人事労務の基礎知識

社会保険料の納付方法および支払期限と、滞納した場合のリスク

社会保険料の納付は、「保険料納入告知書」による納付以外にも、便利な納付方法を選ぶことができます。また、社会保険料の納付期限や、従業員の給与からの控除が開始される時期について理解しておくことで、資金計画も立てやすくなるものです。以下、具体例を交えながら紹介していきます。



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選択可能な社会保険料の納付方法

社会保険料は、各事業所より日本年金機構に対して納付することとなっています。具体的には、毎月20日ごろを目途として、日本年金機構から各事業所へ「保険料納入告知書(画像1)」が郵送されますので、納付期限までに金融機関で納めるのが一般的です。ちなみに、様式の1枚目には「領収済通知書」と表記されていますが、これは、社会保険料の領収に関するお知らせを意味するものではない点に留意しておきましょう。

引用元:日本年金機構

また、納付方法については、金融機関の窓口以外にも以下の方法がありますので、各事業所の都合にあわせて選択が可能です。

指定口座からの振替により納付する方法

毎月の支払い手続きを簡略化させたいのであれば、金融機関の指定預金口座より、月々の社会保険料を自動振替するのがおすすめです。納め忘れを防止するためにも有効な納付手段となります。

口座振替による社会保険料の納付を希望するときは、所定の様式「健康保険厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書」の提出が必要です。なお、年金事務所の担当窓口へ指定様式を提出する前に、口座振替に利用したい金融機関の窓口にて、記入済みの指定様式に確認印をもらわなければなりません。
※所定様式は、日本年金機構のページより入手可能です。

電子納付「Pay-easy」(ペイジー)を利用して納付する方法

もっと便利に社会保険料の納付をしたいという方にとっては、電子納付も有効な選択肢のひとつです。ここでいう電子納付による方法としては、以下4つの手段が挙げられます。

  1. インターネット経由で納付を完了することができる「インターネットバンキング」
  2. 携帯電話による「モバイルバンキング」
  3. 電話の音声案内に従って納付手続きをおこなう「テレフォンバンキング」
  4. 「Pay-easy」の表示があるATMでの納付手続き
電子納付を選択する場合には、事前に金融機関との所定の契約締結が前提となります。事前契約手続きの詳細は、取引を希望する金融機関の窓口で確認しておきましょう。また、電子納付では領収証が発行されません。領収証が必要な場合は、金融機関の窓口で納付してください。

社会保険料の納付期限と徴収月に関する考え方

基本的な納付期限の考え方

社会保険料の納付期限は、翌月の末日(土・日・祝祭日に当たる場合は、金融機関の翌営業日)です。翌月の20日頃に「保険料納入告知書」が送付され、その月の末日が納付期限となっています。

例えば、7月分の社会保険料は、その月の被保険者の適用状況や標準報酬月額の動きなどを基に8月10日頃に確定され、8月20日頃に「保険料納入告知書」が送付、8月31日が納付期限となります。

なお、「保険料納入告知書」は、日本年金機構での機械処理の都合により3枚綴りとなっていますので、各々を切り離すことなく納付の手続きを行います。

社会保険料の徴収月に関する考え方の整理

各事業所の給与担当者は、社会保険料がいつの給与から控除開始されるのか、基本的な考え方を整理しておくことをおすすめします。社会保険料に日割り計算が適用されない点や、社会保険料の控除は原則として翌月に支給される給与から控除される点を理解しておくことが重要です。対象となる従業員の入社日や給与データの締め日、給与支給日によって分かりづらい場合も想定されますので、具体例で見ていきましょう。

<具体例1>入社日が月末であった場合の社会保険料
たとえば、入社日が4月30日であった場合、その従業員の社会保険料は、4月分から発生します。なぜなら、対象となる従業員の4月中の在籍期間は1日のみであっても、社会保険料の計算上は「1か月」とみなされるからです。

<具体例2>社会保険料控除開始月に関する具体例
給与データの締め日が毎月15日、給与支給日が毎月20日の会社に、7月10日付で入社した従業員がいたと仮定します。その従業員の社会保険料は7月分より発生し、翌月の8月20日に支給される給与から控除が開始されることとなります。つまり、7月20日に支給される初回給与からは社会保険料の控除はされない点がポイントです。(※社内規程により、「当月の給与から控除」としている事業所もあります。)

社会保険料を滞納した場合のリスクと対応策

納付期限までに社会保険料を納めることができなかった場合には、延滞金が課される可能性があるため、注意が必要です。また、年金事務所に対して支払いの意思表示を怠ると、最終的には所有財産の調査および差し押さえがなされる可能性があるため、慎重な対応が求められます。

基本的には、納付期限までに社会保険料の支払いを完了できないと予想される場合は、早めに管轄の年金事務所に赴き、納付計画を立てることをおすすめします。

納付期限までに社会保険料の支払いをせず、その状況を放置しておくと、納付期限後1週間程度を目途として、郵送により督促状が手元に届きます。その督促状に記載されている指定期限までに支払いができなければ、本来の納付期限の翌日から完納した日までの日数に応じて延滞金が課される仕組みです。

さらに、年金事務所に対して何の対応もしなければ、督促状を受け取った日から10日後を目途として、財産調査が開始される可能性があります。

財産調査は、社会保険料の支払いに充当する資金を確保できるような、現金化できる資産の有無を判定するものです。財産調査の結果、差し押さえの対象となるものの具体例としては、現金や預金、有価証券のほか、売掛金や不動産が挙げられます。

まとめ

社会保険料の納付を期限内に確実に行えるよう、あらかじめ十分な準備をしておくことが大切です。もし、支払いが遅れそうな場合には、事前に年金事務所に相談することで、延滞金等の負担リスクを回避することができる場合もありますので、早めの準備・行動を心がけましょう。

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