人事労務の基礎知識

離職票と退職証明書、退職時に会社が用意しなければならないのは?

最終更新日:2020/10/30

離職票退職証明書は、従業員が退職するときや離職者からの依頼があったときに会社が用意しなければならない書類です。手続きの中でそれぞれの書類がどのような手続きで必要なものなのか、書き方についても解説します。

離職票と退職証明書、退職時に会社が用意しなければならないのは?

目次

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従業員が退職したときの流れ

従業員が会社を退職する際に、会社側で行わなければならない手続きは、社会保険の資格喪失届の提出雇用保険の資格喪失届の提出、そして住民税の変更手続きです。

保険や税金の変更手続きについて詳しく知りたい方は「従業員が退職する際の手続きとは? 社会保険や税金など会社側でやること」をご参照ください。

従業員が退職した際に会社側で行う主な手続き

  • ・社会保険の資格喪失届の提出
  • ・雇用保険の資格喪失届の提出
  • ・住民税の変更手続き


退職者の転職先が決まっている場合は、上記の手続きで問題ないでしょう。しかし、退職者の転職先が決まっていない場合などは退職者から離職票や退職証明書の発行を求められることがあります。

具体的には、会社がハローワークに「離職届」を提出しなければならず、提出期限が決まっています。「離職届」と「退職証明書」は、退職する従業員に必要なものかどうかを確認し、退職後にスムーズに発行できるように事前に準備しておくことが大切です。

離職票とは

離職票は、退職した従業員が基本手当(失業給付)の受給申請をする際に、自身でハローワークに提出する書類です。 離職票と似た書類に「離職証明書」がありますが、こちらは、会社側がハローワークに提出する書類となります。離職証明書は3枚複写式になっており、そのうち1枚が、会社が退職者に渡す「離職票2」になります。
※(離職票には、1と2があります。)

離職票発行のために会社が行う手続き

会社によっては、退職した従業員全員に離職票を発行しているところもありますが、離職票が必要な場合のみハローワークに離職証明書を提出しても問題はありません。まずは、会社側が退職した従業員に離職票の発行が必要かどうかを聞いてみましょう。

実際に、退職にともない離職票が必要な場合は、会社で離職証明書を記入してハローワークに提出する必要があります。ハローワークに雇用保険被保険者資格喪失届と離職証明書を提出した際に発行されるのが、「雇用保険被保険者離職票-1(離職票1)」と離職証明書の複写になっている「雇用保険被保険者離職票-2(離職票2)」です。

ハローワークから2つの離職票を受け取ったら、対象となる退職者に2枚の離職票を送付するまでの間、会社は離職票を発行する手続きを行います。       

<離職票1と離職票2の役割>
・離職票-1は失業手当が支給される金融機関や口座番号を申請するためのもの
・離職票-2は離職理由や離職前の賃金状況を記載したもの

離職証明書の書き方

「雇用保険被保険者離職票-1」はハローワークで発行されるもので、会社で記入する必要があるのは、「雇用保険被保険者離職票-2」の複写元である離職証明書です。


離職証明書の左半分には、1年間の賃金の支払い状況を記載していきます。1年未満の場合は、該当する項目がなかったことを示すために斜線などを引きます。なお、賃金額のAとBは、それぞれAが月給、Bが日給です。賞与や退職金は賃金には含まれませんので、記入する際には注意が必要です。

また、雇用保険被保険者離職票-2で記載されている過去1年間の賃金などは、ハローワークが基本手当(失業給付金)を算出する際などに必要なものです。

離職票が必要な場合

退職した被保険者が失業を理由に給付金を申請する場合には、離職票が必要です。離職票発行のための離職証明書は、退職した従業員が被保険者資格を喪失した翌日から10日以内に提出する必要があります。離職票の有無を早めに確認し、従業員が退職したら早めにハローワークに提出して、離職票が本人に届くようにしておきましょう。

離職票と離職理由

離職証明書の右下の欄には、離職理由を記入する欄があります。会社は離職証明書を提出する際にこの欄を記入しなければなりません。離職理由が一身上の都合によるものなのか、倒産など会社の都合によるものなのかによって、基本手当(失業給付金)の給付のあり方が変わってきます。記入の際は、正直に記入するようにしてください。

退職証明書とは

退職証明書とは、会社が対象の従業員が退職したことを証明する書類です。ハローワークなどの公的機関に提出するものではなく、会社が従業員に対して発行する書類です。離職票とは異なり、公文書としては扱われないので注意が必要です。

退職証明書は退職者から希望があったときに

会社としては、必要がなければ離職票を発行する必要はありませんが、後々のトラブルを避けるために、退職者全員に発行しているケースも少なくありません。しかし、退職証明書まで有無を問わず発行しているというケースは多くはないのではないでしょうか。

退職証明書は公文書とは異なり必要なケースは限られていますので、基本的には退職者から希望があった場合に会社で発行するという姿勢で問題ありません。

退職証明書の書き方と様式

退職証明書

退職証明書は会社が退職者に発行する性質の書類なので、特に決まった様式はありません。ただし、業務の種類に地位、使用期間、賃金、退職理由については記載する必要がありますので、漏れなく記載するようにしましょう。(ただし、退職者から依頼された事項に限る。)

退職証明書が必要な場合

退職証明書が必要な場合としてあげられるのが、国民健康保険、国民年金の加入手続きを行うとき。また、転職先の企業によっては履歴書や職務経歴書の記載内容や退職理由を確認するために提出を求められた場合。ハローワークで、失業給付の手続きを行う際に離職票がない場合。通常は、退職の証明する離職票があれば手続きを行うことができますが、すぐに発行してもらえない場合は、代わりに退職証明書を提示することによって手続きを進めることができます。

<主に退職証明書が必要になるとき>
・国民健康保険の加入手続きを行うとき
・国民年金の加入手続きを行うとき
・転職先の企業から求められたとき
・ハローワークで、失業給付の手続きを行うとき

退職証明書の発行義務

退職証明書は、労働者が申請した場合に会社が発行することが義務付けられており、その発行義務は労働基準法22条で次のように定められています。

労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
引用:e-Govウェブサイト(総務省)

転職先の企業から退職証明書の提出を求められる理由

転職先の会社が雇用する従業員に対して退職理由や履歴書、職務経歴書などの記載内容を確認するために退職証明書の提出を求める場合があります。転職先の全ての会社が行うわけではありませんが、自社の退職者が退職証明書の申請を行った際には必ず応じなくてはいけません。

ただし、このように転職先の会社が退職証明書を求める場合は、時効が設けられています。退職から2年以上が経過している場合は、退職証明書発行の必要は会社側にはありません。

まとめ

離職票も退職証明書も、退職者の依頼を受けて会社側が発行・手続きをするものですが、その目的や必要性が異なります。従業員から問い合わせがあった場合に、どちらの書類が必要かを明確にしてから、発行の手続きを進めることが大切です。

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