人事労務の基礎知識

社会保険の加入条件・加入手続き方法・必要書類をまとめて解説

最終更新日:2021/05/25

監修 河島 桃世 特定社会保険労務士

社会保険の加入条件・加入手続き方法・必要書類をまとめて解説

2016年(平成28年)10月に法律が改正され、社会保険の加入対象が拡大しました。

この記事では、社会保険への加入対象の事業所や従業員、社会保険加入手続きの方法、新規適用届をはじめとする必要書類について2021年(令和3年)の最新情報をご説明します。

目次

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社会保険の概要と加入対象事業所について

社会保険とは、一定の条件を満たした事業所とその従業員が加入する公的保険のことです。国の社会保障制度の一環であるため、条件に該当する事業所とその従業員は、当人の意思に関わらず加入することが義務となっています。

社会保険は、広義には健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労働者災害補償保険の5つを指します。当記事では狭義の社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)のうち、健康保険と厚生年金保険に絞って解説します。

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会社設立時には社会保険加入が必須!準備すべき書類とその作成方法まとめ

社会保険の対象となる事業所とは

社会保険への加入が義務づけられている事業所の条件は、以下のとおりです。

【社会保険への加入義務がある事業所(強制適用事業所)】

  • 国、地方公共団体または法人の事業所
  • 一定の業種(※)であり常時5人以上を雇用する個人事業所
    ※一定の業種とは、製造業、土木建築業、鉱業、電気ガス事業、運送業、清掃業、物品販売業、金融保険業、保管賃貸業、媒介周旋業、集金案内広告工業、教育研究調査業、医療保険業、通信報道業など
詳しくは、厚生労働省のページを参照ください。

なお、上記以外の事業所であっても、従業員の半数以上が厚生年金保険等の適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けた場合、任意適用事業所として働いている人全員(被保険者から除外される人を除く)が社会保険に加入することになります(加入の有無を選ぶことはできません。)。

※任意適用申請の事業所の場合、健康保険のみ・厚生年金保険のみのどちらか一つの制度のみ加入することも可能です。

社会保険の対象となる従業員とは

2020年5月に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立しました。中でも注目されるのが社会保険の適用拡大です。これにより要件を満たすパートやアルバイトなど短時間労働者も、幅広く社会保険の被保険者となります。

各従業員が社会保険の加入対象となるかどうかは、以下の条件を確認する必要があります。適用拡大のスケジュールは、以下となります。

2016年10月〜 2022年10月〜 2024年10月〜
週20時間以上 週20時間以上 週20時間以上
月額賃金8.8万円以上
(年106万円以上)
月額賃金8.8万円以上
(年106万円以上)
月額賃金8.8万円以上
(年106万円以上)
雇用期間1年以上が見込まれる 雇用期間2カ月超が見込まれる 雇用期間2カ月超が見込まれる
学生は適用除外 学生は適用除外 学生は適用除外
従業員数501人以上の企業
(適用拡大前の基準で適用対象となる労働者の数で算定)
従業員数101人以上の企業 従業員数51人以上の企業

「企業規模要件の「従業員数」は、適用拡大前の通常の被保険者の人数を指し、それ以外の短時間労働者を含まない」などの補足事項は、厚生労働省のサイトをご覧ください。

※2017年(平成29年4月)からは、従業員500人以下の事業所でも、労使で合意があれば適用拡大対象として社会保険に加入できるようになっています。

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加入対象の従業員を未加入のまま放置してしまうとどうなる?

政府では、社会保険の適用拡大のほか、社会保険の未加入企業への加入指導等対策を講じています。加入指導に従わない場合は立入検査のうえ加入手続きを行いますが、最悪の場合、懲役または罰金等の罰則が科せられます。

社会保険に加入させるべき従業員を未加入のまま放置していると、罰則が科せられることがあります。自社に加入対象となる従業員がいないかどうか、こまめに確認をしておきましょう。

社会保険の加入に必要な書類と提出先について

最後に、社会保険の加入手続き方法や必要書類などについて解説します。

事業所が新規で社会保険の適用を受ける際には、強制適用事業所なら会社設立から5日以内に、任意適用事業所なら従業員の半数以上の同意を得た後に、以下の書類を日本年金機構へ提出する必要があります。

  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
  • 被保険者資格取得届
  • 被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)
  • 保険料口座振替納付(変更)申出書(*被保険者に扶養家族がいる場合)
加入手続きに必要な書類は、管轄の年金事務所で受取るか、または日本年金機構のホームページからダウンロードできます。

なお、事業所の形態に応じて、以下の添付書類が必要となりますので、ご注意ください。
  • 法人事業所の場合…法人の登記簿謄本(原本)
  • 事業主が国、地方公共団体、法人である場合…法人番号指定通知書等のコピー
    (法人番号指定通知書が手元にない場合は、国税庁の法人番号公表サイトの法人情報のコピーでも可)
  • 強制適用事業所に該当する個人事業所…事業主世帯全員の住民票(原本)、事業所の賃貸契約書のコピーなど
  • 任意適用事業所…任意適用申請書、従業員の任意適用同意書、事業主世帯全員の住民票(原本)、公租公課の領収証1年分
また、社会保険の手続きはオンラインでも行うことができます。大企業については、一部の手続きに関しては2020年(令和2年)4月よりオンラインでの電子申請が義務化されています。電子申請は、e-Govポータルからご利用ください。

【関連記事】
社会保険の電子申請義務化とは? 電子申請のやり方から対象法人まで簡単に解説

従業員を採用したときや、被保険者の扶養家族に増減があったとき

適用事業所が新しく従業員を採用した際は、採用日から5日以内に、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を日本年金機構へ提出する必要があります。

なお、短時間の従業員が被保険者となるときは、事業主は備考欄の該当項目を○で囲みましょう。

また、被保険者に被扶養者がいる場合や、追加・削除など変更があった場合は、「健康保険被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)」を事実発生から5日以内に日本年金機構へ提出しなければなりません。

その他、社会保険の加入に際して、共通する事項は以下のとおりです。

提出期限 加入条件の発生から5日以内(強制加入の場合)
提出先 事業所の実際の所在地を管轄する年金事務所
または
都道府県ごとの事務センター
提出方法 郵送・持参・電子申請など

まとめ

働きたい人が働きやすい環境を整えるとともに、短時間労働者について、年金等の保障を厚くする観点から、2016年、2017年、2022年、2024年と短時間従業員の適用条件が拡大されています。働き方の多様化に合わせて、今後も社会保険に関する法改正が起こる可能性がありますから、社会保険の各種手続きをする際は、最新の適用条件を確認するようにしましょう。

監修 河島 桃世 特定社会保険労務士

日本年金機構(旧:社会保険庁含む)に15年勤務後、社会保険労務士に。
「人事労務freee認定アドバイザー」社労士事務所。就業規則、労務問題の対応だけでなく、バックオフィス(クラウド給与計算、勤怠管理システムやテレワーク導入など)の効率化の為に積極的にIT導入支援を行っています。
行動指針でもある「私たちは”しません”5つのこと」を掲げている個性的な事務所です。

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加入義務の事実が発生してから5日以内に、該当従業員の健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届を提出する必要があります。被扶養者がいるときは、健康保険被扶養者(異動) 届・国民年金第3号被保険者にかかる届出書も作成します。

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