一元化に伴い、平成27年10月1日から公務員および私学教職員も厚生年金保険に加入。また、共済年金の職域加算部分は廃止され、新たに退職等年金給付が創設。ただし、平成27年9月30日までの共済年金に加入していた期間分については、平成27年10月以後においても、加入期間に応じた職域加算部分を支給。

(注2)
国民年金の第2号被保険者等とは、厚生年金被保険者をいう(国民年金の第2号被保険者のほか、65歳以上で老齢、または、退職を支給事由とする年金給付の受給権を有する者を含む)。

(注3)
第1号被保険者には、任意加入被保険者を含む。

厚生年金基金とは?

厚生年金保険と厚生年金基金は名前が似ており、よく混同されがちですが、厚生年金基金は、従業員の将来の年金給付額を増やすために、厚生年金保険に加えて給付される独自の企業年金です。

具体的には、国が管理・給付する厚生年金保険の一部を国に代わって事業者が積み立て・給付を行い、さらに事業者が独自の上乗せ給付(プラスアルファ部分)を行う制度となっています。

国に代わって積み立て・給付を行う厚生年金の一部は「代行部分」と呼ばれ、代行部分の掛金について、被保険者と事業主は厚生年金保険料を国に納めることを免除されます。この免除された保険料を「免除保険料」といいます。

厚生年金基金は、免除保険料と代行部分以外の加算分を掛金として納め、厚生年金保険に関しては、免除保険料を差し引いた額を国に納めます。

厚生年金保険の保険料率と計算方法

まず厚生年金保険の料率を決める被保険者の区分や、厚生年金に関係する法改正について確認しましょう。

厚生年金保険の被保険者区分

厚生年金保険の被保険者区分は主に2つであり、1つは「一般の被保険者」もう1つは「坑内員、船員の被保険者」です。

坑内員とは「鉱業法に規定する事業の事業場に使用され、常時坑内作業に従事する者」であり、該当するケースは少ないです。

厚生年金保険に関係する法改正

厚生年金保険には32の等級があり、等級に応じて厚生年金保険料が決められています。

厚生年金保険の保険料率は毎年改定されてきましたが、平成29年9月分からは一般の被保険者、坑内員・船員の被保険者ともに「18.300%」で固定となっています。これは令和2年においても同様の料率です。

厚生年金保険料額表

引用元:日本年金機構

厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に共通の保険料率をかけて計算します。算出された保険料は事業主と被保険者が半分ずつ負担(労使折半)します。

保険料の種類 保険料額の計算方法
毎月の保険料額 標準報酬月額 × 保険料率
賞与の保険料額 標準賞与額 × 保険料率

標準報酬月額とは?

標準報酬月額とは、厚生年金保険料などを簡単に計算するための仕組みです。会社に勤める人(厚生年金保険の被保険者)が会社から支給される給与(基本給のほか、役職手当、家族手当、通勤手当、残業手当など)の1ヶ月分の総支給額を「報酬月額」といいます。

毎年1回、4月から6月までの3か月間の報酬月額を「保険料額表」と呼ばれる一定の幅で区分した報酬月額にあてはめ「標準報酬月額」を決定します。これを「定時決定」といい、その届け出を「算定基礎届」といいます。

被保険者報酬月額算定基礎届
「算定基礎届」人事労務freeeで作成

引用元:日本年金機構「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届/厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎届(エクセル)」

これにより求められた「標準報酬月額」を元にして、保険料や年金額の計算に使用します。

令和2年分9月分からの標準報酬月額は1等級(88,000円)から32等級(650,000円)までの32等級に分かれています。

定時決定の算定月以後に報酬月額の大幅な変動(標準報酬月額の2等級以上)があった場合には、標準報酬の改定(随時改定)を行います。

【関連記事】
算定基礎届とは?毎年見直される定時決定と算定基礎届の作成について解説

標準賞与額とは?

支給された1回の税引き前の賞与額から1,000円未満を切り捨てたもので、150万円を超えるときは150万円とします。

それでは、具体例で厚生年金保険料を計算してみましょう。

<厚生年金保険料の計算例>
4月〜6月の平均給与額:255,000円、賞与額:410,500円の従業員(厚生年金基金なし)の場合

  • 毎月の給与にかかる厚生年金保険料
    • ・厚生年金保険料額表によると、255,000円は17等級で標準報酬月額は26万円
    • ・厚生年金保険料=26万円×18.300%×1/2(労使折半)= 23,790円
  • 賞与にかかる厚生年金保険料
    • ・賞与410,500円(1,000円未満を切り捨て)→ 標準賞与額41万円
    • ・厚生年金保険料=41万円×18.300%×1/2(労使折半)= 37,515円

標準報酬月額、標準賞与額が高くなると厚生年金保険料が高額になりますが、将来の給付時には、年金などがその分多く支給される仕組みになっています。

まとめ

厚生年金保険制度の仕組みや厚生年金保険と国民年金との違い、厚生年金保険料の計算方法を抑えておくことは、将来の年金生活を考えていく上で役に立ちます。

実務として社会保険を取り扱っている人はもちろんのこと、厚生年金保険に加入している人は仕組みについて再確認しておくとよいでしょう。

現在、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により事業所の経営状況等に影響があり、一時的に厚生年金保険料等を納付することが困難な場合は、年金事務所に申請することにより、法令の要件を満たすことで、原則として1年以内の期間に限り猶予が認められる場合があります。詳しくは「日本年金機構 事業者の皆様へ」をご覧ください。

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