人事労務の基礎知識

介護保険とは?計算方法や第1号・第2号被保険者など徹底解説

公開日:2020/02/02
最終更新日:2021/05/31

監修 飯塚 知世 社会保険労務士

介護保険とは?計算方法や第1号・第2号被保険者など徹底解説

介護保険は40歳以上の人を対象とし、市町村や特別区を保険者とした制度です。

これまで、何度か制度改正が行われてきた介護保険ですが、「そもそも介護保険とは何か」「第1号被保険者と第2号被保険者の違い」「介護保険料の料率などの計算方法」や「特別徴収など支払い方法」について解説していきます。

目次

社会保険の手続きや保険料の計算がラクに

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介護保険とは

介護保険とは、介護が必要になった高齢者を社会全体で支えるために、平成12年4月1日から施行された制度です。40歳以上の人には、介護保険への加入と保険料の負担が義務付けられ、被保険者が介護が必要な状態になったときには、介護サービスを40歳から64歳までの方は1割の費用負担で、65歳以上の方は1割または一定以上の所得のある場合は2割、特に所得の高い場合は3割の費用負担で利用することができます。

介護サービスを利用する際は、利用者の自己負担分を除き、約半分を公費(税金)で、残りの約半分を40歳以上の被保険者の保険料でまかないます。。

第1号被保険者と第2号被保険者の違い

第1号被保険者 第2号被保険者
対象者 65歳以上の者 40歳から64歳までの医療保険加入者
受給要件 要介護状態:
寝たきり、認知症などで
介護が必要な状態

要支援状態:
日常生活に支援が必要な状態
要介護、要支援状態が末期がんや関節リウマチなどの加齢に起因する疾病(特定疾病)による場合に限定
保険料負担 市町村が徴収:原則は年金から天引き 医療保険者が
医療保険の保険料と一括徴収

参照:厚生労働省 - 被保険者の範囲のあり方

介護保険の被保険者は、年齢によって区分されます。

  • 第1号被保険者:65歳以上の者
  • 第2号被保険者:40歳から64歳までの医療保険加入者
上記の2つには、介護サービスを利用できる条件のほか、保険料の算出方法や納付方法などに違いがあります。

介護サービスを受ける条件の違い

第1号被保険者は原因を問わず、要介護、あるいは、要支援状態と認定されると介護サービスを受けられます。一方、第2号被保険者の介護サービスの利用は、末期ガンや関節リウマチといった、加齢に起因する疾病(特定疾病)により要介護(要支援)認定を受けたときに限られます。

介護保険料の納付方法

第1号被保険者は、原則として年金から直接徴収する特別徴収という方法がとられています。

第2号被保険者は、加入する医療保険料とともに徴収されるため、国民健康保険の被保険者は世帯ごとに徴収されます。なお国民健康保険以外の被保険者も、加入している医療保険料と合わせて徴収されます。

被保険者が第2号被保険者に該当しない場合であっても、被扶養者が第2号被保険者に該当する場合には、介護保険で被保険者の扱いになり、介護保険料が発生する場合があります。詳しくはご加入の健保組合へお問い合わせください。

介護保険の保険料の計算方法

介護保険の保険料の計算方法は、第1号被保険者と第2号被保険者では異なり、さらに、第2号被保険者は国民健康保険とそれ以外の医療保険への加入者では違いがあります。この項目ではそれぞれの計算方法を紹介します。

第2号被保険者で国民健康保険以外の医療保険に加入している場合

国民健康保険を除く、協会けんぽや組合管掌健康保険、共済組合などの医療保険に加入している第2号被保険者は、給与や賞与に介護保険料率を掛けて、介護保険料が算出される仕組みです。そしてこの保険料の支払いは、事業所と被保険者で折半になります。

  • 給料の介護保険料=(標準報酬月額)×(介護保険料率)
  • 賞与の介護保険料=(標準賞与額)×(介護保険料率)
標準報酬月額は、賃金や給与などの報酬を区切りのよい幅で区切って決められているものです。この報酬の中には通勤代や残業代も含まれ、5万8,000円から139万円まで50等級に区分されています。

固定給が大きく増減したケースを除くと、年1回定時決定で決まった標準報酬月額が、その後1年間の保険料の計算に使用されます。標準報酬賞与額は、3か月を超える期間ごとに支払われる報酬から、1,000円未満の額を切り捨てたものです。

標準報酬月額について知りたい方は、『社会保険料の標準報酬月額とは? 決め方や改定のタイミング』の記事をご覧ください。

介護保険料率は健康保険組合によって異なり、協会けんぽの場合ですと、令和2年3月分から1.79%、令和3年3月分から1.80%となっています。介護保険料は次の式で算出します。
介護保険料=(標準報酬月額+標準賞与額)×介護保険料率
さて、協会けんぽに加入(保険料率は令和3年3月分以降)していて、通勤代などを含めた月額の報酬が23万5000円、賞与が42万9000円の人が納付する介護保険の保険料を例にあげて紹介します。

この場合の標準報酬月額は24万円で、標準賞与額は42万9000円になるので、計算式に当てはめると介護保険の保険料は次の通りです。
(240,000+429,000)×1.80%=12,042
この介護保険を会社と従業員とで折半するため、それぞれの負担額は6,021円となります。

第2号被保険者で国民健康保険に加入している場合

国民健康保険に加入している第2号被保険者の場合は、所得割と均等割、平等割、資産割の4つのうちいずれかを独自に組み合わせて計算され、介護保険料率も異なります。それぞれの違いは下記で確認してください。

  • 所得割:世帯ごとに被保険者の前年の所得に応じて算出し課せられる
  • 均等割:被保険者一人について算出し課せられる
  • 平等割:一世帯ごとに算出し課せられる
  • 資産割:所有する土地や家屋の固定資産税に応じて算出し課せられる
計算方法は各市区町村で異なります。具体的な計算方法については、居住している市区町村に確認してください。

第1号被保険者の場合

第1号被保険者の介護保険料の標準は9段階に設定されています。しかし、市区町村や特別区ごとに、収入によって段階別に基準額や保険料率が独自に決められています。

たとえば、東京都北区の場合は第1段階から第16段階まで設けられています。第6段階は被保険者本人に住民税が課税され、前年の合計所得金額が125万円以下のケースで、介護保険料は年額で、8万8,100円です。

参考:東京都北区『介護保険料の決め方

また、65歳以上従業員の介護保険料は、給与からは天引きされません。その際の徴収方法は年金から天引きか、従業員が直接市区町村に納めるようになります。介護保険料の給与からの天引きは、65歳になる誕生日の前日の月から無くなりますが、市区町村への届け出は特に必要はありません。

まとめ

介護保険の保険料の計算方法は、第1号被保険者は自治体によって異なり、第2号被保険者は、加入する医療保険による違いがあります。

監修 飯塚 知世 社会保険労務士

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