給与計算・労務管理の基礎知識

年末調整の法定調書合計表・支払調書の書き方

企業で必ず行う必要がある年末調整。源泉徴収票や給与支払報告書の作成のほかに、「法定調書合計表」、場合によって「支払調書」も作成する必要があります。
今回は、法定調書合計表と支払調書、それぞれの内容と書き方のポイントを解説します。

法定調書合計表 とは

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法定調書と法定調書合計表

「法定調書」とは、「所得税法」、「相続税法」、「租税特別措置法」、「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により、税務署への提出が義務づけられている資料のことです(国税庁)。全59種類ある法定調書には、税務署に提出する書類である支払調書や源泉徴収票も含まれています。

そして法定調書合計表とは、全59種類の法定調書のうち、作成した法定調書すべてを種類ごとに集計して記載するものです。法定調書合計表は、作成した法定調書を税務署に提出する際に、あわせて提出します。

法定調書合計表に記載する内容

法定調書合計表に記載する主な内容として、以下の6種類が挙げられます。

  • 給与所得の源泉徴収票合計表
  • 退職所得の源泉徴収票合計表
  • 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表
  • 不動産の使用料等の支払調書
  • 不動産等の譲受けの対価の支払調書
  • 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

一般的には、このうち「給与所得の源泉徴収票合計票」「退職所得の源泉徴収票合計表」「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表」の3項目に記入が必要となります。

「不動産の使用料等の支払調書」については不動産の貸主が個人のとき、賃料が年間15万円を超えた場合に、また貸主が法人のときは更新料が年間15万円を超えた場合に提出が必要となります。

法定調書合計表の提出期限

法定調書合計表は、毎年1月末が提出期限とされています。

支払調書 とは

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法定調書のひとつである支払調書は、同一の相手に支払った金額が5万円以上である場合に作成します。支払調書の発行者は源泉徴収義務者である企業で、受け取り手は主に個人事業主・フリーランスとなります。

支払調書には1年間の報酬とその報酬に対して支払われた源泉徴収税額が記載されており、一般的な企業勤めの方が受け取る源泉徴収票のような扱いとなるものです。

ただし、支払いを行った側が支払いを受けた側に対して支払調書を発行する義務はなく、実務的に控えを渡すことが多く見られます。支払いを受けた側も支払調書を税務署に提出する義務はありません。

支払調書の提出義務が生じるケース

ただし、支払調書は弁護士、税理士等への報酬、作家への原稿料や画家への画料や講演料等については、同じ人に1年間に支払った金額が5万円以上である場合は税務署への提出義務が生じますので注意が必要です。

また「法定調書合計表」の項でも触れられているように、不動産の売買や貸付け、譲受けを行った場合にも支払調書が必要となるケースもあります。

支払調書の提出期限

支払調書は法定調書合計表と同様に、毎年1月末が提出期限です。

法定調書合計表の書き方

企業情報の記入

法定調書合計表の「給与所得の源泉徴収票合計票」上欄には、企業の情報を記入します。

「給与所得の源泉徴収票合計表」の記入

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区分A「俸給、給与、賞与等の総額」の「人員」欄には途中退職した人を含め、1年間に支払いを受けた人数を記入します。この人数は基本的に源泉徴収票の数と同じ人数で、年の途中で退職した人も含めるのがポイントです。

「支払金額」欄には1年間で支払った給与の合計金額、「源泉徴収税額」欄には源泉徴収税額の合計を記入します。中途入社をした社員がいる場合は、前職の給与額と源泉徴収税額は支払金額に含めずに、自社が支払った給与と源泉徴収税額だけが対象となる点に注意しましょう。

区分「B 源泉徴収票を提出するもの」には、年末調整をしたもののうち以下に該当する一定額を超える源泉徴収票を提出する人数の記入が必要です。

  • 給与支払額が1年間で150万円を超える法人の役員
  • 給与支払額が1年間で250万円を超える弁護士、司法書士、税理士
  • 上記以外で給与支払額が500万を超えるもの
  • 年末調整をしなかったもののうち
  • 年収2000万円を超えるもの
  • 退職者のうち給与支払額が50万円を超える役員、250万円を超える従業員
  • 給与所得の源泉徴収税額表の月額表の乙欄、または日額表の丙欄適用者で給与支払額が50万円を超えるもの

「退職所得の源泉徴収票合計表」の記入

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区分A「退職手当等の総額」は退職手当を受けたすべての人数と支払額、源泉徴収税額の総額を記入します。

通常、区分B「Aのうち、源泉徴収票を提出するもの」は退職金を受けた役員が該当するため、源泉徴収票の提出の必要がありません。よって、基本的にこの欄は記入不要となります。

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表」の記入

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「給与所得の源泉徴収票合計票」同様、支払いを受けた人数、支払われたそれぞれの報酬の総額、源泉徴収税額を記入します。

通常、支払先が法人である場合は源泉徴収の対象外となります。しかし報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表では、このような源泉徴収の対象ではない法人への支払い分を含めた合計数を記入する必要があります。

支払調書の書き方

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支払調書は、税務署に提出する分には法人番号と個人番号を記載しますが、支払先である個人へ控えとして渡す分には個人番号を記載しないことに注意しましょう。 また、支払調書には税込の金額を記載します。消費税欄が別に設けられている場合のみ例外的に税抜の金額を記載し、摘要欄に消費税の金額を別途記載してください。

「区分」には原稿料、弁護士報酬、税理士報酬など支払先の業務内容を記載、「細目」には区分に関連した名称を記載します。たとえば原稿料であれば支払い回数、弁護士報酬であれば関与した事件名などが当てはまります。
支払金額欄と源泉徴収税額欄には、それぞれ1年間の総支払額、源泉徴収税額を記入します。

最後に、支払いを行った事業者の情報、マイナンバーを記入して終了です。

まとめ

法定調書合計表と支払調書は書くべき項目、書かなくてもよい項目があるなど一見複雑ですが、書くべき項目とまとめるべき項目を押さえることが大切です。各書類のポイントをしっかりと押さえたうえで作成しましょう。

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