人事労務の基礎知識

年末調整における社会保険料控除とは

最終更新日:2021/05/31

監修 河島 桃世 特定社会保険労務士

企業の人事労務担当者は、従業員から聞かれてもスムーズに答えられるように、年末調整に必要な書類の書き方について正しい知識を身につけておく必要があります。

今回は、社会保険料控除の基礎知識と給与所得者の保険料控除申告書の書き方について解説します。

年末調整における社会保険料控除とは

目次

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年末調整の社会保険料控除とは?

社会保険料控除とは、年金保険料や健康保険料など、1年間に支払った社会保険料のうち、給料から天引きされるもの以外のものを所得から控除する制度です。

社会保険料控除の対象となる社会保険料には、「健康保険」「国民健康保険」「厚生年金」「国民年金」「介護保険」「高齢者医療保険」などがあります。

自分だけでなく、配偶者や子供などの社会保険料を支払っている場合も、年末調整の際に社会保険料控除が適用されます。国民年金保険料や健康保険料を支払う際には、忘れずに申告しましょう。

社会保険料控除の対象

社会保険料控除の対象となる社会保険料は以下の通りです。

社会保険料控除は、次のようなものに該当し、年末調整や確定申告をする年(1月~12月)に実際に支払った金額、給与や公的年金から差し引かれた金額の全額となります。

  1. 健康保険、国民年金、厚生年金保険及び船員保険の保険料で被保険者として負担するもの
  2. 国民健康保険の保険料又は国民健康保険税
  3. 高齢者の医療の確保に関する法律の規定による保険料
  4. 介護保険法の規定による介護保険料
  5. 雇用保険の被保険者として負担する労働保険料
  6. 国民年金基金の加入員として負担する掛金
  7. 厚生年金基金の加入員として負担する掛金
  8. 国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、恩給法等の規定による掛金、納付金又は納金
  9. 労働者災害補償保険の特別加入者の規定により負担する保険料
  10. 地方公共団体の職員が条例の規定によって組織する互助会の行う職員の相互扶助に関する制度で、一定の要件を備えているものとして所轄税務署長の承認を受けた制度に基づきその職員が負担する掛金
  11. 独立行政法人農業者年金基金法の規定により被保険者として負担する農業者年金の保険料
  12. 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律の公庫等の復帰希望職員に関する経過措置の規定による掛金
  13. 健康保険法附則又は船員保険法附則の規定により被保険者が承認法人等に支払う負担金
  14. 租税条約の規定により、当該租税条約の相手国の社会保障制度に対して支払われるもの(我が国の社会保障制度に対して支払われる当該租税条約に規定する強制保険料と同様の方法並びに類似の条件及び制限に従って取り扱うこととされているものに限ります。)のうち一定額
参考・引用元:国税庁「社会保険料控除

年末調整の社会保険料控除の書き方

給与所得者の場合、通常は健康保険料や厚生年金保険料は給与から天引きされていますので、年末調整で社会保険料控除を計算して記入する必要はありません。

年末調整で記入が必要になるのは、転職して次の会社に入る前に自分で社会保険料を支払った場合や、20歳以上の国民年金に加入している家族等の国民年金保険料を支払った場合など、その年の給与から天引きされる以外の社会保険料を支払った場合は、年末調整の書類への記入が必要になります。

社会保険料控除の書き方

年末調整をする際には、「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記入し、担当者に提出します。書類右下に社会保険料控除の記入欄があります。

以下の内容を記入します。

社会保険の種類

健康保険、国民健康保険、厚生年金、国民年金、介護保険、高齢者医療保険などの社会保険の種類を記入します。

保険料支払先の名称

保険料を支払った機関・法人名を記入します。

保険料を負担することになっている人の氏名とあなたとの続柄

自分の氏名、家族の保険料がある場合は家族の氏名を記入します。

あなたが本年中に支払った保険料の金額

控除証明書に記載されている保険料の合計額を記入します。

合計(控除額)

あなたが本年中に支払った社会保険料(家族の保険料がある場合は家族の保険料)の合計金額を記入します。

社会保険料控除額の計算方法

社会保険料控除は、他の所得控除と異なり上限がありません。1年間に支払った社会保険料の全額が所得から控除されます。

例えば、令和2年度(令和2年4月~令和3年3月)、1カ月あたりの国民年金保険料16,540円を12ヶ月分支払った場合の社会保険料控除額は以下のようになります。

1ヶ月あたりの社会保険料 × 支払った期間 = 社会保険料控除額
16,540 × 12 = 198,480円

例えば、その年の8月(1日から30日)に前の会社を辞めて、同じ年の10月に再就職したとします。転職までの期間(次の会社に入る前の2ヶ月間)の国民年金保険を自分で支払った場合の控除額は以下のようになります。

1ヶ月あたりの社会保険料 × 支払った期間 = 社会保険料控除額
16,540 × 2 = 33,080円

上記の例では、転職して次の会社に入る前に国民年金保険料として支払った2ヶ月分の社会保険料(33,080円)を、転職先の社会保険料控除欄に記入することで、所得から差し引くことができます。

再就職が年を越した場合は注意が必要

再就職が年を越した場合は注意が必要です。例えば、その年の10月31日に前の会社を辞めて、翌年の1月に再就職したとします。転職までの期間(次の会社に入る前の2ヶ月間)の国民年金保険料を自分で支払った場合には、会社での年末調整が行われませんので自分で確定申告をする必要があります。

確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。期限内に確定申告をしないと、無申告加算税が発生する場合があるので注意が必要です。

求職期間中に国民年金保険料を支払っていた方は、保険料を支払ったことを証明する書類を添えて確定申告書を作成し、提出を忘れずにしましょう。確定申告をすることで、税金の還付を受けることができます。

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社会保険料控除に必要な添付書類

国民年金保険料や国民年金基金の掛金を支払った際には、社会保険料控除証明書の添付が必要です。(※毎年10・11月に日本年金機構や国民年金基金より送られてくる「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」で確認します。)

一方、国民健康保険料については特に書類を添付する必要はありませんが、口座振替で支払っている場合は、社会保険料控除を受ける人の口座を指定します。

確定申告用の添付書類台紙は国税庁ホームページの「添付書類台紙【令和2年分以降用】」からダウンロードして、ご使用ください。

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まとめ

社会保険料控除には上限がなく、実際に支払った金額の全額が控除の対象となります。年末調整の中でも最大級の控除ですので、忘れずに申告しましょう。

監修 河島 桃世 特定社会保険労務士

日本年金機構(旧:社会保険庁含む)に15年勤務後、社会保険労務士に。
「人事労務freee認定アドバイザー」社労士事務所。就業規則、労務問題の対応だけでなく、バックオフィス(クラウド給与計算、勤怠管理システムやテレワーク導入など)の効率化の為に積極的にIT導入支援を行っています。
行動指針でもある「私たちは”しません”5つのこと」を掲げている個性的な事務所です。

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