人事労務の基礎知識

社会保険料の納付方法および支払期限と、滞納した場合のリスク

最終更新日:2021/03/31

社会保険料の納付は、「保険料納入告知書」以外の便利な納付方法を選ぶことができます。また、社会保険料の納付期限や従業員の給与からの控除がいつから始まるのかを理解することで、資金計画を立てやすくなります。

今回は、具体的な例を交えてご紹介します。

社会保険料の納付方法および支払期限と、滞納した場合のリスク

目次

社会保険の手続きや保険料の計算がラクに

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選択可能な社会保険料の納付方法

社会保険料の納付は、各事業所が日本年金機構に納付することになっています。

具体的には、日本年金機構が毎月20日前後に「保険料納入告知書(画像1)」を各事業所に郵送しており、一般的には納付期日までに金融機関で納付することになります。なお、様式の1枚目には「領収済通知書」と記載されていますが、これは社会保険料の領収に関するお知らせを意味するものではないことに注意してください。

領収済通知書
引用元:日本年金機構

金融機関の窓口でのお支払いに加え、以下のようなお支払い方法がありますので、各事業所の都合にあわせて選択が可能です。

指定口座からの振替により納付する方法

月々の支払い手続きを簡略化したい方には、毎月の保険料を金融機関のご指定口座から自動振替することをお勧めします。これは、払い忘れを防ぐための有効な納付手段です。

社会保険料の納付を口座振替で希望する場合は、年金事務所に「健康保険厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書」をします。この所定様式には、口座振替を利用したい金融機関の確認印が必要となります。記入が済んだ所定様式を持って金融機関の窓口で申請しましょう。

所定様式は、日本年金機構「健康保険厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書」より入手が可能です。

電子納付「Pay-easy」(ペイジー)を利用して納付する方法

社会保険料をより便利に納付をしたいという方には、電子納付が有効な手段のひとつです。電子納付には4つの方法があります。

1. インターネットバンキングを利用して納付する方法

インターネット経由で納付を完了することができるインターネットバンキングを利用します。インターネットバンキングは銀行の窓口やATMへ行くことなく、営業時間を気にすることもなく、自宅や外出先で払込を行うことができます。

2. 携帯電話による「モバイルバンキング」

携帯電話を使ったインターネットバンキングであるモバイルバンキングを利用して、納付を行うことができます。モバイルバンキングは、携帯電話を利用するため、通常のインターネットバンキングより、さらにコンパクトに、いつでもどこでも払込をすることが可能です。

3. 電話の音声案内に従って納付手続きをおこなう「テレフォンバンキング(テレホンバンキング)」

多くの金融機関では、インターネットバンキングを利用している場合に、テレフォンバンキングを利用して納付を行うことが可能です。専門の銀行スタッフが電話で直接対応してくれるので、パソコンや携帯電話の操作が苦手な方にもお勧めです。

4. 「Pay-easy」の表示があるATMでの納付手続き

金融機関で「Pay-easy(ペイジー)マークの表示」がある)ATMを利用して、納付を行うことができます。ATM画面の指示に従い、「収納機関番号」、「お客さま番号(または納付番号)」、「確認番号」等を入力し、キャッシュカードや金融機関の現金で支払うことができます。

電子納付を利用して納付をする場合、事前に金融機関との所定の契約を結んでいることが前提になります。事前契約手続きの詳細は、取引を希望する金融機関に確認しておきましょう。また、電子納付では領収証の発行がされません。領収証が必要な場合は、金融機関の窓口で納付してください。

参考・引用元:日本マルチペイメントネットワーク推進協議会「ペイジー

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社会保険の電子申請義務化

令和2年4月、特定の法人に企業の行政手続きにかかるコストを削減する取り組みとして、電子申請の利用が義務化されました。特定の法人が社会保険・労働保険の申告等を行う際には、必ず電子申請で行うことになりました。

特定の法人とは、以下の法人を指します。

  • 資本金、出資金又は銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の額が1億円を超える法人
  • 相互会社(保険業法)
  • 投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律)
  • 特定目的会社(資産の流動化に関する法律)
電子申告の義務化の対象とされている法人の申告書には、以下のように印刷されています。

労働保険 概算・増加概算・確定保険料申告書の電子申請対象のとなる法人の印事例

事業年度の開始日に応じて電子申請が義務化される法人

事業年度開始日 令和2年4月1日~5月31日 令和2年6月1日~7月10日
電子申請義務化 対象 事業年度開始日以降に年度更新を行う場合は対象

参考・引用元:厚生労働省「労働保険関係手続における電子申請義務化

社会保険料の納付期限と徴収月に関する考え方

基本的な納付期限の考え方

社会保険料の納付期限は、翌月末日(土・日・祝祭日の場合は、金融機関の翌営業日)です。翌月の20日前後に「保険料納入告知書」が送付され、その月の末日が納付期限となります。

例えば、7月分の社会保険料は、その月の被保険者の適用状況や標準報酬月額の動きなどから、8月10日頃に確定され、8月20日頃に「保険料納入告知書」が送付され、8月31日が納付期限となります。

社会保険料の納付期限の考え方
「保険料納入告知書」は、日本年金機構の機械処理の都合上、枚綴りになっていますので、1枚ずつ切り離さずに納付手続きを行ってください。

社会保険料の徴収月に関する考え方の整理

各事業所の給与担当者は、社会保険料がいつの給与から控除開始されるのかという基本的な考え方を整理しておくことをお勧めします。社会保険料には日割り計算が適用されないこと、社会保険料の控除は原則として翌月支給の給与から行われることを理解しておきましょう。

対象となる従業員の入社日や給与データの締め日、給与の支給日によってはわかりにくい場合も想定されますので、具体例を見て理解を深めましょう。

具体例1:入社日が月末であった場合の社会保険料

例えば、従業員の入社日が4月30日の場合、その従業員の社会保険料は4月から発生します。これは、対象となる従業員が4月に1日しか会社にいなかったとしても、社会保険料の計算上は「1か月」とみなされるためです。

入社日が月末であった場合の社会保険料の考え方

具体例2:社会保険料控除開始月に関する具体例

7月10日付で入社した従業員がいて、給与データは毎月15日に締めて、毎月20日に給与を支払うとします。その従業員の社会保険料は7月分から発生し、翌月の8月20日に支給される給与から控除が開始されます。

つまり、最初に支払う7月20日の給与からは社会保険料の控除はされません。
※会社によっては、「当月の給与から控除する」という社内規定がある会社もあります。

社会保険料控除開始月の考え方

社会保険料を滞納した場合のリスクと対応策

社会保険料を納付期限までに支払わないと、延滞金が課される場合があります。また、年金事務所に支払いの意思表示をしないでいると、最終的に財産の調査および差し押さえをされる可能性もありますので、注意が必要です。

基本的には、社会保険料の支払いが期日までに完了できないことが予想される場合は、早めに管轄の年金事務所を訪れ、納付計画を立てることをお勧めします。

社会保険料を納付期限までに納付せずに放置していると、納付期限後1週間程度で督促状が郵送されてきます。督促状に記載された指定期限までに納付がされない場合は、本来の納付期限の翌日から完納された日までの日数に応じて延滞金が発生します。

また、年金事務所に対して何の対応もしなければ、督促状が届いた日から10日後を目途として、財産調査が開始される可能性があります。

財産調査とは、社会保険料の支払いに充当する資金を確保できるような、現金化できる資産があるかどうかを調べることです。現金、預金、有価証券、売掛金や不動産などが対象となります。

まとめ

社会保険料を滞りなく支払うためには、事前に十分な準備をしておくことが大切です。また、支払いが遅れそうな場合には、事前に年金事務所に相談することで延滞金のリスクを回避することができる場合もありますので、早めの準備と対応を心がけましょう。

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入社時の資格取得届の作成が可能

加入義務の事実が発生してから5日以内に、該当従業員の健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届を提出する必要があります。被扶養者がいるときは、健康保険被扶養者(異動) 届・国民年金第3号被保険者にかかる届出書も作成します。

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