人事労務の基礎知識

年末調整での扶養控除等申告書(記入例つき)

最終更新日:2021/02/15

年末調整での扶養控除等申告書(記入例つき)

扶養控除等の申告書は、給与所得者が「扶養控除」をはじめとする各種控除を受けるために、年末調整の際に提出する書類です。年に一度しか記入しないため「書き方がわからない」という方も多いのではないでしょうか。

書類に不備があると、本来受けられたはずの控除が適応されない可能性があります。本記事では、扶養控除等申請書とは何か、また実際の書き方について解説します。

目次

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扶養控除申告書とは

年末調整で必要となる書類の一つで、正式には「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」といいます。

給与の支払を受ける人(給与所得者)が、その給与について扶養控除などの諸控除を受けるために行う手続です。なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、個人住民税の「給与所得者の扶養親族申告書」と統合した様式となっています。

引用:国税庁「[手続名]給与所得者の扶養控除等の(異動)申告

給与所得者は扶養控除申告書を通じて、扶養している配偶者や親族がいることを勤務先に申し出ることで、各種控除を受けることができます。

扶養控除申告書を提出する人と提出時期

扶養控除申告書を勤務先に提出する人は、一般的には会社員や公務員などですが、パートやアルバイトを含む非正規の従業員も提出が可能です。
扶養控除申告書の提出時期としては、

  • 新しく就職した際には最初の給与が支払われる前までに
  • 継続して働いているのであれば前年度の年末調整の際に
扶養予定者などを記載して勤務先に提出します。会社は従業員から提出された扶養控除申告書を元にして毎月の給与から天引きで所得税の源泉徴収をしていきます。

扶養控除の対象範囲

配偶者控除と配偶者特別控除

扶養控除の対象範囲としては、配偶者と扶養親族になります。配偶者控除の要件に当てはまるのは、以下の条件です。

  1. 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
  2. 納税者と生計を一にしていること。
  3. 年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。
    (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
引用:国税庁「配偶者控除

配偶者は、年間の合計所得金額が、48万円以下である必要があります(令和元年分以前は38万円以下)。配偶者の所得が、48万円を超える場合には、配偶者特別控除の適用隣、年末調整で所得控除が行われます。

次に配偶者特別控除について、みていきましょう。配偶者控除の要件に当てはまるのは、以下の条件です。
  1. 控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。
  2. 配偶者が、次の要件全てに当てはまること。
    ・民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
    ・控除を受ける人と生計を一にしていること。
    ・その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
    ・年間の合計所得金額が48万円超133万円以下(平成30年分から令和元年分までは38万円を超え123万円以下、平成29年分までは38万円を超え76万円未満)であること。
  3. 配偶者が、配偶者特別控除を適用していないこと。
  4. 配偶者が、給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として、源泉徴収されていないこと(配偶者が年末調整や確定申告で配偶者特別控除の適用を受けなかった場合等を除きます。)
  5. 配偶者が、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として、源泉徴収されていないこと(配偶者が年末調整や確定申告で配偶者特別控除の適用を受けなかった場合等を除きます。)。
引用:国税庁「No.1195 配偶者特別控除

配偶者特別控除の場合は、記載書類の違いと所得の増加で段階的に控除額が減少していく点に注意が必要です。なお、配偶者控除の控除額は、最大で38万円となりますが、70歳以上になると最大で48万円(老人控除対象配偶者が適用)となります。

扶養親族

扶養親族とは、その年の12月31日で、次の要件の全てに当てはまる人となります。

  • 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人。
  • 納税者と生計を一にしている。
  • 年間の合計所得金額が38万円以下である。
  • (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないまたは白色申告者の事業専従者でない。
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扶養控除申告書の書き方

基本情報

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用紙最上部のブロックは、すべての従業員に該当する項目です。氏名や個人番号、住所などを記載し、(印)にはシャチハタではない印鑑で押印します。
なお、扶養対象の配偶者や親族がいない場合にはここから先の記入は必要ありません。

「A 控除対象配偶者」欄

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配偶者がいる場合には、下記、記載事項に関する配偶者の情報を記入します。

    【記載事項】

  • 氏名
  • 個人番号(マイナンバー)
  • 生年月日
  • 住所(同上でも可能)
  • 所得の見積額
  • ※パートなどに出ている場合、年収から65万円差し引いた額を記入します。たとえば103万円であれば38万円です。
  • 非居住者である親族

なお、配偶者の生年月日が昭和23年1月1日以前の場合は、老人控除対象配偶者または老人扶養親族の欄に〇を記入します。
配偶者控除の控除額は、通常38万円ですが、70歳以上だと48万円になります。

「B 控除対象扶養親族」欄

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満16歳以上の扶養親族がいる場合に、下記、記載事項に関する情報を記入します。

    【記載事項】

  • 氏名
  • 個人番号(マイナンバー)
  • 生年月日
  • 住所(同上でも可能)
  • 所得の見積額

一般的な扶養親族の控除額は38万円です。
また、扶養親族と同居している場合には、通常の38万円控除が58万円です。
18歳以上23歳未満の扶養親族がいる場合、控除額は63万円です。

C 障害者、寡婦・寡夫、勤労学生

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  • 障害者
  • 自分や配偶者、または扶養親族に該当があれば当てはまる箇所に記入をします。

  • 寡婦・寡夫
  • 寡婦は寡婦控除を受ける際に記載します。寡婦とは夫と死別または離婚後に再婚していない状態で扶養親族がいる。または夫と死別後(離婚ではない)再婚せずに合計所得が500万円以下の場合です。どちらかに当てはまれば該当します。
    特別の寡婦は夫と死別または離婚後に再婚していない、同一生計の子供がいる、合計所得が500万円以下の場合です。
    寡夫とは寡婦の男性版です。妻と死別または離婚後に再婚せず、同一生計の子供がいて、なおかつ合計所得金額が500万円以下の場合に寡夫控除が受けられます。

  • 勤労学生
  • 勤労学生は勤労学生控除の適用を受ける際に記載します。高校や大学、専門学校など学生本人がアルバイトなどをしている場合、一定条件はありますが27万円の勤労学生控除が受けられます。給与所得控除65万円、基礎控除38万円、勤労学生控除27万円で130万円以下の年収では所得税がかかりません。ただし、所得が38万円を超えてしまうことで親の扶養親族から外れてしまうので注意しましょう。

D 他の所得者が控除を受ける扶養親族等

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共働きで子供の扶養を配偶者にする場合に記入します。

16歳未満の扶養親族

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最後に住民税に関する事項があり、16歳未満の扶養親族がいる場合に記入します。

扶養控除申告書で注意すべきポイント

記入の際に注意すべき点は、扶養親族の有無を確認することです。その上で所得の見積をとります。特に配偶者のパート収入が103万円を超えて141万円未満の場合は、見積が実際と異なると、配偶者特別控除額も異なってしまう可能性があるのでご注意ください。
また子供の年齢により一般の扶養親族になるのか、特定の扶養親族になるのか、または住民税の控除だけとなるのか変わりますので、生年月日での確認を行なうようにしましょう。

まとめ

扶養控除申告書は、その年の給与から所得税を源泉徴収するために記入・提出される大切な書類です。もし提出されなければ、毎月の源泉徴収される所得税は乙欄の扱いとなり高くなります。
記入者と年末担当者間でのやりとりの往復が発生しないよう、扶養親族の有無など正確に書類に記載して提出しましょう。

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