人事労務の基礎知識

源泉徴収の対象期間とは

源泉徴収とは、事業者が給与所得者に代わって、給料から天引きし、納税する制度のことを指します。
ここでは源泉徴収の対象期間と、交付期限をご説明します。

源泉徴収票の交付期限を過ぎると、法で罰せられる可能性があります。また転職者については、新たに入社する会社に源泉徴収票を提出すべき目安となる期限があるため、よく読んで参考にしてください。

源泉徴収とは

源泉徴収とは

源泉徴収とは、給料や報酬を支払う事業者が事前に所得税を差し引いて納税する制度のことを指します。基本的に個人の給料等に発生する所得税を代わりに納税する制度のことで、企業間の報酬のやり取りの際には発生しません。

源泉徴収の対象範囲について「個人が支払先の場合」:1. 給与や賞与、2. 原稿料、デザイン料、講演料などの報酬、3. 弁護士・会計士・税理士・社労士への報酬、4.外交員、集金人、検針人、プロスポーツ選手等への報酬、5. 演出家・芸能人への報酬、6. ホステスへの報酬、7. その他 利子や配当・退職金・年金。「法人が支払先の場合」:利子や配当。「海外居住者(外国法人)が支払先の場合」:利子・配当

源泉徴収の対象となるものの多くは給与所得であり、その他にはコンサルティングの報酬や賞金、プロスポーツ選手の契約金などにも源泉徴収が発生します。もちろん1つの団体に所属していないフリーランスのような方でも、企業やクライアントから報酬が振り込まれる段階で、源泉徴収され、代わりに納税されるようになっています。給与所得者等の代わりに、会社やクライアントが納税をしていると考えれば良いでしょう。

源泉徴収の対象期間

源泉徴収の対象となる期間は、その年の1月から12月までです。

その間に受け取った給与は年末調整を行うことによって、源泉徴収票に結果が記載されます。中には12月分の給与が翌月になって振り込まれる制度の会社もあるでしょう。その場合、原則1月に振り込まれた給与は翌年の源泉徴収の対象となります。

また年度の途中で転職した場合、年末調整には現在所属している会社と前職の源泉徴収票が必要になります。よって年末調整では、今の会社の支給額と前職での支給額の合算が、源泉徴収の対象になります。

源泉徴収票の交付期間

源泉徴収票は、会社側に発行が義務付けられています。なお源泉徴収はその1年間で支給した金額をベースに計算するので、従業員が転職して入社してきている場合には、前職と現職の2種類の源泉徴収票が必要になります。

基本的に源泉徴収票は年末調整や、従業員自身が行う確定申告に利用します。多くの会社では経理処理を効率化するために、12月か1月の給与支払時に年末調整を行うので、その給与明細とあわせて源泉徴収票を交付するケースが多く見られます。

給与所得者から要請を受けても源泉徴収票を発行しないまま放置していると、所得税法によって懲役または罰金を受ける可能性があるので注意をしましょう。また、法に触れない範囲でも、源泉徴収の発行や提出が遅れると税務署から指導が入ります。

年末調整後

会社の事情によっては、12月中に源泉徴収票の発行が間に合わないケースもあります。年明けまで業務を持ち越さないためにも、できれば12月中に発行を完了しておくことが理想ですが、仮に過ぎてしまっても対応は可能です。

退職者がでた場合

源泉徴収票

退職者が出た場合、事業者は1カ月以内に退職者に源泉徴収票を発行する決まりになっています。この期限を超えて、源泉徴収票を発行しないと最悪の場合、懲役または罰金が科せられる可能性があります。ですので、会社に退職者が出た場合は1カ月以内に源泉徴収票を発行するようにしましょう。

源泉徴収票の発行をスムーズに行うべき理由

法定調書のひとつである源泉徴収票は1月末までに税務署長に提出する必要があります。 万が一、源泉徴収票の発行を怠ると、退職者が新たな勤務先において年末調整ができないという事態に陥ります。

そうなると、退職者が「源泉徴収票不交付の届出書」という書類を税務署に提出する可能性があります。万が一届出書が提出されると、税務署から会社に対して直接、源泉徴収票不交付に関する事実確認をされたり、最悪の場合税務調査に入られる可能性もあります。

源泉徴収票は、所得税法第226条で「翌年1月31日までに1通を税務署長に提出し、もう1通を本人に交付する」よう義務付けていますので、十分注意しましょう。

また、退職者が転職して入社する場合には、入社時の必要書類として、前職の源泉徴収票の提出を求めるケースが多いようです。もしも間に合わない場合は、遅くとも年末調整の申告書を提出するまでが、提出期限の目安と考えましょう。

まとめ

源泉徴収とは、給与所得者に代わって、事業者が給料や報酬から規定の額を天引きし、納税をする制度のことです。源泉徴収の対象期間は、その年の1月から12月まで。なお従業員の中に、転職者がいる場合については、前職の源泉徴収票が必要になりますので、あらかじめ従業員に説明して手配させましょう。

源泉徴収票は1月末に事業所等の住所を所轄する税務署長に提出する法定調書のひとつであるため、期限に注意し、不備なく発行するようにしましょう。

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