人事労務の基礎知識

組織図とは?作成する5つのメリットと具体的な作り方を解説

公開日:2021/05/24

組織図とは?作成する5つのメリットと具体的な作り方を解説

「組織図の作成を任されたが、作り方がわからない」「そもそも何のために組織図が必要なのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

組織図は、社内の指揮・命令系統の明確化や、権限の適切な分配、また従業員同士の相互理解やコミュニケーションの活性化に役立てることができます。

本記事では、組織図とは何かという基礎情報から、作成するメリット・具体的な作成方法について解説します。これから組織図の作成を担当する方は、ぜひ参考にしてください。

目次

組織図とは?

組織図とは?

組織図(英訳:Organization chart)とは、企業をはじめとする組織の内部構造を可視化したものです。部署や部門同士の相互関係や、指揮・命令系統がひと目でわかるように構成されており、なかには各部署や部門に所属する従業員の氏名や連絡先・顔写真といったパーソナルな情報が含まれることもあります。

組織図には、組織の「外部」に向けて作られるものと、「内部」に向けて作られるものに大別されます。前者は、主に会社の関係者(株主や取引先・投資先)に会社の骨組みを示すために用いられ、後者は自社の従業員に組織内での立ち位置を認識させるため、また組織構成を最適化させるために用いられます。

組織図を作成する5つのメリット

組織図を作成する目的は企業・組織によってさまざまです。まずは、組織図を作成することでどのようなメリットを得られるのかを理解しましょう。

①指揮・命令系統を明確にできる

組織図を作成する最大のメリットは、組織内の指揮・命令系統を明確にできることです。

企業において、誰の指示を仰ぎ、誰に指示を出すのかが明確でなければ、業務に大きな支障をきたします。たとえば、特定の部門において新たな施策を始めようと思っても、予算の承認や施策の実行を誰が判断するのかが不明確であれば、施策を円滑に進めることができません。

組織図を作成することで指揮命令系統がひと目で分かるようになるだけでなく、現場が混乱することを防ぎ、スピード感を持って意思決定をしていくためにも組織図の作成が求められます。

②集中しすぎた権限の適切な分配ができる

二つ目のメリットが、組織における権限の最適な分配ができるようになることです。

中小・ベンチャー企業に多くあるのが、経営者(もしくは、一部の経営層)に権限が集中しすぎてしまう、いわゆる「ワンマン経営」という状態です。会社の規模が小さければ、「ワンマン経営」でも大きな問題はそうそう発生しませんが、会社が拡大フェーズに入って社員数が増えると、一人ですべての業務に対応することは難しくなります。

そうなった場合、経営者一人で行っていた施策の実行の可否や予算の承認などについて、適切な人材を各所に配置し、権限を分散しなくてはなりません。ここで組織図が役立ちます。社内の組織編成を可視化することで、権限がどこに集中しているのか、またどのような人材を配置するのが適切なのか明確にできるでしょう。

③従業員同士の相互理解を深めることができる

従業員数が数百人〜数千人を超えるような大企業では、従業員同士の相互理解やコミュニケーションの活性化のために組織図が役立ちます。

組織図には、部署やグループだけでなく、組織に所属するメンバーの氏名や顔写真・連絡先といった情報が合わせて掲載される場合があります。多くの従業員を抱える企業では、社員の顔と名前が一致しない、名前は知っているが普段どのような業務をしているか分からないといったことが往々にして発生します。

このような時に組織図があれば、「営業課の○○さん」「△△のプロジェクトを担当している□□さん」といったようにお互いがお互いを知ることができ、会話を始めるきっかけにもなるでしょう。

企業にとっても社内コミュニケーションが活性化することによる従業員満足度の向上や離職率の低下、また部署や部門をまたいだ情報共有を通じた問題の早期発見などさまざまな効果を期待できます。

④社員が組織内での立ち位置を認識できる

新入社員や転職者にとって、それぞれの部署や部門が社内で担う役割や部署・部門内での自分の立ち位置をすぐに理解するのは非常に難しいことです。

入社時に組織図を見ておくことで、他部署や部門との関係性や与えられた役職について理解を深める手助けになるでしょう。

⑤株主や投資家に会社の健全性をアピールできる

上述した「外部向けに作る組織図」のメリットとして「株主や投資先に会社の健全性をアピールできる」ことが挙げられます。

そのため、一部の上場企業ではコーポレートサイト等で組織図を掲載しています。

たとえば、監査役・監査等委員会を設置していることを組織図にしっかりと明記すれば、社内の不正に関してチェック機能を有していることをアピールでできるでしょう。

組織の構成・種類

つづいて、作図する上で知っておかなければならない組織構成について解説します。

組織図には大きく分けて「階層型組織図」「マトリックス型組織図」「フラット型組織図」の3つがありますが、そのうちのどの組織図を作成するかは、当然現在の組織がどの形態を取っているかに依ります。たとえば

ただし、組織図の作成に伴って組織編成そのものを見直す場合には、事前にそれぞれの組織構造の利点や欠点、特徴を理解しておくことが大切です。

階層型組織図

階層型組織図

階層型組織図とは、最も一般的な組織図の種類で、一つの組織・グループを頂点に置き、その下に各組織・グループを配置するように構成されます。通常、トップには取締役会や株主総会・代表取締役などが置かれ、その配下に位置する営業やマーケティング・人事など各部門の責任者にトップダウンで指揮・命令が行われます。

基本的に指揮命令系統が一つ(縦割り)のため、責任の所在が明確になりやすい反面、階層が増えると情報伝達に時間がかかってしまったり、現場レベルの意見が上層部に伝わりにくかったりします。

マトリックス型組織図

マトリックス型組織図

マトリックス型組織図とは、職能・部門・エリア・プロダクトなど複数の要素を組み合わせた組織図を指します。たとえば、プロダクトごとに営業担当やマーケティング担当が異なる場合などであれば、マトリックス型の組織図が採用されることが望ましいでしょう。

仮に縦軸に部門、横軸にプロダクトを配置した場合、特定の個人・グループは2つの系列に属することになります。(Aプロダクト担当の営業、Cプロダクト担当のマーケティングなど)

職能や部門などを超えてプロジェクトを進行するので、新たな発想が生まれやすい・従業員同士のコミュニケーション促進に繋がるというメリットがあります。ただし、指揮命令系用が複数に及ぶので、責任の所在が不明確になりやすい点に注意が必要です。

フラット型組織図

フラット型組織図

フラット型組織図は、上下に多くの階層を持たない組織図のことを指します。多くの階層を持つピラミッド型の階層型組織(図)と対比する形で、フラット型組織(図)と呼ばれます。

上層部から現場レベルまでの階層が少ないため、迅速で性格な意思決定・情報伝達を可能にしますが、マネージャー層の人数も少なくなるため、一人あたりの責任の範囲が広くなり、負担も重くなるのが欠点です。

組織図の作り方

ここからは実際に組織図を作る方法についてステップごとに解説します。組織図を作成するためには、目的や対象範囲の定義から始まり、関係各所への情報収集など非常に時間がかかります。

組織図自体を作成すること自体はそう難しくありませんが、作成の目的に沿ったものにするためには綿密な計画が必要です。

STEP1:目的と対象範囲を定義する

まずは組織図を作成する目的と掲載する対象を定義しましょう。社内向けか社外向けか。記載する対象は自社のみかグループ会社も含めるか、部署・部門単位なのか個人単位かなど、STEP1で定義した目的に応じて、最適な対象を決定していきます。

STEP2:必要な情報を収集する

つづいて、組織図の作成に必要な情報を収集します。従業員の個人情報を含める場合には、メールリンクや写真・連絡先情報などを集める必要があります。すでに従業員リストがある場合にはそれらも活用すると良いでしょう。また、外部顧問などの情報を掲載する場合には、トラブルを防ぐために、事前に個人情報の取り扱いに関する同意を得ることをおすすめします。

指揮命令系統を明確にするために組織図を作成するのであれば、人事や総務担当者だけでなく経営層など上層部との意見交換の場が必要になるケースもあります。

STEP3:作図に使用するツールと表示方法を決定する

作図ツールは無料のソフトを含めて多数あります。ExcelやGoogleスプレッドシート・PowerPoint等を活用して、簡易的な組織図を作成することも可能ですが、機能や表示方法には一部制限があります。

STEP4:継続的に更新する仕組みを作る

退職や異動、組織やグループの統廃合など組織図に掲載する情報は日々変化するため、継続的に更新していく仕組みが欠かせません。

常に最新の状態に保つために、「誰が・どのタイミング・どのような変更を加えるか」を明確にしましょう。また、共同編集やクラウド上でいつでも変更ができるツールを活用することで、必要な時に素早く更新することが可能になります。

人事労務freeeでは組織図を無料で作成することができます

人事労務freeeは、税金や社会保険の知識がなくても簡単に扱うことができる給与計算ソフトですが、組織図の作成にも対応しています(組織図の作成機能は無料です)。

誰でも簡単! 自動で組織図を作成

誰でも簡単! 自動で組織図を作成

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入退社情報と連携し、常に最新の状態を保てる

人事労務freeeでは、従業員の入退社情報に関して、オンライン上で管理が可能です。これらの情報と連携することで、組織図を常に最新の状態に保つことができます。

まとめ

本記事では、組織図の基礎知識からメリット・具体的な作り方について解説しました。

組織図は、組織の内部向け・外部向けに作られるものがあり、それぞれ指揮命令系統の明確化・社内コミュニケーションの促進、株主や投資家に対する組織の健全性のアピールといった役割を持っています。

組織図を作成するためには、何のために作るのかといった目的をしっかりと定義し、その上で必要な情報を集めていきましょう。また作図ツールはを選ぶ際には、意図した表示方法ができるのか、継続して更新するのに不都合はないかなどを見極めることが大切です。

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