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給与所得等にかかる復興特別所得税とは?その計算方法と納付方法

最終更新日:2021/01/04

給与所得等にかかる復興特別所得税とは?その計算方法と納付方法

法人税や所得税など、以前から存在する税金と比較すると、意外とその詳細について知られていないのが「復興特別所得税」です。

復興特別所得税に関して、給与担当者や給与所得を得ている人が知っておきたい基本事項をまとめて紹介します。

目次

所得税・住民税の計算がラクに

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復興特別所得税の定義とその導入背景

復興特別所得税とは

復興特別所得税とは、所得税の納税義務のある個人が、給与所得や退職所得等を(正確には、そこに係る基準所得税額を)対象として課される税金です。         

恒久的な課税ではなく、課税対象期間が限定されており、具体的には2013年1月1日より2037年12月31日までの期間に得た所得に対して課されます。つまり、最長で25年間、復興特別所得税を負担し続ける給与所得者等が存在することになります。

そして復興特別所得税は、所得税と同様に源泉徴収義務がありますので、雇用主などの源泉徴収義務者は所得税同様に把握しておかなければなりません。

なお復興特別所得税が源泉徴収される所得の種類は、所得税法の規定により源泉徴収の対象となる所得と同一です。具体的には、「給与等」のほか、「退職手当等」や「利子等及び配当等」、「公的年金等」や「報酬・料金等」などが対象の所得となります。

さらに、租税特別措置法の規定に基づいて所得税が源泉徴収される所得も、復興特別所得税の源泉徴収の対象となる点に留意しておかなければなりません。その一例として、特定口座内に保管されている上場株式の譲渡によって得られる所得が挙げられます。

復興特別所得税が存在する背景

復興特別所得税が導入されたきっかけは、2011年3月11日の東日本大震災による被災地復興のための財源確保を目的とした特別措置法の制定となります。本法は、2011年12月2日に公布、2013年1月1日より施行されました。

この法律に基づき、所得税及び租税特別措置法の源泉徴収義務者に関しては、通常の源泉所得税と合わせて復興特別所得税を納付する義務を負っています。なお、租税条約の規定によって、租税特別措置法または所得税法に規定している税率以下の税率(限度税率)が適用される場合に限り、復興特別所得税の負担は不要です。

復興特別所得税の税率・計算方法及び納付方法

復興特別所得税と所得税の税額と計算方法

復興特別所得税の税額は、源泉徴収の対象となる所得税額の2.1%相当とされています。そのため、概算で把握したい場合は素直に所得税額×0.021を計算すれば良いでしょう(1円未満切り捨て)。

なお、国税庁から所得税と復興特別所得税の合計税率も発表されていますので、それを使って計算しようとされる方もいるかもしれませんが、実は合計税率を使った計算式はかえって複雑になるので注意が必要です。

<合計税率の計算式>

所得税と復興特別所得税の合計税率(%)= 所得税率(%)×102.1%
例えば、国税庁が発表している下記の所得税率表によれば、所得税率が5%の場合の合計税率は、5.105%となります。なお、実際に上記の計算式に各数値をあてはめて計算しても、同様の合計税率を算出できることが検証できます。

引用元:国税庁

それというのも、日本の所得税は超過累進税率となっているため、

・1,000円 から 1,949,000円の部分には5%を掛ける
・1,950,000円 から 3,299,000円までの部分には10%を掛ける
・3,300,000円 から 6,949,000円までの部分には20%を掛ける

というふうに、所得の段階に応じて掛ける税率が変わり、それぞれの掛け合わせた結果を合算した金額が税額となるのですが、この計算方法では煩雑のため、以下の速算表のように所得に税率をかけて控除額を差し引く計算の仕方が国税庁からも推奨されています。

所得税の速算法
引用元:国税庁 所得税の税率
(※課税される所得金額は、千円未満の端数金額を切り捨てて計算されます。)

しかし、合計税率を使う計算は、この速算表を使えず、所得を税率ごとに分解して計算し、合算するしかないため、計算が煩雑になってしまうのです。

それであれば、速算表を使って求めた税額に1.021を掛けて、復興特別所得税と所得税の合算額を求めると良いでしょう。その税額が、源泉徴収税額にもなります。

納付方法と納付期限

各事業主は、源泉徴収した所得税と復興特別所得税の合計額を、指定の納付期限までに、所轄の税務署窓口か最寄りの金融機関窓口にて納付しなければなりません。

なお、納付期限は、一般的には給与等を支払った日の翌月10日までとされています。ただし、納付期限の特例を受けている事業主は、半年分をまとめて納付することが可能です。すなわち、1月から6月分を7月10日までに納付、7月から12月分を翌年の1月20日までに納付することになります。

なお、源泉所得税の納付時に使用する様式(納付書)は、「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」1枚のみとなります。指定様式は、所轄の税務署窓口にて入手することが可能です。国税庁のページにて、様式と記載方法を確認することもできます。

源泉徴収税額の具体例

源泉徴収義務者である事業主は、上記の方法に沿って、源泉徴収すべき所得税と復興特別所得税について算出しなければなりません。

そこで、実務からは少し離れますが、どれくらいの源泉徴収税額を納めるものなのか、具体的な事例に基づき、説明していきましょう。なお、もし源泉徴収すべき税額が1円未満の端数となった場合には、端数は切り捨てます。

源泉徴収税額の計算の具体例1

まずは給与所得者の源泉徴収税額の計算です。先ほどお伝えした通り、所得税の計算に注意してください。

<設定要件>
会社に勤務する従業員Aの課税所得額:600万円
所得税率:20%(速算表による控除額42万7500円)

※注:従業員Aの「課税所得額」とは、会社から支払われる給与等の所得から、保険料などの給与控除項目を差引した金額を意味します。

<ステップ1>
所得税額の計算

(課税所得金額600万円×所得税率20%)-42万7500円=77万2500円
<ステップ2>
復興特別所得税を含めた源泉徴収税額の算出
従業員Aの所得税額77万2500円×1.021=78万8722円

源泉徴収税額の計算の具体例2

続いて、業務委託を依頼した外部の方へ支払う報酬の源泉徴収税額の計算です。給与所得者の場合と異なり、本人が確定申告をするので、制度上も所得税を全額源泉徴収するようにできていません(相手の総所得金額の目安が立たないからです)。

そのため、業務委託を依頼している方への報酬の源泉徴収税額は、以下のように計算されます。

<設定要件>
会社より、創業記念の機関紙向け原稿料として、
著名な作家Bが得られる課税所得額:110万円
所得税率:100万円までは10%、100万円超の分は20%

<ステップ1>
それぞれの所得税と復興特別所得税の合計税率の計算

所得税率10%×102.1%=10.21%、所得税率20%×102.1%=20.42%
<ステップ2>
会社が源泉徴収すべき所得税と復興特別所得税の算出
(100万円×10.21%)+(10万円×20.42%)=102,100円+20,420円=122,520円

給与・賞与に対する源泉徴収税額計算の実務

先ほどの例では、分かりやすくするために年収を元にした例をお届けしました。しかし、実際の給与所得者は毎月の月給(もしくは日給)を受け取っており、源泉徴収税額の納付も原則毎月行われるため、月々の給与を元に計算しなければなりません。

しかし、月給から想定年収を算出してという方法は取られず、国税庁が用意してくれている「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」、もしくは「給与所得の源泉徴収税額表(日額表)」を用いて計算されます。
給与所得者の扶養控除等申告書

甲欄と乙欄がありますが、扶養家族はいる社員の方で、「給与所得者の扶養控除等申告書」を会社に提出済みの方は甲欄、そうでない方は乙欄を参照します。(2か所以上から給与を受け取っている人も乙欄)

また、賞与を支給する際の源泉徴収税額の計算には、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を用います。月給と同じ表は使えないので注意してください。

まとめ

復興特別所得税は、2037年12月31日までに支払われる給与等の所得に課される税金となります。

給与担当者や給与所得者として、その仕組みや税率について理解しておくと安心です。特に、源泉所得税の納付にかかわる給与担当者にとっては、納付書の作成時に必要な知識ですので、疑問点があれば早めに解決しておきましょう。

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