人事労務の基礎知識

労働保険とは?加入対象から加入方法、計算方法まで解説

最終更新日:2020/12/28

労働保険とは?加入対象からや加入方法、計算方法まで解説

労働保険とは、『労災保険(労働者災害補償保険)』と『雇用保険』を合わせた総称で、労働者の雇用や生活を守るために作られた国の制度です。労働保険に加入すると事業所ごとに番号が割り振られ、事業種類によって定められた保険料率に基づいて保険料を納めます。

この記事では、労働保険とは何か、労働保険への加入対象や加入方法、計算方法や特別加入制度などについて解説します。

目次

労働保険の手続きや保険料の計算がラクに

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労働保険とは

労災保険(労働者災害補償保険)と雇用保険を合わせて労働保険と呼んでいます。労働保険は労働者の生活と雇用を守るための国の制度です。

  • 労災保険(労働災害補償保険):労働災害によるケガや病気の治療費と収入を保証するもの
  • 雇用保険:育児や介護などによる休業や失業時の収入を保証するもの

労災保険の目的と加入対象

労災保険の目的は、業務上のケガや病気で働けなくなった労働者の生活を守り、療養費や収入を補償することです。労働者が死亡した際は、給付金により遺族の生活を支援します。

正社員やアルバイト、パートなどの労働条件を問わず、従業員を1人でも雇っている事業所は、原則として労災保険に加入しなければなりません。また、労災保険の保険料はすべて事業所が負担します。

しかし、農林水産の事業のうち常時 5 人以上の労働者を雇用する事業以外の事業の場合は「暫定任意適用事業所」に該当するので労災保険への加入は任意となります。

暫定任意適用事業所の条件については、厚生労働省の『適用事業の意義 雇用保険の適用事業』をご参照ください。

労災保険の特別加入制度

労災保険の加入対象者は従業員となりますが、事業主も労災保険に加入できる特別加入制度というものがあります。たとえば中小企業の事業主は、特別加入制度によって労災保険に加入することが可能です。

中小事業主にあたるのは、労働者数が50人以下の金融業や保険業、不動産業、小売業、労働者数が100人以下の卸売業とサービス業、労働者数が300人以下のそれ以外の業種の事業主です。

中小企業の定義に関しては、中小企業庁の『中小企業・小規模企業者の定義』でご確認ください。

なお労働者数のカウントの際には、通年雇用をしていない場合でも、年間100日以上雇用する労働者がいる場合は労働者数に加算します。

中小企業庁 - 中小企業・小規模企業者の定義 引用元:中小企業庁 - 中小企業・小規模企業者の定義

雇用保険の目的

雇用保険は、失業した場合や育児、介護などで休業した場合に、再就職支援や収入の減少に対する支援を行います。労働者への支援だけでなく、加入する事業所にも雇用を継続するための支援金などが支払われるのが特徴です。雇用保険料は、労働者と事業主が負担します。

雇用保険の加入対象

雇用保険に加入するのは、正社員など正規雇用者のほか、所定労働時間が週20時間以上で一定の条件を満たすパートやアルバイト、派遣社員などの非正規雇用の労働者です。日雇労働者や条件を満たす季節労働者なども対象になります。

平成29年1月1日以降、65歳以上の労働者も雇用保険が適用されるようになりました。また、令和2年4月1日からは、64歳以上の労働者からも雇用保険料が徴収されることになります。

参考:厚生労働省 - 令和2年4月1日から、すべての雇用保険被保険者について

雇用保険の加入対象にならない者

雇用保険の加入対象にならないのは、会社の代表者や取締役、自営業の個人事業主とその家族などです。会社と委任関係にある外交員なども加入することはできません。会社の取締役の場合、労働者として報酬を得ていることが明らかであれば雇用保険に加入することもできます。

労働保険の加入方法

労災保険加入に必要な書類と手続き

労災保険は管轄の労働基準監督署へ、以下の書類を提出します。

  • 労働保険保険関係設立届
  • 労働保険概算保険料申告書
  • 履歴事項全部証明書(写)1通

提出期限は、保険関係が設立した日の翌日から10日以内です。労働保険概算保険料申告書のみ、提出期限が保険関係が設立した日の翌日から50日以内になっていますが、通常はほかの書類と同時に提出し、50日以内に納付を行います。

労災保険関係の各種書類は、厚生労働省の『労働保険関係各種様式』からダウンロードしてください。

雇用保険加入に必要な書類と手続き

雇用保険は所轄の公共職業安定所(ハローワーク)に必要書類を提出します。

  • 雇用保険適用事業所設置届
  • 雇用保険被保険者資格取得届
  • 労働保険保険関係設立届(控)
  • 労働保険概算保険料申告書(控)
  • 履歴事項全部証明書 原本1通
  • 労働者名簿

雇用保険適用事業所設置届を提出して労働保険の加入手続きを行うと、事業所ごとに決められた事業所番号が交付されます。そして、雇用保険被保険者証がハローワークから交付されるので、こちらは雇用保険に加入した従業員本人に渡しましょう。

雇用保険被保険者資格取得届は、労働者1人につき1枚ずつ提出します。提出期限は、労災保険の書類と同様に、従業員を雇用した日の翌日より10日以内です。

各種書類は、ハローワークのホームページから印刷することが可能ですが、人事労務freeeを使用すると手軽に作成することができます。

雇用保険被保険者資格取得届

引用元:ハローワーク - 雇用保険被保険者資格取得届
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年度の途中で雇用が生じた場合

年度の途中で新たに人を雇い入れた場合は、その日から数えて50日以内に、保険関係が成立した日から年度末までの見込み賃金総額をもとにして概算保険料を算出して概算保険料申告書に記載し、所轄の労働基準監督署へ申告します。

反対に、年度の途中で保険関係を解消した場合は、その日から50日以内に所轄の労働基準監督署、もしくは都道府県労働局で確定申告を行います。確定保険料よりも概算保険料が多い場合は差額が還付されます。

労働保険料集計表・労働保険料申告書の様式の詳細については厚生労働省のページをご参照ください。

労働保険の計算方法

労働保険料は、毎年4月1日~翌年3月31日までの見込み賃金額をもとに計算します。計算には、業種ごとに決まっている労働保険料率を用いて、6月~7月に概算保険料を算定しなければなりません。

労災保険料の計算方法

労災保険料は、従業員に支払った賃金の総額に労災保険料率を乗じて計算します。労災保険料率は事業種別ごとに細かく分けられています。

労災保険料=労災保険対象従業員の賃金総額 × 労災保険料率

【事例】従業員20人、平均年収400万円の小売業の場合
・労災保険料率(保険料率98) = 3/1000
・賃金総額:400万円 × 20人 = 8,000万円
・労働保険料:8,000万円 × 3/1000 = 240,000円

詳しくは厚生労働省の労働保険料のページを参照してください。

雇用保険料の計算方法

雇用保険料率は事業の種類によって3つに分けられ、一般の事業、農林水産及び清酒製造事業、建設事業のいずれであるかによって保険料率が異なります。
雇用保険料は、労働者負担と事業主負担に分けられます。

雇用保険料=雇用保険対象従業員の賃金総額 × 雇用保険料率

【事例】賃金総額30万円の一般の事務に従事する労働者負担分の計算方法
・30万円 × 3/1000 = 900円

詳しくは厚生労働省の雇用保険料率についてを参照してください。

賃金の総額に含まれるもの

各保険料の計算式にある賃金の総額には、基本賃金などのほか、賞与や通勤手当・残業手当・扶養手当・住宅手当などの各種手当、休業手当や前払い退職金なども含まれます。
一方、賃金に含まれないのは、役員報酬や出張旅費、結婚祝金・災害見舞金などの一時金、退職金、休業補償費、傷病手当金などです。

賃金総額に含まれるもの ・基本給、固定給等基本賃金
・超過勤務手当・深夜手当・休日手当など
・扶養手当・子供手当・家族手当など
・宿、日直手当
・役職手当・管理職手当など
・地域手当
・住宅手当
・教育手当
・単身赴任手当
・技能手当
・特殊作業手当
・奨励手当
・物価手当
・調整手当
・定期券、回数券など
・賞与
・通勤手当
・休業手当
・前払い退職金
賃金総額に含まれないもの ・休業補償費
・退職金
・結婚祝金
・死亡弔慰金
・災害見舞金
・増資記念品代
・私傷病見舞金
・解雇予告手当
・年功慰労金
・出張旅費・宿泊費など
・制服
・会社が全額負担する生命保険の掛金

支払われた賃金と差が生じた場合

実際に支払われた賃金と差が生じた場合は年度終了後に清算し、納付額が多すぎる場合は翌年の保険料から差し引き、少なかった場合は追加で徴収されます。賃金が予定の2倍以上など大幅に増加した場合は、増加概算保険料の申告と保険料の納付を30日以内に行うことが必要です。   

保険料の申告と納付

まとめ

従業員を雇っている事業所は、労働保険に必ず加入しなければなりません。概算保険料に大きな変動があった場合、パートやアルバイト、派遣労働者などを新たに雇い入れたときは、手続きを忘れないようにしましょう。

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