人事労務の基礎知識

源泉徴収票の作成と計算方法

公開日:2020/08/24
最終更新日:2021/10/20

監修 河島 桃世 特定社会保険労務士

源泉徴収票は、給与業務や経理業務に欠かせない書類の一つです。

この記事では、給与所得の源泉徴収について、初めてでも安心して源泉徴収票を作ることができるよう、作成・計算の方法をご紹介します。

源泉徴収票の作成 計算方法

目次

源泉徴収票の作成はボタン1つで

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源泉徴収とは?

源泉徴収とは、会社や個人など(以下「事業者」といいます。)が従業員に支払う月々の給与から税金(所得税)分をあらかじめ差し引いて、事業者が従業員の代わりに納税する制度のことです。事業者は、給与や報酬(ボーナス)を支払う従業員に対して源泉徴収を行う義務があります。

事業者が、従業員の代わりに源泉徴収を行うことによって、従業員が直接「確定申告」を行う必要が無くなります。また、国にとっても税収を安定的に確保し、徴税の手続きを簡便化するというメリットがあります。

源泉徴収票とは?

源泉徴収票とは、その年1年間(年の途中で退職した場合は、その年の1月1日から退職日までの給与期間)に事業者が従業員に「支払った給与額」と「源泉徴収した税額」などを記入した書類のことです。事業者は、主に年末調整が終わったタイミング、もしくは退職者が出たタイミング(退職の日以後1ヶ月以内)で、この源泉徴収票を作成する必要があります。

源泉徴収票は原則的に、従業員1人につき、従業員用(1部)・税務署提出用(1部)・市区町村提出用(2部)の計4部を作成。市区町村提出用は「給与支払報告書」という名称で、提出する年の1月1日現在の従業員の居住地の市区町村に提出します。

年末調整時に作成する源泉徴収票は、毎年1月31日までに提出対象者分について税務署に提出しなければなりません。

源泉徴収票の構成

源泉徴収票

実際の源泉徴収票にあわせて、大まかな構成をご紹介します。

1. 支払金額

控除や源泉徴収される前の額面上の年収のことを指します。サラリーマンであれば、給料や収入といった表現にもなります。非課税の通勤手当等は含まれません。

2. 給与所得控除後の金額

収入(支払金額)から給与所得控除額を差し引いた後の金額を指します。サラリーマン個人には経費という概念は薄いと思いますが、生活や仕事をするためには物を揃えたり、移動したり、働くために最低限の「経費」が発生します。

この経費見合いとして、給与所得者には給与の額に応じて決められた給与所得控除額を差し引くことができます。

3. 所得控除の額の合計額

給与所得控除後の金額から、社会保険料控除や生命保険料控除、扶養家族控除、基礎控除などの各種控除金額の合計額のことを指します。

4. 源泉徴収税額

実際に差し引かれる源泉徴収税額の合計が記入される箇所です。「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引いた金額に、規定の計算方法で計算することにより源泉徴収税額が決定します。

5. 控除対象配偶者の有

控除の対象となる配偶者の有無を記入する箇所になります。配偶者に収入がある場合などで配偶者特別控除の適用となる場合は、右側の「配偶者特別控除の額」に記入します。

6. 控除対象扶養親族の数

控除の対象となる扶養親族の人数を記入する部分です。扶養親族の中に、障害をお持ちの方がいる場合は、その右側の障害者の数に人数を記入します。

7. 社会保険料等の金額

給料から天引きされる「厚生年金保険料」や「健康保険料」などの合計金額を記入する部分です。

8. 生命保険料の控除額

社会保険料とは別に、民間の保険会社の保険や個人年金に支払っている金額を記入する部分です。年末調整の際に記入する「給与所得者の保険料控除申告書」 で計算した控除金額の合計額を記入すれば良いのです。

年末調整における所得税の計算方法

年末調整における所得税計算の流れ

それでは実際に計算方法をご紹介します。年収が400万円、配偶者控除あり、扶養親族1名の方を例に見ていきましょう。

1. 給与所得控除の金額を計算する

まず年収から給与所得控除の金額を算出します。年収400万円の場合、令和2年分の給与所得控除額の計算方法は、

収入金額 × 20% + 44万円

となります。よって、年収400万円の給与所得控除額は124万円となります。

給与所得控除の金額は、年収ごとに変動するので、詳しくは税務署のホームページを参考にするようにしましょう。また令和元年(2019年)分以前は計算式が異なりますので、注意が必要です。

2. 所得控除の額の合計額を計算する

まず先ほど算出した年収400万円の際に、適用される給与所得控除額である124万円を年収から差し引きます。 すると給与所得控除後の金額は276万円です。

そこからさらに、

  • 配偶者控除:38万円(配偶者の年収が103万円以下の場合)
  • 扶養控除:38万円(扶養家族の年収が103万円以下の場合)
  • 厚生年金保険料:60万円(年間で支払った金額全額控除)+健康保険料等の社会保険料
  • 生命保険料の控除額:12万円(限度額)
  • 基礎控除:48万円(一律)
上記の合計196万円を差し引きます。残った金額は80万円です。

3. 所得税率をかける

全ての控除を差し引いた80万円に「課税給与所得金額」と呼ばれる税率をかけます。195万円以下の場合、一律5%となるので、

800,000 × 0.05 = 40,000

本来はこれで源泉徴収税額の計算が終わるのですが、東日本大震災の復興対策として、新たに「復興特別所得税」が加わりました。

4. 最後に「復興特別所得税」を加算する

復興特別所得税は、課税給与所得金額にさらに2.1%を上乗せすれば完了です。

よって、課税所得が5%なら、2.1%上乗せし、「5.105%」の所得税率となります。計算式としては、

800,000 × 5.105% = 40,840

となり、年収400万円の方の源泉徴収税額は40,800円となります(年末調整の場合は、100円未満が切り捨てされます)。

源泉徴収票の記入の流れ

では実際に、上記の計算例を源泉徴収票に記入する場合の流れをご紹介します。

  1. 給与所得者(受給者)の情報を記入する

    源泉徴収票の最上部にある「支払いを受ける者」の部分に、給与所得者の住所と氏名を記入します。なお、税務署提出用の源泉徴収票には、マイナンバーまたは法人番号を記入します。受給者交付用(従業員用)には記入不要です。
  2. 「支払金額」に400万円と記入する。
  3. 「給与所得控除後の金額」に2,760,000と記入する。
  4. 「所得控除の額の合計額」に1,960,000と記入する。
  5. 「控除対象配偶者の有無等」に有をつける。

    控除対象配偶者がいる場合、用紙の下半分にある「控除対象配偶者」欄に氏名を記入します。
  6. 「控除対象扶養親族の数」に扶養親族の人数を記入する。
  7. 扶養親族がいる場合は、用紙の下半分にある「扶養対象扶養親族」欄に氏名を記入します。
  8. 「社会保険料等の金額」に600,000と記入する。
  9. 「生命保険料の控除額」に120,000と記入する。

    生命保険料の控除額がある場合、摘要欄の下にある「生命保険料の金額の内訳」に内訳を記入します。
  10. 「源泉徴収税額」に40,800と記入する。

まとめ

源泉徴収票の作成の際には、金額などを正しく計算するほか、間違いなく記入していく必要があります。源泉徴収票の内容は、翌年の住民税額を決定するもとになる給与支払報告書の内容にもなりますので、しっかり時間をとって作成しましょう。

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